年下彼女。 2019-03-29 07:22:27 |
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──よかったですね、会長。…僕も負けていられないですが。( 周りの冷やかしを軽く受け流していたが、笑顔を向けられ照れくさそうに視線を逸らし。再びダーツを構えて投げ、安定した先程と同等の高得点を出して次に投げる彼女を見て )──次、会長の番ですよ。
よーし、次こそ高得点出さないと…このままじゃ負けちゃう。せーのっ、あー…さっきよりは得点上がったけど植野くんには敵わなかったかあ。( 張り切ってダーツを投げるも、思うように得点は伸びず肩を落とし )
ああ、惜しい。でも、会長の負けですね。そんな落ち込まないでください、会長。これ、景品だそうです。あげますよ。( ゲームを堪能し教室を出ると励ますようにお菓子の詰め合わせの入った紙袋を彼女に差し出し )じゃ、僕のお願い聞いてくれますか?
え、くれるの?ありがとう…。で、植野くんのお願いって何?( お菓子の入った紙袋を受け取ると嬉しそうに頬を緩めて。その後、彼からのお願いを聞こうと耳を傾けて )
…会長にその気があれば、ですけど。文化祭終わったあともこうやってデートしたいです。会長といるのは楽しいですから。( 照れくさそうに視線を外していたが、再度彼女へ視線を戻し )
でっ、デート…?!でも私、そういうのした事がないからよく分からないんだけど…。それでもいいのなら…( 思いもよらないお願いに、噎せてしまい苦しそうに胸を数回叩いた後に気まずそうにしながらも小さく頷いて )
今も一応はこれ、見回りを名目にしたデートのつもりなんですが──…って、大丈夫ですか?そんな驚きますか?( 顎に手を添え考えるも、噎せた彼女に不思議そうに視線を向け )
…ん、大丈夫…。だってデートって付き合ってる人達がするものでしょ?私達まだそういう関係じゃ…。( ようやく落ち着きを取り戻し深呼吸すれば冷静に対応し )
……。わかりました。これは“見回り”でしたよね。舞い上がっていたみたいです。( 変わらぬ表情が次第に悲しげなものになっていくが、軽く頭を振ると彼女から距離を置くように少しだけ先を歩き )
──あっ…。( 彼の表情を見て、もしかしたら傷付けてしまったのではと申し訳なく思いながらも弁解の言葉を出せずにいて。先を歩くその姿を小走りで追いかけていき )
…次はどこを見ます──あ。( 沈黙が続いていたが、歩くスピードを緩めて問いかけていると、以前呼び出しをした女生徒に呼び止められ。「あ、植野くん。あと会長も!見回り?よかったらうちの占いしに来てね。よく当たるの、タロット占い」と笑みをたたえ )
──タロット占い…。植野くん、どうする?( 見覚えのある彼女の声に思わず足を止めて。占いはテレビや雑誌で見ることはあっても実際に占ってもらったことはなく、興味深そうに呟いたあと彼に視線を向けて )
…会長が行きたいみたいですから、構いませんよ。( 彼女の様子をちらりと一瞥すると軽く頷いて、女生徒に「じゃ、案内するね。ついでに二人の相性見てもいいと思うな。お似合いだし…」と小さく笑ってからかわれるも、素知らぬ顔をして。“占いの館”と書かれた教室へと案内されると段々と口数が減り )
……。( 教室へ入り席へと案内されると彼と横並びに座り。タロット占いが始まると妙な緊張感に襲われ急にソワソワし始めて )
( 落ち着かぬ彼女とは反対に冷静にただただ占っている様子を見つめていると、占いの結果を聞き。どうやら“相性は良好、お互いの足りない部分を補える最高の関係”とのようで、言葉は淡々としているが「そうですか…当たればいいんですが」と切なげに呟き、占いの館を後にして )──会長、見回りは他にどこ行きますか?
──えっ?あ、あー…次は、2年生の所に行かない?( 占いの結果にぼーっとしていたため彼からの問いかけに反応が遅れたものの、気持ちを切り替えて上を指差せば階段に向かい )
わかりました。( 彼女の反応に怪訝そうな顔をしたがそれを指摘せずに、階段を上がり。2年生の教室のある廊下を歩きつつ、特にトラブルが起きていないかと見回りをし )──特にトラブルもなさそうですね。次は3年の階を見ましょうか。
──あれ?なんだか騒がしくない?何かトラブルでもあったのかな。( こくんと小さく頷くと3年の階に向かえば、何やら騒いでいる声が聞こえ不思議に思いながらも気にかけた様子で声のする教室に向かい )
…そうですね、何があったんでしょうか。( 彼女の指摘に耳を澄ませば頷き、教室の周りには人だかりが出来ているのを確認すれば状況を把握しようと「すみません、通ります」と人を掻き分けながら教室へと入り )
植野くんやっぱり何かトラブルでもあった?毎年3年生は色々トラブル起こしがちだから──。( 恐る恐る彼の後に続いてちらりと中の様子を伺うように彼に問いかけ )
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