トピ主 2019-03-21 05:42:24 |
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失礼します。リクエスト宜しいでしょうか。
「物語をめちゃくちゃにする子どもの話」を書いてもらいたいです。
めちゃくちゃにする手段は何でも構いません。物語は童話系が希望ですが、そちらの都合で変更しても全然構いません。
よければどうかよろしくお願いします。
>>白紙さんリクエスト「物語をめちゃくちゃにする子供の話」
物語はいつだって、おきまりの一文ではじまる。
『むかしむかし、あるところに』
はじまりのページには必ずかわいい女の子がいて、その女の子たちがページをめくるたびに幸せになっていく。
灰にまみれても。
毒のりんごに喉を詰まらせても。
つむの針で指を刺されても。
「王子さまと二人で、ずっと幸せに暮らしましたとさ」
最後はかならず王子さまが、彼女たちを掬い上げてくれるのだ。気にくわない。
母親に読み聞かせてもらった絵本たちのことを心底憎んでいる。何がおうじさまだ、ばか。ぽっと現れて、きれいな顔しかみてないくせに。
もう読み聞かせてもらうには大きくなりすぎて、だからといって架空は架空だと切り捨てられるようになるには小さすぎる、わたしはそんな子供だった。
嫌いだったのだ、王子さまとお姫さまが結ばれる絵本は。……ただしくは、王子さまが。
わたしはシンデレラのことが好きだった。初恋と言っていいだろう。ともだちがシンデレラを語るときのことばは、いつも決まってこうだ。
「かわいくて、うらやましい。私もきらきらのドレスで、王子さまと踊ってみたいな」
うらやましさなんて、わたしには微塵もなかった。家族にいじめられて、魔法使いに手助けされないと独り立ちもできなくて。そして最後はしらない王子に連れて行かれるのだ。なんてかわいそうなお姫さま。
そんな運命なんて、壊してあげる。
いじめられているシーンを片端から破いた。
魔法使いなんてぐしゃぐしゃに消してやった。
王子さまなんて最初からいないことにした。
そうするとお姫さまはひとりぼっちになるから、そこに私が添うてあげるのだ。
わたしがいじめてあげる。
わたしがたすけてあげる。
わたしが、結婚してあげる。
ガラスの靴は必要ない。なくたって、見つけてあげる。
きっとそれが彼女にとっての幸せなんだから!
……物語はいつだって、こんな言葉で締めくくられる。
『めでたしめでたし』
けれどその一文は、他と一緒にぐしゃぐしゃに破られていた。
(/遅くなってすいません。>>白紙さん、リクありがとうございました!)
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