三久 2019-04-16 03:33:45 |
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⇒秋くん
?………はあい…っ、わああ!?あ、秋くん!?その怪我っ…ああもう、とにかく中へおいで!
(夜の帳が降りた頃。遠くに響く微かな雨音と弱めに付けた古い石油ストーブの燃える音に耳を傾けながらレジ横のパイプ椅子に腰掛け、同じ名を冠した子猫へ鶏のささみを湯がいて小さく裂いたものを餌皿へ乗せて与えながらそろそろ店仕舞いの頃合いだろうかと古い振り子時計を見上げるも、ふと何やら硬質な音が響けば不思議そうに首を傾げて外を見やり。生憎と店内の光は音の発生源までは届かず、しかし何度も響くそれを聞けば誰かがノックでもしているのかと思い当たり「よっこいしょ」と重い腰を上げて緩慢に移動しては間延びした声をかけながら扉からひょいと顔を出し。其処に居たのは先日印象的な出会いをしたばかりの少年、しかしその時とはあまりにもかけ離れた姿に仰天し普段は出さない大声を上げて飛び上がっては相手の頭から爪先まで彼方此方へ視線を飛ばして状態を確認するも見れば見る程痛々しいその姿にぐっと表情を歪めて眉根を寄せ。こんな店先にいても埒があかないと判断したのか相手の手首をむんずと掴み強引に店内へ引きずり込んでは未だにのんびりと優雅な食事を続けている子猫の隣へ相手を配置してすぐそばのストーブの火を強くし、何時になく強い口調で言い置いてからわたわたと店奥の居住スペースへと引っ込んでいき)
何があったのかは後で聞くけど……とりあえずタオルを持ってくるからそこに座っていなさい。いいね?
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