BL

リリス)…ッ！？

咄嗟にバックステップを踏むと、
攻撃を受け流す

フライデー)…なァに？アタシが折角
指導してる時に限って…。

ユーリ)そうカッカすんなよフライデー、俺も参戦させろよ~

そう言いながらフライデーにも殴りかかって

フライデー)…アタシに勝てるとでも
思ってるのかしら？

鋭く尖ったハイヒールの脚を振り上げ

リリス)……喧嘩は好きじゃないんですが。

ユーリ)っぶな！練習で気合入れすぎだろ？

危機一髪で避けたが少し掠ったのか手から血が出ていた。血が出て本気になったのか思いっきり手加減なしで回し蹴りを繰り出して

フライデー)…油断なんてしないわよ。
それが、アンタへの流儀なの。

鋭い目付きで睨みつけ、右手でユーリの足を
掴むと思いっ切り反対にねじ曲げ

リリス)フライデー、そのくらいで…。

ユーリ)痛い痛いっ！やめろよ！……なんてな？
(女は子宮があるんだし腹や腹下は弱いはず…)

そう言いながらも相手の腹を蹴ろうとする。

フライデー)…あらぁ、女性の腹を
蹴ろうだなんて野蛮なのねぇ。

にっこり微笑み、膝を高く持ち上げ

リリス)…フライデー！

ユーリ)…ま、まじで…？

少し焦りながらも相手の手を離そうと必死に抵抗していて

フライデー)アタシも卑怯じゃないわよねぇ？

膝を思いっ切り相手の股間にぶつけ

リリス)……。

少し引いているようだ

ユーリ)~~っ！！！あぁぁぁっ！！

声にならない声を出しながら涙目でその場にうずくまる

フライデー)あら、強く蹴りすぎたかしら？
ごめんなさいねぇ。

ユーリ)…おまえ……っ…

涙目ながらも相手を睨んでいて




グラジオラス)ここから声が聞こえたが何している？

声を聞いて駆けつけたようで

フライデー)あら、ボス。何でもないわよ。
ユーリくんがアタシのお腹を蹴ろうと
するものだから、お仕置きで股間を蹴ったら
ちょっとキツく蹴りすぎちゃったのよ。

ふふふ、と高らかに笑ってみせ

グラジオラス)……身内でやり合うのは構わないが静かにしてくれないか。…あと、言葉遣いを気をつけろ

はぁ、と溜息をつきつつそう言って怒ることは無いが後半の言葉に圧をかけて

フライデー)ふふ。すみませんね、ボス。
アタシは元来がこんな喋り方なもので。

口調を上司モードに戻す

リリス)申し訳ありません、ボス。
彼女も悪気があってこの口調なのでは…

グラジオラス)…はぁ、わかったわかった。なんかあった時に戦力になってさえくれればそれでいい。後は…

そう言って普段笑うことの無いグラジオラスが少し微笑む。不気味さを感じる笑みの中うずくまってるユーリの頭を掴むと｢…恥をしれ｣と一喝する。



ユーリ)申し訳ございません…ボス。

震える声でそう言うと股間を押さえたままその場から立ち去って

フライデー)リリス、ありがとうね？

リリス)…いえ、私は何も…。

フライデーがリリスに微笑み、
リリスが微かに顔を赤くする

グラジオラス)……はぁ~、することもねぇーし訓練所行くか。

そう言いながらももう日は落ちそうになっていて気づかないうちに外は薄明かりで

ハダリー)…そろそろ帰るっすかねぇ。

タオルで汗を拭い、訓練所から出ていく

グラジオラス)おぉ、ハダリー！…1回でいいから俺と手合わせしないか？

歩いているハダリーを見つけるとそう言って近寄る