□ 160万℃のレチタティーヴォ ／ 〆

……。そんなにちまちま食べてたら日が暮れちゃうって( じっと赤い目で観察した後何かを確信 / はあと態とらしく溜息吐けば「お腹空いたって言ったでしょ」 )蜜柑は確かに嫌いじゃないけど、特別好きって訳でも……どこかで言ったことあったかな、うーん？ おお、わーい。頂きます( 視線左上にやり思考 / 渡された宝石のようなそれじいと気が済むまで眺めぱくり )……うん。お代わり貰おうかな( 感想を言うどころか表情一つ変えず / 空のお皿ずずい )

だからこれは味見だって言ってるだろう。そんなに見たら穴が開くよ ( 相手と己に念押しするように / う ) ………講師の人選間違えたかな ( ぼそ / 提供者とは思えぬ複雑そうな表情で / 頭の中ではクラスメイトの吸血鬼がダブルピース ) …はい、どうぞ。俺のぶんは貰ってあるから。クリームと甘味に埋もれて精々気持ち悪くなるといいよ ( 無言で皿受け取り / 自身の一切れ取り分けては残りを大皿で差し出して / 「あ、これ刺しとく？」どこからか17本のローソクずらり )

ええ、これごと？ 小皿……まあいいか、全部食べちゃうし。頂きます。ロウソクはいらないからしまっておいて( ちょっとフォークでは食べづらいサイズ感にしょーん / 手を合わせて本日二度目の食前挨拶 )＿＿蜜柑の話だけど。俺、炬燵に入って、誰かの作ったご飯を食べたあとに、分け合って食べる蜜柑が好きって言ったんだ。( 不意に手を止め / 遠い、ずっと遠い昔に焦がれる目でぽつり )だからね、美味しいよ( かけがえのない幸せを噛み締めるような声と表情で / 泣きそうなくらい幸福に緩んだ目で双眸見据え「ありがとう」加えて )

いちいち取り分けるのも面倒だろう、…？いらないんだ ( 「はいどうぞ」と相槌を / 出番の消えたローソク不思議そうに見つめたのちあっさりと片付け ) ＿＿…ふうん。何というか、君にしては随分と人間味のあるエピソードだね。…分け合って、か… ( 一口呑み込んだところで言葉紡ぐ口許に注目し / 思考巡らせ ) …うん、その顔が見れたなら上出来なんだろうね。気に入ってもらえたようで何より ( 花が咲くようなきらきらとした表情に思わず固まり / はっと我に帰れば想定よりも緩んだ口角に気付かぬまま上記 )

折角綺麗にできてるんだから穴あきだらけにしたくない、火つけると臭うし( 綺麗な半球綺麗に切り崩しぱくり / うまー )俺もそう思う、今まで忘れてたくらいだ。多分同じことを今訊かれたら、別の答えを答えるだろうしね。……どんな質問だったのか覚えてないけど( 未完成だった過去の自分に苦笑気味に同意 / 視線ケーキに向け手遊びのように切り分け作業 )うん、気に入ったからまた作って。( にへら / フォークの先くるくる )

おや。俺は好きだけどね、変に隙がないよりよっぽど好感が持てる。たまには小さな自分を見習ってみたらどうだい？ ( 揶揄うように目々細め / 対してフォークの先使いちまちまと ) ……嫌だ、柄じゃない事をすると疲れるんだ。味わって食べてそれで満足して ( ぴしり石化 / 言い訳考えた末思い浮かばず長い溜息 / ふいと視線逸らし )

あはは。今更戻る気はないよ、それこそ過去の俺への裏切りだ。＿＿だからこそ、俺はきみが恐ろしいんだろう、思い出してしまうから( ばっさり一笑 / 尚も視線合わせられないままはぐれた小さな果肉さえ一片も残さぬよう掬いあげ )ええ、本日の主役様が切望しているのに？ ……次は特別出来が悪くてもいいから。ね、お願い( ぎゅっと眉根寄せ捨てられた仔犬の目 / 培った演技力これでもかと振りまく暴挙 )

残念。恐ろしいものを手元に置いておくのは戒めかい？ ( ほんの僅か首傾げ / 掬われた欠片見遣っては何となく嬉しげに ) …俺は君の性格がどれだけ悪いか知ってるからね。そうだな、講師からオーケーが出れば作ってあげるよ…多分。一人じゃ味の保障ができないし ( 眉根寄せ / それでも絆される / 言葉濁しつつ ) 願い事はそれだけ？この際何でも聞くから言ってみなよ ( 最後の一口味わったのち話題逸らすように / ふむ )

さあどうかな。自戒を課すほど殊勝な性格じゃあないことは確かだけど( どこか楽しげな様子ではぐらかして / 筋になったクリーム集めきり芸術的なまでにすっからかんな大皿の完成 / 多分大食い選手権に出られる平然さ )……いいの？ ……やった、( 自分で言っておきながら両目瞬かせ / 思わず染み出したような具合の小声で破顔 )おっと、俺の知らない内にドリフェスでもあったかな。＿＿じゃあ……例に倣って一曲、でも今日は一緒に演ろう。学院指定曲Vol.2、トラック5。( 装飾品諸々取り外して立ち上がり軽く跳ね / 提案するは青もみじ祭で披露した一曲 / 「食後の運動に、どう？」立ち上がらせる為の手を伸ばして )

…相変わらずいい食べっぷりだこと。君の胃はどこに繋がってるんだろうね ( 盛り付け前かと見まごう大皿まじまじと / 自身の皿と合わせて片付けて ) 多分ね、多分。何か特別な事があった時。 ( びし / 念押し ) ああ、＿＿あれかい。いいよ、喜んで。倒れたら保健室までおぶってね ( 懐かしさに薄く笑んでは差し出される掌重ね / 音源見つけるべく端末起動 / ふと相手の双眸見つめては冗談めかして )

さてね。昔から燃費が悪くて困ったものだよ、ご馳走様( ぱんっ / 手合わせ )うん、うん。嬉しいなあ、( へへ )お断り、きみのことそんなにやわに育てた覚えはないぜ。それに、……誕生日にあの人の顔見に行くの嫌だ( ぐっと力強く引き上げて / 眉間に濃い皺作り嫌悪感顕に / 明らかに後者が本音 )折角だし、お客様を置いておこうか。( 端末のビデオカメラ起動させホワイトボードと磁石を使って簡易カメラ設置 / その上方にシンプルでポップな人のイラスト落書き )

はは、確かに。それじゃああんまり煽らないでくれよ、…なんて、これもお断りされちゃうかな ( 後半聞けば対象的に愉快そうな笑み / 問い掛けるよう瞳逸らさぬまま ) あった、これこれ…って。随分と熱心な客人を招いてくれたね、サービスでもしておこうか ( 楽曲見つけそちら注目すればカメラと視線合致 / ゆっくり瞬き / のち胸の高さで片手揺らして ) さて。準備はまあ…いいや。それじゃあ＿＿ワン、ツー、 ( 離れた位置に端末セット / 再生ボタン押し駆け出せば隣に並んだところでメロディーが流れ出し )

生憎約束できないな、悪いね。……何でも聞いてくれるんだろう、最後まで付き合ってくれよ( シトリンと相対したルビー三日月形に細め / お願いの形を取りながら拒否されない自信覗かせつつ )ああ、ありがとう。いつでもどうぞ。＿＿( 緩慢な歩みでカメラ正面辺りへ / 緊張ひとつない自然体 )……♪( 鳴り出しと同時に前方へ飛び出して / かの日の相方のトレース / 振り返るように炎の両目向け宣言通り言葉も遠慮もなく焚き付けて )

はいはい、蝶々様の仰せのまま ( 恭しく頭下げ ) ＿＿…ッハ、趣味悪いなあ、ほんっと！ ( 見事に炎上した魂の灯火が揺れ / 吐き捨てるように呟き / 負けじと隣へ跳んでは彼と己の十八番交互に取り入れたステップを ) ……ね、( じわりと汗が滲んだ頃 / 不意にぶつかりそうな距離まで間合い詰めては「楽しいかい、アイドル」あの日の言葉を疑問系にして )

＿＿っはは！ そこで乗せられてくれるきみが好きだぜ！( 満面の笑みながら衒いない告白 / 普段より10cmは高いジャンプ / キレの増した振付 / 楽しくて楽しくて仕方がないのを全身で表現 )！ ……、( にわかに目見開き / 表情は快晴 / 歌声もステップももうとめられない / 「訳わかんなくなるくらいには！」 )＿＿ありがとうね、周。( にひ / 掻き消えた音楽の余韻の中に溶かして / カメラ止めるべく固めたポーズ解いて前方へ )

知ってる、……それじゃ、俺と一緒だね！ ( くすり悪戯顔 / 満足気に返答受けては床蹴り思い切りターン / 遊ぶようなステップとぶつかるような歌声を ) ＿＿…うん。こちらこそありがとう。………アゲハ、くん ( 溜め込んだ息吹き出して / 片頬ぐいと拭っては相手の言葉に僅かに瞳拡大 / 感謝述べ暫く逡巡したのち初めての試みを / 耐えきれず即座に敬称加え )

＿＿い、ま( あまりの驚きにスマホ取り落とす始末 / 気にする余裕もなく息詰めて )～～～～～っっ！！ やっと呼んだ！！( 一瞬の内に距離詰め勢い良く抱き着いて / 猪もびっくりの突進 / 骨を折らないようにだけ気をつけて力いっぱい / 堪えるにしろ倒れるにしろうずめるようにしていた顔をがばりと上げて叫ぶように )

わっ、ちょ、……うるっさ……！ ( なす術なくひっくり返り / 打ち付けた背の鈍痛が掻き消える程の大声浴びせられては絞り出すよう / 眉潜め ) やっとって、今までも必要な時は呼んでたでしょ、…漆戸君って ( 数ミリ頭浮かし / ぼそ / 終盤若干目線横に投げつつ )

アゲハでいいって言った！( 若干拗ねたような強い口調で / 胸板に顔押し付け / ぎゅむいー / 離さないぞという強い意志 )……ふ、ふふ、はは、……幸せだなあ、( 震えかけた声 / 投げ出した身体と縋る腕 / 心臓の音聴くかのように頬と耳寄せて )

どう呼ぶかは俺の勝手だもの。…名前呼びって苦手なんだ、勝手に距離が縮まるみたいで ( ふん / 意に介さず / 動けないこと悟っては諦めたように脱力し ) 当たり前、今日の君は誰より幸せになる権利を持ってるんだから＿＿…ねえ。あんまり聴かないで、綺麗な音じゃない ( 伸ばした手で細身の体ぽんぽん / 穏やかな顔も束の間、近付く頭ぐいと押し退けようと / 激しい運動とその後の出来事で鼓動は未だ乱雑で )