テオ 2019-04-15 11:39:11 |
通報 |
テオは、そこでようやく獲物の意味が分かった。ゆうきにとっての獲物、それは、テオを拘束し、監禁することだったのだ。
テオ)だから何?このままじゃ俺は、ご飯食べれないじゃん。風呂にも入れないし。トイレもいけないよ。どうするんだ?
テオ)わかったよ。
テオは、少し齧ってみた。血の味と、水っぽい味が混じっていた。
テオ)人間の肉か?人間の肉は、水っぽいと聞いたことがあるぞ。
テオは、首をかしげた。
(本当らしいよ)
テオ)確かに血の味もするから、まずくないけど。
テオは、少しずつ齧った。
テオ)水をかなり含んでいるから、血も薄い。
テオは、そう言って、平らげた。
テオ)君、半獣だったんだね。狼の。驚いたよ。そして、狼は一度狙った獲物は必ず、仕留めるって聞くけど、獲物が俺ってことは、俺を仕留めるってこと?
テオ)生きたまま、食べるんだろう。綺麗さっぱり食われちゃ、俺も死ぬかもなぁ。前例ねぇけど。
テオはそう言って、牢獄の壁にもたれた。そして
テオ)ねぇ、喉乾いたから、飲み物くれない?血じゃなくて、そうだなぁ、紅茶。紅茶が欲しい。アイスティーお願いしていいかな?
テオ)なんで?俺を脱水症状、あるいは餓死に近い状態にする気か?
テオは、ギロッと睨んだ。さすが吸血鬼。眼光が鋭い。
テオ)獲物なら、おいしく食べる為に栄養つけさせた方が、効率いいと思うけどなぁ。
テオ)あのさぁ、ゆうき。君は俺に愛してほしいって言ってたよね?愛し方はそれぞれだけど、君は愛する人を喰らうことで、自分のものに出来ると思ってるの?
テオ)確かに、喰らえば、肉片となって俺は君の中で生き続けるだろうね。思い出も忘れなきゃ、いいと思う。でも、拘束までした俺は、もうそこにいない。二度と君の目の前に姿を現すこともない。そんな愛してほしいと言って、本気でゆうきを愛してる俺を喰らいたいの?食べてしまえば、本気で愛した、俺はもう君に愛も囁けないのに。
テオは、ゆうきを見つめて言った。
トピック検索 |