苺色の夢　/　〆　

きょうさんですね 、それじゃあお言葉に甘えてたくさん頼らせてください 。
( ようやく緊張も解れた様子の彼の名を復唱して覚え 、にぃ と口角を上げ大きく頷いて 。さすが有名店と言ったところか 、彼も紙袋の中身に覚えがあるようで「 そうなんですよ 、ここ僕も大好きなお店で 。きょうさんのお口にも合うといいんですけど 」と手渡したのち告げて )

もちろん。俺で良ければ。
( 大好きな人の役に立てるなら、と笑顔でうんうんと頷いていながらも、推しに認知されて嬉しいと内心喜んでいて。「気になってたんだけど人気で行けてなかったんだよね、甘いもの好きだから嬉しい」紙袋を受け取って微笑めば、話を切り上げようとしていたにも関わらず提案をしてしまっており )
良かったら、紅茶でもどう？きっとお菓子とも合うと思うんだ。

それなら良かったです 、朝から並んだ甲斐がありました 。
( 開店直後には長蛇の列が出来るような人気店なだけあり 、今日のこの日のために早起きして並んで手に入れた手土産を誇りに思うかのように笑って 。突然訪ねた挙句立ち話に引き止めてしまったため 、迷惑にならぬうちに撤退しようと考えた矢先思いがけぬお誘いが 。ぱっと顔を上げ幾度か瞬きを )
── っえ 、そんな急にお邪魔しちゃっていいんですか ？

朝から並んだって...そこまでしてくれなくても良かったのに。
( 朝早くから長蛇の列が出来ると言われている店だということもあり、彼がわざわざ並んだのだろうと思えば嬉しい反面申し訳なくもあり。彼だっていつも食べることができているわけではないのだろう、二人で食べた方がきっと美味しいだろう。否、もっと話したいのだ。本心を隠して微笑めば入るように促して )
せっかく並んでくれたんだし、一人だけで食べるのは勿体無いから。良ければお邪魔してってよ。

もし隣人さんが強面のオジサンとかだったら 、苦労して手に入れたお菓子くらい渡さないと殺されそうじゃないですか 。
( 先程と変わらぬ至って真剣な声のトーンで 、人気店の洋菓子を土産に選んだ理由を述べて 。容姿から年齢はさほど変わらないように思えたが 、スマートに入室を促すあたり自分より歳上なのだろうかと勝手な推測を 。ちょうど配信の予定もなかったため「 ありがとうございます ！ それじゃ遠慮なくお邪魔しちゃいます 」会釈とともに促されるまま玄関口へ )

さすがにそこまではしないと思うけどな。ま、価値は必要かもだけど。
( 真剣そうに話す彼がどうしても面白く思えて、ついくすくすと笑って。大好きな人が隣の部屋に越してきて、今は己の部屋にもお邪魔してくれている。自分得過ぎる状況が未だ飲み込みきれておらず、夢なのではと軽く頬をつねり。「紅茶で良い？苦手だったら珈琲もあるけど」緊張に気付かれないようにと平静を装いながらそれぞれのパッケージを彼に見せて尋ね )

物騒な世の中ですから 、自衛は完璧にしておかないと 。きょうさんも気をつけてくださいね 。
( うんうんと自己完結して頷けば 、やや遠慮がちに腰を下ろし席について 。手馴れた様子で己を迎え入れ即座に飲み物まで用意する彼の所作に大人の余裕を感じ勝手に感心しながら「 ありがとうございます 、それじゃあ紅茶でお願いします 」と返事を )

( / 遅くなってしまってすみません … ！ )

自衛って。俺男だし巻き込まれることもないだろ。
( 女の子ならまだしも己は大丈夫だろう、なんて息をつけば、「了解。俺も紅茶にしようかな」なんて呟き。彼がいるということもあり蒸らす時間など少し拘りつつ紅茶を注ぐと、テーブルに運んでいって「熱いから気をつけて」と注意を )

( / いえいえ、大丈夫ですよ！)

本当に有り難う、192時間お疲れ様。俺たちが楽しんでいられるのはやっぱりす.と.ぷ.りのおかげだと思うんだ。確かに心無いことを言う人もいるけど、俺はずっとリスナーでいる、から。
( 放送を聴き終えるとつい指が彼へのメッセージを打ってしまい、迷惑だろうかなんて思いながらもそのまま送信。見てくれたらそれだけで良い、なんて思うくらいにはやはり好きで )

( / 192時間放送、ついに終わってしまいましたね...色々なことが決まったのは喜ばしいですが、明日から放送がないと思うと少し寂しいです。また、上記は自己満足なのでスルーして頂いて構いません )