百合 2019-03-21 20:42:40 ID:6b716f026 |
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そうか。なら良かったな。
(リビングに来た相手を見ては軽く頷き、相手の様子を見て風邪は引いてなさそうだと少し安心し)
それで…お前の名前は?それに親は何処にいるか分かるか?
(椅子に着席して一息つくと隣の椅子を指で差しながら尋ねてみて)
「ふむ…人間は、やたらと定義付けたがるな。
親などは居ない。小生は常に移ろい、
揺れる者。定義付けされるのは好ましくない。
…まあ…どうしても定義付けたいなら、
小生のことはシラベとでも呼んでくれたまえ」
(少し苦々しげな表情をした後、自らの
名らしきものを名乗る。)
その言い方、まるでお前が人間じゃないみたいな感じだな…。
(相手を見つめてはまさかなと首を横に振り「何か悪かったな。」と苦々しげな相手に謝り)
「小生は、移ろう者。それ以上でも、
以下でもないさ」
(多くは語らん、と言わんばかりに端的に話し、
少し妖艶な笑みを浮かべながら人差し指を
レイの唇に当てる。)
「続きは、もう少し仲良くなってから
話すとしようか」
っ…!?見た目と行動のギャップが凄いな。
(相手の唐突な行動に驚いて目を見開き、やっぱり面白い奴だと再認識して)
そんな移ろう者にはいらない事だろうけど、俺の屋敷に泊まるか?部屋は有り余ってるしな。
(仕返しとばかりに相手の鼻の頭にに人差し指を当てながら聞いてみて)
「はは、お言葉に甘えさせて貰おうか。
大事な友人ともはぐれてしまったことだしね」
(にこり、と微笑む表情には先程の妖艶さは
微塵もなく、ただお手本のような美しさしか
含まれてはいない。)
そうか。じゃあその友達とやらも探さないとな…。
(驚かされた仕返しとして相手の鼻の頭をくすぐりながらそう言い、部屋へと案内する為に歩き出しながら手招きして)
「彼奴は恥ずかしがり屋でね。
小生以外に姿を見せてくれないのさ」
(にこにこと笑いながらレイに着いていく。
外で、自転車のベルが鳴ったような気がした。)
根気強く探していれば出会えるだろ。ってこんな時間に出歩いてる人がいるのか。
(階段を登っていると聞こえて来たベルに首を傾げるも特に気にしてない様子で)
さて、此処を好きに使ってくれ。
(自分の部屋の前まで来ると、隣の部屋を指差してそう言い「何かあったら呼んでくれ。」と言い残し部屋へと入って行き)
それにしても、シラベは何者なんだ?…って寒いな。
(部屋に入ると落ち着いたからか、ようやくびしょ濡れだった事に気付き少し体を震わせ)
「…面白いな、あの人間。
小生のことを知りたがるとは」
(窓の外を眺めると、ハンチング帽を被って
自転車を押す年若い少年がハンチングを上げ、
シラベに微笑んでみせる。
彼がシラベの友人なのだろうか?)
「分かっているさ、【スオウ】」
(【スオウ】と呼ばれた少年はにこり、と
微笑んで闇の中へと消えていった。)
「…一眠りするとしようか」
(ひとつ欠伸をし、ベッドに横たわる。
先程まで手放さなかったランプは
サイドテーブルに置き、帽子もまた置いた。)
「………………」
(余程ぐっすりと眠っているのか瞳を閉ざし、
柔らかく規則的に呼吸を繰り返している。
ぼう、とランプの蒼白い炎が微かに揺れた。)
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