恋は時々、痛いけど。/ 一対一

……ふーん。そうかよ。
(昨晩カッコイイと言わす宣言をしておきながら初っ端から転けてしまった感が否めなく舌打ちしたくなる思いに駆られるも、相手の笑顔を目にすれば釈然としない心の内が穏やかに解れていくようで。素っ気無い相槌を返しながらも頭、そして頬を撫でられれば手の平の温もりが心地良く、擦り寄るように首を傾ける。以前付き合っていた元カノたちにも頬を撫でられたことはあったが特別何を感じることも無かった。ふとそんなことを思い返せばやはり自分の心を揺さぶる存在は相手だけなのだと改めて実感して。スマホをタップし送って貰った写真を確認しては微かに口元を緩ませつつ相手の言葉に頷き「分かってるっつーの。二人だけの秘密、だろ？ なら誰にも見せるつもりなんてねぇし、これは俺専用にする」と真剣な声で答え、約束する、という意味を込めて小指を立てて見せ。「お、ようやくベッドから出る気になったか。寝坊助な敬人を眺めてるだけでも俺は充分楽しいけどな」揶揄い混じりにそう言ってのけ、やけにゆっくりとシーツの波を進む相手の姿を微笑ましげに見届けては自分もベッドから離れ。暫くして鼻血が治ればティッシュを丸めてゴミ箱に投げ入れつつ「先に行ってるぜ」と一声掛けて洗面所へと向かい、10分と経たぬうちにさっぱりとした顔で部屋に戻って来て)

ん、あれ…もう洗い終わったの？
( 彼が洗面所へ向かってから10分程だろうか、爽やかな顔立ちの彼から更に爽快さを感じさせるスッキリとした表情で自室に帰って来てその間自分はと言うと、ずり落ちるようにベッドから離れた後、例えるならカタツムリのように数ミリずつ、四つん這いになってドアへ向かっている最中で。彼の顔を見上げるなり驚いた情けない声で問いかけながら彼の足をささえにフラフラと立ち上がりそのまま暫く相手の体に体重を預け顔を首元に埋めながら ｢ ん、そうだ。 折角だから朝ごはん外食にしようか…？ …近くに朝早くからやってる人カフェある、し｣ 単語単語に空間を空けながら伺えばぼんやりと目の前にある彼の首を見つめ、その後何を思ったのか軽く唇を押し付け、そこの周辺一体にふぅ、と風を送る。確かに自分には悪気はなくただ無意識的に彼に悪戯をしたい欲求があったのだろう。満足したのか、軽く目を閉じながら重心を前へかけ ｢ 連れてって… ｣ 漸く自身の足で洗面所へ向かう事が困難だと分かると消え入りそうな声で連れて行ってくれと頼み 尻目に見つめ。)




(/ 鼻血が止まるまでのんびりとと仰って頂きましたのにこちらの進行の不十分さ故、急かさせてしまったことお許しくだまさい…！！ 今更ながら謝らさせてくださいまし (( ひぃぃ…　)

おう。どっかの誰かサンみたいに派手な寝癖付けてるわけじゃねぇからな、この通り手間要らずだ。……つーか、この体勢は何なんだよ。ホラゲーに出てくるゾンビかよ。
(部屋の扉を開ければ未だ四つん這いでベッドから数十センチ程しか移動していない相手の状況に半ば呆れたように溜息を吐きつつも口元に笑みを浮かべ、近くまで歩み寄り腕を伸ばせば此方へ預けられる体重を受け止めながらつらつらと軽口を叩いて。相手を抱き締めるような形になっていることに内心ドキドキしつつ首元で話し掛けられる擽ったさも相俟って微かに肩を震わせては、落ち着かない気持ちとは裏腹に至極平然とした風を装いながら「あぁ、それ良いな。カフェで朝メシとか、行ったことねぇからすげー新鮮」と二つ返事で賛同し。このまま引き摺って洗面所まで連れて行こうかと画策していたところ、首筋に柔らかな感触を受け、次いで吐息を吹き掛けられては俄かに背筋が粟立ち「＿んッ」と小さく声が零れて。その羞恥に耳を赤く染めながら、一体何のつもりだ、と問い質しかけるも、段々と脱力していく相手の身体を支えては寝惚けているのかと勝手に推測し「＿＿クソッ！！タチの悪い寝坊助が。お望み通り連れてってやるからしっかり首掴んどけ」と自棄になりつつ相手の耳元で低く囁き、片膝を床に付ければ相手の膝裏に片腕を、背中辺りにもう一方の手を添えて所謂お姫様抱っこで身体を持ち上げ、そのままスタスタと洗面所まで歩いて行って)




(/いえいえ、此方が勝手にせっかちな行動を取っただけですので…！！むしろ此方が謝らねばですね、申し訳ないです( 土下座 )

それにしても敬人さんの朝の弱さっぷりとても愛らしくて良きですね…！カタツムリの例えにニマニマさせて頂きました( ← ) 普段はキッチリとしている敬人さんとのギャップに要も密かにキュンとしております( 笑 ) 改めて、お泊りを提案して頂きありがとうございます！！)

もう、からかわないで。寝癖の事は無かったことにしてよ…？うそ、俺そんなに気持ち悪い動きしてた？
( ただ単に立ち上がる力が無かっただけの為、ゾンビのような姿に見えていたのだと思うと少しショックで、それに寝癖の事をいびられると頬を軽く膨らませジト、と見つめる。何となく震えているようにも感じられる肩に顎を置き、モゴモゴと日本語かも聴き取りずらいような小言をブツブツと言いながらも朝カフェしようという提案に乗ってくれた事に先程までの顔付きとは打って変わってふふ、と微笑みを浮かべ ｢ まぁ、学生はそうかもね。ほら、要君のお母さん料理凄く上手で美味しいし要君の家だったら朝ごはんおうちで食べたほうがいいよ。｣ 今はもう忙しく、寄る予定もない為にご馳走になったのは昔の事で懐かしい味を思い出せば自然と頬が緩み。自身の悪戯により、高校生にしては少し色っぽい声が漏れたことに、自分が仕掛けた事なのに目を丸くさせ、んん、と何が起きたのか分からない、と言ったように首傾げる。連れて行けとは言ったものの、まさかお姫様抱っこだなんて思ってもみなくとりあえず首を掴んで見たが思わず顔を真っ赤にさせ軽々と運ぶ彼の腕の中で両手で顔を覆い隠しながら ｢ ね、ねぇ… 別に抱っこじゃなくて、引き摺ってくれれば良かったのに ｣と、小さい声で呟き。)


(/滅相もないです！、主様がお望みの展開ならばそれで私は満足なので((　

ちょっと流石に弱すぎでは？？と自身の中では葛藤があったのですが、主様が喜んでくださっているようなので大半助かっております ！こちらこそ垣間見える要くんの男らしさに胸踊り体踊り心身大忙しですよ！！ 寧ろこのトピ立ててくださってありがとうございます((((←　)

へいへい、分かったよ。…気持ち悪いっつーか、やっぱ敬人には俺が居ねぇと駄目だなって確信した。
(自分から見れば寝癖の付いた相手の姿もまた魅力的だと思うのだが相手自身はどうやらそこを弄られるのが気に食わないらしく。適当かつ気の抜けた相槌を返せばゾンビ云々の話について首を横に振って否定を示しつつ、この寝起きの悪さに付き合い切れるのは自分だけだろう、なんて都合の良い方向に思考を働かせて。母の料理の腕を褒められれば満更でも無さそうに一瞬笑みを浮かべるも、すぐさまそれを隠すようにツンと澄ました表情に移り変わり「この前、弁当の卵焼きの中に殻入ってたけどな。…まぁ、お袋に伝えとく」とぽつり呟き。抱き抱えた相手の顔が真っ赤に染まる様子をしたり顔で眺めては満足そうに口端を上げ「さっきの仕返し。＿＿なぁ、その手退かして顔見せろよ。しっかり目ぇ合わすまで降ろしてやんねぇからな」と意地の悪い台詞を並べ立て。暫くしたのち洗面所に到着するも宣言通り相手の身体を解放する気は無いらしく、背を壁に預けたままジッと相手を見つめ、羞恥に揺さぶられる感覚を恋だと錯覚してしまえば良いのに、なんて心の底から強く念じてみて)



(/本体がラブコメ大好き人間なので愛らしさと面白さのダブルで楽しませて頂きました( 笑 ) 男らしさアピール出来てるようで良かったです！これからも隙あらばアピって行こうと思います！！
いえいえ、胸躍る物語を紡ぐことが出来たのは敬人さんと本体様のおかげですので…！ これからもどうぞよろしくお願いします！/ 蹴り可 )

ふふ、そうだねー…こうやって付き合ってくれるのは要君だけだよ。透也なんて無理矢理起こして来るから…優しく起こしてくれるのも要君くらいかな？
( 目の前の彼にそう言われると、大きく頷き眠気の所為で首の座ってない頭はうつらうつらと8の字を描くように揺れながら過去を思い出し。彼の兄の起こし方は特に過酷で、その日の気分により起こし方は様々特に酷かった時は擽り起こされたなぁ、とぼんやり彼の顔を見つめ。彼の母は可愛らしく、見た目はしっかりしているものの中身は少し抜けている所が多く味の保証は出来るものの異物混入に大しては目を閉じる事が大前提だと言うことを思い出しふふ、と笑いを零す。｢ うん、また今度お邪魔させていただきますって伝えておいて。 出張で出かけた時のお土産残ってるからそれ今度渡しに行くよ ｣ と部屋の隅に置かれた彼の家宛てのお土産袋を指さし。指の隙間から彼を見上げるとしたり顔で、こちらを向いている。何時から彼はこんなにも彼の兄の性格に似てしまったのだろう。彼の兄も偶にこうやって悪戯を仕掛けてきたことはあったが、今回はとても分が悪い。相手は年下で、しかもそんな年下の彼の腕の中で目を合わせなければ降ろさないなんて条件付きだ。普段ならもう少しで落ち着き、顔を見られるハズなのだがどうしてか今回はそう簡単には行かないようで、本当に破裂しそうな心臓を右手で抑えつつ、少し目じりに恥ずかしさからかうるりとした水晶が形成される。ゆっくり手を下ろし、控えめに彼を見つめては 直ぐに彼の胸板に顔を突っ込み ｢ ス、スイマセーン…下ろしてください？ ｣嗚呼自分は何を翻弄されているのだろうか？唯お姫様抱っこ1つで自分はこんなにも戸惑ってしまう物なのか、はたまた彼だからか？＿変な妄想はよそう。そんな事を頭の中で消化していきながらゆっくりと深呼吸して )

あ"ー……フツーに嬉しいのに素直に喜べねぇ。アイツの起こし方は起こすってより寝起きドッキリじゃねぇか。それに比べりゃ優しいだろうな。
(相手から頼られるのは嬉しいものの比較対象に兄を持ち出されれば複雑な心境になり盛大に眉を顰めて見せる。相手ほどの頻度では無いだろうと思いつつも乱雑な起こし方をされた記憶を振り返っては頭に浮かんだ映像の数々を打ち消すように緩く頭を振って。しかし相手の指差す先にある紙袋へ視線を向ければ幾分か表情を和らげ「…ん、伝えとく。お袋も敬人に会いたがってたからめちゃくちゃ喜ぶと思う」と頷き返して。自分の腕の中で恥じらい葛藤している相手の姿をただ眺めているだけで幸福感に満たされ、一瞬たりとも見逃せないと言わんばかり記憶に深く刻み込むように相手を見据える。そして顔を覆っていた両手が下されれば潤んだ瞳と視線が重なり、ドクリと大きく心臓が跳ね。「100点満点…」束の間見えた相手の表情に見惚れて心の内に秘めておくはずの言葉がぽつりと口を衝いて出てしまい、それを誤魔化すように ん"ん、と軽く咳払いをしてはゆっくり相手の身体を下ろして。ついでにくしゃくしゃと相手の髪を撫でれば「俺以外の前でそーゆう顔すんじゃねぇぞ」と囁いたのち洗面所に相手を残して部屋に戻り)

ふふ、でも要君の起こし方って独特だよね。起こすっていうか…見守られてる？見たい。今日も起こさずにただじいっと見てたでしょ？
(兄と比べられるのが嫌な年頃なのだろうか、眉を盛大に顰めあからさまな反応を示すもので、笑みを零す。この兄弟は二人揃って起こし方が独特で、特に彼はこちらの睡眠の邪魔をすること無く見守るように見つめギリギリまで起こそうとせず今日のような休みの日なんかはこちらが起きなければずっと寝かせてくれそうだ。彼の母親も自分に会いたがっているという言葉を聞き嬉しそうに頷きながら何年ぶりに顔を出すことになるのだろうかと考えさせられる。会うなり彼女の天然発言が炸裂するのだろうか、だなんて思いつつ大きな欠伸を一つする。｢ひゃくて…？…待ってそれってどういう｣突然の採点に目を丸くし数回瞬きをしている間に事は過ぎ彼はここから立ち去ってしまって、 彼にしか見せられない顔とは一体どういう顔をしていたのか。鏡を見ても少し火照った顔をした自分がいるのみで考え始めれば長くなると思うとその悩みすらも顔を洗うことで水に流しスッキリとした表情で自室へと帰るもドアの前で立ち止まり着替えている頃であろう彼に配慮しコンコン、とノックしてから｢入るよ？大丈夫？｣と声を掛け様子を伺うことにし。)

(/取り急ぎ本体のみ失礼いたします。今週中リアルが多忙のためレスお返しするのが遅くなりそうです…、申し訳ございません;; 土曜日にはお返事出来ると思いますのでそれまでお待ち頂ければ幸いです…本当にすみません;; )

(/うわあああすいませんこちらも連日課題に追われていまして、今確認致しました！リアル重視でレスして下さい！急ぐこと無く返せる時に返せればいいじゃないですか;; 謝らないでください、此方気長に待てますし、元々亀レス人間なので;;)

(部屋に戻るとスポーツバッグから着替えの服を取り出しつつ先程の相手の言葉を思い出す。寝顔をジッと眺めていたことを気付かれていたのか。スマホで撮影していたことに関しては気付かれてない様子にホッと安堵の息を零すと共に、もしバレてたら相当恥ずいな、と仄かに耳を赤く染めて。取り出した服に着替えると姿見の前でおかしなところが無いかチェックする。無地の白Tにワインレッドのワイシャツを重ね、下は濃紺色のデニムパンツ。右腕に細紐のレザーブレスレットを着用した自分の姿が鏡に映っている。普段は動きやすさを重視した服装で遊ぶのが殆どだが、今日は相手との遊園地デートということを意識していつもより幾分か背伸びした大人っぽい服装を選んだつもりだ。ちょうど襟元の確認をしていたところにノックの音が聞こえれば、扉の方に視線を送り「おう。もう着替え終わったとこ。敬人も早く着替えちまえよ」と答え、脱いだ寝巻きをバッグに仕舞って)



(/返信遅れまして申し訳ありませんでした！お待ち頂きありがとうございます( 深礼 )
お言葉に甘えてリアルが忙しいときはゆったりとレスをお返しさせて頂こうと思います。また長く間が空くようなときがあればなるべく事前にご報告するように致しますね！/ 蹴り可)

(着替え終わったとの声にガチャりと扉を開け中に入れば、より一層大人になった彼の姿を目に入れ思わず数十秒程見惚れてしまい、ハッと我に返った時には少し頬を赤らめ目を始終あちこちへ動かしつつ微笑みながら着替えを始めることにし。特に異性でも無いので、目線を気にすることなく、何となく目に入った服を取り出しその場で服を脱ぎ着替え始め。白生地にミルキーブラウンのストライプの入ったシャツに、ブラウンともベージュと取れる色合いのニットベスト、ベージュ色の少しだぼっとしたズボンを履けば鏡の前に立ちうーん、と首を傾げ唸り始める。普段こそ服装なんて気にした事は滅多と無く、シンプルが好きで流行りに乗る気すら無かったのだが彼と2人で遊びに行くとなると彼の服装に合わせた方が良いのかはたまた流行りを入れる方がいいのか考えれば考えるほど外に出ずらくなってしまう気がしてくるり向きを変え彼の視界に入れば自身の服を引っ張り 「どう？…これで、大丈夫かな？ 」結局は相手がどう思うかによる、顔色を伺ってダメそうなら着替えればいいかとガサツさを垣間見せ )

どうだ、見違えただろ。
(数十秒程、相手の視線が此方へ注がれれば自信たっぷりな様子で腕を組んで見せ。しかしながら、またてっきり"大人っぽくなったね"なんてサラッと言われるものとばかり予想していたため、相手の頬がほんのり染まるのを目にすれば意外な反応に数度瞬きをして。もしや先程の出来事を思い出して照れているんだろうか、と勘違いしたまま何気なく相手の行動を目で追っていたところ、此方の視線を気にする様子も無く服を脱ぎ出す相手に心臓をどきりとさせ、咄嗟にスマホを手に取ると相手が着替えている間は其方へ目が行かないようにSNSのチェックに没頭することで意識を逸らし。暫くして着替え終わった相手から声が掛かればスマホから視線を上げ、頭から爪先までゆっくりと相手の姿を眺めて。全体的に穏やかな印象の色合いが相手のふわりとした雰囲気とよく調和していて『良いんじゃねぇの』と素直な感想を漏らし掛けるも、少し思考を巡らせたのちクローゼットからネイビーのチノパンを引っ張り出し「こっちの方が良い。これに着替えろ」と相手に差し出して。折角のデートだしどうせならお揃いの色を纏って欲しい、なんて言葉は胸の中に秘めたまま半ば押し付けるようにして代わりの服を手渡し)

お、流石オシャレさんは違うね…！…ふふお揃いだね。
( 代わりの服を渡されては成程、と感心し鏡を見て頷いていた所ふと何かに気付いたらしくなにやらニヤニヤしながら近付いたかと思えばお揃いだと伝えたかっただけらしくそれだけ言うとまたその場で着替える。あまり自身の着こなさない服装なだけになにやら背中がむず痒く感じつつ着こなすことが出来ればよし、と小さく呟き再び前に立つなり「 これで、大丈夫そう？ 要くんの趣味にあったファッションになりました？ 」ファッションの善し悪しに乏しい頭では考えた所で意味が無いことは目に見えて理解していた為に首を傾げ尋ねに行く。その場でくるりと一回転すると自身でももう一度服装を確認し自分的には満足のいく物になったぞと少し輝いているような目で見つめ。"似合ってる"の言葉や"俺好み"というワードが口から出てきてくれたら嬉しいんだけど、心の奥で呟きつつ控え目に軽く上目になるように反応を伺いに出て 。)

……まぁ、そうだな。飽くまで偶然だけどな。
(相手の口からお揃いというワードが飛び出せば自分の意図を汲み取って貰えたことが嬉しい反面、照れ臭くもあり、ツンとそっぽ向いて横目で相手の表情を見てはぶっきらぼうな物言いで偶然だと言い張り。再び相手が着替え始めるなり先程と同じように視線と意識を他のことに逸らし、やがて着替え終わった相手が目の前でお披露目する様子を眺めては満足げに口元を綻ばせて頷き。「あぁ、うん、良いな、すげぇ似合ってる。俺の敬人だ」お揃いも勿論だが此方の反応を伺う相手の姿に愛おしさが込み上げて来て、しみじみといった様子で感想を口にしては堪らず相手の身体を抱き寄せる。このまま密着していたい気持ちと早くデートに向かいたい気持ちの狭間で揺れながら、ちょっとした悪戯を仕掛けてみたい欲求に駆られれば「糸くず付いてるぜ」なんて宣いつつ、相手の臀部から太腿に掛けて布越しにするりと指を這わせ)

てっきり故意なのかと思っちゃった。ふふ、恥ずかしいなぁ俺。
( 偶然、と言われると1人勘違いしたのだと思い照れ笑いつつも頭を掻きながら。お披露目をした所わかりやすい反応を示し、此方も思わず頬が緩んでしまう、と思っていた矢先に抱き締められるものだから数分何が起こったのかわからないと言った表情を浮かべ彼を見詰める。彼の発した言葉の最後、"俺の敬人"に反応しては理由が何かは分からないが恥ずかしいような気がして耳まで赤く染め上げてしまい全く情けない、と溜息をつき。「 …要くんの見る目が良かったって事だよね、流石だね 」 自身の事を話題から逸らすように言えば背中に手を回しゆるりと微笑む。糸くずが着いていたらしくそれを取ろうとしてくれている指が這うように目的地へ進んでいくのを布越しに感じつつもこうも密着していると敏感になってしまうのかビクリ、と肩を飛びあがらせ 「んっ… ＿＿ん"ん"っ」色気を感じさせる掠れた声が最初の方に漏れればそれを誤魔化すように咳払いして )

何年もお前のこと見てきたからな。……幼馴染として。
(休日などショップ巡りをする際、自分が着たい服とは別に相手に似合いそうな服を手に取ってまじまじと見入ってしまうことが多々あり、その辺は熟知していると自負していて。背中に手を回されれば触れ合う温もりの心地良さに浸りつつ、センスを褒められたことの嬉しさを抱きながらも何処か寂しげな声音でぽつりと呟き。此方が仕掛けた悪戯によって相手の口から艶めいた声が溢れれれば、愉快そうにクツクツと喉奥で笑いながら「糸くず取っただけなのに、なんつー声出してんだよ。…ほら、そろそろ朝メシ食いに行こうぜ」と揶揄い混じりに囁き、抱き寄せていた手を離しては相手の髪をわしゃわしゃと撫でたのち、黒いリュックサックを片手に携え部屋を後にしようと)

そんなの、俺の方が長いじゃん。俺の方がよく見てきたと思うんだけどなぁ…
(寂しそうに呟かれた言葉にふっと吹き出せば優しく頭を撫で、見てきたのは此方も一緒だと。揶揄われたことに対し怒りよりも恥ずかしさの方が勝ち「ばっ、馬鹿。別に出したくて出したんじゃないって 」と精一杯手を振り否定をすると忘れてくれと言うかのように手でバツを作りこれ以上弄られる事を拒む。リュックを携えて部屋を出ようとする彼に まってよ、と声をかけると自身もまた黒いリュックを手に取り乱暴に車の鍵をポケットへ押し込みリュックに抱き着きながら部屋をでて。自分の母親に軽く声をかけると、彼に玄関で待ってて、と合図し、自身は車庫に入れた白の車を運転しながら登場し、玄関の近くまで寄せ窓を開けるなり 「 要くん行くよ、はやくのってー 」 威厳のないゆるゆるの声でそういえば急かすつもりなど鼻から無く、小さく手招きしてみせ。)

……ふ、ははッ、そうかもな。俺より俺のこと知ってんじゃねぇかって思うときあるわ。昨日の夜とか、お前すっげー思い出ダイジェストしてたし。
(頭に触れる優しい手の平の感触、それと共に告げられる言葉を聞けば自然と笑みが零れる。相手から向けられる好意は幼馴染としての親愛で、自分が相手に対して抱いているのは紛れもない恋愛感情だ。とても近くに居るのに果てしなく遠くに居るような寂しさは拭えないものの、きっと勝算はあるはずだと密かに気合を入れ直しつつ上記の如く冗談めかして。恥ずかしがる相手の様子が心底愛おしく、羞恥心を擽りたいという悪趣味な欲求が湧き出るものの、これ以上踏み入って相手の機嫌を損ねるのは上策じゃないと判断しては大人しく口を噤み。部屋を出たのち相手の母親に挨拶の言葉を告げては合図された通りに玄関を出たところで待機し、相手の運転する車が寄せられると促されるまま助手席に乗り込んで。シートベルトを締めつつ相手の方に視線を送れば「じゃあ、今日一日よろしくお願いします」と畏まった口調で述べた後「くれぐれも安全運転でな」なんて小生意気な一言を付け加え)

そりゃあだって君が赤ちゃんの頃から知っているからね？ 要くんが今でもこうやって慕ってくれているのが凄く嬉しくて、思い出しちゃうの。
( 彼の言葉に間違いは無く、昨日からどうも彼の行動や発言の一つ一つから昔の思い出が脳裏に蘇るようで何とも言えない気持ちになっている。挙句、昔の天使のような愛嬌のある可愛らしい彼と今とのギャップに胸を打たれる気持ちさえ芽生えている。1度彼のことを思い出すと脳内の引き出しのあちらこちらから思い出が溢れかえるので手の付けようがないと言ったところが今の現状である。素直に気持ちを吐露するなり肩を竦めて微笑み。「 ゴールド免許だから、安心してよ。 要くんこそ、俺の運転さばきで惚れないでよね 」彼の兄を連想させる言葉に、声真似をすればキリッとした顔付きになり、何時もは掛けない丸淵の眼鏡を掛ければ安全第一を心がけ車を発進させる )