時の旅人 2019-04-11 22:06:09 |
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「どうも、今日は。来ていただいてありがとうございます。ここは、貴女の意見に沿って整形をさせて頂きます。少々お値段が張りますが、素晴らしい仕上がりにしてみせますよ」
藁にもすがる思いできたが、手術担当らしき美形の男性、落ち着いた雰囲気の部屋を見て、高鳴っていた胸がおさまってきた。お金は、この人のATMに振り込んでおいた。
手術後の、美しい私の顔を想像する。もう、後には引けない。手術を受けるために目を瞑った。
瞼の裏に、沢山の人に囲まれた私が見えた ーーーー
大きな打撃音。
大声で叫ぶ人。物と物がぶつかる音。
外が騒がしい。恐る恐る目を開いた同時に、黒っぽい服を着た男の人が、ドアを蹴破って入って来た。
「動かないで下さい。ここは、○○整形であってますね?手術担当の○○さん、あなたに逮捕状が下されました。来てもらえますね」
来てって、どこに?
男の人が話しかけてくる。
「何もされていませんね?詳しい説明は後にしますが、○○さんを含む厚化粧ナビゲーター開発団体は、医者免許無しで高額な手術代を請求、手術を受けた沢山の女性に借金を追わせています。あなたも、そのうちの一人です。取り敢えず、起きて貰えませんか?」
なんで?
あと少しなのに。
あとちょっとで世界一綺麗な女の人になれるのに、邪魔するの。どうせ、美しい私を見たらバカみたいにヘコヘコするくせに。
動かない私に、男の人は呼びかける。応答がないと、腕を持ち上げて手術台から降ろさせた。
体が動かない。空気と一つになったみたいだった。
そのうち、脳が考えることを拒否する。空っぽの頭には入り口が無く、周りの雑音は耳の途中で跳ね返された。
何故か意識が薄れてく。幻想も消え、最後に見えたのは、ガラスに写った醜い私の顔だった。
・・・・・
暗い部屋に、TVの光が点滅する。
画面の中のニュースキャスターが、巻き舌で原稿を読み上げた。
「『厚化粧ナビゲーター』開発団体の、Seikei.navigatorトップの…………さんが逮捕されました。また、その開発団体と、一部の利用者が一斉検挙されました。Seikei.navigatorは____________ 」
・・・・・
(終わりです。あくまで私の妄想なので、色々変な部分が沢山あったと思いますが、そこは目をつむってください。小説書いたのは初めてなので、長くなってしまいました。誤字もあるとおもうので、読み辛いと思います。感想もらえたら、泣いて喜びます。もっと書いて面白いものが書けるよう頑張りたいです。)
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