美月 2019-03-24 16:45:05 |
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美月)そうさなぁ、抱き締められたり、手を握られる感覚はいつも知っていたが、自分が抱いたり、手を握る感覚は、あの時はそんなものがなかったから、やってみて不思議な感じだ。もう何百年もたってから、付喪神となってこの姿で顕現するなんて思わなかった。
美月)輝さまと引き離されてから、死んだ心のまま眠っていた。もう二度と使われることなく、ずっとこのままだと思っていた。でも、この時代に顕現し、刀としての本文を全うし、内番、遠征にも行って、他の仲間と触れ合うのも楽しいと思った。もう大切な人には会えない。だけど、それは私だけではないから、皆と共に乗り越えていこうと思った。そう思いながら、過ごしていたある日、其方がやって来た。麗奈は、輝さまの体の記憶を持っていた。再び再会できたようで、嬉しいのだ。今でも、あの感動は覚えている。
美月)強さとは様々だ。力が強いものも居れば、心が強いものも居る。
美月は、頭を撫でながら言う。
美月)麗奈は、心も強いし、私達に肝が据わっているしな。刀を鞘から抜けば、一瞬にして、其方の命を奪ってしまうし、この手を首にあて、少し力を込めるだけで、簡単に絞め殺すことだって、私には容易だ。でも、麗奈は私がそんなことをしないという自信も強い。弱くない。
美月は、優しく微笑んだ。
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