とある優秀な生徒 2019-04-13 23:46:26 |
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早く来すぎたかな…
(待ち合わせの場所に30分も前についてしまい、普段来ている黒の長袖ワンピース姿で木陰で相手が来るのを待ち。)
よお…
(それから5分後、黒のジャケットに白シャツといったシンプルな格好でも絵になっていて。軽く手を挙げながら相手に近づき、「新鮮」と一言発して)
…明飛君
(声のする方に顔を向けると、待ち合わせ時間より早く現れた相手に驚いて。時間間違えたかなと広場の時計を確認し、気遣ってくれたのかなと笑みを浮かべて「かっこいいね…」相手の服装を見てはよく彼自身に合ってるなと見惚れてしまい、新鮮と言われては何の事だろうかと不思議そうな顔で)
出雲の私服、似合ってる
(不思議そうな顔をしている出雲に、口角を少しだけあげて優しく微笑み。「そもそも休みの日に誰かと会うのも新鮮だ」笑ったのも束の間、すぐにいつもの表情に戻って付け足して)
…ありがとう
(言われ慣れない言葉に擽ったさを感じて、微笑んでくれた相手を真っ直ぐに見られず下を向き。「普段のお休みは何してるの?」あれ?またいつもの明飛君、と少し残念に思いつつ)
だいたい…そうだな
(何をしているかと聞かれ、ぱっと思いついたことが魔導書を読んでいるか散歩しているかのどちらかであり。素直にそう答え、つまらない休日の過ごし方だと改めて感じ、)
じゃあ、たまにお誘いしてもいい?
(明飛君一人なんだ。魔法の練習と友人の付き添いが休日の過ごし方の自分と、学校でも休日でも一人の彼を想像し。気づくと言葉が先に出てしまって「…あ、えっと。気が向いたときでも一緒に気分転換どうかなって」言い訳みたいになってしまい)
…ああ、待ってる
(出雲に想像以上に気にかけてもらっていることに気付き、かなり余裕が無い自分がいるのではと内心焦るも、出雲の気持ちは素直に嬉しくて頷き、)
……うん
(面倒だと思われるかなと、僅かな不安も消えて。ほっとしたのは束の間、何か聞こえた気がしたのと同時に一瞬変な感覚が過り「?」すぐに元に戻ると笑顔で相手に「そういえば、プラネタリウムって明飛君よく行く?」先日の幻覚魔法を思いだして)
小さい時はよく行ってたな
(プラネタリウム、それをもう1度見たくて覚えたのがあの幻覚魔法で。小さい時はたびたび見ている間に寝てしまうこともあったけど、今は大丈夫だろうと楽しみにしていて)
そっか…
(幼い頃の明飛君の楽しい思い出なのかな、と横顔を覗き見ては微笑んで。たまには魔法ではなく、こういうのも気分転換になるかなと「あまり混んでいないみたいでよかった」話ながら歩いているうちに目的地に到着して)
だいぶ変わってるな…
(記憶の中にあるプラネタリウムよりも、かなり綺麗になっていて。思わず目を丸くしてしまい、自分がどれだけ外に出ていなかったのかを実感したようで悔しくもあり、)
綺麗になっちゃったよね
(何度か来たことのあるプラネタリウム。設備や外観はだいぶ近代建築らしいつくりにはなってしまい、驚く彼を見つめ。「でも変わらないものもあるよ」初等科の頃に来た時にいた清掃員のおじさんは、老夫になった今も清掃員として働いている姿に懐かしさを感じ。)
そうだな
(ぐるりと見渡し、外壁や内装などはほとんど変わっているが、自分が気に入っていたステンドグラスは変わっていないことに気づき。ひとつでも当時のものがあって、ゆっくりと温かい気持ちが胸を満たしていき)
………
(あたりを見ている相手の様子から、楽しんでくれているようで。半ば強引に誘ってしまったのではないかという不安も、誘ってよかったかなと微笑んで。)
…なあ、どれ見るんだ?
(投影番組のポスターを見つつ、すこし弾んだ声で問いかけ。クラスで見せる姿とは違う、年相応の柔らかくはつらつとした笑顔で「出雲が見たいので構わない」)
……そうだな、今はあるかわからないけど
(プラネタリウムの奥の方に進んでいき、「この辺りに…あった」突き当たりに鏡張りのドアが現れ。躊躇せずそのドアを開け。星に見たてられた小さなライトが、全面鏡張りの部屋に反射して夜空のようになっていて)
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