執事長 2019-05-03 20:33:24 |
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(/今晩は、毎夜お世話になっております。レオ、並びにニールの背後に御座います。今回ニールが盲目になるお話を紡がせて頂きまして、色々と湧き起こる感情を此方の宝箱に詰め込みに参りました次第です。
まずはその……まだきちんとフィナーレを共に歩む怪物様も、どんなフィナーレを迎えるかも決まっていないようなふらふらとした子ですのに、ハイネ様を筆頭にミゲル様、アッシュ様、クォーヴ様と、四人もの怪物様を巻き込む大事になってしまいまして、驚きとわくわくと申し訳なさが混ざって居た堪れなく……特にハイネ様とクォーヴ様相手には結構な粗相といいますか、あろうことかニール側から“獲物”扱いなど致しまして、怪物様にも主様にもご不快な思いをさせたのではないかとお返事を待つ間不安に駆られる瞬間も多々御座いました。それに加えまして、所々独り語り、ワンマンな悲壮ショーじみた面が目立つロルを綴ってしまっていた事も多少の気掛かりで……
とはいえ私としましては此度のお話、大変楽しくやり取りさせて頂きましたし、ニールの方も自我を存分に引き出して頂いて生き生きと屋敷を駆けておりました故、個人的には満足も満足、大満足に御座いますから、主様もそうであれば良いなと想いを馳せております。
それから、お次はレオのお話を紡がせて頂く予定で御座いますので再確認を。お屋敷の方でもお伝えした通り、始めにミリアム様、続けてユギン様またはラクシュエリ様のご指名の流れになるかと思われます。レオ自身、元いた人間界では、最低限の交流はあれど街や街の人間を厭い気味、且つ“自分は補食と披食の巡りに組まれた動植物の一つである”という思考や感覚が強い狩人故、育ての親との家族愛以上の事はあまり知らない人間。どうにも対人の間で生じる感情に疎い面がありますので、自覚に少々のお時間とお手間を取らせてしまうかもしれない事を先にお詫び申させて頂きます。
それと…少々気は早いのですが、日常イベントについてもお一つ。今回のレオの相談関連が済んだ後、【九尾の神通力】イベントにて、小さくなったレオをラザロ様に保護して頂き、そのままラザロ様のお部屋に一時避難という形で招いて頂こうかと目論んでおります。その後の流れで【月夜の晩酌】を経て、またレオが一人でラザロ様のお部屋を訪れようとしての【怪物の証明】でシリアスを一匙…などと考えておりましたが、如何でしょう…?
些かニールに釣られて目一杯に此方の欲求要求ばかりを長々お話致しまして、申し訳ありません。解釈違いや此方の理解不足等々ありましたらびしびし仰って下さいませ。それでは、これにて失礼致します。)
>レオ&ニールPL様
(/こんばんわ、此方こそ大変お世話になっております…!
ええええ?!な、なにゆえ申し訳なさが混じってしまうのですか…?!色々と定まっていないからこそ様々な住人と交流を持ちやすいというのもありますし、何より当方としてはニールさんが色んな怪物たちと縁を繋いでくださってとっても嬉しいです!粗相だなんてとんでもございません、むしろそれもニールさんの素敵な個性が出てる~!ひゃっほ~!と小躍りしていたくらいですので本当に何卒お気になさらず…!こちらこそ高飛車なハイネが失礼なことを沢山しでかしていて、ご不快な思いをさせてしまっていないかやきもきしておりましたので、御満足いただけていてとても安心しました…。わざわざご丁寧にありがとうございます…!
レオさんの物語の流れについて、承知いたしました。お詫びだなんてとんでもない、そんなこと気にせず是非心ゆくまでじっくりとレオさんの中での想いを凝縮させていただき、ゆっくりゆっくり解像度を上げていっていただければと…!ただ現時点でラザロからレオさんに向ける感情としては、他の怪物には絶対に食べられたくない(=ちゃんと自分が食べたい)特別な獲物、という認識ですので、それが情愛側に進んでいくかどうなるかはこれから先の展開次第という点はご留意の程お願いいたします。
イベントのご活用についてもありがとうございます!ひ、非の打ち所のない理に適ったストーリー…!確かにラザロは小さくなってしまったレオさんを放っておけないでしょうし、ラザロの部屋をブックマークして一人でも辿り着けるようになったレオさんがラザロとお酒を酌み交わしながら普段とちょっと雰囲気の違う夜を過ごして、でもその後にラザロの怪物性が垣間見えてしまってレオさんの心情にどう影響を与えてしまうか……もう今から楽しみでございます…。
いえいえとんでもございません、あれこれやってみたい!と仰っていただけるのは管理人冥利に尽きますし、それだけお屋敷の設定を消化いただいているということですのでとても嬉しいです!こちらこそ冗長な文になってしまい申し訳ございません、お返事いただける際は何卒文章の多寡はお気になさらず!)
(/それではお言葉に甘えまして、沢山お話させて頂きますね。
申し訳なさは、その、ニールの奔放さに付き合わせてしまったな、という辺りの……特に今回のお話中のニールは常にうっすら発狂していたようなものですし……いえ、これ以上は無粋ですかね。わくわくどきどきしながらお返事を返していたのは事実ですので。小躍りされるほどだったとは、ニールも私も空まで飛べそうなほど嬉しいですねえ。
いえいえ、むしろ誇り高く自分の思う様にニールに関わって下さるハイネ様だからこそ、ニール・グレイ”という精巧に継ぎ接ぎされた人の皮の縫い目を遠慮無く引き裂いて、その内の燃え盛る大蛇(ケダモノ)を引き摺り出して頂けたのだと思います。たまには大蛇も狭い人の皮から解放されて思い切り伸びをした方が良いでしょうからね…なんて、冗談ですが。
その後のミゲル様の「人ではない方がいい」という言葉も、アッシュ様からの全力の「愛してる」もニールには余りある喜びでしたが、背後としましての此度の個人的MVPはクォーヴ様ですね。齧り付く事を許容してもらえたのもですが、噛んでも“寂しい”と泣くニールの首を絞めて頂いたのが…こんな噎せ返るほど甘ったるくて優しい、月下美人の香りに溺れていくような耽美な猟奇があるものなのかと……ニールはうっとりしておりましたが、正直背後はテンションぶち上がっておりました。
有り難いお言葉感謝致します。勿論、まだまだ「捕食者と獲物」の関係を越えられる程の意識と感情を持ち合わせていないのはお互い様、百も承知の上です。むしろここからラザロ様にもレオにもどんな感情を持たせるかこそがお話を紡ぐ醍醐味でしょう。
それから、イベントの件も有り難う御座います。ここまで楽しみにして頂けると、夏祭り前から考えていた甲斐があるというものですね。そう、アッシュ様ウーミン様の兄貴分である世話焼きな彼なら、懐いている己の獲物が困れば放って置かないだろうと…小さくなれば好みから外れて補食の心配もありませんし…という割と打算込み込みで打診させて頂きました。
あとは一つご質問だけ。【九尾の神通力】イベントで小さくなった際、記憶はそのままで、身体能力が相応に落ちるのは言わずもがなかと思われますが、精神はどうなのでしょう?あちこちの創作で見掛ける年齢操作には、幼くなった身体に精神が引っ張られて性格がちょっと子供っぽくなる、とかよくあるので……もしこの方向であるならば、子供の頃は好奇心旺盛に結構なやんちゃしてたレオをもってして、ちょっぴりラザロ様を振り回してしまえるかなと……あ、勿論そのままでも問題はありませんし、それはそれでレオという人物の掘り下げが出来る話が紡げたりしそうですので、お気軽に答えて頂けると幸いです。)
>レオ&ニールPL様
(/お返事ありがとうございます。確かに優しいだけの怪物では関係性がきちんと構築されるまではなかなか演者様の深淵にまで踏み込めず、遠慮してしまう余り折角キャラクターに練り込んでいただいた設定を引き出しきれないきらいがありますので、そういった意味ではハイネという住人の特性が良い方に活きたのかもしれませんね!演者様が演者様らしく活き活きと躍動して設定を存分に具現化し消化していくところが見られる事は一、二の判別がつかないほど喜ばしいことですので。クォーヴの行動について、癖に刺さって下さって何よりですー!視界を奪われて存在証明が曖昧になったニールさんが自傷行為に伴う痛みによってなんとかその輪郭を保とうとしているというのは文章から伝わっておりましたので、だったら自傷では辿り着けない他者からしか与えられない痛みを差し上げることが慈悲深さに繋がるのでは…と考察した故の絞首でした。耽美な猟奇、まさにそれですよね…グランギニョルの世界観にぴったりとマッチする一場面を一緒に描いていただけたこと、心から感謝いたします!
ご理解いただいてありがとうございます!はい、お互いが何を思い相手をどうしたくなるのか、これからの交流にて未知なる未来を形にしていければと思います。ラザロの性質をよく把握して下さっていて助かります…笑。【九尾の神通力】で小さくなった際についてですが、まさにどこぞの身体が縮んでしまった名探偵さんと同じで、身体は子供でも精神は実年齢のまま維持されるのが原則とお考えください。が、もちろん折角のイベント、最も大事なのは演者様が普段の日常で発揮しきれない部分を発現させたり、キャラクター像のより深い所を発現させる一助として利用していただくためのものでもありますので、徐々に精神が幼児退行していったり、或いはふとした時に子供っぽい一面が出てしまったり等、都合よく調節いただく分には何ら問題ございません!ので、その辺りの塩梅はPL様にお任せいたします。)
(/ええ、ましてやニールのこの無機質と焔が同居する本性は、怪物様によっては覗かせた瞬間それ以上踏み込むのを躊躇させる部分、困惑させる部分でもあるだろうという不安もありましたので、圧倒的な強者である自負のあるハイネ様相手に、もうこれ以上無いほどニールがニールらしくのびのび過ごせた事に感謝致します。
ニールの事をよく理解して頂けてるようで、大変喜ばしい限りです。そう、本来の彼にとって他者の視線を得る為、ひいては自身の存在を証明する為に、他者への牙と認識する瞳のどちらもが不可欠。この度は瞳が塞がれており、どう足掻いても時間を経るにつれて自分が曖昧に溶ける恐怖からは逃れられず、本能的に痛みで自己の存在を保とうと牙を自身に用いるようになっています。しかしそれも焼け石に水、それ所か他者を噛んでも満たされずもう限界だった瞬間にクォーヴ様の絞首による痛みが与えられた事で輪郭を取り戻し、ハイネ様との約束の日まで何とか会話が出来る程度の自我が保てた…というのが大まかな行動背景です。本当に…この世界ならではの情景が紡げまして、最高の時間でした。
質問への御回答、有り難う御座います。なるほど、某眼鏡の少年宜しく精神はそのまま、あとは此方の塩梅次第ですね。承知致しました。折角物理的にいつもと違う視点でラザロ様に接するのですから、多少のブレぐらいは思案にでも……いや、これはまた後々のお楽しみまで内緒にして、確り塩梅を練っておきましょうかね。今語ってしまうと味気無くなってしまいそうですので。
それと、最後に余談と言いますか蛇足といますか…今回のお話のインスピレーションを『狂信者のパレード』という楽曲に得ていた事と、本編では語れないだろうニールの裏話をおまけとして書き残しておきます。
ニールは元々、レオとは正反対のキャラクターにしようという考えの下、思案の一つに在った『人に成り損なった蛇』というコンセプトを練り上げ出来上がった子です。ですので表情だけは人らしく巧みに作り込まれていますが、それ以外の容姿や五感の能力、仕草所作などには背後の思う蛇っぽさをこれでもかと詰め込んで描写しております。今回で特に意識して描写した部分は“身に纏ったシーツを取り去る”場面でしょうか。蛇が脱皮し変化していく連想で、鱗の代わりにシーツが脱げてヒトではないナニカに変わっていく、という…まあ些かの強引さは否めないですが、そこはそれとして。
あとは本編でも何度か描写しましたが、ニールは感情が昂ると瞳の赤色が濃くなる、という設定が後付けで盛られています。限りなくにわか知識ではありますが、現実的な原理としては、興奮して血流が良くなる→瞳孔や虹彩回りの血管へ流れる血量が増える→透けてる色の赤みが強くなる、というもの…?らしいですね…?少々ふわふわしておりますが、この情報を手に入れた際、ニールが本来の感情を見せた際の解り易い指標になるのでは、と後々に乗せてみました。
個人的なイメージを宝石で例えるなら、普段のニールの瞳がロードナイト、完全な興奮状態でピジョンブラッドの色味でしょうか。もうこれについては完全に背後の趣味ですので、頭の片隅にでも置いておいて下されば…
むむ…背後もニール同様、思い入れのあるものへの愛が激重ですので、一度我が子語りを始めるとあれもこれもと話が止まらなくなってしまいそうです。しかし今回は設定を秘して動かすキャラクターの方が覗き甲斐があるだろうと、ここはぐっと堪えまして、これにて宝箱からグランギニョルへ戻らせて頂きます。では、また後ほど本編にてお会いしましょう。)
( / こんばんは、普段からお世話になっております。リーパー並びにグレンの背後です。この度はご相談並びにご質問をさせていただきたい事があり、こちらにお邪魔させていただきました。
早速ですがご相談内容へと…。以前女性PCの追加を考えているとお伝えさせていただいていたのですが、先日テンプレートをお借りしようと舞台裏の方を覗かせていただいたら名前が洋名・中華名推奨となっている事を確認いたしまして。中華キャラ大好きな私としましては中華娘を動かしたい!けれど、途中まで癖を詰め込んだ娘も捨て難い……となってしまい、ご負担で無ければ執事長様に選んでいただければな、と。勿論、可能でしたらで構いませんし未だ作成途中なこともあり簡易的なものになりますがPFと、どういう娘なのかが分かる程度のサンプルロルもお付けさせていただくつもりにしています。
また質問に関してなのですが、その中華娘を作成するにあたっての事でして【 屋敷の住人様たちは中国語のままでも理解が出来るのか否か 】を作成前にお尋ねをしておきたいなと。実は中華娘が以前大枠だけを作成して動かす事なく眠っている子なのですが、どの時点で屋敷へと拐かされて来るかで話せる言語に差が生まれてくる子でして…。ご返答次第で年齢諸々変わってくる部分があるためお手隙の際にでもお教えいただけますと幸いです! )
>リーパーPL様
(/宝箱でのご相談ありがとうございます、こちらこそお世話になっております!早速以下の通り回答させていただきます。
>簡易PFおよびサンプルロルからの演者様の選択
大変僭越なお申し出におっかなびっくりですが、PL様のお望みとありましたら謹んで真剣に選ばせていただきます。ご負担でなければ、という点は本当にこちらこその極みでございますので、本当にご無理のない範囲で…。
>住人たちは中国語を理解できるか
回答としてはYESとなります。というのもお屋敷での交流中に使われている人の言語がどの国の公用語かはかっちり固定しておらず、住人たちが問題なく演者様方とコミュニケーションが取れるのはどの国の言語であっても問題なく翻訳される仕組みがあるとご想像ください。中国語を使う、という点を演者様の特徴にしたい場合は、その旨をプロフィールやロル内に記載いただければ住人側も「あれ、なんか聞き慣れない発音の言葉だなあ」程度の違いは認識させられますので…!
他、何かお答えしきれていない点などございましたらご遠慮なくお申し付け下さいませ!)
( / 質問へのご回答並びにご快諾ありがとうございます。
当方、定期的に何に使うでもない娘や息子を作成する事が趣味のようなものですのでお気になさらないでくださいませ…!ただ、肉付けしきる前のPFとなりますので最終的にはご提示させていただくものと多少の差異だけ生まれてしまう事だけご理解いただければと思います…。
なるほどなるほど、日本人で言うところのあまりキツくない方言の差くらいの認識で相違ありませんでしょうか?だとすれば中国語自体は母国語となりますため、普段使用する事の少ない勉強途中の英語だったりをカタコト認識認識にしていただく事も可能だったり…?恐らく見た目から同郷とは言い難い屋敷の住人様たちを見て、中国語のままでも問題無く交流が図れると察するまではある程度の知識のある言語を使用して対話をしようとするかと思いますので!
色々と中華娘に関することを書き連ねてしまいましたが、勿論もう一方の娘を選んでいただいても問題ございませんのでお好きな方を選んでいただければと!PFとサンプルロルに関しましては本日中に再度こちらにお邪魔させていただきご提示させていただく予定にしておりますのでお待ちいただけますと幸いです。 )
>リーパーPL様
(/こちらこそお返事ありがとうございます。多少の差異…?肉付けを経てより魅力的になったがゆえ生まれる個性の事ですよね…?そんなのきっと大歓迎に決まっていますよ…。
そうですね、発音のアクセントに違和感を覚えるような反応になるかなと思われます。第二言語をカタコト判定させるのもきちんと描写さえいただければ勿論OKです!交流中に言語が切り替わるのはお屋敷初のことですので、もし実現していただけましたらとっても新鮮ですね…!…とそうだ、もう片方の娘様もいらっしゃるのでした!!とってもわくわくしながら待たせていただきますー!)
( / こんばんは、お世話になっておりますー!予想以上に仕事がバタバタとしましてご提示が遅れました…!以下二名分簡易PFとサンプルロル( お屋敷に拐かされる前段階の想定です! ) を添えさせていただきましたのでお手隙の際にでもご確認いただけますと幸いです。
また、名前につきましては選んでいただけた娘の肉付けをする際に~と考えておりますので、きちんとしたPFをお屋敷の方に出させていただくまでお楽しみにしていただければと!(笑)
① マフィア構成員 / 18歳 /
容姿:暗い赤色の髪は胸下辺りまでの長さのロングウルフ。前髪は目が完全に隠れる程度の長さを左側に流した状態。つり目がちな瞳は黒い虹彩が収まっているが、前髪で隠れている左側は殆ど視力が残っておらず垣間見る事があるのなら白濁した目が見える事だろう。身長163cmで女性らしい凹凸は少ないもののめりはりはきちんと付いた体躯。深くスリットの入った黒いチャイナドレスはよく見れば同色の糸で刺繍が入っている事が分かるだろう。スリットから覗く太腿には枯れた薔薇のようなデザインのタトゥーが1つ。10cm程のヒールを履き、左の足首にはシルバーのアンクレット。
性格:外見からか纏う空気感からか、冷たそうだなんて第一印象を抱かれる事が多いが実力主義且つ男性社会のためにそうせざるを得なかっただけに過ぎず、実際は存外好奇心旺盛且つ欲に忠実なタイプ。気に入ったものに対する独占欲が強い事と、存外面倒見が良い事が特徴として挙げられるだろう。
備考:所属組織の首領補佐に拾われるまでは貧民街の路地で暮らしていた元孤児。左目の失明も、お世辞にも発育の良いと言えない体躯もそれ故のもの。所属組織の中で手柄を挙げるにつれて地位を上げてはいるが地位や名誉などに対する執着は無いに等しく、ただ単純に命令されているからやっているに過ぎないという考え。薬物で身を滅ぼす人間を多く見てきたからか、薬に対する警戒心が強い。第一言語は中国語だが、英語やフランス語など多少の訛りはあるものの日常会話をする分には支障が無い範囲内の知識がある。
サンプル:
( ヒールがコツコツとコンクリを叩く音の合間に聞こえるのは飢えた人の呻きと薬を欲する人の媚びた様な声。常人が見れば異様に感じるであろうこの光景も最早見慣れた生活の一部となってしまったのはこの生活が狂っているのか、それとも己が狂っているのか、はたまたそのどちらもなのか。ゆったりとした歩調で向かうのは直属の上司にあたる人物の元。扉を開き凝った調度品で飾り立てられ焚かれた香の匂いに僅かに顔を顰めつつ 「 ……終わったよ 」 革張りのソファに座る当人を一瞥し平坦な口調で。ご褒美をやらないとな、胡散臭い笑みを携えながら口にする言葉にあからさまな程嫌な顔をするのはご褒美の内容を知っているが為の反応 「 “ 飴 ” なら要らないって何回も言ってるでしょ。それより早く休みたい 」 血に濡れる事は無かったものの身体と頭を酷使した為に気を抜けば落ちてくる瞼を見たのか、軽やかな笑い声と共に下がる事の了承を得れば踵を返し。先程の部屋とは違い殆ど何も装飾の無い自室まで戻ればお世辞にも柔らかいとは言い難いベッドに突っ伏す様に寝転がればものの数秒で夢の中へと落ちていくはず )
② ピアニスト / 16歳 /
容姿:淡い栗色の髪は緩く巻いたような癖のついた腰の辺りまでの長さのロングヘア。サンタマリアアクアマリンのような透き通った水色の虹彩は少し垂れ目がちな瞳で、持ち上がった口角と合わさり柔らかくゆったりとした印象を与える事だろう。シフォン素材の淡色ワンピースにウエストのあたりでブラウンのベルト、足元は3cm程度の高さのパンプス姿。身長は158cmで女性らしい凹凸がはっきりとした体躯。アクセサリーの類は左右のロブに1つずつのワンポイントピアスのみ。
性格:ふわふわとして優柔不断そうな外見からは反して存外しっかり者で自分の意見はしっかりと持っているタイプ。然しながら私が我慢すれば、という自己犠牲的な思考も持ち合わせており外的要因のストレスを溜め込みがち。
備考:コントラバス奏者の父とフルート奏者の母の間に産まれた一人娘。蝶よ花よと育てられるも、有名オーケストラに所属し世界中を飛び回る両親とは別に暮らす時間の方が長く、親代わりとなっていたのは母方の兄のピアノ講師。音楽の才能は両親から多分に引き継いでおり、瞬く間にピアノの腕が上達し初めて舞台に上がったのは10になる年。クラシックの世界では親の七光りだ何だと言われる事が多く、最近では全く関係の無いジャズバーでヴェールで顔を隠し週に2回ほど演奏させてもらう事を楽しみにしている。
サンプル:
( 割れんばかりの拍手と共に裏から聞こえてくるのは両親云々の声──そんなクラシックの舞台とは違い、聞こえる拍手は少ないものの実力を認めてくれた人間だけが耳を傾けてくれている空間が心地良い。もっともっと、と鍵盤を叩く指は止まらないものの時間は有限。バーの店長から時刻を告げるサインが出れば溜息を一つ漏らして退散の準備を。下がる間際、常連の一人から投げられた次はいつ弾きに来るのかという質問へ立ち止まり、視線を斜め上へと投げて考えるのは自身のというよりも両親のスケジュール 「 週末は予定があるからダメなの、早くて来週だと思うわ 」 内緒で演奏をしている事がバレても怒られはしないが、確実に厄介な事になる。 「 約束が出来なくてごめんなさい。詳しくはまたマスターに聞いてくださる? 」 精一杯の申し訳なさそうな表情はきっとヴェール越しには見ることは出来ないだろうが、ゆると傾げた首は見て取れるだろう。早く帰れと言わんばかりのマスターの様子に常連への挨拶はそこそこに裏へと下がり帰宅の準備を整えるはずで )
長々と申し訳ないです…!恐らくリーパー並びにグレンでお分かりの通りかと思い明記は避けておりますが、両者共に愛情に飢え且つ現世への未練は薄い娘です。懸念点を挙げるとすれば、①の娘はリーパー同様慣れるまでは警戒心が強く少々敵対的な面が目立つかなと……②の娘はそう言ったことは無いですが、現世というよりも音楽に対する未練が強いので( ピアノが弾ける環境に ) 帰りたいというニュアンスの発言をする可能性があるかな…と……。どちらにしても男性陣よりは人を選ばないとは思いますが、念の為の補足でした! )
>リーパーPL様
(/お忙しいところ娘様をお二人もご紹介いただきありがとうございます!ちょ…っと……どちらも素敵で……お二人ともにそれぞれ異なる魅力がありまして……甲乙…が……付け難い……ですね…………。私如きが選ばせていただくのは……あまりにも僭越…ッ。
簡易プロフで判断させていただくのも娘様方の本質を見誤ってしまいそうで戦々恐々ですが、開示頂いている情報だけですと僅差で中華娘様の方がより好みに近い…です…かね…?とはいえお屋敷での物語にてピアノという明確且つ貴重な執着をお持ちのピアニスト様も魅力的でですね…。う~~~んこれは困った……。自分の欲に素直で面倒見の良い中華娘様に昼行燈なヴィンスの世話を焼いていただきたい、とか、芯はあるけれどきっと優しいであろうピアニスト様の自己犠牲的な面に付け込んだ悪魔兄弟と一悶着あるのかな、とか、それ以外にも数々の住人たちとの断片的な一幕が浮かんできます…。
吐いた唾は飲めない手前、当方の回答としては大変僅差で中華娘様の方に興味があるとさせていただきますが、本当に申し訳ない事ながら本心ではお二方どちらの事も諦めきれておりません…!ので、最終的にどちらの娘様でお屋敷に遊びに来ていただくかは、背後様がどちらを動かしたいか、もしくはどんな住人とどんな交流がしたいかがより明確にパッとイメージ浮かぶ方にてご訪問いただければと思います。
長々と申し訳ございません、素敵な娘様をお披露目いただき本当にありがとうございました…!)
( / お返事ありがとうございます!それと昨夜半分寝ている頭でお邪魔させていただいたところまでは覚えているのですが、どうやら下げるのを忘れていたようで……大変申し訳無いです……。
あの、もし、本当にご迷惑で無ければのご提案なのですが、二人ともお屋敷にお邪魔させていただく事なんて可能ですかね……?リーパーやグレンの物語もまだまだ続くかとは思いますし、4PCとなると其々の物語を紡ぐのがかなりゆっくりになるかな…と思い選んでいただければ、と思っていたのですがまさかこんなに悩んでいただけただけで無く途轍もなく魅力的な一場面まで……。
中華娘に関しては生への執着も希薄なのでヴィンスさんの食の好みにも合うかと思いますし、何より世話を焼きたいしウーマンちゃんと遊ばせたい欲があったり、リーパーとはまた違った点で血が似合う娘を目指しているところがある為吸血鬼組とも絡ませたい気持ちがあったり。ピアニストの方に関しましても音楽の世界に生きてきた故の無知な面があったりと悪魔兄弟に翻弄されている姿が私も想像が出来ますし、声ではありませんが音繋がりでキルステンさんとの交流を持たせたり、悪魔兄弟に振り回されて落ち込んでいるところをレジーナちゃんやマリーシュカさんに甘やかされたいなどなど……。挙げ出したらキリがないのでこの辺りで止めておきますが、私の中でも中々に決め難く…。
勿論最終的に提出させていただくプロフ次第で相性等判断していただいてお断りいただいても構いませんので、ご検討くださいませ…! )
>リーパーPL様
(/いいえいいえ、お気になさらずー!お忙しい日々にお疲れだったのですよきっと…人の事は言えませんが、何卒お体ご自愛くださいませ。
え、えええーっ?!そのご提案願ったり叶ったりなのですが、本当によろしいのですか…?無論当方としては、管理しきれる事が前提ですが同一のPL様が扱われる演者様に上限等は設けておりませんので問題ないのですが…、背後様のご負担にならないかどうかだけが心配です…。各人の物語進行ペースがゆっくりになってしまう事について、勿論背後様さえよろしければ当方も問題なしです。ただ私事で恐縮ですが近々リアルが多忙になる見込みですのでもしかしたらレスペが落ちるやもしれず、背後様でコントロールできない部分でゆっくりペースを加速させてしまう恐れがあります事を先にお伝えさせていただきます…申し訳ございません。
中華娘様とウーミンとな…!実は「ウーミン」は「无名」、つまり名無しを意味する中華ネーミングでして…!何と奇なる共通点!彼女が堕天する際に色々あってこの名前になってしまったのですが、もし二人の交流が実現した暁には中華娘様にとって母国語の響きに似た名前であることが何かしらのリアクションの誘発剤になるやもですかね…?!ピアニスト様はまさに天才的な深窓の令嬢といった雰囲気で…悪魔兄弟は世間知らずが大好物ですのできっと喜ぶでしょうね…そこを甘やかす面々までご想像下さって…くぅ…幸せ…。
最終判断についてもお心遣いありがとうございます、再三になってしまい申し訳ございませんが本当に本当に背後様にご負担のない範囲で…!何卒…!)
( / ひえ…、優しいお言葉をありがとうございます…。
勿論ですとも!数PC同時進行とかになると、ひえ……となってしまうのですが現状のスタイルでしたら私としては問題ございませんー!ただ、管理しきれる範囲内ではあるのですが、物語の佳境だったりこの流れのまま次の場面を…!という際は矢張り優劣を付けてしまったり少し偏りが生まれたりするやも知れません事だけご容赦くださいませ……。そんなそんな、謝らないでください!それは本当にお体やリアルのご都合最優先で問題ございませんし、何なら私の方も毎月月初に多忙期がくる職に就いていたりソシャゲのイベント時期だったりとレスぺが不安定な時期も多々ありますので、お互い様ということで…。
わー!やっぱりそうですよね!?耳馴染みのある響きの名前にきっと気を許すのも早ければ、きっと故郷の子たちと重ね合わせて余計に面倒見が良くなったりと他の住人様たちには見せない顔を見せるやも知れません。令嬢というには少々お転婆が過ぎるかも知れませんが…(笑)
世間知らずには変わりがないので、是非とも兄弟で翻弄してやってくださいませ…!
時間がある内に最終的な段階まで書き上げて…と考えておりまして、明日中にはお屋敷の方へと向かわせる事が出来るかなぁと思いますので何卒よろしくお願い致します。こちら特段なにも無ければお返事不要ですー! )
( 物心ついた当初は何もかもに恵まれていた。広い庭のついた豪奢な屋敷に綺麗に整えらえたリネン、欲しいと言ったものは買い与えられ、身に付けるものだって小綺麗で高価なもの。週末に開かれるパーティーは幼いながらに多くの大人たちに囲まれるのが面倒だ、なんて感じつつも煌びやかなあの世界は嫌いでは無かった。両親も怒る事はあってもいつもニコニコとしていて優しかった──それが壊れたのは何時の事だったか。自邸で開催されるパーティーの数が減り、徐々に繋がりのあった家の催しにも呼ばれなくなっていき、次に家に仕えるメイドや執事が減り始めた。思えば幾つも兆候はあったように思う──然し幼い己にはそれすらも分からなかった。最低限の人しか居なくなった屋敷は荒れ、両親の顔がやつれ始めた頃に呼ばれたのは父親が書斎と称し使っていた一室。壁一面の本棚に納められていた書籍は無くなり、父の趣味であったボトルシップも姿を消した書斎。その室内を見て理解が出来ない程世間を知らなかった訳では無い。その時に父と何を話したのか、確かな記憶は無く只 “ 事業に失敗した ” “ お前に不自由をさせたく無い ” “ 落ち着くまで親戚の家に行っていて欲しい ” そんな事が右から左へと流れていき、きっと己は物分かりの良いふりをして 「 分かった 」 と頷いたのだろう。それからの日々は慌しかった。日常生活を送るのに必要な衣類と少しの金銭だけを詰め込んだ異様な程に軽い鞄を片手に向かうのは郊外に住む叔母一家の邸宅。せめて友人や彼女に少しの間叔母の家に行く事になった、とそう伝えようと足を向けたのが一つの分岐点だったのだろうか。いつもの溜まり場へと辿り着けば振り返る友人たち。いつもの通り口を開こうとしたその時 「 負け犬が何の用だよ 」 耳に入った言葉に直接脳を殴られたような気がした。一斉に開かれる口から飛び出すのは家柄ばかりの上辺だけの言葉。友達だと思っていたのは俺だけか。怒りなのか悔しさなのかよく分からない感情が腹の奥底で沸々と湧き上がってくる。けれどもここで声を荒げ感情のままに動けば後々両親に迷惑が降りかかる事が容易に想像がつく。嘲笑うような声を背中に受けながら踵を返して向かうのはある少女との待ち合わせの場所。既に辿り着いていた彼女は “ 遅いよ “ なんて笑顔を見せるものだから完全に油断をしてしまっていたのもあるのだろう。父親から聞いた話を告げればみるみる内に表情を曇らせる少女を見て一気に落胆してしまう 「 キミもそうなのか 」 先程の友人だと思っていた人間との事があったからだろうか、感情の昂りの歯止めが効かず──ああ、なんだ。呆気ない。身体から流れ出る液体が白いワンピースを赤く染め上げていくのを眺めながら脳裏に過ったそんな思考に目を見開く。いつの間にか割れたガラス片を握っていた手に熱を感じ開けばぱっくりと開いた傷口とそこから盛り上がるように流れ出る赤。震える手からガラス片が地面へと落ち、粉々に砕け散る。この場をどうしたら良いのかなんて分かるはずも無く、逃げるようにその場を立ち去った。──その後の事は記憶に無い。気が付けば叔母の家に居て掌の傷は手当をされていた。自身が初めて手にかけた少女の事は取り立てて大きな騒動になっていないのは幸い人目につきにくい場所だったからか、それとも今いる場所が都市部から離れていて情報が届きにくいだけか。大丈夫だなんて確証は持てるはずも無く、叔母家族に迷惑をかけるわけにもいかない。傷があり動かしにくかった手も満足に動かせるようになったある夜、一枚の書き置きだけ残して家を出た )
( あの夜のダークエルフとの逢瀬を終えてからの数夜、目を閉じれば脳裏を駆け巡るのは己を否定し拒絶するものばかり。初めの夜に出てきたのは母親だった。“ アンタなんていなければ良かったのに。そうすれば私はもっとあの人に愛してもらえたのに。“ 髪を振り乱し、そんな言葉を投げつけてくる女。時折振り翳される暴力が顔へと向かなかったのは父親の面影を感じられる部分を傷つける事が出来なかっただけの事だろう。憎悪であったとしても感情が向けられているうちは未だ良かった。年齢を重ねるごとに血を分けた父親と瓜二つな程に似通う顔に耐えられなくなっていったのだろう、存在を否定し子供など居ないように振る舞う母はその頃には精神を病んでいたのだと思う。どれ程声を掛けても、こっちを見てと泣いても視界にすら入れない女、夢の中に出てくるのは決まってこちらだった。否定も肯定もされない息苦しさすら感じる夢の中、荒い呼吸と共に飛び起きて視界に飛び込むのは幼少の頃を過ごしていた娼館の内装では無く人ならざる物たちが住まう屋敷の中己に与えられた一室。灯りを付けたまま眠りに落ちていたらしく、煌々と照らされたままの室内。ふと視界の隅に入ってきたのは鏡に写った己の顔。ひたり、鏡面に掌を触れさせ 「 ……こんな顔じゃ無かったら 」 意図せず漏れ出た声にハッと目を見開く。この顔じゃ無ければ母親に無視をされる事も、事務所の社長に見つけて貰う事も、そしてハイネからの寵愛を受ける事も無かった。鏡に触れさせた手を顔から彼に付けられた紅痕までつ、と動かす。 「 酷い顔 」 自嘲交じりの言葉と共に鏡から視線を逸らし部屋の電気を落とした。次の夜に見たのは生活費を稼ぐ為に色を売っている時の事。貴族の男──それも既婚者は金払いが良く歪んだ癖を持ち合わせている事が多かった。思えばこの頃から望まれる姿の仮面を被るようになっていたのだろう。にこにこと笑みを浮かべていれば汚れたものだが愛情を向けてくれた。けれども妙齢になれば 「 これでお別れだね 」 なんて言われる事が増えていった。良い子にするから、言われた事ちゃんと聞くよ?なんて言っても返ってくるのは “ だって君はもう過ぎてしまったから “ という言葉ばかり。追い縋っても余計に傷付くだけだと学んでからは最後まで望まれるままの姿でいる事を決めた。肌に張り付く衣類の心地の悪さに目を開く。胸に抱いているのは彼がくれた洋服たち。乱れたままの気持ちを落ち着けたくて、今の己には見てくれる相手がいる事を、少しでもその感覚に縋りたくて。クローゼットから持ち出したところまでは記憶にある。ベッドにいるから悪いのか。いそいそとシーツだけ剥ぎ取り彼との約束の時間までの間は部屋の隅で小さくなって過ごそうと )
( / こんばんは、お世話になっております。上2レス分消費させていただいていつにも増しての駄文を失礼させていただいております。リーパーの方に関しましては先日の対価として物語調へと変化しておりますがレナードさんは知っていて問題のない情報、グレンの方に関しましてはもし使い魔伝手にハイネさんが聞いているのであれば過ごし方や様子については知っていて問題のないものとなります。また、グレンが見ていた悪夢の内容に関しましても過去の経験談が主のため本編中何処かで触れられたらな~とぼんやり考えておりますが、回収が出来ない可能性もあるかと思いますので一旦の供養とさせてくださいませ…!どちらも長ったらしいだけで中身があるのか無いのか微妙なものとなってはおりますが、本当に時間が余って仕方が無い際の読み物としてお目通しいただけますと幸いです。
さて、前置きが長くなってしまいましたが今回私までも出張ってきたのはグレンの方で今後起こしたいなと思っている日常イベントの事に関して幾つか質問並びにご相談させて頂ければなと……。
まず一点目。前回グレンとハイネさんの一幕にて、ハイネさんの私室にお邪魔させていただいたかと思うのですが、あのような訪れ方だとしても 【 月夜の晩酌 】 の発生条件 “ 提供C様の部屋を訪れた事がある ” をクリアしている状態になるのでしょうか?もしこちらの回答がイエスなのであれば、数回ハイネさん以外の住人の方々との交流( ここはご相談させていただきながら決める事が出来ればなと… )の後なかなか会う事が出来ない状態に痺れを切らしたグレンがハイネさんの部屋を訪れる形で起こす事が出来ればな…などぼんやりと考えております。
次に、もう少し先にはなると思うのですが共依存エンドに向けての動きの一環としましてグレンの中に芽生えつつある現状では嫉妬心めいた “ 自分以外を見ないで欲しい。あわよくば食べないで欲しい ” といった考えをより強固にする為に 【 怪物の証明 】 をグレンの方でも起こしたいなと考えております。ただ、グレンの部屋にはハイネさんの魔力で鍵がかかっている状態がデフォルトかつ、グレンが鍵を開ける事も出来るけれどもハイネさんに伝わるものだと認識をしております。きっとハイネさんの事なので用事( 食事含む )を済ませている際に鍵が開いたからと部屋に来る事は無いと思いますが、日常イベントのこのような使い方は可能でしょうか。
最後に 【 恋の病 】 についてのご相談です。こちら一番悩んでいるのが条件の “ 恋 ” に纏わる話でして…。何分グレンが恋愛どころか愛情を注がれる機会の少なかった為、恋に纏わる話など舞台上で演じた話以外に思い浮かばず…。ハイネさんに図書室などに連れて行っていただき、そこから派生させるくらいしか私の想像力の乏しい頭では展開が想像できず申し訳ないです……。
ここから先は私の認識が間違っていないかの確認と私の表現力の無さによるグレンの内心を念の為の補完させて頂ければと思うのですが、現状としましてハイネさんがグレンに抱いているのは加護欲が一番近いのかなと感じております。恐らくまだまだコレクションの域を出る程では無いながらも、前回のグレンの本来の姿を見ていただき小さくも一歩特別へと前進したのかな…と認識しております。また、グレンはこの度の交流を通し今後 【 今まで他人に受け入れられることの無かったグレン自身 】 を受け入れてくれたハイネさんに対しての依存心がかなり強く出る事に加え、きっと他住人様たちに対してハイネさんとのように心を開く事が難しくなるかと思います…。まだまだ住人の皆様との交流をさせていただくつもりですが、深い仲になるのは相当難しくなるかとは思いますのでその点ご理解頂ければなと。
グレンのその辺りの事も鑑みて、勝手に共依存エンドへと進むためのグレン側の準備を整え始めてはおりますが捕食エンドでも、他住人様とのエンドでも愉しむ事が第一ですので何か違和感を覚えたりする事がありましたらお伝え願えればと思います!
毎度のごとく長々と申し訳ありません…!どれもお返事を急ぐようなものではありませんので、お手隙の際にご返答いただけますと幸いです )
>グレンPL様
(/こちらこそお世話になっております。リーパーさんの辿って来られた物語の詳細と、グレンさんの空白の3日間のご様子ありがとうございます!物語の方は当然の如く続きが気になってしまっている当方が居ます…身内に迷惑をかけまいと叔母宅を独り発つリーパーさんのその後どんな出来事があったのか、黒薔薇屋敷へ攫われて来る前に何を考えどう生きてきたのか…本当にひとつの読み物として楽しく拝読いたしました。今後、レナードはこの内容を既知という前提とさせていただきますね!
グレンさんの方も、“本当の自分を承認され愛される”事に飢えざるを得なかったこれまでの背景がよく分かりました。いちばん愛情が必要だった時期にそれを得られなかったこと、ゆえに真の愛情が何かを学ぶことなく青年期の入口へと差し掛かるまでに欲望を抱えた大人たちに消費されてきたことすら“自分を見てくれた、綺麗なものでなくとも触れて愛でてくれた”と感じていたのかなと(勝手な解釈申し訳ございません、イメージと相違ありましたらご指摘下さい)…くぅ……ハイネなぞよりもっと心根の優しい住人に巡り会って大切にされてくれい……。ハイネの事ですからきっと使い魔から報告を受けているのかなと思います。ハイネからの贈り物である衣装を拠り所とする姿、守りたい…。
お忙しいところ、ご丁寧に背景描写いただきありがとうございました。続いて早速ですが、ご質問・ご相談への回答に移らせていただきますね。
>グレンさんが【 月夜の晩酌 】イベントの発生条件を満たしているか
こちらは紛れもなくイエスとなります。ので、いつでも任意のタイミングでイベント発生させることが可能とご認識下さい。それまでどの怪物をご指名いただくかにつきましても、勿論いつでもご相談くださいませ!余談ですが当方もあの瞬間まではハイネがグレンさんを自室に連れて行くとは思ってもみなくて(本当に捕食エンド直行の流れか?!と過ぎっていました)、“本当の自分を愛して欲しい”と痛烈に訴える姿にハイネは少なからず絆され、鍍金の剥がれたグレンさんを見ても今のところは手元に置いて愛でることを証明するために特別な空間である自室に連れて行ったのだと思います。
>グレンさんにおける【 怪物の証明 】イベントについて
こちらもお考え承知いたしました!ハイネの鍵につきましてもご認識の通りで問題ございません。ハイネとしては、錠が開いたことを知覚しながらもお部屋に急行はしないケースが大半かと思います。グレンさんには呪いだかおまじないだか判別のつかない特性の指輪を渡しており、もしグレンさんに危険が及べばその指輪が緊急アラートの役割を果たしてくれますので、自らグレンさんに鍵を渡して自由に解錠できるようにした扉が開いたくらいでは自分の用事を慌てて放り出すことはほとんどないかなと想像されます。
>グレンさんにおける【 恋の病 】イベントについて
こちらもご丁寧にご相談いただきありがとうございます!発生条件としてはただ“恋”を話題に話せばよいというだけのものですので深く考えていただかないでも大丈夫なので、もしどこかの交流でハイネに「退屈凌ぎに読書がしたい」と言って頂ければいくつかのジャンル(恋愛小説等含む)の本を届けさせることも可能です!ので、お好きな方をその都度お選びいただければと思います。こちらのイベントは同一提供と5度以上交流がある場合のみ発動可能ですが、グレンさんには既にハイネを4度ご指名をいただいているので、恋の病イベまでには達成出来る見込みですね…!
また、現時点でハイネがグレンさんに抱いている感情としては概ねご認識の通りとご理解いただいて問題ありません。全部全部可愛い数あるコレクションの中でも特別可愛い品物、というイメージかなと思います。病的に独占欲が強い怪物ですが、自分がそれに近しい依存心を向けられた際には可愛い~!となりながらも向き合うというよりかはあしらうといった対応を取りがちになるかなと思いますが、あくまで現時点の想像ですので今後の展開次第とご理解いただければと思います。他の住人に本当の心根は開き難くなりそう、とのことについても承知いたしました。相手が自尊心MAXのハイネですので共依存ルートの難易度は跳ね上がりますが、おっしゃる通り今後の展開次第という側面が大きいので、その時にお互いにしっくりくる結末が描けたらいいなと思っております…!)
( / お世話になっております。いつにも増して何が言いたいのか分からないような駄文からそこまで読み取っていただけて何よりです…!リーパーの書く物語に関しましては今後進んでいくごとにこちらにも載せさせて頂ければと思っておりますので何卒よろしくお願い致します。もちろんです!ただ、物語中では少年がリーパーだとは明記しておりませんので、今後話しているうちに端々で違和感を覚えたり物語が進んで行くうちにもしかして…?なんて気付く程度のフレーバー要素だと認識していただければと…!
グレンの方につきましても概ねそのような認識で問題ありません!少し補足させていただくのなら、本来の自己への肯定感が低いのもその辺りが起因しているという事ぐらいですかね。演じて偽っていれば愛されるし自分が傷付く事も無い、だからいくつもの仮面を用意して自分の殻の中に閉じこもるようになっていったという経緯があったりします。きっとハイネさん相手で無ければ本来の自分を見せる事無く屋敷で寿命を全うしてしまいそうな気もするので難しいところですね(笑)グレンにとってはハイネさんからいただいた物が、この場に存在している証明になっていますので。きっと所有印も消えかかる度に強請るようになるかと思います。
いえいえ、こちらこそお忙しい中駄文にお目通しいただけて幸いです。質問・相談への回答もありがとうございます!いただいたものに目を通させていただいた上でのご相談を再度書き連ねております。毎度毎度本当に長文でのお返し申し訳ないです……。
>【 月夜の晩酌 】 並びにそれ以前の指名について
条件を満たしているようで何よりです!実のところを申しますと、愛情に飢え寂しがりなグレンでこのイベントを起こしたいとグレンをお披露目した際から考えておりまして。けれども現状深い仲になりグレン自身気を許しているのが、恐らく人間を私室に招く事が無いハイネさんの為随分先になるか若しくは発生させられないやも…?と考えておりまして。余談ついでに私も告白させていただくのですが、あの場面本当に捕食エンド達成かな?と思っているところに世話を焼かれる事になりグレン同様に困惑しておりました(笑)とは言え、こちら側からの働き掛けできっかけを起こしたとしても入り込む事が難しいであろうハイネさんの部屋に訪れる事が出来た事、とても嬉しかったです。
という裏話は置いておき、早速指名のご相談なのですがグレンにとって害の少ない方から多少の害のある方の順に三名か四名程との交流を挟んだ後に 【 月夜の晩酌 】 イベントを起こす事が出来ればと考えております。イベントの直前、最後の一名に関しては長期的にハイネさんに会う事が出来ず不安に思うグレンの気持ちを揺さぶる事のできる方にお願いが出来ればと考えているのですが、いらっしゃいますでしょうか…?
>【 怪物の証明 】 イベントについて
概ね問題無さそうで安心致しました!ハイネさんに関してはきっと用事を放り出す事は無いだろうと思っている事に加え、きっとグレンが鍵となる言葉を使う事を楽しんでいるだろうと認識しております。誰か他の住人の方を部屋に招き入れたのだろうくらいに思っていたハイネさんが、食事をしている姿をグレンに見られた時の反応、心待ちにしております。
>【 恋の病 】 イベントについて
なるほど、そのような形でも可能なのですね!グレンの舞台俳優である事や甘いルックスを活かして…なども考えていたのですが、ハイネさんがグレンに選んでくれる本……途轍も無く興味があります…。ううん、悩みどころ……。イベントを起こすまでにきっと時間があるかと思いますので暫く悩まさせて頂ければ…。
>今後のCCタイミング並びにグレンの展開について
一先ず、上で挙げさせていただいた日常イベントを起こす前に一見すれば常の様相に戻ったようにも見えるグレンをハイネさんに見ていただこうかなと考えております。ので、【 ハイネさんとの交流 → 他住人様方との交流 → 月夜の晩酌イベント 】 辺りまでを一足に進めさせて頂ければと思います。カナニトくんとの約束をしたリリーであったり、蘭玲であったり、はたまたマリーシュカさんとの約束を果たすべくリーパーだったりを途中挟みたくなる事があるかも知れませんがその辺りは何卒何卒…。
認識に齟齬が無くて安心致しました。なるほどなるほど…。グレン自身もハイネさんからの独占欲が心地良く、ズブズブと沼にハマっているような感じだと考えていただいて問題無いので現時点ではあしらわれたとて少し拗ねるかも知れませんが、甘やかされればコロリと元通りになる程度だと思います。他の住人様たちに関しても勿論、グレンが一切心を開かなくなるという事も対応がおざなりになる事も無く、寧ろ愛情を与え自らに執着してくれる相手には少なからず絆されていくとは思いますが、あくまで時間がかかる分難しくなるとだけご承知いただければと存じます。共依存エンドの難易度に関しましても承知の上ですのでご心配無く!先日のような、あれ?おかしいぞ?な展開も楽しんでいければと思います )
>グレンPL様
(/お返事ありがとうございます。はい、リーパーさんの物語に関しては本編にて自伝と明言されていない以上そのように認識させていただきます。うう~ん、グレンさんとハイネの関係性が危うくも尊くて、まさにお耽美……毎夜楽しい時間をありがとうございます、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
>【 月夜の晩酌 】並びにそれ以前の指名について
キャラ構想の段階からこのイベを視野に…!嬉しいです、ありがとうございます。良い意味で先の展開が読めない一夜に出来たことも個人的には嬉しいと感じております笑。
ご指名について、お考え承知いたしました。基本的にはHPに記載している捕食エンド達成難易度の高い住人は実害を及ぼす可能性が低く、また性格面でも穏やかなメンバーが多いので、先に交流する1~3名は難易度SSS~B(面食いのラクシュエリと美食家のレナードは除く)ランクからご指名いただくのはいかがでしょうか?奇しくもAランクのシャルロットとジョネルはハイネと仲良しであること、補足として添えさせていただきます。最終日のご指名ですが、心の揺さぶりをテーマに挙げて思い浮かぶのは矢張り悪魔兄弟ですかね…。揺さぶる、が具体的に何を示すかいまいち把握しきれておらず申し訳ないのですが、カナニトなんかは人懐っこさからグレンさんの話をうんうんと聞き出して、グレンさんを心底心配している顔で「ハイネ、もう飽きてしもたんかなあ。グレンくんかわいそお」なんて言い放っては反応を楽しんでいそうです(まさに外道)。
【 怪物の証明 】、【 恋の病 】 イベントについて、何か疑問点やご相談が新たに出てきましたらいつでもお声掛けくださいませ。
CCのタイミングと直近でのご予定も承知いたしました!もちろんその時々で一番筆の乗る演者様にて遊んでいただければと思っておりますので、順番の入れ替え等もお任せいたします!
グレンさんの心境についても承知いたしました、潮目の変わってゆく展開をお互いに楽しんでいければとっても幸いですのでお考えを聴かせていただけて安心しました…!重ね重ねありがとうございます!)
( / お返事ありがとうございます!いえいえ、こちらこそ楽しい時間を過ごさせていただいております。これからもお時間が許す限り末長く宜しくお願い致します。
なるほどなるほど、それではハイネさんとの関わりもある 【 ジョネルさん、シャルロットさん 】 に加え誰か一名グレンと相性が良さげな方を選んでいただく事など可能でしょうか…?
“ 揺さぶり ” に関しましてはまさに!なそれを挙げていただき、物凄い勢いで首を縦に振ってしまいました。本当に毎度言葉足らずなところを察して頂いてありがとうございます……。きっとグレンのでもでもだってが再発してしまいそうな気がしなくも無いのですが、レンブラントさんと比べるとカナニトくん相手の方が警戒心も無く話してしまいそうな気がしなくも…。ただそれだと恐らくまた面倒臭いグレンの相手をハイネさんにして頂くことになるかと…。 )
>グレンPL様
(/相性が良い、というよりかは無難にコミュニケーションが取れるといったところではマリーシュカ、レオニダス、少々口悪ですがキルステン辺りでしょうか。いずれもその夜にどんな交流がしたいかによって先述した3名以外にも気になる住人がいればご指名候補として挙げて頂ければと思います!
揺さぶりの解釈が一致していて良かったですー!兄の方は人当たり良く接しますが胡散臭い部分もありますので、そういった点でも弟の方が適役かもしれませんね!でもでもだってグレンさんも大変可愛らしいのですが、存分に愛でられてくれる品物を好き勝手に愛でるハイネ相手ではそのモードが長引くとやや相性が噛み合わず突き放してしまう可能性もありますので、事前にお伝えさせていただきます…!)
( / 無難なコミュニケーション、大事ですね!なるほど、挙げていただいた中だとキルステンさんとの絡みが気になるかな…と。夜毎グレンの中で寂しさが募っていくかと思いますので、それを紛らわせてくれる方を後半に持ってくる事ができれば良いかなぁと考えております。わわ!これまた言葉不足で…!でもでもだってを起こすのはカナニトくんとの交流の際の心理描写にて、ハイネさんとの交流時には事前に本来の自分を受け入れてくれた、という認識がある以上 「 ハイネは忙しかっただけだよね?俺の事捨てたりしないよね? 」 といったようなちょっと面倒臭いモードに入るかとは思いますが、普段に輪をかけて甘える事に加え離れたら不安を隠す事なく表層上に出すくらいのもの、と考えてもらえたら間違い無いです◎ )
>グレンPL様
(/それでは現時点ではジョネル、シャルロット、キルステン辺りが指名候補ですかね…!もちろんその時々で状況に沿った住人と交流いただければと思いますので、またその時が来たらお考えと指名候補をお伺いできればと思います!あわわわ勘違い大変失礼いたしました…!そういう解釈でしたか、それならば注意すべき問題点はなさそうですね…!また何かございましたらいつでも本編でも宝箱でもお声掛けくださいませ、毎度ご丁寧にありがとうございます!)
(/どうも此方では久方ぶりで御座います、ニールの背後です。この度、“追いかけっこ”のお話が出来上がりましたので此方に納めに参りました次第です。此方はニールの記憶、という体で綴りました故、普段の文章よりもニールの主観と一人称視点に重きを置いて、口語文や感情を全面に出しております。あくまでもニールはこう思った、またはこう見えた……というものですので、この不運にも“追いかけっこされた側”から見れば言わずもがな――。ひとまず手隙の際の読み物として楽しんで頂ければ幸いです。それでは、長々とお目汚し失礼致しました。)
***
ふわふわ、きらきら。いつもは重く甘ったるい匂いの路地裏も、今夜はしんと凍った白の匂いに溢れて。積もり積もった冷たい花を踏み締めれば、其処に見事な痕が付く。…ああ、今年も“この日”がやって来た、綺麗な季節がやって来た。
「ふふ、…っはは、」踊った跡の残る地、未だ降り頻る花、嬉しくなって笑いを零すと、それに答える声が耳を掠めた気がして周りを見回す。――見付けた。確かにこっちを向いているその目。「ねぇ、」ざく。踏み出した裸足の音に、栗色の髪に黄色いコートを着たそのヒトは身を竦めている。…ああ、聞こえてるね。「あーそーぼぉ?」それなら一緒に雪遊びしよう。こんなに綺麗な夜なんだから、折角俺に気付いたんだから、貴方も一緒に踊ろうよ。手を伸ばしてにっこり笑ったら、そのヒトは背を向けて走り出した。なぁに、……あ。もしかして、追いかけっこ?いいよ。じゃあ、俺が鬼ね。よーい、どん――その背を追って、路地を走って、角を曲がって、そしたらヒトと俺の足跡だけが雪に沢山残って。まるで二人きりの世界みたいね。息が切れて苦しいけど、それでも楽しくってまた声が出ちゃう。
…あっちこっち駆け回って、着いた所は狭い袋小路の行き止まり。「つかまえたぁ。ふふ、かけっこも面白いねぇ。」壁に張り付く肩を掴んでやっと終わり。こんなに遊んでくれたヒトは初めてだな。嬉しい、嬉しい。「……ねぇ。オレちゃん、ニールっていうの。貴方のお名前は?」このヒトに覚えてほしいな、このヒトを覚えていたいな。だからほら、そんな俯かないで目を開けて、お喋りしてよ。貴方を教えて、俺を知って、ねぇ、ねぇ、ねぇ――
――こ っ ち を 見 て !!
……やっと“俺”が映った。ぴかぴかで綺麗な目、まん丸青い目。お声も聞けた。“食べないで”って聞き飽きた台詞だけど、良い声だね。俺よりちょっぴり高い音だ。「…だいじょうぶ。」貴方を食べたりなんてしないよ。でも、痛かったかな。半分欠けちゃったそのヒトのお耳に触れて、“俺の痕”を指で優しく撫でてあげる。…貴方の赤はあったかいね。「お名前、聞かせて。」さあ目を見せて、声を聞かせて。どんなものだって構わないから、貴方を、俺を、もっと――ぐっと顔を近付けたら突き飛ばされて、思わず尻餅ついて倒れた拍子にヒトは何処かへ走ってった。……行っちゃった、残念。
名残惜しいけど、でもいいや。だってあのヒトの耳には“俺”が残ってる。「……ふふ、」口の中の“ヒトの欠片”をころり舌で転がしてから、ちょっぴりしょっぱい鉄の味と一緒に喉の奥に飲み込む。俺も、きっとあのヒトも、今夜の事は決して忘れられない。「…また遊ぼうねぇ。」すっかり遠くなった姿に約束して、空を見上げた。白はとっくに晴れて、真っ黒な中に見事な満月がぽっかり浮かんでる。
「あは、今日は良い夜だねぇ。」
――齢推定十八の頃、蛇の子が十三番目に出会ったヒトとの話。彼にとってなんでもない日常の、ほんの少し特別だった一時の記憶。
***
(/背後からははじめまして、秋天がお世話になっております。向こうに書かせていただいた通りいくつか伺いたいことがあってこちらに参りました。貴重なスペースを頂戴してしまい申し訳ございません……。
今後の描写に関してですが、ひとまずご飯は明日にして寝てしまおうかと考えています。起きたらシャワーを浴びて、シチューを温め直して、パンと一緒に食べながらまたクォーヴさんとお話したいと思っているのですが、部屋の中の描写や使い魔さんが用意してくれるものはある程度こちらで自由に書いてもよいものでしょうか……?
それとこれは予想になりますが、クォーヴさんのお話を伺う限り本来は"部屋の中だけで衣食住が完結できるようになっている"、という解釈であっているでしょうか?今日は秋天のワガママで食堂まで連れてきていただきましたが、ご飯を食べる場所やお風呂なんかは部屋の中にあって基本全てを済ませられるようになっている……というふうに考えてよいものでしょうか。また厨房の棚を拝見して思ったのですが、このお屋敷に現代的な家電は存在せず全てが魔法で賄われていたりするのでしょうか?
お手数おかけしてしまい申し訳ございません。お時間があるときにでもご返事いただけると幸いです。)
(/どうも、いつもながらうちの三人がお世話になっております。レオ、ニール、グルースの背後に御座います。この度はイベントでの麗しい怪物様方の新鮮な一面を堪能させて頂いた事、また本編ではニールの我が儘にお付き合い頂きました事、誠に有り難う御座います。
さて、最初にはグルースの指名やルートについてのご相談を。
彼は何と言いますか……ひたすらに怪物の皆様を甘やかしたい、または皆様を丁重に扱う王子様になりたい、“年端もいかない少年の愛に溺れる怪物”という退廃的な物語が見たい…などなど、色んなものを詰め込んだ結果、生まれた“愛したがりな貴族の少年”に御座います。まあ愛したがりと言いますか……夢の内でユギン様が申しました通り“何とか製造機”とか“人誑かし”とか、時代が時代なら新興宗教の生き神様に祀られそうな人物になってしまった感は大いにありますが、それはさておき。
彼はアッシュ様やウーミン様のように真っ直ぐ甘えて下さる方は勿論、シャルロット様やヴィンス様のお世話も焼きたがるでしょうし、明晰夢でお相手頂いたジョネル様やレオニダス様のように何かしら抱えた怪物様に愛を注ぐのも彼の望みとする所でもあり、しかしユギン様と友情を築いてみたくも思い…ですので、どの方と物語を紡ぐか迷っている部分が中々に多く……まずはこのご指名について、相性やグルースの印象なども含め執事長様よりご意見を賜りたく存じます。
それから、ニールについても少々。
あれこれふらふらと長くさ迷っていたニールで御座いますが、ようやっと一つ道筋が見えましたようで、クォーヴ様、執事長様共々へ多大なる感謝を最初に申し上げさせて頂きます。それから、今回の“楽園”でのお話――あの正しく聖書のような厳かさと、それを燃やした灰を撒いて遊ぶような背徳さを綯い混ぜにした物語に、そこらへ頭ぶつける程テンションがぶち上がっておりました事のご報告、それと何とも読み難かろう“追いかけっこ”のお話についてのお詫びも申しておきます。
そしてこのニールのお話ですが、今の所はクォーヴ様との捕食ルートが最濃色、ごくうっすら共依存が見えてるかな…?という辺りの所感を此方は抱いておりましたが、何か相違ありましたら申し訳ありません。現在、ニールはクォーヴ様に対して、“己が居なくなった先の未来まで彼を縛る気は無いが、食べてもらえるまで(生きている内)はその求めてくれた瞳にずっと映っていたい”というエゴや存在証明込みな執着が大きいので、まだこれがどう転ぶか何とも言い難い所で……いえ、背後個人としましては何とか共依存に転んでほしいとは思っているのですが…ううん…
それ以外にもミゲル様やアッシュ様との約束も果たしたいですし、本編中ではまだお会いしていないユギン様と宗教画のような取り合わせも見てみたい、他にはレンブラント様とも腹を探り合うような言葉遊びをしてみたいなど、ニールという演者で繰り広げたい舞台は大いにありますので、今後とも気長にお付き合い願えたら喜ばしい限りに御座います。
では、ひとまずこれにて一度言葉を締めさせてもらいます。ここまでお話した中で何か違和感や解釈の不一致などがありましたら、どんどん仰って下さいませ。それでは、失礼致します。)
>秋天PL様
(/お世話になっております、態々宝箱へのご移動ありがとうございます!早速ご質問へ回答させていただきます。
>部屋の中の描写や使い魔が用意してくれるものはある程度こちらで自由に描写してOKか
こちらはテーブルや椅子等どの部屋にも最低限備え付けられているようなものに対しては勿論OKです。怪物と交流していく中で貰ったお花を飾ったり装飾品を強請ったりしてインテリアが充実してゆくイメージであり、お屋敷に攫われてきたばかりの新入りの部屋は(家具の類は高級品であるものの)大変殺風景です。自室についてさらに補足させていただきますと、あくまでも演者様方は怪物の食事の為だけに選ばれた存在であり、つまり自室=生き餌を仕舞っておく檻、というイメージです。ので、生活に際して必要最低限のアイテムは高級品が揃っているけれども、娯楽品の類は一切部屋には存在せず、入手したければ使い魔ではなく怪物にお願いする必要があります。使い魔が用意するのも毎日決まった時間に運んでくれる食事、等々生きていくための必要最低限のものばかりですので、例えば酒や菓子類、つまり嗜好品をご所望であればその旨を使い魔に伝える必要があります。ただ使い魔の主はあくまで怪物たちですので、人間の皆様の要求に素直に応えるかどうかは定かではなく、使い魔より親しい住人にお願いしたほうが話が早いケースもあります。
>自室だけで衣食住が完結するという解釈でよいか
はい、ご認識の通りです。アメニティは毎日補充されますし、衣服の類もいつの間にか洗濯されています。食事についても上述の通り、使い魔によって完成されたものが等しく用意されます。勿論綺麗なバスルームも備え付けです。こちらも補足ですが、『自分の食事は自分で作りたい』という秋天さんの要望に対してクォーヴが二つ返事で快諾出来なかったのは、獲物に与えられた自室には料理をするための設備が存在しないからです。理由は繰り返しになりますが、獲物の自室は必要最低限の檻であり、食事は使い魔が用意するため料理をするための設備は必要ない、という事になります。しかしデフォルトがそうというだけであって、自炊に拘りがあるのなら住人にそういった設備が欲しいとお願いをして、聞き届けてもらえるだけの対価が用意できれば秋天さんだけのキッチンを手に入れる事も可能です(食材の類は毎日使い魔に配達してもらえます)。演者の皆様に共通しているのは、最低限かつ平等な殺風景な部屋を住人との交流によって個性に染めていくイメージです。
>黒薔薇屋敷には現代的な家具は存在せず全てが魔法で賄われているか
全てが魔法で賄われているわけではないですが、私達のリアルのような現代的なものは皆無とイメージください。例えば、HPにもある通り屋敷内には映画館がありますが、映像を投影するのに現代のようなプロジェクターではなく映写機を使ったりするイメージです。科学よりも魔法重視の世界観であるというニュアンスを頭の片隅に置いておいていただけますと幸いです!
以上でご質問への回答とさせていただきますが、不明点もしくは追加の疑問点等ございましたらご遠慮なくおっしゃってくださいませ。)
>ニールPL様
(/こちらこそ大変お世話になっております!1000レス記念イベントにも沢山ご参加いただいて嬉しかったです、こちらこそ重ね重ねありがとうございました!
>グルースさんの指名・ルートについて
大前提として住人のほとんどが獲物に期待することは“良き糧”となってくれることであり“食べ物から愛される”ことを最初から望む者は稀少(というよりそんな事考えたこともない)という世界観ですので、怪物から“食べられたがる”のではなく怪物を“愛したがる”という特性とそもそも噛み合わない部分があるのやも…と懸念しております(とはいえ名前を挙げていただいたアッシュなんかは『ニンゲンのフレンド』を喉から手が出るほど欲しがっていたりする者もいます)。怪物を恐れるではなく寧ろ愛そうとする獲物の出現に困惑する住人の方が多いでしょうが、それを踏まえて親和性がありそうなのは似た者同士なマリーシュカ、独自の博愛を謳うユギン、誰でもいいから好いてほしいアッシュ、甘い言葉と押しに弱いミゲル…等の面々でしょうか…。当方としても今までにない魅力を持たれたグルースさんに誰を見繕うのが相応しいかいまいちイメージを掴みきれておらず、気になる住人を順繰り指名いただきながら道筋をゆっくり定めていただければと思いますがいかがでしょうか。
>ニールさんについて
ハイネを台風の目として様々な住人を巻き込んだ一幕をきっかけにぐっとニールさんという存在の掘り下げが進み、そしてぐぐっと物語の歯車が回った感がありますね…!楽園での一幕も素敵な時間に出来たことはニールさん及び背後様の綴られる文章や活き活きとした動かし方によるものだと思っておりますので、此方からも深く感謝申し上げます。
クォーヴとの交流については概ね同じ所感です。クォーヴとしては捕食一色しか見えていない状態ですので、このまま進めば雪降る夜にその道でのエンドを迎えることなるかなと感じております。未だ確定したわけでは勿論ありませんが、なんとなくの終末が見えた状態での交流もまた切なく心に響くものがきっとあるのでしょうね…!もちろん、心ゆくまで様々な住人と夜を繋いでいっていただければと思います。
それと最後に…下げ忘れは当方含め何方にもあることですので何卒お気になさらないでくださいませ!)
(/いえいえ此方こそ…!やらかしについてもお許し有り難う御座います…!
>グルースについて
ご丁寧な回答有り難う御座います。まず先に懸念点についてですが……グルースの博愛と慈愛(甘やかし)の内には“求められるものを全部あげたい”というのも含まれているので、怪物様方から求められている事が『糧になる事』であれば、それを当たり前に受け入れていくとは思います。イメージとしては、怪物様の誰かしらに捕食される際、または捕食したいという旨の言葉を受けた際、「いいよ、君が望むなら。僕でお腹いっぱいになっておくれ。」と両手を広げてそれを歓迎する…という感じでしょうか。ですので、全くもって世界観に噛み合わないような言動を取るという事は無い筈ですが……それでも何か違和感などありましたらいつでも忌憚無く仰って下さい。
それともう一つ。多くを語ってしまうと薄っぺらくなってしまいそうなので詳細には話せませんが、グルースの紡ぐ「愛したい」「愛おしい」という言葉の奥の拗れた根っこには「愛されたい」「愛してほしい」という願いや欲が圧し潰れて沈んでもいます。彼自身にそういった自覚は全くありませんけれども……その辺りも上手く物語に織り込んでいけたらな、と思っております。
それから、怪物様方との接し方について。グルース本人も自分の愛し方に問題がある事は解っていますので、いきなり真正面から愛を思い切り浴びせかけるような真似はせず、また拒む相手や合わない相手に自分の“愛”を押し売るつもりもありません。ですので、顔見知りくらいのお相手や初対面の方には基本的に『礼儀正しく友好的な優しい少年』が印象に残る人物になるかと思われます。
あれこれと考えて下さり本当に嬉しい限りです。そうですね……マリーシュカ様やユギン様と愛の話をする姿を見てみたいとも思いますし、アッシュ様の求めるまま情を分かつ事も、
ミゲル様と友のように歩み寄っていく事もいずれはやってみたいものではありますし……執事長様の仰る通り、ご指名も道筋もゆっくり決めていこうかな、と。
…しかしそれはそれとして、初回の指名は決めねばなりませんね。プロフィールのロルテストで何となく窺えるかとは思いますが、公爵家の子息という立場上、拐かしに警戒心が先んじている部分が少々あるので、その緊張を解せそうな方……具体的には、友好的または人当たりの良い方、もしくはグルースが置かれた状況を落ち着いて説明して下さる方をご指名したいと考えているのですが、執事長様から見て当てはまる怪物様などはいらっしゃいますでしょうか?
>ニールについて
ええもう本当に…ハイネ様との取引からクォーヴ様との約束まで、こんなにも見事に物語が進んだ、という手応えを感じられた一時、まさに至福に御座いました。重ね重ね此方からも感謝を。
これから先、終末の見えたニールが怪物様方との交流を通じて何か変化していくのか、または何一つ変わらずエゴのまま振る舞うのか……その辺りも含めて多くの方々と紡げる夜達を今後も楽しみ、また私からも執事長様を楽しませられるよう一層精進して参りたいと思います。
それではニールについてはこの辺りで。グルース関連については、またお手隙の際にご回答を返して頂ければ幸いです。)
>ニールPL様
(/お返事ありがとうございます、グルースさんの性格についてご丁寧に解説いただいた事で解像度を上げる事が出来ました!結果、お屋敷の性質と不和どころかあちこちから怪物に引っ張りだこになりそうな御方だなと印象一変いたしました、ありがとうございます。会う住人によっては初対面でも捕食エンド直行コースになることもままありそうかと予想されますが、その際はマルチエンド式を活かして何度でも時間を巻き戻す事が出来ますので、レオさんやニールさんとはまた異なった楽しみ方で黒薔薇屋敷を味わっていただけそうで今から心躍る思いです。
初回の指名に関しては、ご要望から参照するとやはり安牌なのはマリーシュカやクォーヴ、人当たりの良さという意味合いではミリアムやナザリも候補に上がるかなと思いますがいかがでしょうか?)
(/勿体無いお言葉有り難う御座います。愛したがりである以上、グルース本人も引っ張りだこになる事を大変喜んでくれる性格ですし、捕食交流も含め積極的に色んな方とお話が出来たらなと今からそわそわしております。更にマルチエンド、巻き戻しなどこの舞台の醍醐味を存分に堪能させて頂けそうで、同じく心がわくわくして止まりません。
ご指名候補のご提示、感謝致します。そうですね……彼方此方目移りしてしまって悩んでしまいますが…ここは折角ですから、新たな住人であるナザリ様を初回に指名させて頂けたらと思います。無論、他にお名前が挙がった怪物様ともいずれお話頂けたら嬉しいです。
また、一つ此方からもグルースの初夜の懸念点を。一番初めはどうしてもグルース側から警戒が出てしまうので、“貴族の処世術”を表に出した少し固い態度や一歩引いた立ち回りになってしまう事が予想されまして……その辺りで生意気だとか拒絶だとか、そういったご不快な気分にさせてしまわないかなと。無論、そうならないような言動を取らせるつもりではありますし、すぐ解ける警戒でもありますが…もし何かありましたら途中でもばっさり指摘して下さいませ。
それでは、グルースのお話もこの辺りにて。少々加筆訂正したグルースのプロフィールと共にグランギニョルへと戻らせて頂きます故、また舞台上で皆様と素敵な物語を演じられる事、楽しみにしております。それでは、また本編にてお会いしましょう。)
( / 平素からお世話になっております。グレン背後でございます。さて、先ずは本編でのお詫びをば。ハイネさんとの交流にて僅かながらも自己主張が出来るようになってきたグレンですが、逆を言えば仮面を被っている相手──今で言えばジョネルさんに対して言葉足らずな主張をぶつける事になってしまい背後としましては顔が無くなる勢いでございます。今後も本人の中では理由の肉付けがされつつも、言葉として表すと足りない主張や我儘がやや増える傾向にはあると思いますがご容赦頂けますと幸いです。と、こちらにお邪魔させていただいた本来の名目から外れた事柄が長くなってしまいましたが、ジョネルさんに対価として支払った “ グレンが初めて舞台に立った日の記憶 ” を納めに参りましたのでお手隙の際にでもお目通しいただければと。舞台上というよりは舞台のその後、マネージャーとの会話が主となっているのはグレンの中でそちらの方が印象深かったが故のこととなります。また、記憶という事で一人称視点で文を綴らせていただいている事、地の文に関してはグレンの本来の一人称である “ 俺 ” にて記載をしております事の二点ご了承いただければと思います。 )
****
( 眩いばかりのライトとは反対の薄暗い客席。本来俺がいる場所は “ こちら側 ” では無いはずなのに、どうしてライトの下に立っているのだろう。役の名前なんてない、一言二言台詞があるだけのアンサンブル。それなのに真正面から客席を見た時に熱っぽい視線を送っている観客がチラホラと見えるのは、初演までの宣伝効果かそれとも一際目立つ面の良さ故だろうか。この日の公演のうち随所で舞台上へと出なければならないタイミングがあった為にスポットライトの下に立つ事数回、名前のある役を貰った役者と比べてしまえば大した事もない時間──それが俺が初めて舞台に立った日だった。三度のカーテンコールを終え、私服に身を包み舞台上から空になった客席を見下ろす。公演中の熱気も感動も無いけれど、明日のために残る仕掛けやセットが妙に哀愁を漂わせるその場。大勢の人がいたはずなのに今は俺一人しかいなくって、耳が痛い程の静寂に包まれている。考え事をするには丁度いい場所、その静寂を打ち破ったのは 『 ……初めての場所はどんな気分だった 』 然程歳の変わらない、それでいて俺よりしっかりと働いている男の声が聞こえる。視線を声のした方へと向ければシャツの袖を捲りネクタイを緩めた見慣れた姿が視界に映る。ガタイも顔立ちも悪く無い、きっと俺なんかよりも舞台映えするだろう男。ゆるゆると首を左右に振るのは、きっと今の俺には彼が期待をしているだけの答えを出すことが出来ないから 「 分からない。キラキラして、暑くて、視線が纏わりついて……でも不思議と嫌じゃなかった 」 視線を交える事なく紡ぎ出した言葉に 『 なんだそれ 』 なんて呆れているのか理解が出来ていないのか平坦な声が返ってくる。舞台の上から飛び降りて、ツカツカと歩み寄り同じくらいか、少し高い位置にある瞳をまじまじと見詰め 「 ねえ、エド。僕も主演俳優( あんな )風になれるかな 」 知名度が欲しい訳じゃない。父親( あの人 )に認知されたい訳でもない。ただ愛されたい、俺だけを見て欲しい。そんな欲が透けて出ていたのだろう。片側の口角を持ち上げ満足気に笑う彼の顔がやけに印象に残っている 『 さぁな。ただ、オマエがココに立ち続けたいっつーならオレも出来る限りの事はしてやんよ 』 物事をはっきりと口にする、それでいて不器用な優しさを注いでくれるこの男がついていてくれるのであれば、ほんの少しだけ頑張ってみても良いかもしれない。主役すらも飲み込むアンサンブルがいるらしい、そんな噂が演劇界にて実しやかに囁かれるまで後数ヶ月。 )
「テセウスの船、という命題について聞いたことがある者はいるかな」
たっぷりと髭を蓄えた老齢の先生が、昼下がりの教室を見渡してそう言った。
哲学の授業は他の座学と違って、板書よりも対話に重きを置く方針のようだった。だからあまりしんとしていなかったし、良く言えば和やかな、悪く言えば少しだらけた空気が漂いつつあったことを覚えている。僕も教科書をぱらぱらとやっていたが、先生が聞き慣れない単語を口にしたので手を止めたのだ。
知らないことは、なるべく少ない方がいい。
「昔々、テセウスという勇敢な王子がいた。彼はとある島に幽閉されている人食いの怪物ミノタウロスを退治するため、一隻の船に乗って海へ出る。テセウスは人骨散らばる迷宮の奥で待ち構えていた怪物を見事打ち倒し、父亡き後英雄的な人気を集めた王となる。テセウスが乗っていた木造の船も、素晴らしい記念品だとして後世へ受け継がれていったが……」
先生はそこまで言うと口を閉ざし、教壇から僕たちの顔をうかがった。引きつける話し方をする人だ。メリハリがある語り口調がそうさせているのだろうと思う。みんなすっかり釘付けになって耳を傾けていて、先生は満足そうに眉を上げると続きを話した。
「老朽化は避けられない。国民は壊れた部品を一つ一つ交換して、いつまでもその船を大切にし続けた。……だがどうだろう?元の部品を少しずつ失って、やがて全てが新しいものへと入れ替わってしまったその船は、果たして"テセウスの船"と呼べるだろうか?」
静寂が波を打つ。隣席の友人同士で顔を見合わせる者もいたが、僕は固まって動けなかった。
この動揺には心当たりがある。自身がどこから来た何者であるかを知らない僕と、語る口を持たない船が重なって見えたのだ。
「このパラドックスについて、次の授業までに自分の考えをまとめておくこと。いつも言っていることだが、私は"答えを聞いているわけではない"ことを重々承知するように」
先生はそう言って腕時計を見ると、「時間だ。また来週お会いしよう」と早々に教室を出ていった。緊張の糸が解けたようにざわめきが広がって、難しいと嘆いたり早くも自分の考えを披露したりする生徒たちの喧騒の中、僕は一人考える。
二度と背中に人を乗せず、二度と海を渡らない船に船としての価値はない。元の体もすべて失って、お前は一体何者なのだと問われた記念品の船。もしこの問いに正解が存在したとして、それを考えてこいという課題だったなら僕は頭を抱えたことだろう。だが先生は普段から"答えではなく考えが聞きたい"と再三に渡り言っていたので、うろたえた割には結論を出すまでそう時間はかからなかった。
これはテセウスの船であると、そう思いたい人は思えばいい。
船員はとうに死に絶え、二度と海を見られず、壊れて継ぎ接ぎになった哀れなからだ。それをテセウスの船と呼ぶ人を否定することは誰にもできないはすだ。同一であると思いたい人にとって同一であればそれでいい。
僕も思いたい。テセウスと同じ時代を生きた者が一人もこの世にいなくても。誰かに愛されてここにいる、テセウスの船のままであると。
そう結論付けたいつかの自分を思い出した。僕の考えを聞いた先生は、一体なんと仰ったのだっけ。
それを思い出すにはしばし時間がかかりそうだったので、一度思考を切って目の前の彼に思いを告げる。
「でも、例え記憶がなくなっても僕は僕だ。それを疑うことはないと思う、きっと……」
入れ替わっても、なくしたままでも僕の考えは変わらない。
出自を知らなくても僕が僕であるように、例え記憶を失ったとしても僕は僕のままであるはずだ。知らないことが増えるだけ。僕自身がそう思っていたい内は、きっと僕のままでいられる。
【 現在〝大切なメニュー〟へ名を連ねておられる全ての演者様へ 】
平素より大変お世話になっております。
近頃は背後の多忙により亀返信となってしまい申し訳ございません…。創作やグランギニョルの運営に対するモチベーションが落ちたわけでは断じてなく、シンプルに日々のあれこれに忙殺されているだけでございますので、現在進行形でやり取りさせていただいている演者様と紡いでゆく屋敷での一幕を楽しませていただいております。いつもいつも本当にありがとうございます。
さて、この度はグランギニョルHPに関するお知らせとお願いに参りました。
予てより準備を進めていたのですが、≪演者様のプロフィールをHPに掲載≫させていただこうかと計画しております!HPにおける提供達の一覧をご想像いただければと思います。そして、ご提出いただいた定性情報たるプロフィールに追加で、演者様お一人お一人のイメージ画像も任意で添付したいと考えております。
ここからがお願いとなりますが、背後様方が管理されている演者様のイメージ画像を宝箱に貼っていただく事は可能でしょうか?自作・他作は一切問わず、昨今散見される画像メーカーをご活用いただくのも歓迎です。ご提出いただいた画像はHPに掲載する以外の用途で使用する事はありませんし、もし注意書き等必要でしたらその旨お伝えいただければHPに明記させていただきます。
なお勿論このお願いは任意ですので、NoImageご希望の方がいらっしゃいましたら定性情報のみをHPに移植させていただきます。
お忙しいところ大変恐れ入りますが、イメージ画像の添付をご希望される方は宝箱にて画像を投下いただけますでしょうか。また、HP移植前に現在メニューに載っているプロフィールの加筆修正がある方はそちらも併せてご対応いただければと思います。画像を希望されない方も、お手数ですがその旨ご連絡いただけますと幸いです。
なお、メニューにお名前があるものの一ヵ月以上お会いできていない演者様のプロフィールは、HP掲載はしませんがこちらでデータ保存はさせていただいておりますので、いつでもお気軽にお戻りになられてください。
準備の整った方の分から順次移行を進めていく所存です。上述の通りなかなか時間の取れない背後でありますので、タイミングによってはゆっくりペースでの反映になってしまうかと思われますが、また掲載完了しましたらお声掛けさせていただきますのでご確認をお願いいたします。
繰り返しになりますが、画像については任意且つ期限もございませんので、何卒ご負担のないようにご対応いただけますと幸いです。
何かご不明な点等ございましたら、いつでもお声掛けください。
>執事長様
(/どうも、毎度お世話になっております。レオ、ニール、グルースら三人の背後にございます。この度は大変素敵なご準備をなされていたようで、グランギニョルのHPに我が子達の名が…!?と私驚きと喜びに乱舞してしまいました。
さて、掲載して頂くにあたってですが、まずプロフィールについては修正点もありませんのでそのままご使用して頂いて大丈夫です。それから画像について……レオとニールのものは画像メーカーさんの力をご拝借して参りましたが、グルースのものはイメージ通りのものはどうにも悔しくも見付けられず……後々になるやもしれませんが、今はグルースのみNoImageにてご掲載をお願い致します。
そして最後に、此方こそ何度も何度も繰り返し貰った文章を眺めては悶えたりドキドキしたりと、大変充実したやり取りをさせて頂いています。いつも日々の活力源としてこの時間を楽しませてもらっておりますが、それも執事長様のご壮健あっての事。近頃は気温も天気も不安定な季節です、どうか日々の忙しさに無理をして体調を崩さぬよう、微力ながらお祈りさせて下さいませ。それでは、またグランギニョルの舞台で。)
(/以下、画像メーカーさんよりご拝借いたしましたレオ、ニールのイメージ画像となります。こういったものは初めて貼るので少々自信がありませんが、ちゃんとお届け出来ているでしょうか…?
※モロツヨシさんの「人間(男)メーカー(仮)」をお借りしました。使用規約等はよくよく読んでお借りましたので、問題は無い…筈ですが、もしも何か宜しくない部分がありましたら仰って下さいませ…
また、『使用の際はプロフィール欄もしくはすぐ目に付く場所に、タグ、作者名のどれかの記載をお願いしております。』との事でしたので、そちらも合わせてご留意頂けると幸いです。
レオ
https://picrew.me/share?cd=TwOWwnk2j9
ニール
前髪の有無を差分として作成してみましたので、お好きな方をお選び下さい。
前髪有り https://picrew.me/share?cd=3hqmtsdmj3
無し https://picrew.me/share?cd=dzb5Q1CmwG
細々した部分は気になるかもしれませんが、イメージとしてはこういった感じであるというのを受け取って頂ければ…!それでは、失礼いたしました。)
>レオPL様
(/何とも迅速なご対応…!、そればかりか暖かいお言葉まで…ありがとうございます…。背後様の優しさが心の臓まで染み入る心地でございます。日々ぱたぱたと忙しいのはお互い様と存じておりますので、何卒背後様の方こそご無理なさらず…共に越冬体制を整えて参りましょう。
さて早速ではございますが、頂戴したイメージ画像と共に御三方のプロフィールをHPへと移植させていただきました。お手隙の際にご確認いただければ幸いでございます。
【https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/2024/10/21/102734】
貼り付けて下さったレオさんもニールさんも、解っていた事ですがどちらも系統の異なる美男子で…長らくお屋敷にお付き合いいただいている方々の姿がはっきりと目に見える形となり、当方大興奮でございます…。ニールさんのヘアピンについても差分まで作成いただきありがとうございます、折角ですのでハイネとの思い出と共にこっそりどちらも掲載させていただきました。グルースさんにつきましては、このままNoImageでも勿論大丈夫ですし、もし今後掲載希望の画像がお手元に揃いましたらいつでも宝箱にてお声掛けいただければと思います。改めまして、お早い反応と当方へのお気遣いまで本当にありがとうございました!)
>執事長様
(/此方こそお早い対応有り難う御座います…!ええ、私も日々快調を保てるよう努めて参りますので、お互いに無茶の無い範囲にて頑張りましょう。
もう予想していた以上に素敵な形で掲載して頂いた上、ハイネ様との思い出まで反映してもらえて……こうして改めてメニューに載る姿を見られる光栄、もう嬉しくて嬉しくて何度HPを見返し七転八倒歓喜に悶えたことか…!グルースにつきましてもお気遣い有り難うございます。もしかしたらその内、という事はあるやもしれませんが、今のNoImageの画像も素敵です故、もう暫し此方を眺めさせてもらおうかな、などと。
興奮のあまり思わず宝箱へと顔を出してしまいましたが、此度はこの辺りで。それでは、また舞台に戻らせて頂きます。)
【 URL変更のお知らせ 】
>109にて掲載したメニューのURLを以下の通り変更いたしましたのでご連絡です。
→→→ https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/brilliant
また、演者様方にお過ごしいただく自室を始めとする黒薔薇屋敷のイメージ画像を公開しましたので、もしよろしければご参照ください。
→→→ https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/detail
( / こんばんは、平素よりお世話になっております。グレン始め4PCのPLでございます。
先ずはご多忙との事で体調など問題ございませんでしょうか?寒暖差が激しい事も勿論ながら、疲労が溜まって…などの場合もあるかと思いますのでご無理なさらないようにと陰ながら祈らせてくださいませ。
さて、グランギニョルのHPにうちの子たちを載せていただけるという何とも喜しいご提案に是非とも!と喜び勇んでPicrew様のお力を借りて作成をさせていただきましたので、以下各キャラ毎のリンクを貼らせていただきますね。各メーカー様それぞれ自作発言NGとの事ですので、お手数をおかけしますが作者様名の記載をお願い出来ればと思います。
※ リンク先が見れない等問題がありましたら申し訳ございません…!
リーパー
ぺんぎんの男メーカー | Picrew - つくってあそべる画像メーカー
グレン
胡乱な男性メーカー | Picrew - つくってあそべる画像メーカー
リリー・フリント
レトロ風メイドメーカー | Picrew - つくってあそべる画像メーカー
蘭玲
??? ?? | Picrew - つくってあそべる画像メーカー
掲載いただくプロフィールに関しましてですが、【 グレン、リリー、蘭玲 】 の三名に関しましてはそのままで問題無ありませんが、リーパーに関してのみかなり前に作成したPCを手直ししたキャラである事もあり加筆・本質に関わらない程度の軽微な修正をさせていただければと考えております。早ければ本日中遅くとも日曜日までに提出させていただけるかと思いますのでご理解いただけますと幸いに御座います。
最後になりますが、いつも楽しいやり取りをありがとうございます。合間合間に今迄の文章を再度追ってはニヤニヤとする日々を過ごさせていただいております。安定してお返事を返せない事もままあるかとは思いますが、これからも何卒よろしくお願い致します! )
( / 早速リンク先が見れない事に気付き……申し訳ありません!こちらでお願い致します…!
リーパー
https://picrew.me/ja/image_maker/1629743/complete?cd=JqxeYYSyrW
グレン
https://picrew.me/ja/image_maker/2322721/complete?cd=9w8OHVsBYy
リリー・フリント
https://picrew.me/ja/image_maker/62745/complete?cd=VH3GOfSuES
蘭玲
https://picrew.me/ja/image_maker/1171011/complete?cd=FiKeCkX1ZD
)
>リーパーPL様
(/こちらこそお世話になっております、お忙しいところ早速ご対応いただきありがとうございます!当方の事情にまでご配慮下さって本当に恐れ入ります…。衣替えの季節となりましたので、背後様の方こそ何卒お体ご自愛下さいませ。さて、早速ですが頂戴したイメージ画像と現時点での定性PFをHPへと移植させていただきましたのでご確認いただけますでしょうか。
【https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/brilliant】
リーパーさんのプロフィールに関しましては、修正完了し次第こちらへ投下いただければ随時HPの方も差し替えさせていただきますので、どうぞごゆっくり…!レスペの不安定さはこちらこそでございますので、ご健康とリアルのご事情第一で息抜きとしてこれからもお屋敷で遊んで行っていただければと思います!なにとぞ、今後ともよろしくお願いいたしますー!)
【 過去に完結したのか、もしくは未来に始まるかもしれない物語 】
――生前、飼い主に〝可愛い、可愛い〟って目一杯愛されながら一生を全うしたペット達は、天国の門で天使に名前を聞かれた時に「 わたしの名前は〝かわいい〟です 」って答えるんだって。
それって堪んなくキュートで、…すっごく幸せだよね。
ニューヨークの資産家、その待望の一人娘として生まれた私は、自分の名前――ジャネットって呼ばれるよりも〝可愛い〟だとか〝綺麗〟だとか言われた回数の方が多いかもしれない。
どうしてだか、金持ちの妻はいつだって目がちかちかするような美人ばっかり。家族写真を見るたび、父に似なくて良かったって心からホッとする。
幼稚園から大学まで、男も女も大人も子供も、どいつもこいつも私に夢中で一人の時間に焦がれるくらいいつも誰かに囲まれてた。
私はその辺の外見だけ綺麗で中身は伽藍堂な一山いくらのビッチちゃんとは訳が違う。頭の回転も早いし物覚えもいいし、殆どの科目でB以下なんて取った事もない。
だから、難関ロースクールでもマドンナの座は当然私のもの。
私はすべてを手に入れた強い女になりたかったから、お金だって自分の力でたくさん稼いでみせるって決めてたの。
高額な学費すらスナック菓子を買うみたいにぽんと払ってくれた父の傍らで、母は私に女の貴重な若い時間をテキストと向き合って過ごさせたくなかったみたい。
今思えば、母は私に嫉妬していたのかも。だって、母は美しいけれど父が居なくなれば路頭に迷う伽藍堂側の人間だから。
志高く進学した私が全く講義に出なくなったのは、金髪のスリックバックが良く似合う背の高いセクシーな男にスカウトと称して名刺を渡された初年度の冬頃だった。
だって馬鹿馬鹿しくなったの。
必死に机に齧りついて勉強して弁護士資格なんか取らなくたって、よっぽど手っ取り早い稼ぎ方があるって彼が教えてくれたから。
私の綺麗なお顔と恵まれた肢体でポージングをキメさえすれば、衣装だってセットだってあっちが勝手に用意してくれる。私ってなんてプライスレスなのかしら。
私が表紙を飾った雑誌は悉く飛ぶように売れたし、世のティーンエイジャー達の流行を支配してるのはいつだって私。
私が美味しいと言ったものはどんなにゲロマズでも誰もが買い求めたし、私の愛用する香水の匂いが地下鉄に充満してた頃もあったわ。
でも、私は馬鹿じゃないからどんなに破竹の勢いでブレイクしてもいつだって謙虚さを忘れなかった。
勝手に私をライバル視してくる女の子達には惜しげもなく美容法を教えたし、贔屓にしてるスタイリストだって紹介した。
まあ、所詮土台が違うから私と同じ武器を使ったとしても絶対に私には敵わないって知ってたからだけどね。
そんな驕りを神様に見抜かれたのかな。
撮影中、私の頭上に灼熱の照明が落ちてきた。
誰かに仕組まれたとか、本当にただのアンラッキーだったとか、そんなのどうでもよかった。
私の揺るぎない価値だった容姿がもう二度と元に戻らない事に比べれば、悪意も不幸も些末な誤差よ。
でも、私は自分の生き様や努力をいつだって発信し続けてきた。
例え外見が醜く歪んだって私は私、中身は何にも変わらない。
それを示しさえすれば、私がメディアの中に築いた地位を守れるだろうだなんて、…本当に世間知らずだったわ。
そんな甘い考えが打ち砕かれたのは、私が治療を終えて焼け爛れた顔面と不自由になった左腕を吊り下げて新聞の一面を飾った時。
美しいものを見たときに観衆の誰もが甘い吐息を吐くようなざわめきは、まるで白昼の下バケモノを見てしまったようなどよめきに生まれ変わった。
罵声。嘲笑。無遠慮なシャッター音がこんなにも不快なノイズに聞こえた事は今までになかった。
街を歩いてるだけで注がれる好奇の目線が、こんなにも屈辱的に思えた事なんて…。
二十四時間いつだって憤慨してて、いつだって絶望してるのに、その捌け口だけがどこにも見つけられなかった。
この歪んだ姿で生き恥を晒し続けるくらいなら、いっそタイムズスクエアのライブカメラで生中継しながらセンセーショナルに頭を撃ち抜いて死んでやろうと思った。
――パサリ。
錠剤とかコスメとかクレカとかで散らかりまくったシーツの上に、奇妙な便箋が落ちていた。
絶対にさっきまで無かったのに、と怪訝に思いながら手に取って、上質そうな黒い薔薇の封蝋を剥げたスカルプネイルの先で壊した。
「 ……最悪。この薬、飲み合わせ悪いとか聞いてない 」
今夜お迎えに、だなんて白馬の王子様でもあるまいし。
澱んだ部屋の空気に溶け入るように瞼を下ろして微睡に身を委ねた先、次に目を覚ましたのは全く知らない場所だった。
自分のお気に入りで埋め尽くした筈の部屋が全くもって殺風景に塗り潰されて、豪華だけれど味気ない室内を冴え冴えと照らし出す月光に無遠慮なフラッシュの光を思い出して眉間に力が籠った。
響く、ノックの音。
安全かどうか分からない未知の空間で、扉一枚隔てた向こうに自分の知らない何者かが存在していて明確に自分を訪ねてきている。
その状況の不気味さに戦慄を超えて吐き気さえ覚えながら震える声で応答し、扉を開いた先には――絵本かカートゥーンで見たようなモンスターが立っていた。
そいつは私に様々な事を次々説明していった。明けない夜、檻代わりの自室、使い魔?とかいう給仕の存在、そして私が此処に攫われた理由。
何もかもが信じらんなかったから素直にそう言ったら、そいつは魔法としか思えないような事を私の目の前でやってのけた。
窓ガラスを一度粉々に割ってから、またすぐ綺麗に元通りに戻したんだ。
――――待ってよ。魔法…魔法が本当にあるんなら、あのガラスみたいに私の容姿だって――…!
ぶわり、冷めきった体内が熱を取り戻す気がした。希望に似た何かが、自分の中に萌芽したのが分かった。
「 私の容姿を元通りにして。完璧に戻せたら私を食べていいから 」
考えるより先に出ていた言葉。
怪物が獲物を食うタイミングを獲物が支配できる筈もないのに、……流行を支配していた頃の悪癖かな。
(/自分が獲物側としてお屋敷に連れ去られるなら、顔も中身もつよつよなのにどこかしら危なっかしい女性を動かしてみたい、という願望。等しくこんな演者様とお話してみたいという願望でもありますので、お暇繕いまでにジャネット(仮称)のバックグラウンドや基礎人格を使用してキャラメイクしてくださる方がいらっしゃいましたら大歓迎させていただきますという…泡沫のような庶幾を宝箱にて消化させていただきます)
>執事長様
(/こんにちは、いつもお世話になっております。グルースの背後にございます。少々ばかりお尋ねしたい事と、グルースのイメージ画をお届けしようと参った次第です。
お先に此方、グルースのイメージ画になります。
※トロロさんの「ななめーかー」をお借りして、少々加工しております。色々と荒い部分はありますがどうかご容赦を……
https://tadaup.jp/6911bcd2d.png
自作発言は禁止との事でしたので、作者名の御記載を合わせてお願いいたします。
それから……キャラの年齢に関する質問が少々。実は今、“秘密の共犯者”ルート向けのキャラクターをこっそりと作成していたのですが、設定を練っていく内にどうにも40歳半ば程になりそうでして。舞台裏のテンプレートに「10~40代」と書かれているのは以前より拝見しておりますが、具体的な上限などは御座いますか…?お手隙の際にお返事を頂けると幸いです。
最後に、ビビッドカラーが似合う綺羅びやかな強さがあり、けれど罅のある宝石の如く儚いジャネット様のお話に見入らせて頂いたり、想い出の場所を鮮明に映した“足跡”のページに心臓が口から飛び出かねない程テンション上がりましたりと、いつも楽しませてもらえて毎日が幸せで……本当に有り難う御座います。私も目一杯精進して参ります故、これからも宜しくお願いいたします。)
>グルースPL様
(/こんばんわ、此方こそお世話になっております。お忙しい中グルースさんのイメージ画像もありがとうございます、まさかこんなに早くご尊顔にお目にかかれるとは…!早速メニューへ掲載させていただきましたので、お手隙の際にご確認いただけますでしょうか。
【https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/brilliant】
そしてまさかまさか、4人目の演者様のご登場を検討されておられるとの事で黒薔薇共々嬉しい悲鳴を上げております…!しかも今までに居られなかったナイスミドル層でキャラメイクされておられるとのことで、今からお披露目の夜が楽しみでございます~。年齢についてですが、10代~40代であればOKですので、具体的な上限は49歳(下限は10歳)でございます!
ジャネットの小噺や足跡にも御目通しいただきありがとうございます、沢山喜んでいただけて管理者冥利に尽きます~!こちらこそ日々色々なものを頂いております、本当に長くご縁を繋いで下さりありがとうございます。ぜひぜひ、今後ともよろしくお願いいたします!)
>執事長様
(/お早いご対応有り難う御座います。メニューも足跡も、何度見ても良いものですね……
それから、キャラの年齢についてもご丁寧に回答を下さいまして痛み入ります。私としても初めて挑戦する年齢層ですので、何かと不備があるやもしれませんが、目一杯突き進んでいかせて頂きます。
一通りプロフィールが出来ましたら一度此方に投げさせてもらいますので、その時に不備のご指摘やお相手になる怪物様のご相談等々させて頂ければ…と考えております。
それでは、今後とも末永く。またグランギニョルの舞台にてお会いしましょう。)
(/こんにちは。毎度様でございます、グルースの背後です。この度、前にお話いたしました40代の方のプロフィールが出来ましたので、お先に此方へ投下させて頂きます。それから、まだ舞台に上げる前である事と、この彼の性格の参考になればという思惑を兼ねまして、ロルサンプルはお屋敷に来る前、現世で在った昔の一幕という想定で綴らせてもらっております。彼是と個人的な性癖に走った部分は多分にあります故、お屋敷と合わなそうな箇所や気になる点は遠慮無く仰って下さいませ。)
指名:
希望ルート:秘密の共犯者ルート
名前:ナミル・アッシャムス(Namir Al-Shams)
性別:男性
年齢:46歳
職業:商人
性格:気っ風の良い豪快な人物、が第一印象。怒る事の無い余裕ある感情表現ははっきりと、言葉や態度は堂々としており、他者から扱き下ろされたとしても心一つ揺るがず笑い飛ばす自信家でもある。それを裏打ちするのは、興味を持った何事も完璧と成すまで修練を積み重ねる、粘り強く妥協の無い努力家の片鱗。『有言実行・即実行』の自銘の下、良いと思った事を直ぐ様行動に移す活発さ、自分から積極的に声を掛ける社交性の旺盛さの反面、一人きりの寂寥と退屈が苦手。それ故、一人にしておけば突拍子も無い行動に出る事もままある。
容姿:身長194センチ。幅広の骨格に筋肉が乗るがっしりとした体躯に高めの体温。黒色の髪は芯を持った固い毛質であり、一度癖が付くと直り難い為、ベリーショートに整えて額を出す形に前髪を分けている。髪と同色の眉は太めで真っ直ぐ、笑い皺の付いた切れ長のアンバーアイと相俟って、虎のような意志の強さを窺わせる。全体的に彫りが深く、やや厚い唇と浅黒の肌がエキゾチックな雰囲気を纏わせている。ゆったりとした黒の開襟シャツ、白のスラックスと至ってシンプルな格好だが、どちらも専用に仕立てられた質の良い一品。シルバーリングを左手の薬指に着用、生まれつき左側の肩と鎖骨の境界辺りに目玉のような二重丸形の赤痣がある。
備考:15歳で故郷を飛び出し、その身一つでやりたい物に片っ端から手を広げ、宝飾品から不動産まで幅広く商業を育てて財を築き上げた後、それらを子や部下に引き継がせ早々に隠居した元企業オーナー。事故や病など原因は様々ながら、親族とその伴侶全てが40代の内に終命する早世の家系であり、本人が看取った内では、両親、兄姉、弟、妻が40代の内に逝去している。多くの命の終わりに立ち会ったが故か、「いつ終わっても笑って逝ける、悔い無き人生を」としたい事を貫き通す方向に志を決め、思い立てば世界旅行やら登山やらと日々エネルギッシュに驀進している。とうに成人し独り立ちしてはいるが二人の子を持つ父親でもあり、少々荒っぽいものの年下の面倒見が良い。声は強い意志と同じく張りを有してよく通る、重ねた年の分渋みの滲むバリトン。一人称は俺、二人称はアンタ、または呼び捨て。年若い相手には嬢ちゃん、坊主などと呼ぶ事も。
ロルテスト:
(夜の街中を闊歩する。一歩歩く毎に心地好い空気、雑踏が肌を撫でて、ネオンの光も煌びやかに目を騒がせる。時折一夜語り合った友や仕事の得意先と擦れ違っては挨拶をして、また肩で風を切り拓く。――地元の狭い片田舎では、外を歩けば“不吉な家系”と散々後ろ指を差されたものだが、一歩境界を越えればこの通り、広い世界中、その程度の経歴を気にする者は一人も居ない。「……ん?」ふと、誰かの歌声が耳を擽った。辺りを見回し行き着いたのは、ストリートの片隅でアコースティックギターを手に弾き語りをする、亜麻色の髪をした女性。柔らかく伸びのある旋律が舞うそのバラードは、その女性の前で誰も立ち止まる事が無いのが不思議に思える程、聴く者の心を惹き付ける。「良いねえ。もう一曲頼めるかい。」歌の終わり、惜し気無く拍手を贈れば彼女は照れくさそうにはにかんで、また始めるメロディーに此方は酔いしれ目を細める。それから何曲か、有名曲のカバーからオリジナル、己のリクエストまで見事に歌い上げた彼女にもう一度手を打って賞賛を。「見事なもんだ。アンタ程の歌声ならきっと、プロになるのも直ぐだろうな。」そう告げた途端に表情を曇らせた女性に片眉を引き上げ、「…どうした?」言葉に妙な所でもあったかとそう尋ねてみれば、今日で歌うのを辞めるという話が返される。「ふぅむ、勿体無いな。」それに益々と眉を寄せて沈黙を少々、巡らせる思考に些か目を泳がせた後、「……一つ訊かせてくれ。その歌を辞めるってのは、アンタが納得して決めた事か?」そう問い掛ける。……歌う彼女は、それはそれは楽しげで、眺めている此方まで笑顔になる程だったのだ。だから、それを自身の意思で決断したとは到底思えなかった。――俯いて首を横に振る彼女。“仕方無いんです、だって”。そうか細い声で始めてぽつりぽつり零されたのは、婚約者の居るお家柄、家族の反対、ファンの付かない現状。「……そうかそうか。アンタ、沢山悩んできたんだな。」神妙に呟いた寄り添いに肩を震わせる彼女へ、「なあアンタ、まだ歌いたいか?」もう一言、シンプルにそう尋ねて――頷いた、彼女の意思を確と見届けて。「よし。なら、アンタのその声、俺が買おう。」その言葉はあまりに唐突だったのだろう、ぽかんと此方を見詰める豆鉄砲を喰らったような顔に手を伸べて、「なぁに、単純な商談だ。俺はアンタの歌に惚れた。その歌をまだまだ聴いていたい。そんで、アンタはまだまだ歌っていたい。もっと多くの奴に聴いてほしい。そんならよ、」彼女の青い瞳と、己の琥珀の瞳。重ね合わせて、にんまり唇の端を吊り上げる。「アンタは邪魔になるモン全部蹴っ飛ばして、好きに歌って思うように生きちまえ。後ろの残骸なぞ気にすんな、俺が何とでもしてやる。」かっと口を開いて自信満々大笑い。その勢いで伸べたままとは反対の親指で自らを指して、「このナミル・アッシャムスがアンタを世界のステージに上げてやろう!だから虎の背に乗ったつもりで、前だけ向いて思いっきり歌え!」路地の片隅、太陽さながら眩しく騒々しい名乗りを挙げて、噴き出す彼女が手を取って――いつか昔、蕾の歌姫と若き虎が出会った春の日の話。)
Image:※じゃろ様の「uomo」をお借りしました。
https://picrew.me/share?cd=cFnC7vbJ18
(/補足としまして、基本的に怪物様の何方とお会いしても問題が無いような性格や見目にしておりますが……その分少々喧しいと言いますか暑苦しいと言いますか……死を初めから意識している分、兎に角ぐいぐい前に猛進する虎のような性質ですので、もしかしたら苦手な部類だったりしないかな…などとそわそわしながらも此方に置いておきます故、お暇な時にでも御確認下さいませ。それでは、これにて。)
>グルースPL様
(/こんばんわ、いつもお世話になっております!お忙しいところ早速のお披露目ありがとうございます、じっくり目を通させていただいたのですが本ッッッ当~~に素敵なおじさまですね……。名実ともに力のある熟成・洗練された大人でありながらも静寂には耐性が低く無鉄砲になりかねない危うさを内包されていて、本当に秘密の共犯者となってお屋敷を奇跡の炎に包めるのはこういう行動力と信念に満ち満ちた御方なのかもしれないと思わされました…!無論共に救いのない道を歩むと決めた怪物との相性や話の流れもあるのでルート完遂の保証を差し上げられるものでない事はご留意いただいている通りと存じますが、お屋敷で未だ見ぬ道を切り拓きその先を見せて下さるような、雄々しく巨大な鷲の翼を携えた猛虎のようなナミルさんとぜひぜひ本編でお話させていただきたいです。懸念点についてもお気遣いありがとうございます。確かに複数の意味で未だお相手をさせていただいたことのないタイプの演者様ゆえ現時点では読めない部分も多々あるというのが正直なところなのですが、秘密の共犯者ルートは険しい道のりゆえナミルさんのような恐れず驀進する気性も必要になってくると思いますので、お互いに違和感があればすぐ声を掛け合いすり合わせをして参りましょう!つきましては本編にてロルテストに指定のシーンをご記載いただいたうえでご指名をいただけますでしょうか?)
(/物凄いお褒めに与り光栄の境地にございます…!ええ、艱難辛苦を乗り越え道を拓く強さを持った御仁にしようと考え、そこに私個人の性癖をふんだんに盛り込んだのがナミルです故、そこに気付いて頂けて大変嬉しく思います。勿論、お互いに遠慮は無く、充実した楽しいお話を紡いで参りましょう!それでは、また舞台にて。後程正式なロルテストと共にナミルがお邪魔に参ります!)
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