かび 2019-07-31 18:38:25 ID:994fddcc8 |
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懐で温めてたこれもきっと長編になる。占ツクだと自由に表現できないからこっちで。
_____美術作品展覧会_____
その少女は有名な巨匠の作品を見るわけでも、模写をするわけでもなく、ただひたすら僕の作品を眺めていた。
「僕の作品が気にいったのかい?」
そう声を掛けてみれば、少女は人見知りのようで、「いえ…」と下を向いてササッと逃げてしまった。
あの前髪に隠れている表情はどんなものなのか…
もしかしたら次の作品の候補者になるやもしれん。と、逃げた少女の後を追う。
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「はあ…吃驚した…」
人と話すなんて3ヶ月ぶりで、緊張してしまった。元々人見知りが激しいので、いきなり話し掛けられるとそっけない態度になってしまう。
「……帰るか。」
風に煽られ髪が揺れる。
長い前髪が煽られ、顔があらわになる。その顔を通行人は、ササッと目を逸らし、足早に去っていく。
………誰も見たがらないよね、こんな気持ち悪い顔。
顔というよりは、瞳に問題があるのだけれど。
秋に入りかけてなる生ぬるい風を感じながら、帰路に着こうと一歩歩き出そうとした時。
「これ、落としたよ。」
私がな?と思いつつ後ろを振り返ると、私のハンカチを持った男が、獲物を狙うような瞳をしてこちらを見ていた。
****tuzuku☆****
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