ちよ 2019-04-23 11:32:36 |
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ちよ)あれ、勝手に入った人がいたの?既にお面もかぶって。もしかして、ある部屋の一室から着物とった?まぁ、似合ってるけど名前あげるよ。そうねぇ、蒼(そら)にしてあげる。
ちよは、そう言って、くすくす笑った。
>ちよ
凛「ちよちゃんか。よろしくな」
相手の言葉を反芻し、今度こそ屈託のない笑顔を浮かべて頷く。その後顔は、帰り道は、と順繰りに記憶を探ってみるが、思い当たる節は全くない。生来楽天的な質とはいえさすがに不安になって、少し眉を下げこの世界においては先輩であるらしいちよに尋ねた。
凛「……これって、変?」
ちよ)ここに呼ばれた人は最後はみーんなあちらの世界の記憶はなくしちゃうみたいだから。何でか分かんないけどね。
ちよは笑う。
ちよ)お姉さんは、こちらの世界に呼ばれた人。あちらの世界はもう気にしなくていい。忘れてしまえばいいの。お姉さんに着物を選んであげるし、お面も名前も私があげる。
ちよはそういって、凜の手を引いた。
ちよ)早速行こう。ここは楽しむ場所なんだから。
>ちよ
凛「……そっか。かっこいいのを選んでくれよ!」
自分の手を引く幼いはずの少女の言葉には妙な説得力があった。よく分からないことは多いものの、ここで暮らすのも悪くはないと思える。ただ、なぜだか妙に後ろ髪を引かれる。何か、忘れてはいけないことがあったような気がしたが、結局は大人しくちよについて行くことにした。
ちよ)くすくす、お姉さん。ちょっと男っぽいの?可愛い色が似合うんだけどなぁ。ピンクの桜柄に赤い帯が、お姉さんには似合うよ。
ちよは、そう言っててきぱきと凜に着物を着せてく。
ちよ)お面はそうね。猫のお面にしよう。名前は...涼香
凜は、涼香になった。
ちよ)さぁ、お祭りを楽しんで。
ラナ「…ん?なんだ、またずいぶん昔の遊びを知ってるんだな…いいか?ガキ共。(ニヤリと笑う)そういうので私に勝つには…(鬼霧を抱き上げる)こんな隙を作ったら終わりだぜ?」
>ちよ
凛「桜に猫かぁ……ちょっと照れくさいけど、ありがとう。涼香ね、もう忘れないようにしなきゃな!」
柄や色のかわいらしいチョイスに赤くなった頬をかきながらへらりと微笑み、名前を繰り返すと冗談っぽく言う。
先程着替えた時にスーツのポケットからこぼれ落ちた、会社で使用していたネームプレートを自分でもなぜだか分からないままこっそりと懐にしまった。目にも耳にも楽しげな屋台の方へと足を運ぶことにする。
ちよ)持ってると安心するってやつかな?
ちよはくすくす笑った。
場所は変わってとおせんぼしたところで鬼霧は抱き上げられて暴れた。
鬼霧)先に行きたいなら、りんごあめ持ってきてよ。そうしたら、通してあげる。僕らは背がちっちゃいから、届かないんだ。ちよ姉ちゃんが言ってた。何か欲しいなら、ひとにとおせんぼしてお願いするといいって。だから、とおせんぼしたんだ。僕ら5人に一本ずつりんごあめちょうだい。じゃないと絶対通さないからね。
>ちよ
凛「ん? ……ああこれ? バレたかー!」
いつも唐突なちよの台詞に目を瞬かせ、一呼吸置いてからその意図を理解する。何も知らないようなことを言った手前今さら何か手がかりを見せるのも気まずいが、気を取り直して紐を引っ張ってネームプレートを取り出すとあっけらかんと笑ってみせる。「まだよく読んでないんだよな」と呟き名刺部分を目線の高さに持ってくると軽く目を通す。
ちよ)綺麗なお兄さん、嫌?蒼はダメ?
ちよはしょぼんとして、残念そうにする。お面をしてるせいで、顔の表情は分からないが、言い方からして残念そうだ。
鬼霧)お姉さんの隣にあるよ。ぼら、旗で、りんごあめって書いてある。ここのものはお金っていうやつを出さなくていいんだって。だから、ふつうにもらえるんだよ。
風早)りんごあめ、お嬢さんもいるかい?
翁の面を被った、りんごあめのおじさんがラナに聞いた。
ちよは、涼香から、それを取ると、綺麗な蝶へと変えてしまった。
ちよ)ここにあちらの世界のものはいらないの。お姉さんは持ってるよね。ほら
ちよは袖を指さした。そこには、Rの形をしたキーホルダー。
ちよ)それがあれば、十分じゃない。何でかって?わかんない。でもお姉さんは涼香なんだから。イニシャルに変わりはないんじゃない?
ちよ)よかった。名前気に入ってくれたんだね。お兄さん。あっちに夜狐って子がいるの。寿司屋さんにね。よかったらそこで腹ごしらえしてきたら、、おじさんの握る寿司、どれも天下一品なんだよ。
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