トピ主 2019-09-09 19:27:47 |
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>>52 史哉
ああ…今行く。
(どうせ今ごろ柏木は自分の恋人である彼に労われているのだろう。髪を撫でられたりしているのかもしれない。面倒見が良いのはいつものことだしそれに柏木が鼻の下を伸ばしているようなら彼にわざわざ時間稼ぎを頼んだりはしないため変な心配はしておらず。そんな彼から声がかかればそろそろ行くかと扉を開けて二人に近づいて。「柏木、1分遅刻したが…まぁ許してやるよ。汗も掻いて暑いだろ?これでも飲んで一息入れろよ」珍しく柔らかく微笑んで手に持っていたトレイを突き出す。そこにあったのは彼の乾いた喉を癒すアイスコーヒー…ではなく白い湯気の立つホットコーヒー…というよりはただお湯の注がれたカップの中に挽いていないコーヒー豆が鎮座しているだけの代物で。『…せ、先生が俺のために…?…あ、ありがとうございま……え…え…?これ…何ですか…?』初めての優しい笑顔に優しい言葉…涙で滲む瞳のまま、ぱあぁっと柏木の表情は輝くも突き出されたトレイに視線を向けた瞬間にその表情はみるみる困惑したものへと変わり─「知らないのか?ホットコーヒー…俺がお前のために淹れたんだ。…もちろん飲めるよな?」こんな代物がホットコーヒーであるわけがない。しかしさもそれが当然のように口にしては柏木の表情が“あれ…ホットコーヒーってこんなんだっけ…?俺にはただのお湯とコーヒー豆にしか…いや!俺疲れてるんだよ!これはホットコーヒーなんだ!”と予測通りに変わっていくことにキラキラと瞳の奥を輝かせて。意を決したようにそのカップに入っていたお湯とコーヒー豆を彼は飲んだ。バリバリと異様な音がその口元から聞こえ美味しいですと小さく溢す彼に吹き出しそうになるのを堪えては「そうかそうか…お前は白湯と豆が好きなんだな。これからお前が来たらこれ作ってやるよ。ほいこれ原稿。……あとこれ、お前がぎゃあぎゃあ煩かったやつ…見かけたからやる」にっこり笑みを浮かべてそう意地悪く言えば原稿を渡して。あくまでもついでというスタンスでこの間彼が話していた大好きな炭酸水を受け取らせるとそのまま一言も発する隙を与えずにぺいっと部屋から放り出してドアを閉めて)
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