捨て子を拾ったら異常に懐かれました。(BL)

保護者じゃ無いな。友達って言った方が正しいぞ。
(一方此方は顔に「無」を張り付けたような無表情で見つめながら淡々と告げ)

『そうですか。僕はレオナルドです。
ライの…恋人ですよ』

(相手は相変わらずにこにことしながら
さらりと言い放ち)

…………ッ、誰が、テメェと恋人なもんか！

(じたばたと暴れるが、ロープが
食い込んだのかすぐに顔を歪めて
大人しくなり)

へぇ…。恋人をロープでガチガチに縛る奴がいるんだな…？
(殆ど耳を貸してないがおかしな発言の相手に、馬鹿にするような笑み向け)

『そうですね。僕だって本当はこんなこと
したくないんですよ。ボスの命令なもので』

(カッターでライのロープを切ると、
ライの背をノエルさんの方に押し)

……………何の、つもりだよ。

『解放ですよ。僕は恐らくボスに
怒られるでしょうが』

(ライはノエルさんの方に戻る)

一体何がしたいんだ？まあ、お前のボスに伝えとけ。今度俺の周囲の奴らに手を出したらどうなるか考えておけ…ってな。
(不可解な行動の相手に眉を潜めつつもライをかばうように、彼の前に立ってゆっくりと後退しながらいつでも拳銃を抜けるように構え)

『怖い怖い。では、失礼します。
またね、ライ』

(ぺこりと頭を下げると悠々とした足取りで
廃墟から出ていく)

……………ありがとな…助けに来てくれて。

(ノエルさんを見て、申し訳なさそうに
眉を下げ)

信頼してくれてる奴に報いない訳にはいかないだろ？
(ふぅ…と大きめに息を吐くと相手に普通の笑みを向け)

…………アイツは、変な奴なんだよ。
……前の組織でも、そうだった。

(ぼそぼそと呟き)

勝手に恋人を名乗る…か。…とりあえず家に帰ろうか。
(暫く考えると話を断ち切るように歩き出し)

……………アイツは、俺には優しかったけど…
他の奴らに、容赦なかった。
……………俺が捨てられそうになった時、
前のボスを宥めたのもアイツだ。

(相手について行きながらも呟いていて)

ライはあいつを好きだったのか？
(歩きながらも後ろを付いて来る相手に声を掛け)

……………昔は、好きだった。
でも、今は好きじゃねーし。
…俺が好きなの、アンタだし……。
…………っ！今の、なし！

(後半本心が出てしまい、急いで弁解する)

自分に嘘つくなよ。俺もライの事好きだぞ？
(相手の言葉で真顔になり、振り返ると此方も本音を伝え)

…………っ、冗談は、好きじゃねぇ…。

(顔を赤くしながら、苛立ったような
口調でまくし立て)

こんなつまらない嘘なんてついても無駄だろ？お前がさらわれた時も凄い心配したし。
(はぁ…と大きなため息をつくと相手を抱き締めて本音を声に出し)

…………………っ………俺も、アンタが好きだ。

(抱きしめられて顔を赤くしながら)

やっぱりな。
(笑みを浮かべつつ頬を軽く撫で、相手から離れると再び歩き出し)

……………んだよ、分かってたのかよ…。

(不貞腐れたように小石を蹴り)

顔が真っ赤になるから分かりやすいぞ？
(相手の様子に思わず笑みを零し、手招きしつつ歩き続け)

…………アンタ、俺が好きなんて
変わってるよな。

(また歩き始めて呟き)

ライが良い奴だからだ。
(その呟きに真剣な声で言葉を返し)

……………ッ！？

(不意打ちの発言に顔を真っ赤に染めて)

もしかしてお前、自分が良い奴だと思ってないのか？
(相手の様子が変わった事に気付き、ピタリと動きを止めて声を掛け)

…………っ、たりめーだろ……こんな手間
掛かるガキなんて、良い奴な訳ねーよ……。

(ぷいっと顔を背け)

それは素直じゃないだけで、根は優しいだろ？ほら、良い奴だ。
(相手の肩に手を回して、相手をじっと真顔で見つめて言葉を紡ぎ)

…………………お返しだ。

(目を閉じながらノエルさんにキスする)

さっきの仕返しか…！完全にしてやられたな…。
(相手程では無いが若干頬を赤らめて、照れ臭そうに頬を掻き)

………………どうだ、この野郎。

(少し自慢げな顔をし)

一応俺の勝ちだからな？顔林檎みたいになってたライ君。
(少しむっとしたのかすぐさま反論して)

………っ、るせ……！好きな奴からされたら、
照れるに決まってんだろ…！

(また顔を赤くして)

ほら、やっぱり林檎みたいだろ？
(クスクスと笑みを零しつつ、再び肩を組んで半ば無理矢理家へと引っ張って行こうとして)

…………………うるせー、何か悪いか。

(組まれた肩にもたれかかり)

悪く無い。むしろ滅茶苦茶可愛い。
(歩きながら相手を見つめて、敢えて可愛いという言葉を選んで言い)

…………可愛いって、言うな…！

(苛立ったような口調で)

言ったはずだけど、本当に可愛いぞ？
(中々認めない相手に痺れを切らし、笑みを浮かべて抱き締め)

…………可愛くなんか、ねーよ……。
………可愛いって言われんの、嫌いだ。

(手をぎこちなく相手の背中に回し)

まあ良いけどよ。さて、やっと着いたぞ。
(言葉と行動が一致しない事に思わず笑みを零し、暫く歩き続けると漸く家に戻って来て)

…………………ただいま…。

(ぽろりと口から溢し)

ただいま、それとおかえり。
(相手と同じように帰宅の挨拶をして、相手を見ては出迎えるように言葉を紡ぎ)

………………～ッ！

(口が滑ったことに気付いたのか、
口を覆って)

もうここはお前の家なんだぞ？
(相手の様子に真剣な表情になり、静かに訴えかけるように声を掛け)

……………わーったよ。…捨てないでくれよな。

(ぷいっとそっぽを向いたまま、
ジトっとした目で相手を見つめて)

当たり前だろ？というか、ライが捨てろって言っても捨てないけどな？
(けらりと笑いを漏らしつつ相手の目をしっかりと見つめて頷き)

…………そーかよ。

(ぶっきらぼうな言葉遣いではあるが、
表情は嬉しそうで)

とりあえず外でいつまでもいる意味は無いし…ほら、入るぞ。
(その様子に笑みを零しつつ、相手の背中を軽く押して家へ入れようとして)

…………ん。
(こくり、と頷いて押されるがままに
歩み始める)

さっきの仕返しだ。
(ふと相手の後ろから軽く抱き着き、込み上げてくる笑いで若干震えた声を掛け)

………………なに、笑ってんだよ…。

(苛立ったような声だが、顔は笑顔で)

いや、お前だって笑ってるだろ？
(軽く背伸びをして相手の顔を覗き込み、ケラケラと笑いながら相手の頬をつつき)

………うるせー、幸せなんだよ。悪いか。

(満面の笑顔で言い放って)

全く。
(ただそれだけ言葉を返し、抱き締める力を少し強め)