匿名さん 2019-06-10 15:59:22 |
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【紫陽花+雨上がり+傘】
…おっ……?雨上がったか…。っておい!!濡れた傘振り回すなよ!
(梅雨による気温の変化で肌寒い日々が続く今日この頃、世間は期末試験期間中であり本日も学科試験を2つ済ませ、時計の針は大小共々頂点を指そうとしており。それに伴い腹時計も素直なものでグウッと音を立て、居所が悪い様子が伺え。同じクラスの幼馴染でもあり此方の初恋の相手に下校の誘いで声を掛けられ、内心ウキウキが止まらず足早に相手と一緒に学校を後にし、のんびりと世間話をしながら歩を進めていると先程まで降っていた雨が徐々に上がり、空に晴れ間がさし始めたことに気付き、自前の紺色の傘から顔を覗かせ空と相手を交互に見比べ。久しぶりの晴れ間に喜びを隠せない相手が傘を閉じ、ぶるぶると震わせ水滴を此方に飛ばし、相手の急な行動に驚きながらも好意がある人物である為嫌悪感は抱いておらず、相手の後ろに咲いている紫色や青色の紫陽花にも水滴が飛び散っており、益々輝きを放っている花々を見ながらフッと笑みを零し)
(/素敵なお題提供ありがとうございました。約7~8年ぶりのロルでした。お目汚し申し訳ありません。スペース感謝です!〆)
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【好きと伝えたかった+大好きで大嫌い+最後のキス】
ーーーもう二度と貴方には会えないんだね。
ーーーねえねえ、あの、えっと、sす、す、…やっぱ何でもないや。
約2年前の夏が終わるころ、わたし、スミレは彼氏である蓮を看取っていた。彼氏といっても、ずっとお互いの関係性は曖昧なままだった。蓮はいつも優しかった。だが、それがかえって嫌になってしまうことが当時は多かった。蓮は優しすぎるのだ。反対に私はひねくれもので冷たすぎた。いつも彼は私にこう言っていた。
「もっと素直になった方がいいよ。俺みたいにね(笑)」
本当にその通りだった。あの日、あの瞬間私がもっと素直に自分の気持ちを伝えられていたら。きっとこの何ともやるせない気持ちは少しマシだったのだろうか。
単刀直入に言ってしまうと蓮はALSだった。数年間その不治の病と闘っていたが、もう彼の体が音を上げて、限界だった、。ALSとは小さなことからできなくなり、行く行くは自分で呼吸をすることができなくなってしまう病だ。もちろん、食べることもできない。喋ることもできない。そんな中、私が彼に小さなことでイラついてしまい、八つ当たりをしてしまったことも何度かあった。でも、謝れなかった。何故かというと、やはり彼は優しすぎるのだ。私がどれだけムカついて、ひどい言葉を彼にかけてしまっても
「俺が病気になったのが問題だ。スミレがイラつくのもわかる。本当にごめん、苦労ばっかり掛けてしまっているね。」
と、少し、苦しそうで悲しそうな顔をして言うのだ。それでも私が俯いて何も言えなかったら
こんな俺を許してくれ、と言わんばかりに私を抱きしめてくる。力がなくなってしまってそれでさえもできなくなったら私に顔を近づけるように言い、頬にキスをするのだ。
そんなことをされたら誰でもイライラが吹き飛んでしまうだろう。私もそうだった。いつも彼が私を笑わせてくれた。
しばらくたったある日を境に蓮はほとんど寝たきりになってしまった。私は寂しくて悲しくて、たくさん泣いた。それと同時に、後悔の波が押し寄せた、彼がいつも私に言ってくれていた言葉をもっとたくさん言えばよかった。
「 蓮、 … 大好き。 ごめん。 ほんとに、ごめん。。」
「…。」
ふとつぶやいた。蓮は意識が朦朧としながら何も言わずに私の顔を見つめた。そして一筋涙を流した
やっぱりずるい。蓮はほんとうにずるい。なんでこんなに私をおかしくさせるのかな。もっともっと期待しちゃうじゃん。ずっと一緒にいたくなっちゃうじゃん。これじゃ、いつまでたっても覚悟が決まらない。彼が死ぬということに。
「やっぱ嫌い。」
少し意地悪をしてみた。でも、予想外だ。彼は泣き笑いをうっすら浮かべたままにこにこしていた。そのにこにこが前よりずっと弱弱しく、悲しそうになっていることは一目瞭然で、私まで泣きそうになった。
お医者さんから、「心の準備をしておいてください。」と言われた。もう彼は長くはもたないということだ。確かに、最近は全く起きれていない。ずっと目をつぶっている。目を開けていても、焦点が合わず、私のことも見えていないようだ。だが、私が話しかけると表情にはもう出ないが、微かに嬉しそうな顔をする。それが感じられることの幸せにやっと気づいたころにはもう遅い。もうこれ以上彼との思い出や良い記憶は残らないのだから。
彼の心臓の動きが時折止まる。
もうダメなのか。
わたしはもう半分パニックになっていた。
もう彼は死んでしまうのか。
そんなの嫌だ。
彼は死んで終わりだけど、残された私はどうすればいいのか。
咄嗟に出た言葉は
「ありがとう」
今まで、つらいはずなのに頑張って生きてくれてありがとう。
いつも私を笑わせてくれてありがとう。
わたしがどれだけ冷たくて、ひねくれていても見捨てずに優しくしてくれてありがとう。
生まれてきて、私と出会ってくれてありがとう。
今日までそばにいさせてくれてありがとう。
沢山のありがとうが胸にあふれてきた。彼は本当にずるい。急に彼が今まで以上に憎らしく、でもいとおしく思えた。涙が私の頬を伝った。
「 ねえ、大好き 」
最後にいつも彼が私にしてくれたようにキスをした。いつもは甘酸っぱくてそれが心地よかったが、今は苦くて涙が混じってしょっぱい。だけど、それでいいのだ。
私と彼の最後の思い出になれば。
記憶が一つ増えてくれれば。
一瞬彼が笑った気がした。気のせいだろうか。最後の力を振り絞ってくれたのか。本当にそうだということを願う。
わたしと彼の最後の思い出。
最後のキス
蓮、あのね。いつもあなたのことが好きで、大好きででも素直になれない自分がいた。
本当は好き。でもあなたはいつもずるいから、少し嫌い。
ーーー大好きで大嫌い。
この言葉がぴったりだ。
(/ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。こんな駄作に興味を持ってくださってありがとうございます。まだまだ、初心者で、表現も何もかも下手ですがとても良いトピとお題を見つけ、とっさに書きたくなってしまいました。お題を書いてくださったかた、本当にありがとうございます!)
〆
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