匿名さん 2019-02-26 23:38:07 |
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…いつもより甘えん坊だな。
(小さな返答を背中に受けて浮かべた笑みに噛み締めた幸せを滲ませながら、湯を注ぐ傍ら空いている片手で体の前に回る相手の腕を撫で。背へ寄り添い身動ぎする恋人の温かさに緩んだ表情を引き締める事ができず、囁くように言葉を掛けつつ自分の物よりも冷たい腕の上を這った指先は相手の細い指へと絡め「待っててって言ったのに、寂しかった?聖さん」そう問い掛けては湯を注ぎ終えたヤカンをコンロへ戻しコーヒーを蒸らして)
そうかな、……偶にはね。
( 心強い彼の背に頬を寄せて凭れながら絡み合う指を解いては絡ませ弄び、普段の彼への接し方と異なることを自覚しつつも態とらしい返しをしては少し間を置いてから小さく呟き。図星をつく質問に思わず目を開けると下唇を軽く噛み都合の悪そうな表情浮かべ、背後にいる限り見られることはないにも関わらずそれを隠すように額を強く背へ押し付ければ「そんなことないよ」と否定し )
頻繁にでも良いのに。
(手遊びする相手の指先の滑らかな感触を楽しみながら好きにさせている傍ら、程良い加減でドリップバッグを片手で外し。薫り立つコーヒーの匂いに目を細めながら、控えめな声量での返答には小さな笑みを含んだ声で冗談に留まらない願望染みた言葉を返して。背後から聞こえる言葉は否定でありながらも背中に感じる身動ぎの気配にはその心境も察する事ができてしまい、絡み合っていた指を解くと相手の腕の中でくるりと振り返り。両手で頬を包むようにして此方を向かせれば額に口付けを落とし「ごめん、寂しい思いさせて」等と一方的な謝罪を告げ)
こんなことで寂しくなるなんて子供みたいだよね…。
( それまで額を押していた背が急に動いたことで慌てて下を俯くも抵抗虚しく彼によって顔を上げることになればキスを受けたあとではにかみながら自虐的な台詞述べ視線を横に逸らし。恥じらう素振り見せつつ腰にまわしていた手を両肩に乗せると額合わせ距離縮め、左側の横髪を耳にかけ伏し目がちに見遣っては「今日は我儘許してね」なんて断りを入れ、それからゆっくりと幾度も軽く口付けを落とし )
(恥じ入るその言葉を肯定する事も無く、そればかりか大人びた相手の心を揺らす事が出来る事に淡い優越感と堪らない愛おしさが募り。その反応を喜ばしく思ってしまう事も、そんな彼自身を酷く愛らしく思う事も、口にしたい言葉は溢れんばかりであったが、目の前で髪を耳に掛ける仕草や恥じらう姿、視線に応じて震える睫毛に見惚れるあまり少しの声さえ発せずに居て。許しを乞うそれに返そうとした言葉までも甘い口付けに呑まれ、結局何も言えないまま柔らかな唇に翻弄されてうっとりと目を閉じ頬にあった両の手を相手の腰に回し。唇が重なる度吸い付くように啄み応じるが、ふと僅かに顔を離すと「…好きだよ、聖さん」それまで口に出来なかった言葉をそんな短い一言に代えて囁けば、此方から再び唇を触れ合わせ)
( 肩に置かれていた手は体を滑らかに這い胸元でとまり、手をついた箇所を弱い力で押して身を乗り出せば唇が離れるその都度彼を煽情するよう艶かしい息を漏らして再び異なる角度で唇を重ね。薄らと開いた目で此方の口付けに応じる姿をしっかり見据えているもふいに囁かれた告白に一瞬呆気に取られては直ぐに幸福感に満ちた笑顔を浮かべて。その後幾度となく口付けを交わした後、満足したのか胸に当てていた手を離すと同時に半歩後退し「折角コーヒー淹れてくれたのに冷めちゃうね」と微苦笑しながら放置されたままのキッチン台を指差して )
(こんなにも彼の方から求められる様な口付けを受けるのは記憶にある限り然程経験が無く、頭の芯がぼうっとしてしまうように感じる程官能的で。相手の瞳が己を映しているとも知らず目を伏せたまま思考が蕩けるような心地良さに身を浸していた最中、ふと唇が離れればそれに伴い双眸を開き。苦笑を浮かべる相手が指差す先を辿り、すっかり存在を忘れつつあったマグカップ二つを目に留めればつられるようにくすくすと笑って。甘やかな口付けを名残惜しむように相手の下唇を軽く食んだ後、互いの鼻先を触れ合わせながら「まだ大丈夫。聖さん砂糖とミルク入れる?」そう囁くように問い掛けて)
いや、何も入れないでいいよ。大人だからね。
( 今までの時間は己の要望から始まったことであったのだが折角の彼の手間が水の泡になってしまったのではないかと眉を下げてながら不安げに相手と台の上とを交互に見て。大丈夫との一言に安堵から胸を撫で下ろし、続けての問いには大人の部分をやたら強調した調子で意気揚々と答え。それから束の間視線を交わしたあとでふと思い出したように口を開くと「さっきの返事だけど……俺も冬樹のこと好きだよ」鼻先へ唇を落として柔く笑み、今度こそ邪魔をしないようにゆるりと身を翻せばリビングの方へ移動。ソファまで足を進めて徐ろに腰を下ろし、背もたれに肘をつきながら後方のキッチンへ立つ彼の姿を眺め )
了解。
(最後の一言は確実に口にしない方が相手の意図するところに適っているとは思ったものの、そんな様子さえ愛らしく感じてしまい敢えて指摘する事無く笑みを漏らすのみに止め。その後の束の間の沈黙は何らかの言葉が継がれる為かと此方も視線を合わせていたが、不意打ちにも程があるその返事には思わず目を見開いて。否が応でもじんわりと胸の奥が熱くなるのを感じながらされるがまま相手が離れて行くのを見守り、浮き立った気持ちのまま蒸らしていたコーヒーの準備を進め。しかしどうにも視線を感じるやら言い残された言葉が耳元に残って頬が緩むのを隠せないやら、恰好が付かないまま二つのマグカップを手に相手の元へ向かうと「狡い大人だな」と口先ばかりの苦言を呈して片方のカップを相手に差し出し)
んー?なんのことかさっぱりだなあ。
( 相手の後背を愛おしげに眺めながら出来上がりまでの時間を退屈することなく過ごし、暫くして彼が手にカップを持って振り向いたのを確認すると同時に正しい向きで座り直し一人分の空間を開けて横にずれ。差し出されたカップを両手で受け取り、立ち上がる湯気と香りに目を細め、その際に自身へ投げかけられたお咎めには知らぬ振りで澄まし顔を。窄めた口で二三度カップへ息を吹いてから恐る恐る口にしたそれは愛する相手が淹れてくれたからこそ感じることの出来る味わいがあり、身も心も芯から温まっていくのを感じながらまた一口と喉を通らせ )
…どう?
(振り返ると同時に此方に背を向けたのを見逃しはしなかったものの、然して隠す気も無さそうなわざとらしい返答には思わず吹き出してしまい笑いながら隣に腰を下ろし。背凭れに深く身を預けてマグカップに口を付けるまでの相手の仕草を堪能するようにじっと見詰めていたが、その表情が心成しか綻んだように感じると目を細めて柔らかく微笑み問い掛け)
凄く美味しいよ、冬樹が淹れてくれたからね。
( 受け取ってから口をつけるまでの一連の流れを見られていたとは露知らず、息を吹き冷ましては飲みを何度か繰り返してから一旦口を離すと、そこで漸く気がついた視線の方に顔を向けこちらからも微笑みを返し。かじかむ指先をカップ越しに伝わる熱で暖めながら目線もそちらへ落とし、幸せに満ちた声色で受け答えれば再びゆったりとした動作で口元へカップを運び )
ほんと、聖さんて俺を喜ばせんの上手いよな。
(一言問い掛ければ此方の期待していた以上の言葉が返って来てしまい、再び口元が緩んでしまうままに破顔して。その声が柔らかく鼓膜を揺らし周囲の空気さえふわりと和ませるような心地良さを感じながら、心成しか静けさを帯びた声色でぽつりと呟き。徐に其方へ身を傾ければカップに口を付ける相手の邪魔をしないようそっと耳元に口付けを落とし、ついでに「聖さんて猫舌?」と先程から気になっていた事を問い掛け)
んー、猫舌なのかな。確かに熱いの苦手だけど…。
( 誇張すること無く感じたままのことを伝えただけであるのに思いのほか喜ぶ素振りを見せる彼を可愛らしく思えばつられて口元が緩んでいくのがわかり。柔い唇が耳に触れるのを心地良さそうに受け、また徐ろにカップを膝上に置いてから問いかけに少し思案した後、自身では感じたことが無かったのかはっきりしない曖昧な答えを返し )
へぇ、可愛い。
(特に抵抗が無いのを良い事に耳へ触れさせていた唇を更に下方へ、首筋に這わせると軽やかなリップ音と共に弱く吸い付くような口付けを落とし。その甘えるような戯れの最中に帰って来た返答は然したる感慨も湧かない些細な物のはずなのだが、他でも無い相手の身の上の事と思えば途端に愛らしく感じてしまい囁くように呟き)
可愛い?冬樹は面白いね。
( 初めこそ軽い戯れだと特に制止することなく穏やかな笑みを浮かべたまま受け入れていたものの、段々とその触れ合いに濃密さが増すのを感じては未だ中身の残るカップを考慮して彼の膝上に待ったをかけるよう手を置き。目の前に設置されたテーブル中央へとそれを避難させ改めて相手側にやや体を向かせて座り直すと、その際に返ってきた予想外の言葉に驚いたのか目を丸めてはくすくすと込み上げる笑みに肩を揺らして )
…聖さんだからだよ。
(その手付きが意図する事を察して動きを止め、それをお預けと解釈し大人しくソファに背を預けて座り直すも、カップに口を付け一口コーヒーを含んだ際視界の中にマグカップをテーブルに置く姿があれば微かに口元を綻ばせ。此方もテーブルにマグカップを置くと半ば覆い被さるように相手の方へしな垂れ掛かり、惜しみない甘さを乗せた声で答えながら細い首筋へ頬を寄せ。ふわりと香る相手の匂いに思わず瞼を下ろしながらそこへ唇を触れさせた時「でもまだ聖さんの事全然知らないな」擽るように唇を付けたままそう呟いて)
…冬樹こそ俺のこと喜ばせるのうまいよね。
( 身を預けてくる彼を支えながら自身もやや相手側に体を傾け寄り添うと、首元で甘える可愛らしいその様子やかかる吐息の擽ったさに思わず笑みを零しては嬉しそうに呟き。顔は正面を向いたまま特に抵抗することなく相手の好きなように甘えさせているも、ふと聞こえた台詞にぴくりと反応すれば視線のみそちらへ遣りながら妖しく口元緩ませ「俺のこと知りたいの?」と首筋に口付けを落とす彼の頬を指先で撫でつつ問いかけて )
好きな人の事、知りたいって思わない奴なんて居ないだろ。
(耳に心地良く触れるような相手の声を聞けば同じ気持ちを共有している事を実感して一人表情を緩ませ。緩やかな戯れの最中ふと蠱惑的な響きを持った問いが降って来ると、頬に触れられるのに応じるように顔を上げ。いつになく大人びて艶めいた視線に意識を絡め取られれば、じっと其方を見詰めたまま口元に微かな笑みを湛えて告げ)
じゃあこれから沢山教えてあげるよ、色んなこと。
( 相変わらず指先で柔く滑らかな肌を堪能したまま小首を傾げて投げかけた問への返答を待っていると、何とも可愛らしく心擽る表情と言葉に撫でる手を止めては一瞬の間を挟んだ後耳元へ唇を寄せ吐息混じりに囁き。鼻先が触れる程度の間隔を保ちながら濁りのない綺麗な瞳に引き付けられるようにこちらも見つめ返すと、そのまま視線逸らすことなく額や頬、口横等敢えて唇を避けた箇所に焦れったさすら感じられる長めの口付けを落として )
返事が遅くなって本当にごめん。事前に一言でも伝えてられていたら良かったんだけど…寂しい思いをさせてごめんね。まだ待ってくれているのかな、もしそうであったなら自分勝手過ぎる願いだけどこれからも傍にいさせてほしい、です。
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