匿名さん 2019-02-21 15:00:20 ID:804d1d4e1 |
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失ってばかりのような気がするけれど、それでも私の手にしているものは、ランドセルに詰め込めないくらいたくさんなのだ。 ( 中略 ) ランドセルを久しぶりに背負ってみようとした、腕が通らなかった。それでひとしきり、また笑った。静かな日曜の午後である。
( 『 presents 』/ 角田光代 / 2005 )
私たちは泥クジラで生まれた。
この小さな世界で
私が外の世界を知り 最も戸惑ったのは
この島の外にも人々の人生が
渦巻いているということだった。
気の遠くなるほどの数の人々の中にも
それぞれに生きてきた軌跡がある。
それを想像すると圧倒される思いだった。
それは ただの生命ではなかった。
記録だ。
人ひとりにも膨大な記録が溢れている。
泥クジラの上だけでも
魂の記録は天に届くほど……
だから怖いのだ。
その記録が一瞬で消えるとはどういうことか。
どんなに恐ろしく悲しい想いをしても
私たちは記録者であることをやめたくはない。
私たちは私たちを 終わらせたくはない。
( 『 クジラの子らは砂上に歌う 』 / 梅田阿比 )
誘拐という言葉の意味を初めて教えてくれたのは姉だった。その意味が正しかったのかどうかはともかく、彼女が私の耳元に顔を寄せ、ほとんど吐息と変わらないくらいのささやき声で、「ゆう、かい」と口にした時の、唇の生温かさは今でもよく覚えている。目つきはいかにも意味ありげで、声にはぞくっとする秘密のにおいが立ちこめ、いくら子どもの私でも、これは気安く話題にしてはならない言葉なのだなと分かった。姉は私の首に腕を巻きつけ、おでこをくっつけ、できる限り体を密着させて二人の間に小さな暗闇をこしらえ、誘拐、という言葉がそこから外へ漏れないよう細心の注意を払った。そういう大げさすぎる用心深さが、かえって両親に怪しまれる原因になりはしないかと、私は気が気でなかった。
(『不時着する流星たち』/小川洋子/「誘拐の女王」より抜粋)
書き込んでくださった人の数だけ、文が好きな人がいるということと、キュンとくる美しい表現があるということが、とても嬉しいです(*´∪`*)
私の床下収納庫にも、もちろんジャムやピクルスの壜が入っている。
あの心躍る楽しい作業。壜を沸騰し、自然乾燥させる。木の葉や枝の切れっぱしの残るぴかぴか果実を丁寧に洗う。
初夏や初秋の午後いっぱいを使って、鍋でとろとろに煮込んだ甘い匂いのする時の恵みを、一つ一つ封じ込んでいく楽しさを、目の前の男は知らないのだろう。
お砂糖で煮た果実、酢漬けにした野菜。女にはとても愛おしく親しみのあるものなのに、男はどちらも下等なもののように見下し、自分たち高等な男には無縁だという顔をする。もっとも、彼らはそのツケを、のちのち心臓病や脳疾患でまとめて払うことになるわけだが。
私が爽やかな風を感じ、甘いジャムを煮る匂いを思い浮かべていると、彼が憎々しげに私を見た。
(『私の家では何も起こらない』/恩田陸/「私の家では何も起こらない」より抜粋)
本というのは、猫がページをめくるようにはできていない。これでは続きが読めない。が、猫のカラダというのは本をめくれるようにできている。
猫は前足をぺろぺろとなめる。そして本に向かって、ぺたん、と下ろす。それから足をそおっと持ち上げる。紙もいっしょなってあがってくる。ある高さまで来たら、勢いよく横にふる。
「ふぎっ」
するとページはぺらりとめくれ、新たなページが登場するのである。猫はうれしそうに一鳴きした。
「ふぎぃぃぃぃ」
一回でめくれた時は、とてもうれしい。
(『ツクツク図書館』/紺野キリフキ/「栞の部屋」より抜粋)
「彼らは我が最精鋭たる戦士となるべし。
彼らこぞりて、その身を以て我に仕えん。
我、粘土をこねるがごとく彼らを形作り、
戦争の炉にて彼らを鍛えん。
彼らは鉄の意志と鋼の肉体の持ち主なり。
我、大いなる鎧を彼らにまとわせ、
強大なる聖銃にて武装させん。
いかなる病毒、悪疫、疾患も、
彼らを蝕むこと能わず。
彼らは、恐怖を退けんがために置きたる
我が防壁にして人類の守護者。
彼らはスペースマリーン。
恐怖を知らざる者なり」-人類の皇帝
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コデックス:アデプトゥス・アスタルテス スペースマリーン より
皇帝
一万年以上に渡り<帝国>に君臨する人類の支配者、皇帝。銀河一帯に住む何十億という数の人間にとって、皇帝は神にも等しき存在……いうなれば<人類の救世主>にして<永遠の守護者>なのである。
だが、スペースマリーンは皇帝を神格化してはいない。
彼らは皇帝を、自らを創りし者であり、<帝国>の輝かしき支配者であり、また人間が従うべき究極の模範とみなしている。
スペースマリーンにとっての皇帝とは、崇め、称え、揺るぎなき忠誠の対象にして畏怖すべき存在だが、神ではく、自らと同じ"人間"に他ならないのだ。
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コデックス:アデプトゥス・アスタルテス スペースマリーン より
ウルトラマリーン
全ての聖典戦団の中で最も古く最も名高い戦団……それは総主長ロブート・グィリマン自身が創設したウルトラマリーンに他ならない。
その名は規律と名誉の代名詞であり、彼らの勝利のエピソードは、拠点惑星マクラーグから、<聖なる地球>の大広間にいたるまで、至る所で語り継がれている。
人類の敵どもが<帝国>を脅かす時、たとえ銀河のどこであろうと、そこには必ずやウルトラマリーンの姿が見られるだろう。
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コデックス:アデプトゥス・アスタルテス スペースマリーン より
ホワイト・スカー
無骨にして野蛮なる容貌のスペースマリーン、ホワイト・スカー戦団。その名は銀河に轟き渡り、また同様に恐れられてもいる。
この完全無欠の狩人たちが繰り出す高速強襲戦術を前にすれば、いかなる敵も、彼らの姿を目にした時がすなわち最期の時となるであろう。
ホワイト・スカー戦団は獲物のもとへ肉迫するや否や、稲妻のごとき攻撃を繰り出し、拠点惑星で鍛えた荒々しき戦いぶりを披露する。
そして嬉々として速やかなる死を<帝国>の敵にもたらすのだ。
これは彼らの総主長ジャガタイ・ハーンの教えである。
この教えは、彼が世を去ってから何千年もの間に、無数の戦いを経る中で洗練され、磨き上げられてきたのだ。
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コデックス:アデプトゥス・アスタルテス スペースマリーン より
インペリアルフィスト
最も勇敢なるスペースマリーン戦団のひとつに数えられるインペリアルフィスト。
彼らは<戦いの聖典>に定められたあらゆる教義の模範的体現者であり、スペースマリーンの鑑である。
<帝国>の屈強なる守護者にして揺らぐことなき<皇帝陛下の盾>、インペリアルフィスト戦団……彼らこそは一万年の長きに渡って<大逆者>らの侵攻を阻み続けてきた砦であり、異種族の軍勢を打ち砕いてきた真の勇者に他ならないのだ。
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コデックス:アデプトゥス・アスタルテス スペースマリーン より
クリムゾンフィスト
かつてクリムゾンフィスト戦団は壊滅の危機に瀕していた。
スナグロッドの大進撃によって、惑星リィンズ・ワールドにあった彼らの要塞院は破壊され、同胞たちねね大部分は死を迎えたからだ。
だがクリムゾンフィスト今もなお、残酷な運命の打撃に耐え厳粛に戦い続ける、伝説の戦団なのである。
スペースマリーンの最精鋭と称される者たちも「クリムゾンフィストの同胞たちほど、熾烈にして絶望的な戦いによって鍛え上げられてきた戦士はいない」と語るのだ。
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コデックス:アデプトゥス・アスタルテス スペースマリーン より
ブラックテンプラー
何千年にも渡る戦いを通じ、名誉と自己犠牲の体現者となった勇猛果敢なる戦士にして騎士……かの者らこそは、伝説にその名を刻むブラックテンプラー戦団だ。
彼らは敬虔なる皇帝陛下の代理戦士であり、狂信的ともいえる献身によって、彼らの前に立ち塞がる愚かな大逆者、異種族、この世ならぬ悪魔の眷属の尽くに、真なる報復をもたらすのである。
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コデックス:アデプトゥス・アスタルテス スペースマリーン より
サラマンダー
烈火の中に生まれ、戦いの中で鍛え上げられるサラマンダー戦団。
彼らは<帝国>で最も尊敬を集めるスペースマリーン戦団のひとつだ。
石のごとく冷厳なる彼らの気質はつとに名高い。
サラマンダーたちは戦闘を、自らの技量と忍苦を試すための試練ととらえ、強大なる戦士を鍛え上げるための坩堝と考えている。
サラマンダー戦団は一万年もの間、力と名誉、そして断固たる意志の体現者として在り続けており、これらの特徴こそは彼らの総主長が残した真の遺産といえよう。
サラマンダー戦団は、暗黒の第41千年紀において些かも揺らぐことなく敢然と立ち続ける、偉大なる人類の守り手なのだ。
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コデックス:アデプトゥス・アスタルテス スペースマリーン より
レイヴンガード
闇に包まれた謎の戦団、レイヴンガード。
彼らは隠密戦の達人である。
敵陣に潜伏する技に長けた彼らは、猛砲火を伴う侵攻を繰り広げるのではなく、密やかにして素早い戦いを展開するのだ。
何千年以上にも渡り、何千にも上る惑星で、彼らは<帝国>の敵に忍び寄る死の影として、絶好の機会を捉えて必殺の一撃を放つや、再び闇の中へと溶け込んできたのである。
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コデックス:アデプトゥス・アスタルテス スペースマリーン より
アイアンハンド
肉体と鋼鉄の強固なる統合によって、アイアンハンドのスペースマリーンは機械のごとく判断を下し、無慈悲にしてあらゆる脆弱性を排した戦いを繰り広げる。
一万年もの長きに渡り、彼らは冷徹なる倫理と高度に計算された憤怒とをもって、見るも恐ろしく、また徹底的な戦果を生み出してきた。
機械のごとく進撃し、反乱者を打破し、既知銀河への侵攻を撃滅してきたアイアンハンド。
彼らの強さと妥協なき意志によって、<帝国>の存続は守られてきたのである。
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コデックス:アデプトゥス・アスタルテス スペースマリーン より
「息絶えるその時まで、そして息絶えたのちも、我が同胞、我が戦団、そして皇帝陛下を讃えん」
-ウルトラマリーン戦団教化の誓い
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強力な鋼鉄の騎馬にまたがり、ホワイトスカーは銃火を放ちながら戦闘へと雪崩れ込む。この強襲を前に人類の敵は、猟犬を前にした哀れな獲物のように逃げ惑うが、しかし彼らが逃げ切れる見込みはあるまい……。
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いかなる敵が相手であろうと、勝ち目があろうとなかろうと、クリムゾンフィスト戦団の精鋭たる滅殺者分隊は敵の前に立ちふさがり、ドルンと皇帝への誓いの言葉を轟かせながら戦い抜く。
「我らが傷は深い。
だが我らが胸に燃ゆる火は、未だ我らを立たしむる。
奴らには、我らが敗北したものと思わせておけ。
我らは改めてその非を教えてくれようぞ」
クリムゾンフィスト戦団長 ペドロ・カントール
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「この銀河はあまねく皇帝陛下の支配する領域なり。
これに異議を為さんとするものは必ずや討ち滅ぼさねばならぬ」
-ブラックテンプラー戦団 大将帥ヘルブレヒト
ブラックテンプラー戦団の<剣の同胞>たちは最前線で剣を振るい、皇帝陛下への誓いを口にしながら、正義の怒りを敵に刻み込む。
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影は彼らの味方であり、レイヴンガードが攻撃を仕掛ける時、彼らは突然、そして圧倒的な勢いを持ってそれを行う。
そねねまばゆき鉤爪の前に、異種族や変異者、異端者どもはなすすべなく闇に沈むだろう。
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「我らは鋼の身を得て更なる強さを備える。
だが、魂なくば、尽くは無に帰さん」
-鋼鉄の父 カードン・ストロノス
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コデックス:アデプトゥス・アスタルテス スペースマリーン より
多頭蛇は全てを支配せり(ヒドラ・ドミナートゥス)
(前略)
アルファレギオンのウォーロードはめったに自ら姿を現すことがなく、華々しい装いをしていると思って討ち取ってみれば新兵であったり、ボルターを担いだ一般兵が星域規模の征服の糸を引いていたということも珍しくはないのだ。その意味では彼らの象徴であり、また鬨の声にもなっている「多頭蛇は全てを支配せり」こそ、決して核心を相手に掴ませないアルファレギオンの特色を何よりもはっきりと言い表しているといえるだろう。
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コデックス:ヘレティック・アスタルテス ケイオススペースマリーン より
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