とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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燭台切:
無理しすぎちゃ駄目だよ。それじゃあ、…約束、楽しみにしてるから。
( 此方が職務の話題を切り出せば、即座に思考が切り替わったらしく崩していた足を直す様を見詰め、何処となくつまらなく感じる己から目を背け。先程まであの瞳は自らに夢中だったというのに、面白くない。子供染みた考えを持ちつつ、如何にも物事を俯瞰しているかの如く優しく声を掛けて。これ以上休憩させては生真面目な彼女は逆に心が休まらないだろう。自分を納得させ、再び書類へと向き合う彼女を見、先程取り付けた洋菓子の約束を心で反芻するとその旨を伝え、腰を上げ彼女の執務室を後にして。)
霖:
…ん、……忘れちゃった、かも。
( 少しは彼の狼狽が引き出せるのではないかと期待したが、返ってきたのは存外に落ち着いた低い声。先程はああ言ってはいたが、本当は児戯としか受け取っていないのではないかと疑いたくなる。指を唇に押し当てられ、喋り辛く声をくぐもらせつつも拙く返事をし、小さく唇を尖らせリップ音を鳴らし。そも彼は此方が困るだろうと忠告していたが、彼相手ならば困惑はあれど嫌悪も極めて薄い。結局昔も今も、彼の気を引くことに必死な点は全く変わっていない。頬に添えた手で片目を隠す髪を軽く避け、暗闇に光る金の双眸をほうと眺め。儘ならない現状に内心で溜息を吐き。)
…だって、だって、相手が膝丸だから。
→ 日和
ええと、書類は片付けたし、遠征部隊は見送ったし、日課も大体終わってるはずだから…──よし。
( 彼との約束から二週間程が過ぎた今日。普段より比較的仕事量が少ないからと早朝から張り切って日課をこなし、テキパキと書類を纏め、今し方部隊を遠征に向かわせた所で。執務室にて業務が大方終わった事を指折り確認した後、満足そうに腰を上げて洋菓子を作る時間が出来たとほっと表情を緩め。あの日以来、業務に追われてのんびり過ごす事が出来なかった。故に、彼との約束を中々果たせず思い悩んでいたのだが、この日漸く時間を空ける事に成功し。早速足りない材料の買い足しをと財布を持って執務室を出ては、外出する事を近侍である彼に伝えておこうと姿を探して回り )
→ 膝丸
主、──…相手が俺であれば、何をしようが襲われる心配もない、と?
( くぐもった拙い言葉と、官能的に響いたリップ音のせいか、まだ成人にも満たない筈の彼女が色っぽく見えてしまう。昔とは全く違うと、それを充分に理解した上で共寝に挑んだのだが、こうまで彼女に翻弄されてしまっては示しがつかない。忘れたなどと述べる彼女を咎める為、眉間に皺を寄せて口を開いたものの、彼女の手により視界が良好になった途端、意味深な発言を耳にすれば一度口を噤み。彼女にとって、己の存在とは何なのだろう。昔は結婚するとまで言われる程に懐かれていたわけだが、過去は過去、現在の彼女が同じ気持ちでいるわけがない。ならば親戚のお兄さんの様な感覚だろうか。考える程に湧いてくる苛立ちを無理矢理に抑え込み、彼女の白く細い首に手を滑らせては、無意識に鋭さを増した眼光でじっと見据え )
燭台切:
──…主?何処か出掛けるのかい?
( 諸用を済ませ、知己であった刀剣の部屋から出ると、前方に主人の姿を目に捉え。ここ数週間は業務が特に多く、執務室に籠ることも多かったため、何処か安堵を覚えて。手に財布を持っていることに気付くと、小首を傾げて。万屋にでも行くのだろうか。本日の業務は全て済ませたのだとしたら特に何も言うことはないが、それなら己も同伴しようかと小走りで彼女の前へと回り込み、声を掛けて。何か入り用が多いのなら荷物持ちも必要だろう。首を傾げて一先ずは確認を。)
霖:
…ううん、ちょっと違う。襲われるかもしれないけど、心配はない、だね。
( 彼自身の切れ味の鋭さと美しさを良く現した蛇の目に射抜かれ、竦むこともなく瞳を揺らし、溶けた視線を彼へと送り。見下ろしているのは此方の筈なのに、それを全く感じさせない力強い雰囲気に只管心を惹かれてしまう。果たしてこの感情は、眠気で正常な判断力が欠如しているだけなのだろうか。僅かに口許を緩め、頬の輪郭を指先で辿りながら口を開き。彼を男性として見ていない筈がない。寧ろ自分の中の理想の男性はいつまで経っても彼一人であり、今こうして触れ合えている状況が幸せで仕方ない。だからと言って据え膳となる程肝が座っているわけでもないが。へにゃり、気の抜けた笑みを浮かべて。)
───ねえ、もう本当に結婚できる歳なんだよ。
→ 日和
あ、みっちゃん居た…!うん、ティラミス作るから材料買ってこようと思って。一応報告です。じゃあ行ってくる──、
( 彼が居そうな場所を重点的に見て回るも、中々見つからない事に首を傾げ。今日は内番でも無かった筈だが、何か用事でもあるのだろうか。そう疑問を膨らませながら歩みを進めていた所で、まさに探し求めていた彼が目の前に回り込んで来ると嬉しそうに笑みを浮かべ、察しの良い確認に首肯して報告を済ませ。そのまま早速出発をとばかりに足先を玄関に向けたのも束の間、ふと頭を過ぎった思考に足は止まり。普段政府からの呼び出し以外でこの本丸の敷地から殆ど出ない己には、何のお店が何処にあるかなど曖昧だ。流石に迷ったりはしないだろうが、付き添いは欲しいところ。ふむ、と顎に手を添え数秒考え込んだのち、目前の彼へと視線を投げれば、本丸で一番古株の男士の居場所を尋ね )
そうだ、歌仙がどこにいるか知らない?
→ 膝丸
──…そうだな、君はもう結婚できる。
( 彼女から与えられる溶けた視線を受け止め、その緩んだ口から溢れる言葉には顔を顰める。襲われるかもと危機感はあるのに、心配はないとはどういう意味なのか。恋仲でない異性に軽々と言う程彼女が子供でない事は分かっているが、ならば何故己にそんな事を言うのだろう。頬の輪郭を撫でる悪戯な指を空いている手で軽く握り、頭で難しく考えながら黙ってただ彼女を見詰め。しかしふと、呑気な程に表情を崩した彼女の様子を見れば、一気に毒気も抜かれてしまい。あんなにも苛立っていたのが嘘のように消えていく。無意識に寄せていた眉間の皺を和らげ、穏やかな心持ちで優しく言葉を零し。無論、その相手が誰かなど考えたくもないが、今はそれ以上口にするのも憚られ。互いに睡魔を抱えたまま会話するから拗れるのだろう、先程までの自身の態度に反省の色を見せながら、そろそろ横になる様にと彼女の手を引き )
俺も随分と眠気が回っているようだな。…もう寝るぞ、主。
燭台切:
ちゃんと事前に買う物は決めておくんだよ、無駄遣いはしちゃ駄目だからね。
( 己の姿を捉えると共にぱっと華やぐ表情を見ると、何処か満たされていくのを感じつつその旨を聞き頷きを。早めに業務を終わらせ、要望を聞き入れようとしてくれていたらしい。あの日から既に数週間経過していることもあり、覚えていてくれたことに頬を緩め。一応と注意を一つ押し付け、玄関へと向かうその姿を見送り、ぴたりと止まった足に小首を傾げ。再び此方へと振り返り、その口から出た慣れ親しんだ細川の刀の名が出ると、更に角度を深くし。出掛ける寸前で彼への用事となると、急ぎのものかもしくはこの買い物に関わることだろう。前者であれば御門違いだが、後者なれば己でも代替は可能な筈。)
付き添いなら僕が行こうか?どうしても歌仙くんが良いって言うなら構わないけど…。
霖:
………うん。明日の朝にはちゃんと、主できるから。
( 彼の表情がすっと和らいでいくのを見ると、此方も穏やかに笑みを浮かべて。手を引かれると素直に身体を倒し、再び向き合う形で寝具へと身を沈めて。隣に横たわる彼を見詰め、未だ溢れんばかりの幸せを感じながら、幼い思い出と重ね合わせて。せめて眠るまでは、彼への恋慕に夢中だった稚い自分でいたい。先程引かれていた手を取り、そのしなやかながらも無骨な男性の手と指を絡め。その指先へと唇を寄せ、ちゅ、と小さく音を立てれば満足げに表情を絆して。段々と眠気に侵されていくのを感じながら、暫くお預けの愛しい人に宵の挨拶を。)
───…おやすみ、膝丸。
(/ 突然の背後失礼致します!いつもめちゃくちゃ格好良い膝丸くんをありがとうございます満たされてます…!
お伝えし忘れていたのですが、歌仙さんの提供も勿論可能ですので、お買い物の付添いがてら相談したい!など展開の要望がございましたら、お気軽にお申し付けくださいね。それだけ伝えたかっただけですので蹴って頂いて構いません!)
→ 日和
あれ、いいの?今日は忙しいのかと思ったんだけど…。なら一緒に──、
( 彼からの注意を受けて苦笑しつつ、事前に買う物は確認しているし、財布の中にメモを入れているから大丈夫だろうと視線を手元へ下げ。まるで母親の様だ、なんて小さく肩を竦め。しかし、続いた付き添いの申し出にはきょとりと首を傾け。てっきり彼は予定があるものだと思っていたのだが、どうやら勘違いだったらしい。ならば彼を誘っても良いのだろうかと、普段通り甘えかけた所ではっと言葉を途切り。日頃面倒を掛けているお礼として洋菓子を振る舞うというのに、こんな時まで彼に頼ってしまうのは如何なものか。何処か親離れ出来ていない子供の様な甘えた気分を払拭するべく咳払いしては、心苦しく思いながらも適当な理由を付けて彼からの申し出を断る事にし )
うーん、と……歌仙と話したい事もあるし、今日は私がお世話したいから…その、みっちゃんにはゆっくり休んでて欲しいな?
→ 膝丸
ああ、ゆっくり休むと良い。
( すっかり落ち着きを取り戻し、素直に寝具へと身を預ける彼女を微笑ましく見守り。改めて、幼き頃の彼女と過ごした穏やかな日々を思い出す。あの頃と変わらない彼女の笑顔は、己の内に潜む黒く靄のかかった感情を全て振り払ってくれる。出来る事ならずっと愛らしい彼女のままで、と。そう願ってしまうのは己の下心からだろうか。絡めた指先へと口付け、満足そうな表情を見せる彼女に口角を緩めては、随分と絆されている己自身に苦笑を零し。微睡みながら宵の挨拶を口にした彼女の綺麗な黒髪に柔く唇を触れさせ、低く潜めた声音で挨拶の言葉を告げて )
──…おやすみ、主。
( / 此方も背後から失礼します!いえそんな…!探り探り状態なので変な所がないのなら良いのですが…。控え目に見えて大胆な娘様に翻弄されております() そして此方こそ、格好良くて世話焼きなみっちゃんを有難う御座います!癒されます、すごく…!
お気遣い有難う御座います。折角の提案なので、歌仙くんとお出掛けがてらぽろぽろと相談出来たらと思うのですが、宜しいでしょうか…?因みに、其方からも他の子と絡みたい等の希望があれば何なりと申し付け下さいませ。 )
燭台切:
うん、それじゃあ早速───…って、あれ?
…そう、なら仕方ないよね。歌仙くんなら多分部屋だよ、さっき抹茶が届いていたから、きっと濾してるんじゃないかな。
( 聞こえた良い返事に表情を緩め、勿論と首を縦に振りかけた時、唐突な前言撤回に呆然と彼女を見詰め。まるで上げて落とされたような気分に陥りながら、一先ず苦笑混じりに了承を返し。何か彼女に悪いことでもしてしまっただろうか。思い当たる節が何もないのがまた恐ろしい。必死にここ数日の彼女との会話を思い返しつつ、初期刀の彼の居場所の推察を伝え。もしや話したいことというのは、己に対してのことなのだろうか。段々と思考が自意識過剰に傾き始め、内頬を噛んで。主人が帰るまでの折角の暇だが、どうやら休めそうにはない。一つ笑みを残すと、自室へと足取り重く向かい始め。)
霖:
────…うう、…。
( 今朝は一等意欲が湧かなかった。もぬけの空だった本丸に初めて足を踏み入れてから一ヶ月、共寝の宵から早一週間。どの程度意欲がないかと言うと、起床するなり寝具を畳んで服を着替え、薄暗い押入れに布団と共に籠城を決め込む程度には。原因は政府より届いた一枚の文であり、内容は端的に言うと、未だ立て直されていない本丸の進捗を咎めるもので。何度も何度も読み返し、その度に溜息を。こんなことをしている暇があれば、新たな刀剣の顕現に努めるべきなのも分かっている。しかしだからこそ意欲が湧かない。柔らかな寝具へと凭れ、最早文字を眺める程度で文へと目を通すと、憂いた気分のまま何をするでもなく暗闇に目を慣らし。)
(/ ひー何方も嬉しいお言葉を…!此方も上手く転がされてくれる日和ちゃんが可愛くて可愛くて、もっとみっちゃんを積極的にしたいのをぐっと堪えていますとっても可愛い………。
勿論可能です◎それでは次のレスから歌仙さんに代わりますので、適当にそういった流れを作ってくださればと思います。これはみっちゃんがやきもち焼いちゃう流れもありますね!!
お気遣いありがとうございます…!主様さえ宜しければその内髭切さんなんかともお話出来れば良いなと思っています。近侍でも想い人でもないからこその距離感で兄者セラピーして頂ければ上手いこと弟さんに妬いてもらえるかなと…他人に嫉妬とか(略) )
→ 日和
えっと…ごめんね。ありがとう、みっちゃん。
( 彼を弄ぶ様に一度言い掛けた事を撤回してしまったが、苦笑混じりに了承を得られると胸を撫で下ろし。先程の問いへの返答を貰うと、何処か足取り重く去って行く彼の後ろ姿にお礼の言葉を掛けて。その姿が見えなくなれば眉を下げ、ほんのりと感じる心細さをぐっと堪えて歩みを再開し。ちょっとした罪悪感が拭いきれないものの、一先ず言われた通りに初期刀である男士の部屋まで進んでいき。然程遠くもなく目的の部屋まで辿り着けば、一番付き合いが長いという事もあってか、少し気の抜けた声で呼び掛けながら部屋の扉をノックして )
──…歌仙くーん、居るかな?
→ 膝丸
主、俺だ。入るぞ。…朝餉の支度が整ったらし──……主?
( 彼女と一番距離が近かったあの宵から一週間、近侍としての務めに励む日々が続いており。当たり前の日常に物足りなさを感じるのは、彼女とゆっくり時間を取れないからか。そんな邪な感情に蓋をして、己が兄者と慕う刀と共に朝方から本丸内を歩いて回っていたのだが、厨へ寄った際に当番の刀からそろそろ朝食が出来るとの報告を受け。ならば主人に伝えなければと、兄刀と一旦別れて彼女の元へ向かい。そうして執務室の前に着いて静かに声を掛ければ、襖にそっと手を添え。朝食に呼びに来た旨を淡々と伝えながら開いていくも、伏せていた瞼を上げた所で彼女の姿がない事に一つ瞬きを。特に外出等の報告は受けていないが、彼女はどこに行ったのだろうか。ゆっくりと中へ足を踏み入れると、辺りを見回しつつ首を傾げ )
( / わわ、そう言って貰えると安心です…!ヘタレというか、何だか頼りない子に見えてきてどうしようかと打ち震えていた所で…。
有難う御座います!早速部屋に訪ねさせて頂きましたので、宜しくお願いします。くっ、何とかやきもち焼いてもらえように頑張らせますね!
勿論です。頃合いを見て然りげ無くアピールしてもらえれば、髭切さんを向かわせますので!呑気に振り回すフリして、上手く二人を後押し出来れば万々歳ですね。膝丸はそれを見てやきもきしてそうですが…! )
歌仙:
───…主?
何かな、僕に用事かい?相談なら今丁度茶を切らしているんだけど…。
( 今日は朝から同部屋の短刀が遠征へと赴いている為、どうにも部屋が広く感じる。折角ならば彼が帰ってくる前に花でも活けておこうかと緩衝材に包まれた水盤を見繕っていると、襖を隔てた廊下から聞こえる凛とした女性の声。腰を上げて戸を引き、その姿を捉え。小首を傾げて何か腰を据えて話したいと言うのなら部屋を通すが、まずは普段より花器やら鋏の散らかる部屋を少しでも整えるのが先決だろうか。片手で軽く顔を覆い、己らしくない現状の室内を一瞥し。一先ず上座へと座布団を敷き、主人を案内すべきだろうか。)
霖:
……あの、膝丸。今日朝ご飯いらないって言っておいて。
( 恐らくは室外から聞こえた声に肩を揺らし、聞こえる襖の音に肩を竦め。語尾の上がった疑問符付きの声色を聞くともう一つ溜息を。実のところ余りの情けなさから彼とは会いたくないところだが、誰に何も告げずに主人が不在という状況は流石に不味いだろう。敵襲だ何だと心配されても困る。髪と呼吸を軽く整え、ゆっくりと収納の戸を引く。顔を覗かせ彼の姿を視認し、申し訳なさそうに眉を下げると掠れ気味の小さな声で断りを入れ。今伝えておくべきことは他にあっただろうか、思案するように視線を上へと向け、特にないと結論付くと、「それじゃ」と雑に締め括り、再び内側から襖を閉め。)
(/ いえいえ、とっても庇護欲を唆られて毎回楽しみにしています…!丁度いいヘタレっぷりといいますか、揶揄うのが楽しくて楽しくて!
取り敢えず歌仙さんを出させて頂きました。またイメージと違う、などありましたらお気軽にお申し付け下さいね!)
→ 日和
あ、そうじゃなくてね。今からちょっと買い出しに行こうと思ってて、歌仙に付き添いをお願いしたいなぁと……でも、お取り込み中だったかな?
( 部屋に居なければ洗濯中、又は厨にいるだろうかなどと襖の前で待機しながら考えていたが、目前の戸が開いた事で思考を打ち切り。見慣れた彼の姿を捉えるとほっと安心しつつ、緩く首を振って用件を伝え。来てくれるだろうか、なんて淡い期待と共に彼を見たものの、片手で顔を覆って室内へ視線を遣る様子に小首を傾げては、己も控え目に顔を覗かせてみる。何やら作業中だったらしい。花器や鋏の散らばる室内に間が悪かっただろうかと苦笑を浮かべると、身を引く様に一歩下がり。手が空いてないのであれば仕方ない、他の非番の男士達から手の空いている子を探すか、もういっそ一人でも良いかとぼんやり考え込み )
→ 膝丸
──は、……何を、しているのだ?
( すれ違いで部屋を出てしまったのか、誰も居ない室内を見て回った後、執務室を出て探しに行こうと踵を返しかけたところ。戸を開ける様な擦れた音を耳にするなりばっと振り返り、そこで目にした彼女の姿には呆然とし。何故主人は布団と共に押入れの中に入っているのだろうか。小動物みたく小さな身体を更に丸めている様子に和みはするが、驚きの方が優ってしまう。彼女の言葉をどこか遠くに聞きながら、その場でただゆっくりと瞬きを繰り返していたも、再び戸を閉めて姿を隠してしまった主人に片眉を上げ。己が見ていない間、彼女に一体何があったのか。突然の珍妙な行動に困惑しながら押入れまで歩みを進めては、腰を屈めて問答無用で戸を開き )
" それじゃ "ではないぞ、主。何故このような場所に入っているのだ。
( / 有難う御座います…!楽しみにして頂けているのなら良かったです!ヘタレっぷりが悪化しないよう躾けておきます()
いえいえ、大丈夫です!素敵な歌仙さんで文句の付けようがありません!このまま宜しくお願い致しますね。では他に何もなければ、此方の会話は蹴って貰って構いませんので。 )
歌仙:
…きみが、買い出しに?随分と珍しいな…。
いいや、構わないよ。特に用もなく暇をしていたところだからね。
( 彼女の口から出た言葉に思わず翠の瞳を丸くし、半ば無意識に復唱を。政府からの呼び出し以外では滅多に外へと足を運ばない彼女が、自主的に買い出しとは。その状況に僅かの興味と多大な心配が湧き、苦笑を浮かべ一歩下がる主人に柔和な笑みと頷きを返し。自分がここで断って、一人ででも行かれたら大変だ。生真面目ではあるが抜けている面も多い彼女に頼られたのならば、初期刀として応えなくては。何処か誇らしげに肩の力を抜き。しかし頼られるのは歓迎だが、どうして己なのだろうか。後ろ手に部屋の襖を閉め、純粋な疑問に首を傾げ。)
燭台切には何か用事が?真っ先に近侍に頼むものだと思っていたよ。
霖:
わ、っ────!い、いったぁ…。
( 再び戸を閉めると、ふっと気が抜け布団へと身を埋め。先日昼間の内に干しておいたため、ふかふかと柔らかく身体を包んでくれる。それだけで既に眠気を誘い、もう一度眠りに落ちてしまおうかと重い瞼を下ろし。寝ている間は何も考えなくて良い。どうせ昼前には自然に眼が覚めるだろう、それまで暫しの休息を──そう思った瞬間、唐突に戸が開かれ思わず反射的に跳ね起き、鈍い音が広がり頭を押さえ。じわじわと広がる痛みに涙を滲ませ、情けなく表情を歪めて彼の方を見詰め。それでも、矢張り彼とは余り離したくはない。きっとこの事を伝えれば、更に心配をかけ負担になってしまうだろう。拗ねた子供のように寝具へと顔を埋め、居心地悪く思いながら身動ぎを。)
…昔から、落ち込んだ時は押入れなの。
→ 日和
ほ、本当に?じゃあ、えっと…お願いします。
( 無意識にか復唱する彼を見て一つ瞬きを。己が買い出しに赴く事は、そんなに珍しいものなのか。基本的に最低限の外出で問題なく暮らせている為、内心不思議そうにしながら頷きを返す彼に首を傾げ。作業を中断させてしまっても良いのかと彼の背後へ視線を何度か向けつつも、後ろ手に襖を閉められては、変に遠慮する事もなく改まった様子で軽く頭を下げ。しかし、続いた疑問の言葉を聞き入れるなりぴくりと動きを止めては、唐突に肩を落としながら日頃の行いを反省し始め。己が近侍の彼ではない男士を頼るのは、周りから見れば疑問に思うような事。その認識が定着しているのだとしたら、己はどれだけ彼に甘えてきた事か。情けない声を出して眉を下げつつ、ずっと立ち止まったままでいるのは時間が勿体無い、と一先ず足を動かして )
う"…そう、それなの歌仙。私、いつも真っ先にみっちゃんを頼っちゃうでしょ?だから今日はお礼をしたくて……うー、最近色々ダメになってる気がする。
→ 膝丸
っ、すまない!急な事で驚かせてしまったな。
( 用件のみを簡潔に告げて引っ込んでしまった主人に、つい声掛けもなく戸を開いてしまい。その事に驚いた彼女の頭部から鈍い音が響いて来ると、はっと焦った様子で謝罪を。配慮が足りなかった自分を内心で叱責しながら、涙を滲ませた彼女の表情に僅かに眉を下げ。それから寝具に顔を埋めてしまった彼女に手を伸ばし、ぶつけたであろう頭部を優しく撫でて。何処か懐かしさを感じる光景に目を細めた後、彼女の口から出た『落ち込んだ時は』という言葉に緩んだ表情を引き締める。つまりそれは、今現在主人は何かを気に病んでいるという事で。それを聞いて放っておく事など出来る筈もない。彼女の両肩を掴んで、此方を向くよう少々強引に動かしては、彼女の顔を覗き込むようにして原因を探ろうと問いを投げ )
ならば、君は今落ち込んでいる、と。──何があったか、話してもらえるか?
歌仙:
主、まずは落ち着くのが先決のようだね。時間は沢山あるから、筋道を立てて話してごらん。
( 芯のない声と分かり易い表情に思わず苦笑浮かべ、彼女が歩みを始めれば自らも歩調を合わせ。その口から出るのは断片的な情報のみで、言ってしまうと余り雅とは言い難い。何となく事情は察することが出来るが、それでは己の美意識に反する。一つ溜息を吐くと、彼女の肩をとんと軽く叩いて声を掛け。詰まる所は彼との付き合い方に悩んでいるのだろうが、側から見ていて特に問題があるようには感じられない。それどころか最近唐突に呼び名を変え、更に懇ろになった印象まである。玄関まで着くと履物に足を通し、一度足を止めて彼女の様子を窺い。ここは文系の自分が、上手く彼女の蟠りを解く他あるまい。)
霖:
う、……そうだけど、……。
( じくりと痛む頭を優しく撫でられ、それだけで胸中を満たす安堵に我ながら呆れてしまう。昔は怪我や病気の際に手を当てがって治癒を願った故に手当てというわけだが、これを体験した後では確かにと思ってしまう。両肩を掴まれ彼の方へと向けられると、気まずげに視線を逸らし。内心を吐露してしまえば、彼はきっとこの上なく優しく励ましてくれるのだろう。望めば抱き締めてさえくれるだろうし、今よりずっと気分が高揚するのは見えている。しかしそれでは、いつまで経っても彼に甘えたまま。ただ無邪気に笑っていれば良かった昔とは違い、今は彼の主人であり、それも未だ半人前。手に握った文をぐしゃりと丸め、目の前の甘い誘惑にぷいと顔を背けて。)
やっぱり駄目。…主だもん、ずーっと近侍に甘えていたくないの。
→ 日和
そ、そう、だよね。落ち着くからちょっと待って──、
( 整理も出来ていない状態で口に出したからか、余計に頭がごちゃごちゃしてしまい、隣を歩く彼に窘められると落ち着くべく深呼吸を。その間頭で物事を整理していくが、どうにも上手く纏まらない。雅を好む彼に相談するのであれば、しっかり順を追って説明しなければならないというのに、どうしたものか。無意識に口をへの字に曲げながら首を唸らせては、最近の己達の何処にも違和感を感じていないらしい彼へと視線を寄越し。己が近侍に頼り過ぎたばっかりに、今の状態が普通なのだと確実に洗脳されている、と罪悪感からぎこちなく顔を下向かせ。しかし辿り着いた玄関先にて履物に足を通しては、小さく息を零してから再び彼を見遣り、ゆっくりと言葉を紡いで )
…前から、みっちゃんに面倒を見られる事が多かったのは知ってるよね?その、私がだらしないから、なんだけど。
→ 膝丸
君は気を張り過ぎだ。主だからと、一人で何でもかんでも背負うものではないぞ。
( 彼女は甘え下手の部類に入るのではないだろうか。確かに彼女の世話はしているが、それは近侍としてのサポートを担っているだけに過ぎず、甘やかしているのとは全く違う形のもので。日頃から甘えられている気はしないのだが。顔を背けてしまった彼女に一つ息を吐けば、どうにか頼ってくれないものかと宥める様な口調と共に軽く肩を叩いて。彼女の事だ、きっと落ち込んでいるのはこの本丸絡みの事で間違いない筈。ならば尚更、己や他の刀剣達の事を頼って欲しいのだが、そっぽを向かれてはどうしようもない。だがふと、彼女の手に握られている一枚の紙に視線が止まれば、不思議げに肩に乗せていた手でその手を取り。抵抗されぬよう片手で手首を掴みながら、無言で白く細い指を一本ずつ解いていき )
歌仙:
ああ、…きみは少し抜けているからね。彼も世話を焼くのが好きな性分なようだし。
( 形のいい唇がへの字に曲がり、首が捻られ、何か言いたげな視線を投げ掛けられ、また何か考えに至ったのか下を向いてしまう。どうにも分かりやすい娘だ。ただ一片の悩みに振り回されているだけでこんなにも様々な色を見せてくれる彼女は嫌いではない。微笑ましげにその様子を見詰め、外出の準備を整えたところで、脳内の整理も一段落ついたのか此方へと丸い瞳が向き。緩慢ながらもしっかりとした言葉に一つ一つ頷き耳を傾け。一先ず彼女の頭が縺れてしまわないよう足を止め、玄関の戸は跨がずに落ち着いて言い分を咀嚼し、緑色の瞳が凪いで。)
霖:
………膝丸?どこ見て───っあ、駄目駄目、言うから!言うから待って!
( 彼の言い分に口を閉ざし、何か言いたげに睫毛を伏せて。主人だからと気張っているのではなく、優秀な主に慣れた彼らに迷惑をかけたくないだけだ。本日何度目かの溜息を吐き、ふと彼の方へと向くと、何処か一点へと注がれる視線。その後を追うや否や、手首を掴まれ政府からの文を握る手を一本ずつ解されていく。いけない、これを見られるのはまずい。優秀且つ篤実な彼が文を読み、政府に反感でも抱いてしまえば大変だ。どうにか彼を止めようと制止を掛け、果ては交換条件を。彼の手に自分の手を重ねて動きを止め、これ以上詮索されない内に先手を投じなければ。見切り発車で回った口に任せ、真っ直ぐに彼を見詰め。)
……好きな人、がいるの。その人に夢中で、仕事が手に付かなくて、…。
これはその、恋文…です。
→ 日和
…うん。それでね、最初はダメな部分を正してくれるだけで良かったんだけど…日を追う毎に、少しずつ頼る回数も増えちゃって。
( 審神者として本丸に就いた頃からの古い付き合いだからか、彼と話すのは安心する。此方の話を真摯に受け止め、そっと頷いてくれるだけで気持ちも軽くなってしまい。戸の手前で待つ相手の元へ歩み寄り、指先で彼の雅やかな服の裾を緩く引きながら先に一歩足を踏み出しては、話の続きをぽつりと零していき。最近の自分の体たらくを思い出して苦く笑みを浮かべ。明らかに甘え過ぎな上に、近頃は妙な感情まで抱き始めているのだ、彼らの主人として堂々と振る舞える自信が無い。沸々と込み上げる不甲斐なさに語尾を弱めると、再度情けなく眉を垂らして溜息を呑み込んで )
い、今なんかね!何かある度真っ先に甘えようとしてて、本当に……主失格なんです。
→ 膝丸
──…そうか、想い人が居たのだな。
( 彼女の慌てっぷりを見るに、手に持たれたこの文が今回の事に関係しているらしい。制止の声も聞かず、彼女の手から文を取り出す事だけを考えていたのも束の間、突如告げられた予想外の台詞には流石に動きを止め。途端に締め付けられるような胸の痛みを感じて、文を取ろうとしていた手の力も緩み。一気に襲い来る、虚無感にも怒りにも似た感情を心の内で抑え込み、何処か放心状態のまま何とか言葉を絞り出していく。彼女の言った事への真偽は定かでは無いが、無闇に疑う事はしたくない。その文が恋文だと言うのなら、己は信じるのみ。だというのに、信じる事を拒絶しようとするこの気持ちは何なのか。力無く手を下ろし、真っ直ぐに見詰めて来る彼女の視線を受け止めては、問い詰めたくなるのを見抜かれない様にと静かに瞼を伏せ )
……つまり主は、仕事に集中出来ない事を悔やんでいたのか?
歌仙:
主失格…か。審神者が刀に甘えるのは、きみの中ではいけないことかい?
( 此方の服の袖を取り、自ずと歩みを再開する彼女に合わせ踏み出し始め。ゆっくりとした歩調で先を進み、長閑な風景を眺めつつ彼女の言い分を考えて。己から見ている限りでもあの初太刀は彼女の気心知れた相手なのだろうと分かるが、甘え過ぎているとは感じない。しかしそれを伝えたところで、真面目さ故に信じられない…もとい、彼女自身が許せないのだろう。どうしたものかと首を捻り、一つ問いを投げ掛け。敢えて“主人”ではなく、“審神者”と言葉を置き換えたが、きっと答えは変わらないのだろう。その確認としての問い、頭の中では既に次の返事を考えており。)
霖:
…うん。誠実で優しくて、格好良くて、…私のこと、ちゃんと見てくれて、…すごく好き。
( 伝えるや否や何処かで落ちたように感じる声のトーンに小首を傾げて。合わない視線に寂しさを感じ、下がってしまった彼の手をそっと取り、両手で大事に包み込んで。交わらないままに視線を送りながら彼の問いに頷き、ぽつりぽつりと零し始め。誰を想うかなど一目瞭然、目の前の片恋の相手に告白するような気分で伝え、擬似的な体験に薄く頬を染め。これで本当に、彼が自分に振り向いてくれれば良いのに。指先で手中の肌とそっと撫で、何処か感じる切なさに眉を下げ。真面目な彼の中から、主従の垣根が取り払われることはあるのだろうか。ふと彼の表情が妙に堅苦しいことに気付き、肩を竦め。矢張り色恋に夢中な主人は嫌だろうか。)
…膝丸?ねえ、大丈夫?
→ 日和
うーん、ダメ、って事はないよ。ただ、甘えて当然、みたいな気持ちでいるのは…審神者として良くないかなぁって。
( 誘導する様に先を進む彼の斜め後ろを歩きながら、普段あまり目にしない景色を眺めれば、憂鬱な気分を振り払うべく新鮮な空気をゆっくりと吸い込んで。折角初期刀の彼と久々にお出掛けしているというのに、私的な悩みを持ち込んでしまった事に申し訳なさは募る一方。もっとしっかりしなければと自身の頬を柔く揉んでは、審神者と言い換えた彼からの問いに考えるよう視線を宙へ投げ。主従の関係とはいえ、甘えるのがいけないという事はないのだろう。そこは自分でも分かっているし、少し前までは適度な距離を保ちつつ頼っていた筈だ。それでも最近の距離感は悩ましい、一定のラインを超えているであろう近侍との接し方をどうするべきか。拭い切れない思考に悶々としながらも、一先ずは言葉を返して )
→ 膝丸
……誰なのだ、
( 目を伏せて聞こえて来るのは、恍惚とした想い人への好意で。耳を塞いでしまいたくなる衝動をぐっと堪えながら、彼女の手に包まれた手をただ握る事しか出来ず。彼女の事を一番気に掛けているのは己、その好意を向けられる先が自分であればいい、そう思ってしまうのは烏滸がましいだろうか。ゆっくりと瞼を上げて彼女の赤らんだ頬を目にすれば、無意識に抑えられなかった言葉が小さく零れ、咄嗟に片手で口許を覆う。突然の情報に此方も相当困惑しているらしい。主人が恋い慕う相手を見つけたのならば、陰ながら支え、応援するべきだというのに。相手を聞き出して一体どうするつもりなのか。己自身に呆れた様な笑みを浮かべ、首を左右に軽く振るとままならない感情に溜息を )
…ああ、いや。大丈夫だ。──君にとって、その者はとても特別なのだな。
歌仙:
うん、そうだろうね。だけど文化人の僕が最近のきみたちの雰囲気を見ていて思うのは、───。
( こうして問答をしている最中も悶々と考えているのだろう、それが読み取れる声色に少し口許を緩め。数歩下がって後方を歩く彼女の方へと視線を投げ、返事を聞くなり翠玉の瞳を鈍く輝かせ。笑みを湛えたまま口を開き、少々早口になっていた言葉を唐突にぷつりと途切れさせ。さて、この先をどう表現したものか。再び前方を向き、顎に手を遣り思案を。余り直球過ぎても雅でないが、濁し過ぎれば彼女は納得しないだろう。雅さか主人の安穏、何方を取るかと問われれば──無論、後者だろう。笑みの引いた表情で再び向き直り、口を開く。しかし、この返しで胸中が落ち着くとは一片も思わないが。)
…主従と言うよりも、男女のそれのような気がするんだ。
霖:
…ねえ、私に好きな人がいるのは嫌?
( 小さく聞こえた問いに目を丸くし、ぽかんと彼を見詰め。彼としても無意識だったのか、口許を覆うその姿に目を細め、胸は期待に高鳴り。近侍としてではなく、彼自身として思うところがあるような反応。先程まであんなに落胆していたというのに、今では淡い好意に満たされているのだから、熟自分は単純だ。彼の方へと近寄り、片手を離してその頬へと添える。瞳の奥深くを覗くように顔を傾け、声が上擦ってしまわないよう呼吸を整え、唾液を嚥下してから、静かに問い。それが恋心から来るものでなくても良い、好いた男に独占されたいと願う浅ましい想いが期待に逸り。)
……お願い、正直に答えて。
→ 日和
……だん、じょ?
( 何処か早口に紡がれていく言葉を緩く頷きながら聞いていたも、唐突に話を途切った彼に視線を上げ。前を向いてしまった彼の後ろ姿を不思議そうに見詰めるが、暫し思案した後、再度振り返った彼から発された単語にはきょとりと瞬きを。主従ではなく、男女のそれとはどういう意味なのか。ぼんやりとした頭で疑問を浮かべ、首を倒しつつぽつりと復唱する。そのまま数秒考え込んだ所で、急に彼の言いたい事が理解出来たのか、徐々に頬は赤みを帯びていき。もし他の男士達にもその印象を与えているのであれば、近侍の彼には申し訳が立たない。咄嗟に数歩先にいる彼の隣へと並び立てば、彼の服を軽く掴みながら心配そうに視線を送り )
──ど、どうしよう、歌仙。…私のせいかな?
→ 膝丸
…君の想い人について、俺がとやかく言える立場ではないが…──面白くない、と思う。
( どうやら誤魔化しは上手くいかなかったらしい。此方の失言を聞いて目を丸くした後、徐に距離を詰めた彼女の手が頬に添い。どうにも答え難い問いが掛けられると、返答に迷う様に視線を一度横に流して。胸中に渦巻く黒く醜い感情を、今この場で吐露して良いものか。折角想い人がいる事を打ち明けてくれたのだ、己が彼女の気持ちを否定する様な事は言いたくない。故にのらりくらりと本心を濁しておこうかと思案したものの、ふと彼女から付け足された言葉には息を呑み。主人としてではない、彼女からの頼み。本来なら強制力はないのだろうが、何分昔から彼女には弱い所がある。お願いとまで言われて断れるわけがなく、仕方ないと覚悟を決めては、逸らした視線を彼女へ真っ直ぐと向け )
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