美月 2019-03-24 16:45:05 |
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美月)そうさなぁ。笑ったり、眠ってるときの顔はそっくりだ。でも、泣いたりした姿は見たことがない。もしかしたら、輝さまは泣くところは見せなかったのかもしれない。たまに、部屋で沈んだ顔をしていて、暫くすると、私を置いて、部屋を出て行ってしまい数分経つと、戻ってきた。そのときは、厠かと思ったんだが、軽く目が腫れてるときもあったな。輝さまの表情全てを覚えているわけじゃないし、知っているわけでも無い。でも、麗奈がする表情を見て、「輝さまもこういう時はこんな表情だったのかな」「あの表情懐かしいなぁ」と思う事はあった。
美月は思い出しながら言った。
美月)輝さまは私を屋敷に連れてから、自己紹介してくれた。名は時宮 輝(ときのみや ひかり)、歳、好きな物、嫌いな物を言ってくれた。確か兄弟はいなかったな。両親は早くに病気で亡くなり、屋敷の使いが殆ど、自分の世話をしてくれたと言っていたな。でも、屋敷の使いも自分の家族だと言っていた。そして、私を連れた日に「お前も今日から私の家族の仲間入りだ」と言ってくれた。親戚も知り合いもいなかったな。ただ、美しい顔立ちをしていたから、散歩に出ると、色んな人に声を掛けられたことは何度もあったな。
美月は笑いながら言った。
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