踊る案内看板 2019-05-19 20:36:35 ID:02c0ae1d9 |
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カムネス : …カタリア、美味しいかい?(魔界の平野にある大きな屋敷。そこの主人たる吸血鬼は書斎の椅子に腰を掛け、籠の中で飼われているブラッドホークのカタリアに餌をやりながらぽつりと呟く。新鮮な青ラットの肉を啄むカタリアを撫でながら椅子に深く腰をかけ直し、メイドが来るのを待ち)
スリネ : そろそろかしら。今日のお客様は…人間…お口に合うと良いのだけれど。(屋敷の中の一室。そろそろかと思い揺り椅子から立ち上がり時計を確認すると、案の定客人が見える30分前だった。台所に向かい茶の準備をし、客室の準備を整え、それから主人を呼ぶために書斎の戸を叩き)
魔界の平野にそびえ立つ大きな屋敷。怪しさ漂うその屋敷の主人たる吸血鬼は、書斎の椅子に深く腰を掛けている。
「…カタリア、美味しいかい?」
机の上に置かれる鳥籠から放たれたブラッドホークのカタリアが餌を喰らう様子を見てポツリと呟く。新鮮な青ラットの肉を啄むカタリアを撫でると、目を細めて首を震わせる。そんな様子を笑顔で眺めつつ、今日の用事を伝えにメイドが来るのを待つ。自分の用事は把握しているが、それでもメイドを待つのは、主人がメイドと関わる時間を大切にしたいと思っているからだ。
「そろそろかしら」
書斎から少し離れた一室。一人のメイドが揺り椅子から立ち上がる。時計を確認すると、思った通り客人が来る時間の30分前だった。主人に与えられた自室を後にし、台所へ向かう。毎日食事を用意するために訪れる場所だが、毎度のことながら一人で動くには広すぎると思う。とは言え、元々は大人数で立ち回る事を想定して作られたのだから当然なのだが。そんな事を考えてる内に台所に着く。入り口付近にある戸棚を開け、その奥に置かれている缶を取り出す。これは主人お気に入りの一品で、客に出す事はほとんどない。
それを出せというのだから、さぞかし主人お気に入りの客なのだろう。取り出した缶を左手に、食器棚からティーポットとカップをふたつ取り出す。慣れた手つきで紅茶の準備を進める。
「今日のお客様は…人間…お口合うと良いのだけれど」
お湯をポットに注ぎ終わると、独特の匂いが微かだが漂ってくる。自分達魔界に住む者からすれば芳ばしいその匂いが、人間は好まない可能性も十二分に考えられる。それを危惧したが、自分がどうにか出来る問題でも無いし、正直口に合わなかったところで主人ががっかりするだけなので気にしない事にした。
茶葉を蒸す為にティーポットは一度そのままにしておき、足早に客室へと向かう。客室は常に整えている為目立った汚れは無いが、いくつかあった気になる箇所があり、手早く直していく。それが終わると書斎に向かい、戸を叩く。主人もそろそろ客の来る時間だとわかっている筈だが、わざわざ自分に呼ばさせる。友好関係を築くためだとか言っていたが、正直面倒くさい。とはいえ自分を必要としてくれている事は嬉しいので、良しとしている。
「そろそろお客様のお見えになる時間です。準備を。」
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