とある優秀な生徒 2019-04-13 23:46:26 |
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……
(制服に着替えて着席しても、妙に女子たちの視線が痛く。ちらっと明飛君の席を見ると、あちらも他の男子からいろいろ言われているようで。自分の言動が浅はかだったと反省しては、次の授業の準備をして)
…なんだ、俺とペアでも組みたいのか
(ふ、と薄く笑っては「言えば良かったんじゃないか?」とずっとからかってきていた男子生徒のひとりに向かって、茶化すような言い方を真似して反論しては黙らせて)
……
(明飛君すごい、黙らせちゃった。一斉に教室が静かになり、女子たちの痛い視線も消え失せ。後でお礼を言いに行こうと思いながらも、なるべく彼の席を向かないようにして)
良かったのかよ…
(全ての授業も、帰りのHRも終わり、放課後魔法の事を聞かれたり幻覚魔法をもう1度見せたりと、クラスメイトの相手をしていて気付けば下校時刻を40分も過ぎており、ずるずると脱力しながら椅子に座って)
あ、明飛君
(職員室まで先生に問題の質問をしに行った帰り、教室に忘れ物をしたことを思い出し。教室に入ると相手が一人いるのを見つけ「今日は、沢山ありがとう」忘れ物を鞄にしまうと「疲れてるみたい、大丈夫?」)
……俺は平気、出雲の方は大変だったな
(確かに疲れてはいるが、いつものように表情を崩さず、自分よりも女子のゴタゴタの方が大変だっただろうと、「俺のせいでごめん」と謝って)
私は大丈夫だよ、謝ることないから
(なんとか長く感じられた一日が終わったことにほっとしながらも、疲れているはずの相手が気にかかり「私の方こそごめんね」と伝え)
出雲が謝る必要ないだろ…
(クラスの奴らが悪いんだ、そう付け足しては自分は1人でも平気だが、出雲が今日のようにならない様に気をつけなければ、はあ、と軽く息を吐き)
(ひとけの無い校内を歩き校舎裏に着くと、鞄を下ろし。外部に影響が出ないように小さい結界のようなものを作ると魔法の練習を始め。)
涼しい…
(久しぶりに散歩でもしようかと私服に着替え、黒い帽子を目深に被り。涼しい風が吹く度過ごしやすい季節になったと感じつつ、自然と学校の方へ足が進んでいき)
あ…?
(どこからか流れてくる魔力を感じ、学校の壁に手をついて空間魔法の呪文を詠唱すると、出雲が張ったであろう結界の前にたどり着き)
悪い、驚かせた
(さすがに結界の中に入る気にはなれず、不安げな出雲の前に謝りながら現れれば帽子を取り、「いつ帰るんだ?」と相手の身を案じて)
明飛君
(驚いて次の言葉に迷いながらも片付けを始めて「…もう帰るよ。明飛君はお散歩?」最後に結界の元を綺麗に消してから相手に微笑みかけ)
まあ、な
(邪魔してしまっただろうかと気にするも、結界に近づいたときの異常に冷たい空気を思い出せば、ここに来て正解だったかもと思い直して「ずっと残ってたのか?」)
ああ、女子が1人なんて危ないだろ?
(元より出雲の家の近くまで歩いていくつもりでいて。ここまで努力しているのを、あの友達は知っているのだろうか。再び帽子を被り直し、モノトーンの服に銀色のピアスが光っていて)
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