2019-05-19 00:11:04 |
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これは昔の事。
まだ人にも社会にも馴染めずにいた時の話。
( 入り組んだ路地裏に呼び出され、複数の男達に苛められていた人を俺は見て見ぬ振りする事が出来なかった。自分よりも大きく体格の良い男達は年上だったのだろう、だけどそんな事は関係無い。また拳を振り上げた瞬間、俺は何も言わずその男に飛び掛り強烈な一撃を喰らわせてやった。すると、足元をフラつかせながら男が此方を睨み付けて向かって来る。当然だろう、見知らぬ年下の関係の無い奴に殴られれば誰でも腹が立つ。しかしそんな事を気にしている暇はない。俺は苛められていた人の腕を引き、その場から逃げようと力強く走り出し ── )
『 おい!そっちに行ったぞ、回り込め! 』
( 走り出してから数分経っても尚、追い掛けて来る男達。なんて執拗い奴等なんだ。と思いつつ横を見れば、か弱そうな人はもう走れないといった感じで肩を上下させて息をしている。仕方が無い、この人は此処に捨てよう。そう決心し、近くにあったゴミ箱へ歩みを進め人が一人入るには充分な事を確認して中に入るよう指示して、俺は探している男達の元へ態と向かった。 )
『 なんだ、やっと観念して出て来たか糞ガキ。手間取らせやがって。 』
( この後は言うまでもない。無情な時を過ごし、耐えるだけ。心残りなのはあの助けた人はちゃんと逃げられただろうか…唯、それだけだった。 )
( 俺が解放されたのは夜遅く、空に雲が出始めてポツポツと冷たい雨が降り出した頃。服は泥に塗れ、顔や身体には無数の傷や痣が出来ていた。だけど何故か痛くなかった。自分じゃない誰かが傷付き、悲しい思いをする方がもっと何倍も痛いと知っていたからこんな傷どうとも思わない。自分のエゴでしかないと分かっていても他のやり方を教えて貰わなった、知らなかった俺はきっとまだ未熟者。そうやっていないと気持ちを保てず、自分を正当化出来ない俺は次第に強くなる雨足に何処か雨宿り出来そうな場所を探して屋根がある店先の前で座り込み、ほんの少しだけ休ませて貰おうと目を瞑り。 )
「 …大きな野良猫だな。 」
( 目を閉じてからうつらうつらして何か夢を見た様な気がするけどその内容迄は思い出せず、次に目を覚ました時には知らないオッサンが目の前に立っていた。オッサンは壁に背もたれながら俺を見るなり上記を呟いた。誰が野良猫だ!と言い返してやりたかったが思いの外、冷えていた身体に力が入らなくて言い返す事も出来ない。俺は顔を背け、無視するとオッサンは何も言わないまま店のシャッターを開けて何食わぬ顔で中へと入って行く。まさか屋根を借りていた店先の店主だったとは思わず少し申し訳ない様な気持ちで居れば、中に入れと言うように手で合図されて。行く宛も無いし外よりかは安全で暖かいだろうとずぶ濡れのまま店の扉を開き、カランカランと静かな店内に来店した事を知らせるベルが鳴り響き。 )
── !?
( パチッと音と共に店内の明かりが付くと俺は目を疑った。眩しい程に輝くその場所は自分が今迄訪れた事のない風景で、でも何処か懐かしい様な落ち着く優しい雰囲気のカフェだった。この変は良く知っているつもりだったけどこんなカフェがあったのかと辺りを見渡していると、さっきのオッサンがゆっくり近付いて来てテーブルに何かを置いた。真っ白なマグカップに注がれている真っ黒な飲み物、これは… 珈琲か。と見詰めれば )
「 アメリカンだ。少し苦いが、温まるぞ。 」
( オッサンはそれだけ言ってまたカウンターの中へ戻ってしまった。名前も知らず店先で勝手に寝る様な奴にこんな優しくしてくれる人なんて居ない。毒でも入っているんじゃないかと考えを巡らせるものの冷えた身体は暖を求め、触れるだけならとその真っ白なマグカップに両手を添えて。冷え切ってるからだろうか、程良く温かいと思う両手は添えるだけには留まらずゆっくりとマグカップを持ち上げて珈琲の匂いを嗅ぎ口へと近付け一口、ごくりと喉に流し込み。珈琲独特の焙煎された苦味が鼻を通り抜けるのに舌触りは優しく、すぅと身体に馴染んで行く様な癖のない後味。珈琲が濃過ぎて舌がザラザラとする感じは全くない。寧ろまた飲みたくなる様な何処か爽やかな感じまで感じられる不思議な飲み心地に、気付いたら珈琲を飲み干していて。 )
「 良い飲みっぷりだったぞ。 」
( 飲む事に集中していて隣に来ている事に気が付かなかった。距離を取ろうとした時、パサッと何か頭に乗っている事に気付き、咄嗟地にそれに触れれるとふんわり柔らかなタオルだった。なんだか取り乱したみたいで少々恥ずかしくなり、タオルに隠れる感じで顔を俯かせ。なんて言葉を掛ければ良いのかと無言で考え。 )
「 このマグカップがなんで白いか知ってるか? 」
…知らない。
( 色々と考え倦ねてると唐突に聞かれた問いには答えられず、素っ気ない態度で返事をしてしまい。答えてから暫くしてからオッサンは俺が飲み干したマグカップを手に取り、優しい口調で話し始めたので俺は何となく耳を傾けて聞いた。 )
「 珈琲は黒いだろ?昔から黒は不吉な物として忌み嫌われてた。でも、ある人が珈琲の美味しさを知って、その美味しさを皆に伝えたいと思った。だけど黒いからって嫌われて誰も飲んでくれなかった。そこでその人はどうしたと思う? 」
_白いマグカップに入れた…?
「 そう!皆の前で白いマグカップに黒い珈琲を入れて飲み干してやったんだ! 」
_だから?
( 話が急過ぎて何が何だか分からない。それがどうしたんだと、普通じゃないのかと眉間に皺を寄せて困った顔をしてオッサンの方を見つめ。 )
「 だから?って、分からないかなぁ。白いマグカップに黒い珈琲だよ?! 」
…いや、うん。その理由が分からない。
( オッサンはいい話の様に言ってるけど理由は分からないし、いまいち話が噛み合ってない様な感じに調子を持ってかれて普通に話せていなかったのが普通に話せる様になっていて。寧ろちゃんと理由を説明しろよ!と言いたいくらいモヤモヤした感じがあり、不服そうな表情と態度を。 )
「 昔から白い物は神聖な物で、その白いマグカップに不吉な黒い珈琲を入れるなんて先ず、誰も考えない。それにその黒くて不吉な珈琲を飲むなんて昔の人はきっと怖かったはず。その怖い物に立ち向かい、物を飲み干したと言う事は、怖い物に打ち勝った英雄ってわけ! 今の君みたいにね。 」
( 言いたい事は少しだけ分かった。でも、俺は何も勝ててない。人を助けたのだって自分のエゴで、結局は逃がす事しか出来なくて、その後の事なんて何も、何も考えてなかった。今もそう、疑って誰かに頼って慰められて…惨めなだけ。何一つ出来てやしない。相手の言葉が優しいだけに余計にその事が辛くてまた何も言えない俺に戻ってしまい、強く唇を噛み締めた。それを見ていたオッサンが口を開く。 )
「 誰だって嫌な事はある。思い通りに行かなくてムシャクシャして誰かに奴当たる事もある。それでも自分の黒い部分を飲み干して耐えてる人も居る。それは苦いかも知れないけど、白くなれるチャンスだと、オッサンは思うよ。 」
思った事とか、流れを考えて書くと上手く纏められない.ダラダラとした物語になる.途中でなんて呼ぼうかとか定まらず迷子になりがち.練習するには良かったんだろうけど、練習になってない様な気がする.日々精進.
未だに心情ロルが不安.背景や行動は得意で細かくなるクセに心情になると途端に駄目.細かく表現出来ないというか、この主人公はこんな気持ちだろうかと考え過ぎて詰まる.上手く表現出来る方々が凄い.尊敬.
結構鳴く子が多いと聞いていたけど迎えた子はあまりと言うか、ほぼ鳴かず.だからなのか本当に寂しくなったとかで呼ぶ声がとても嬉しい.膝の上も余裕で乗っかり、日に日に撫でられる様にもなって一緒に遊ぶのが楽しい.
── 一夜限りの友達.
帳が下りる頃、星空を纏った女の子がゆっくりと風の階段を降りてくる.そして何気ない話をしてまた朝が来る.夜に出逢った女の子の事も話した内容も朝には何もかも忘れてしまうけれど夜の衣を返し、また女の子に出逢える事を願って新しい一日を過ごしてまた出逢っての繰り返し.
ロル練習の為にちゃんと書きたいけど途中で寝そうだからあらすじを.暇な時に書ければ良いかな.
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