異世界転生録(百合)

まぁ、生首運ぶよりマシだと思うよ？
(相手の話を聞いてまだ生首をはこばなくていいぶん、マシじゃないかと思いながら「それじゃあ、あんたら見張りよろしくね」と依頼人は馬車の中で眠りに行くのを見て「さやか、強くなったね?、惚れ直しちゃうよ？」とこれ見よがしに相手にキスしたり抱きついたりして甘えはじめて)

強くなんかないよ。ほとんど朱莉ちゃんが倒したじゃない。朱莉ちゃんのお陰だよ(甘えて来る相手にこちらもスキンシップを返しながらも強くなったといわれれば気恥ずかしそうにフードをかぶり)

そうかなぁ？私のなかではサヤカが一番だよ！！
(あいてのあたまを撫でながら褒めるとだんだんと眠くなってきたのか、うとうとしてきて「サヤカ、２時間経ったら起こして見張り変わるよ？」と相手の横ですやすやと寝息を立てはじめて)

朱莉ちゃんがいなきゃ私はドランにもたどり着けなかったよ。ありがとう。
(寝息をたて始めたのを聞けば回りに気を配りながら相手の頭を撫でてそう呟くと2時間後相手を揺すり起こして)

ん？もう２時間経ったの？
(相手に起こされて眠たそうな顔をするものの見張りを変わる為に、自分の頬をペチペチと叩きながら起きれば「それじゃあ、サヤカおやすみ」と相手の頬にキスしてから見張り役を交代して)

おやすみ朱莉ちゃん。適当に起こしてね。(相手に口づけされればこちらもハグで返せば横になり目を瞑りそういえば初めての野宿だと思えば緊張からかあっさり眠りに堕ち)

・・・なんか最近、身体がおかしいんだよなぁ？
(相手が眠りつくと一人で見張りをしていると最近自分の身体に違和感を感じいると暫く見張りを続けていれば「うぐぐ？何だ？身体が？」と額に生えた二本の角が抜け落ち、両手足など身体の一部が黒色の体毛に覆われはじめれば、そのまま翌朝まで変化が起きて、相手が起きる頃には鬼人の姿ではなく半分だけ獣が混じったような人間の姿になった自分が相手の近くで横たわっていて)

……！おはよう朱莉ちゃん。ごめんね、寝過ぎちゃって……朱莉ちゃん？(寝すぎてしまった事に気付けばばっと体を起こすと相手の姿を謝罪しながら探せばいつぞやの尻尾みたく姿の変わった相手に確認するように声をかけて)

・・・・・・すやすや。
(お疲れなのか、相手に声をかけられてもか中々目が覚めず、代わりに声を聞いて依頼人が馬車から出てくると自分の辺りに転がった二本の鬼のツノの代わりに、両手足が黒色の体毛に覆われ、犬歯のように鋭い歯や頭の上に生えた狼のような耳や尻尾を見て「その子、アンタに呪われてんの？鬼人族じゃなかった？なんか狼の半獣人に見えるんだけど？」とこの世界には他人の種族を変えてしまう呪術などがあると聞いた事があるらしく、呪術師である相手に疑いの目を向けていて)

そんなことしませんしできませんよ(起きない相手を困り顔で見つめていれば依頼人からそのように言われ少し怒ったように語調を強めて技量的に出来ないしやらないと答えて)

そう、まぁ何でもいいけどそろそろ出発するよ
(相手の言葉を聞いて依頼人は嘘をついてるとは思わなかったのかすんなりと頷けば眠っている自分を馬車へと乗せるとそろそろ出発すると言って馬車を走らせ始めれば暫くして「あれ？サヤカおはよう」と寝ぼけているのか相手に抱きついては甘噛みしていて)

おはよう朱莉ちゃん。嬉しいけど痛いよ。朱莉ちゃん犬歯生えてるから(抱きつかれてあまがみされていれば相手の変化なのか犬歯があたり目をそらしながら痛いと訴えて)

あ、ごめんね？
(相手に注意されると自分の身体の違和感に首を傾げながら自分の尻尾や頭に生えた耳を見ては「サヤカ！！大変だ！！私が狼女になってる」と尻尾を揺らしながら興奮してると鼻がピクピクと動くと「なんか近づいてくる？」と何かの匂いを感じんたのか周りをキョロキョロと馬車の中から探していると馬車は岩山の崖を走っている為、見晴らしは良く辺りには魔物がいないように見えて)

一回止まった方がいいかもしれないです。朱莉ちゃんどこらへんから？(朱莉の言葉を聞けば何かがあるのかもしれないと警戒をして依頼人に一回止めた方がいいと提案すれば相手に詳細を聞いて)

多分、あそこかな？
(相手に言われて馬車が止まると馬車から降りて匂いの発生源を探ると少し前方の方の岩場の大きな岩をいくつか指差すとじっとよく見れば、岩がもぞもぞと動いてるように見えて「あれは擬態したイワムシだね、あいつらは群れで生活していて臆病だから敵が近付くと落岩の振りをして転がってくるのさ、あんたらあれの撤去頼めるかい？」と依頼人が説明しイワムシをどうにかするように指示して)

どうしようか。私はあまり力になれそうにないなぁ。(閉所のため転がしてしまうのは悪手だろうしどうしたものかと悩んでいれば一応遠距離攻撃のある相手に意見を求めて)

ん？それがねぇ、この姿になってから鬼火とかが使えなく
なったみたいで…どうしようか？
(相手に意見を求められれば姿が変わってから鬼火などの一部スキルがつかえなくなっていることをつたえれば「あ、やばいかも？」とそうだんしてるうちにイワムシたちがこちらに向かって転がってきて)

あぁ仕方ない。お願いなんとかなって。(転がり出したイワムシに時間がない事を理解すれば少し迷うもここで依頼失敗は後味が悪い為不思議な麻袋の中から事前準備で買った巻物を取り出せばそれを広げて)

やった！？止まった？
(相手の巻物の結界が転がってきたイワムシの動きを止めるとイワムシたちは結界にぶつかった衝撃で気絶しており、その瞬間を逃さず剣でイワムシの腹部目掛けてトドメを刺すと「サヤカぁ、イワムシの中から宝石？出てきた」と何色かの魔石を拾うと相手に手渡して)

ありがとう。あー奥の手使っちゃった(なんとか結界でイワムシの襲撃を押さえきればその事実に安堵するも自分の用意した奥の手を往路で使ってしまった事を悔いており相手が持ってきた魔石に表情をなんとか軟化させて)