真夜中のピエロさん 2019-02-19 14:27:51 |
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ん~……っ、噛みグセ
カプカプと噛みながらそう言って噛むのをやめないでいた。噛みながらも相手の言葉を聞いていたが相手の尻尾が気になったのか「僕の腕にも巻いてみせてよ」と言ってワクワクしていた。猫と触れ合うなんて仕事しかないためこんな言ったりしてる時間が楽しくてボソッと「好きだよ」と呟いてみる。特に意味は無くて子供が誰にでも言うのと同じようにそう言う
「楽しそうなのが尚更タチ悪ぃー。んん、噛み痕残すなよ、服で隠すの面倒臭ぇんだから」
(噛癖回答に相手の揺れる耳と尻尾を一瞥しては半目になりつつ呆れた様子で評価を下すも現在露呈中の相手の癖を強く制止するつもりは特になく、痣に加えて痕も広がるのは勘弁といった風に釘だけを刺しながら血の通う首の太い動脈に歯が気紛れに当たることで生まれる謎の高揚感を振り払うように首を振って。頭上から落ちてくる言葉は小まめに動く耳で全て受けとれば、キョトンとした後に勝手に意味を繋ぎ合わせていき)
「…………、尻尾が、か?」
(些かぼーっとしていた表情をフフンと自慢顔に切り替えて、相手が好きであろう尻尾をゆらゆらと揺らし希望通りに片腕に巻き付けてやり)
尻尾じゃなくて…あぁ~…もういい。
はっきりとクロが好きだよと言おうとしたが急に恥ずかしくなったのか耳をパタパタさせながら噛むのをやめて相手の背中におでこを付ける。相手の尻尾の気持ちよさを感じながら数分は何も言わない…と言うより恥ずかしくて言えなくなって無言になる
「……?、どーしたんだよ」
(甘噛されてじんわりと熱を持った首元の肌を指の先で撫でながら背中で沈黙してしまった相手に疑問符を飛ばし、腕に巻いていた尻尾をフニフニとやんわり絞めて緩めて遊んでいたりしたのだが、尚も沈黙が流れる状況に腕から自分の背中に尻尾をまわすと相手の頬や顎をどうしたどうした?と心配するように撫でてみて。それと合わせて呼びたい言葉を、自分が知らないことに気がつけば今思い出したように口を開き)
「あ、そういえば、アンタの名前を聞きそびれてたな。なんて言うんだ?」
くすぐったい…。
いつも同様ヘラヘラと笑っているようだが今日はちょっと嬉しいというか愛おしいというか不思議な感情に押しつぶされそうになっていた。僕が誰かを好きになるなんてありえない、だって僕は…誰も信用してないしと心で自問自答しながら「僕は…ハスタ」と小さくつぶやく。
「アンタもハスタもあんま変わらねぇな。ハースーター、なに黙ってんだよ。そっち向いてもいいか?」
(呼び名がそれほど変化しない微妙さに小さく笑ってしまうが、それでもいま口にしたい方の名で相手を呼び尻尾を顔の輪郭をなぞるようにして上に向かわせれば到着した耳付近を今度は意図を持って擽ってみる。もういいと言った相手に踏み込んだり、何か話させようと擽ってみたり、感覚としては小さな子を構いたくなるようなソレに近いのだが蓄積された保護欲が大人に対して行っているという違和感を消し去っていて。表情で読み取りたくなれば、顔が見たいと腕のなかでそわそわとし始め)
ふふっ…いいよ。
くすぐったさに耳をパタパタして避けようとしながらも気持ちいいなぁと思っていた。なんかこれ気を使わせてる?それとも世話されてるのか?と思いながらもまぁいいかと考えることもやめて相手の尻尾の動きを目で追う。噛みたい欲が出るが、ぐっと抑える
(腕の中のスペースは大きく身体の向きをくるりと変えるには十分で、座ったまま器用に対面する形を取れば背丈の差から見上げた相手の顔がよく見える。何かに注目しているような目線の先には耳から離した自分の尻尾があり左右に揺らすと相手の瞳も同じように揺れるので思わず愛らしさから頬をニヨつかせてしまうけれど、何とか口を一結びに堪えて此方に注目とばかりに尻尾を自分の腰に巻き付け視線を誘おうとして。緩かそうな相手の雰囲気に耳を揺らし)
「なんだよ、機嫌良さそうじゃんか」
ん~…そんなことは…
尻尾を追いかけていると急に止まって相手を見る形になると恥ずかしそうに目を泳がせながらボソボソと上記を述べる。1度ぎゅっと相手を抱きしめるともう1回好きだよと伝えてみる。相手はまた気づかないだろうし自分のこの愛おしいと思う感情も消えるだろうと思っていた。平然を装っていたがたった4文字で心拍数が上がって
「! ………………こっちなら、そう言えって」
(再度放たれた言葉は先程とは違い具体的に対象を教えてきているようで沈黙された尻尾ではなく言葉と共に抱き締められている自身の方だったのかと理解をしていけば1番最初に味わうはずだった照れが理解の遅れた分だけ膨らみ襲い掛かり始めて、みるみる熱くなっていく顔の急激な変化に口を尖らせてはつい文句を垂れてしまう。腰を相手の太股に落とした今の位置が丁度相手の胸元であるため距離を詰められた耳が加速する心拍音を拾ってしまい、耳から心臓へと伝染させるように自分の心拍数も痛いぐらいに跳ね上げさせるので、よじよじと逃げるように膝立ちになれば相手の首元に腕を絡ませて肩口に頬を置き避難して。どうして心臓が痛むのかは解らないが彼の"純粋な好意"を2度も無視するのは自分から彼へ向ける好感度の上がり具合から無理な話で、視線をぐるぐるさ迷わせた後に何とか声を絞りだして)
「…………オレも、嫌いじゃねーけ……ど……」
ありがとう…ほんとこう思ったの初めてだから僕も言うの…恥ずかしい。
照れくさそうにそう言うと少し離れて手で顔を隠す。ただでさえ種族違うし考えだって違う、ましてや男の子なのにと思いながらも熱を隠しきれないでいて。平然を装おうとするが相手の言葉で自分の思いを余計に自覚してしまって溢れる想いを止められない。それが尻尾や耳にも現れていて尻尾は激しく振って耳はパタパタとしていた
(距離を置こうとする体温が名残惜しいとも思えたが相手に密着していた箇所から全体に熱が拡がりジリジリ焼かれていくような錯覚に陥れば過剰摂取だと素直に首に巻いていた腕をほどき少し離れた相手の様子を見詰め熱を逃がすように深く息をついて。初めての言葉で頭に過るのが不思議と月の夜に最初に出会ったハスタであり、月の光で透ける銀色に胸がざわついたのを覚えている。あの時との違いを比較する術はないけれど、こうして好意を余すことなく伝えてくれる彼の素直さや可愛さを愛らしいと感じる今の気持ちが暖かく大事であることは確かな事実であって)
「……オレは、この町にくるまで同じ猫仲間しか知らなくてさ? 話に聞いてただけの犬に興味持ったり、ましてや……好いたりするなんざ、」
(「思うはずなかったのにな」と戸惑いを抱きつつも認識した気持ちを素直に述べて、熱に懲りない己の手が構いたい一心で相手の髪に伸びてしまうことに参った様子で眉を下げ小さく笑いを溢して)
(/照れハスタ様、可愛いですね! クロは、こう、本人無自覚の一目惚れVS自覚した保護欲でハスタ様のまわりをチョロチョロしそうです笑)
ぼ、僕だって同じようなものさ…。仕事で何人もの猫を見てきたけど…君は…特別さ。
顔を隠しながらも相手の手を拒むことなくむしろもっと撫でてと片手で相手の手を動かす。これが恋なのだろうか?なんて思いながらも同時にもうクロを失いたくないと強く思って。相手も嫌いじゃないって言ってたし両想い?と嬉しそうに相手に聞いて
「ふーん、プライベートで猫との付き合いはなかったのか。猫は良いのになー?」
(警察犬の仕事に浮上する将来の同業者かも知れない猫達にピクリと片耳が反応するが今はそちらと切り離された自分が相手の特別枠に入れられている事を知れば未来は置いとき現在の嬉しさに感情を任せてしまうもので、重ねてきた相手の手に気持ちの良い箇所を案内させては感触を楽しみながら望み通り沢山撫であげ、更に好いて貰えるようにと軽いアピール口調で首を傾げて。こうして好いて好かれる関係を文字通りに"両想い"と言えれば良いのだが、恋仲に使用される場合が殆どの単語に一瞬喉元で返事が引っ掛かり)
「うっ……違くはねぇと思うけど、両想いだと意味合いがなんつーか……。ハスタはオレが好きでオレも、好きなのが、互いにわかってるんだからそれで良いだろーが」
(違う気もするけど何故か否定もしたくないキラキラとした相手の期待も無下には出来ずに、頬を赤らめてクワリと持論を唱えては空いた手で相手の顔をガードしたままの手をツンツンと突つき、そうだろ?ハスタ?と同意を求めて)
猫は…自分勝手で引っ掻いてきてそのくせ集団だから面倒くさい。なんで一人一人があんな自分勝手なのに集団を作れるのか謎だ。僕は好かない。…クロだって口悪いし僕怖いよ。
今まで出会ってきたものがそうだったためあんまり猫に好印象は持てなかった。でかいだけの図体に小心者の心なためあまり警察には向かないが普段は気持ちのスイッチを入れてるため何とかやれていた。その猫達とは違うもののやはり怖いものをクロから感じて思ってることを伝える。でも。お互い好きだと分かれば手を顔から離して嬉しそうに笑っていて
「…………ハ? かっわ、んん…ん…っ」
(猫ながらに頷くしかない的確な猫談の後に続いた弱音には普段であれば弱っちいこと言ってんじゃねーよ、と、鼻で笑い飛ばしてるのだがハスタに対してはそれが出来ず、それどころか無意識で怖がらせている事実にガンッとショックを受けてしまう始末で。下がっていく耳と尻尾を自覚しては手が外れ顕になる相手の表情が嫌悪に満ちている可能性にグッと言葉を飲み込み瞼を伏せるも、穏やかに溢れた笑い声につられて視線をあげた先にはそんな表情は何処にもなく、嬉しそうな相手に目を丸くして、思わず真顔で「かわいい」を大人に投げか…けそうになったところで咳払いで中断成功して)
「んん、あー……利害の一致で動いてるだけでダシ抜くズル賢い奴はいるし一筋縄じゃいかねー奴も多いだろうな。お言葉の通り猫は1人1人が自由で自分勝手だからさ。まあ、全部が全部そうじゃなくて良い奴も沢山いるんだけど、それは別にしてだ。 ……ハスタがそういった連中と関わる機会が多いなら、その考えのままで良いと思う。甘い考えで足元引っ掻れても大変だしな? …………ただ、」
(また変な言葉を投げてしまわないよう相手の手の下からスルリと自分の手を引き抜けば太股から隣のソファーへと戻っていき、ニャンニャカと相手が抱いている猫に対しての考えを否定しないと柔らかく言葉を並べるが、組んだ足の上に肘を置き頬付をした状態で暫しの沈黙後、拗ねたように口を尖らたままジロリと続けて)
「オレは怖いことするつもりねーから、怖くても馴れろ。な? 」
う、うん。クロは…信じてるよ。
そう言いながらもブンブンと頭を振ってみる。時間を見るともう10時でお風呂にでも入ろうかと思ってバサッとその場で上を脱ぐ。普段1人なため恥ずかしさもなくてポリっと頭をかきながらもすたすたと脱衣所に向かう。結構自由人なためクロの猫の話も聞いていたが聞き返すことなくしたことだけ考えていて
「……はぁ、ビビッらせちまったかなあ。 アイツはあんなんで警察犬やってけるのかよ」
(のんびりと脱衣所へと消えた相手の筋肉格差社会を感じる背中を見送るなりソファーの背凭れに全体重をぐったりと預けては先程の「な?」に必死の威圧を込めてしまった事や、その前の内心のテンパり具合などを尻尾を揺らしながら思い返すと暗闇に逃げるようにして両手で両目を覆い隠すとポツリ呟き。腕は確かなのにガキの自分を怖いと溢した大人の悪いやつを倒す職業が心配になる反面で、怖がるくせにこんなガキを救った大人の誰かを助ける職業にしっくりもきたりして。どこかバランスの悪い彼が暗闇に浮かべばキュンと胸が鳴るようで慌てて塞いでいた両手を離し)
「明日、仕事だつってたっけ? オレも外に出てみるかな……」
(調子のネジがおなしくなる一方の事態に眉を寄せて深い息をついては新鮮な空気の入れ換えをぐるぐる思案して)
お風呂入ったら…眠いしすぐ寝よ…
そう言って下を脱ごうとした時に携帯がなる。電話に出るとベルのようで明日来いと念押しの電話だった。明日はかなり大掛かりな仕事なためベルもサボられたら困るのだ。「任せろよ相棒…全員捕まえてやる」と低い声で返事を返すと目をギラギラさせていた。普段は小心者だがスイッチの入り方が異常じゃない
(ポケットを確認して携帯がないと気付く本日の朝からひっそりと繰り返している癖ゆえの愚行に再びため息を落とすと明日の予定散歩コースに携帯探索も追加してみたりする。土地勘が全くないので携帯を捨てられた場所に辿り着けるのかも不明で、そもそもボコられ途中の曖昧な記憶のため場所すらも危ういのだが目標地のない散歩には丁度良いかと肩を竦めソファーからゆったりと移動してきたキッチンで拝借したコップに注いだ水で喉を潤して)
「……小腹に詰めてやれるモンとか作れると良いんだけどな。 こんな時間だし、すぐ寝ちまうかも知れねーけど」
(コップを片手にチラチラと冷蔵庫に視線を送るものの勝手に漁るのも躊躇いがあったので見詰めるだけに留めて、昼間のハムスターのように食事を頬張る彼の姿を思い返してはプフッと小さくこっそり吹き出して)
ふぅ~スッキリしたァ。クロも入りなよ。
数十分後ホカホカとしたハスタがリビングに戻ってきた。もう半分寝かけていたがとりあえずはソファーに座ってゆっくりと深呼吸する。正直このまま寝れそうだなと思いながらもウトウトしていて
(結局、キッチン内で数分そわそわした後はソファーに戻り尻尾で適当な形を作っては遊ぶ暇人の極みをしていたのだが、ホカホカと気持ち良さそうな相手が傍にくればピーンと耳を立てバトンタッチとばかりに場所を譲り脱衣に向かうべく立ち上がり)
「ちゃんと髪乾かしたか? ほら、こっちで寝るんじゃねぇぞ。 ベッドで寝ろ、ベッドで。」
(風呂から戻ってきたら此処で寝ていそうな相手への心配が一旦足を止めるとくしゃくしゃ優しく髪を撫でて雫を確認しながら、きちんとしたところで寝るように促して)
ん~分かったよ。
わしゃわしゃされるとそのままの状態で目をつぶり始める。頭にタオルが乗ったまま眠ろうとするがは冷たさに寝れなくてべしっと床にタオルを投げつけるとクロのおかげで軽く乾いたまま眠り始める。眠り込むとボフっと横に倒れてソファーの7割は占領して
「全っ然! 分かって、ねぇ……っ!」
(僅かに水滴が残る髪の先に小言を落とす前に彼の頭は身体ごとソファーに沈んでしまい支えきれずに終わった両手をフルフルと震わせて寝付きの良すぎるワンコに荒げた声でツッコンで。眠った彼をベッドに運ぶのは体格差的にも無理な話のため此処に捨て置くという方法を取らざる負えないのだが、とりあえずといった感じで投げ捨てられた濡れタオルと脱衣場に備えられたタオルをチェンジさせては相手の髪に残る水滴を拭いていき)
「ハスター、ふかふかのベッドで寝なくていいのかー? 気持ちいいぞー? オレはベッドで寝ちまうからなー?」
(髪を引っ張らないようわしわしと拭きながらジト目で最後の情けチャンスとばかりに間延びした口調で声をかけ続けてみて)
んん、クロが寝ればいいよ…僕はここでいいもの…
わしゃわしゃとされると気持ちよさそうにしながらそう言って完全に目を閉じる。自分のために言ってくれてるんだと分かっているが眠たさが勝ってしまって。明日になったらまた仕事だなぁと思いながらももう夢の世界に入っていて
「…………、わぁーったよ」
(ムニャムニャとベッドを譲り与えソファーで本格的な寝息をたて始めた家主に深く溜め息を落とし呆れた口調で了解すれば柔らかそうな頬をむにっと軽く摘まんだあとに指の先で撫でて、昼寝の時に持ってきていた相手の毛布を隙間のないように掛けてやると充分に水滴を吸収したタオルを手に脱衣場へ向かい手早く風呂を済ませる。ほかほかと良い気分で相手の寝顔をもう一度覗き込んで「おやすみ、ハスタ」と幾分幼い声で就寝の挨拶を囁いて、ベッドに1人、もう1人分のスペースを隣に空けた状態で睡魔に招かれながらゆっくり瞼を閉じていき)
…んん……。
朝になるといつも以上に早く起きて支度する。まだ髪は整えてなくてボサボサだが上着を仕事用のシャツに着替える。着替えるというか羽織ったに近い、ボタンは全部空いてるし今のところしっかりはしてない。ちょっとしてどんどんと家のドアをノックする音が聞こえるとすたすたと迎えに行く。相手はもちろんベルでわしゃわしゃとハスタの頭を直しズカズカと家に入る。「今日は10を超える組織を潰すからへばんじゃねぇーぞ」そう言いながらいつも通り料理を作ってくれていて
「………………」
(物騒な言葉で目が覚めたような気がする、のは気のせいだとしても第3者の声でパチリとスイッチのように瞼が開くとベッドからそろりと降りた足で慎重に寝室からリビングを覗き様子を確認する。視界で動く人物の内の1人は、どこか聞いた覚えがあると思えば昨日朝にも来ていたベルとかいうハスタの同僚で本当に料理を作りにきてるようだった、もう1人はハスタでありシャツのボタン放置ののんびり状態で相変わらずハスハスしている。微妙に露出のあるハスタにさっさとボタン閉じろよと念を送りながら尻尾をふわふわ興味に揺らして、暫く二人のやり取りを観察することに決めて)
今日10もやっちゃっていいの?ここのヤバそうなの全部無くなっちゃうよ?
苦笑いしながらもそう言うがぐっとベルが割り込むように「構わない。当分は平穏になる」そう言って作った料理を机に置く。今日はオムライスなようでひとつはハスタ用の大きなサイズ、それともう1つ小さいのが机に置かれる。「そこにいるお前も食えよ」と寝室にいる相手に伝える。感覚て察知したのだろう。
(恐らく仕事の話なのだろうと察しがついた時点で更に身を潜めるように覗いていた頭を引っ込めたと言うのにコトリコトリと何かが置かれる音のあとに、明らかに此方に向けての誘いが飛んでくるのには驚き思わず感嘆の声が漏れそうになり。バレているならと驚きでピンと反った耳を斜めに倒し寝起きでダルい雰囲気を作り出すとのっそりと姿を現して、机に置かれた2つオムライスと作った本人を無言で見据え)
「……いらねぇよ。腹空いてねーし、ハスタ、オレの分も食っていいぞ」
(フィッと、特にオムライスからは素早く目を逸らして欠伸を噛み殺す振りの中で昨日のような腹の虫を出すまいと腹筋にグッと力を入れれば、興味なさそうな表情でソファーにどかりと座り尻尾を共に伸びをして)
えぇ?いいの!?ありがとう
そう言うとクロのも自分のところに引き寄せてもぐもぐと食べ始める。ベルの方はと言うとクロを見て一言「今日でしゃばってくんなよ」となんでも見透かしてるかのようにそういうとすたすたと床に座る。まだ時間があるのか机に肘をついてハスタを見てて
(──食いしん坊かよ。パアアァ!とした効果音が聞こえてきそうな良い返事が耳に、もぐもぐ二皿目を平らげ始めるハスタが目に入れば朝から緩む口元を片手で覆い隠して気分が浮上するのを感じるが、唐突に制止を一方的に掛けてくるベルに掌の中の口が「あ?」と不機嫌なものに変化して。何のことだかサッパリな軽めな頭ではあるが先程聞こえた一部分の会話を思い返せば、スルリと口を覆っていた手を下に滑らせ顎に人差し指の爪を軽くたてて探るように低い声で尋ねだし)
「何のことだよ。 オレが首を突っ込みたくなるようなモンなのか? そのヤバそうなのっては?」
お前はまだガキだろ。集団やら組織やらに憧れる年頃だろうと思ってな。生憎ハスタと違って俺は情はねぇ、もし暴れ回ってる猫の一員なら俺がしょっぴく。ここらはだいたいデカい集団が3グループあるそれを取り巻くちいせぇ連中も合わせるとちょうど10だ。そのどれかに入っているなら俺は…容赦しねぇ
ぐっとクロの近くに行くと胸ぐらを掴みながらもそう言ってギラギラとした目で黒を睨む。昨日ならハスタが止めていたが、今回ベルがピリピリしてるのもわかっているし釘打って巻き込まないようにしてるんだなぁと思いながらご飯をたいらげて台所に持っていく
「……へぇ?」
(相手の指摘に胸ぐらを掴まれたまま一瞬、口端を上あげて挑発的な笑みを浮かべてしまったのは先程から相手がみせる感覚や勘の鋭さに感心を寄せたからで。それでも覚えがあるのは自分が憧れ云々の非行少年予備軍ということだけなので、それ以外の疑惑の分だけ否定を示すようにパチリと火花を飛ばすと胸ぐらを掴む相手の手首に手をかけ握り込もうとしていき)
「つい最近この町にきたヤツにそんな話されても知るわけがねぇだろうが。オレは無関係だ。仮に、憧れをもつガキだとしても1日で潰されちまうような、そんな弱っちい組織や集団に興味なんかねーよ」
(そんな弱っちい組織にボコボコにされたかも知れないのだが今は心のタンスにしまっておいて、睨み付けながらもまっすぐに相手を見れば最後にフンッと鼻を鳴らして)
…信用しきったわけじゃねぇーぞ。
そう言うとぱっと手を離してハスタの方へ向かう。皿は置いといていいから早く着替えろと言ってハスタの背中をべしべしと叩く。ハスタはいそいそと着替えに行きながらもベルはサッと皿洗いを済ます。数分後着替え終えたハスタを見るとすたすたと玄関に向かう。ハスタはクロをちらっと見ると手を振ってベルについて行く
「……そーかよ。テメェからの信用なんざ、こっちから願い下げだ」
(勝手に疑ってろと掴まれていた服の箇所を不快なモノを落とすように払っては離れていく背中に苛立ちをぶつけ、暫しギリギリと睨み続けていたが相手がハスタに着替えを促した辺りでさっさと着替えろ賛同の心が疼いて少し気が抜けてしまい。芋ズル式に組織が潰される事態は警察が優秀過ぎるのか組織がヘマをしたのか売られたのか、それとも双方誰かに踊らされてるのか、考えるだけ無駄だとスッパリ思考を切れてしまうぐらいには今の自分は部外者過ぎていて。どちらかの肩を持つ気もなければ心配する気もないと、浅く息をつき言葉なく二人を見送ろうとするのだが此方へ手を振るハスタが視界に映れば唇がキュッと引き下がり)
「ハスタっ、…………、き、気を付けろよ」
(気がつけば数歩の距離を素早く詰めた状態で相手の背中のシャツを指先で僅かに捕まえることに成功すれば、心配を滲ませた言葉が小さくポロリと落ちて)
えへへ…大丈夫だよ。僕は強いからね!
ポンポンとクロの頭を撫でるとすたすたと家から出ていく。「いやぁ~いい気分だよぉ」とベルに言うとるんるんと自分達の配置に着く。もう家を出た時から周りに視線を感じる。ベルもそれに気づいているのか近くの公園にすたすたと2人で早足に向かうと案の定何人かの猫に囲まれた。猫…だけじゃない、犬もいれば兎もいる。雑な集団だなぁと思いながらも戦闘を開始する。
割愛(やる気が尽きた…笑)
はぁ…はぁ…もう疲れた。ベル生きてる?
お互い背中合わせて座り込んでいた。最初戦っていた場所からだいぶ離れ別の区画まで来ていてようやく仕事が終わったのは夜の11時。終わったとはいえお互い座り込んで動けない。服は自分の血なのか返り血なのか汚れ切っていて、早く風呂入って寝たい…。そう思いながらさっきから返事のない半分死んでるベルをおんぶしてゆっくり家に向かって歩き始める。
(二人を見送ったあとの心境は平然と落ち着いたものではいられず昼時を過ぎたあたりで予定していた携帯捜索を兼ねた気晴し散歩を行うべく家を出ていくことに。近場の公園が大人ばかりを集めて妙な騒がしさを見せているのに気付けば通り過ぎるついでにざわめく会話に聞き耳を立てる。途切れ途切れに流れてくる情報は『朝方に早速警察と例の輩との交戦が─』とか『警察犬二人組が例の連中を千切っては投げての爆進中─』だとかで、住民達の足の向こう側に飛び散っている血痕も一緒に確認出来てしまえば思わず苦い顔になってしまっていて。『知らない顔だね、今日はあまり出歩かない方がいい。巻き込まれてしまうからのぅ』と町のイベント(?)を把握しているじいさんから貰った飴ちゃんをコロコロと口の中で転がしながらアチラコチラ練り歩こうともしたのだが……あっちも規制!こっちも規制!で追い込み漁中の警察の警戒体制が厳しい上に例の輩と勘違いされ追い掛けごっこを繰り返す羽目になり、何の成果も得られないまま家に帰り着いたときにはどっぷりと日が暮れていた、のに、こんな時間でも玄関を開けた先に家主の気配はなく。玄関前で止めた足を静かに来た道へと戻らせれば家に続く道が見渡せる近場の公園前の柵に腰を掛けて、夜の静寂が深まるにつれて数を減らしていく通行人を暫く眺めていくことにして)
「……たく、いつ帰ってくるんだよ」
はぁ…はぁ…もうダメだァ…絶対骨折れてる。痛い。
そう言いながらもバタッと道端に倒れ込む。幸い規制中の箇所だったため仲間もいてベルは仲間に運ばれて行った。僕はと言うと…まぁ家が遠すぎるし誰も僕を運べる奴が周辺には居なかったため帰れと酷な命令を受ける。治療費は上が出してくれるそうだが…にしてもひどい話だと思いながらゆっくりと立ち上がる。もう何人と戦ったか覚えてない、というか今意識があやふやだ。家帰って暖かい布団に寝たいと思い足を引きずりながら歩いて
(デカイ仕事なのだから当日に帰宅出来るとは限らない。今日帰るとも言われていない。こんな日だ、警察達の深夜巡回があるかも知れない。途方もない時間を延々と此処で待つことは難しいと理解していても、人が通りすぎる度に外れた期待に尻尾を低く揺らしあともう少しだけ、と延長してしまう。そんな帰宅の先延ばしも人が全く通り掛からなくなれば難しいもので段々と【帰宅】の二文字が頭の中で大きくなっていくと理由を探すように夜目を効かせ道の先の遠くまで人影を見つけ出そうとして。ふと、まだ小さなシルエットであるが遠くに見えた人影にドキリと心臓が跳ねる、不安定な歩行で揺れている影に昼間目にした血痕が連想されたのか苦い気持ちが再度わき上がり「──ハスタ、か?」と名を口にすれば居てもたってもいられなくなり遠くの人影を確かめるべく駆け出していき)
(/ハスタ様が距離的に公園ぐらいまで辿りついていないようでしたら酔っ払い絡みコースと致しますので主様が思い描いているハスタ様の現在位置で続けて頂ければと思います。しかし、もしもクロの知らないところでハスタ様が1人道中で再び倒れるのであれば颯爽と現れるお医者さんを投入したい気持ちもございます←)
んんっ…疲れた…
とぼとぼと歩いていると前から小柄な影が歩いてきた。クロ…?とふと思いながらも血が流れすぎたためか急に動けなくなって道端に座り込んでしまった。もう誰かも認識出来ないし急に意識が途切れる。道を歩いている人の足音はかすかに聞こえているが目が開くわけでもなく動けなくて
(クロと…思いきやハスタは限界なためお医者様投入頼みます。現在地はとりあえずハスタの住んでる地区には来たけど公園までたどり着けなかった感じです。( ̄□ ̄ ))
>ハスタ様側
『大変です! 意識が……っ』
『えー、今日は只でさえヘトヘトなのにまだ働かせるつもり? 可愛い顔して酷いなぁ、バニーちゃんは……』
『この度の先生の協力は感謝しています。おかげで多くの患者へ早急に治療を施すことが出来ました。ですが、院長との約束は明日の午後まででしょう? 此方の病室は全て埋まってしまっていますし、先生の診療所はすぐそこです。
断られる理由はないように思えますけど』
『ガタイの素晴らしい野郎の時点から既にお断り理由に入ってるんだけどもー?』
『それでも先生は危険な状態の人を放っておかないじゃないですか。 幸いにも警察側の方のようですし先生に危害を加える心配は、』
『……はぁーー、もういーよ。 診るのが決定なら警察でも何でも関係ないしねぇ。 ところで、もうひとつのベッドも空いてるけど? って、あー……』
(意識をなくした彼を1番に見つけた有望ナースウサギちゃんの指先を手に取り軽い非難と一緒に称賛をそっと乗せて口付けようとするものの、スルリと逃げられた挙げ句に此方の退路をキビキビとした態度で塞がれてしまって。そんな会話を交わしてる間も二人で囲んだ怪我人の容態チェックは進んでいくのだが、こちらのワンコな彼が無茶をしてきた証拠を残すように作られた赤い道を見ればそれだけでウサギちゃんに言われるまでもなく危険な状態だと判断出来てしまい、そうくれば指摘通りにもう放っておくことは出来ないのだろうと己の天職に向けて諦めの溜め息を大きく吐いては、ウサギちゃんが指で教えてくれた警官バッチに最早対象は関係ないと首を振り。長く太く編んだ三つ編みが巻き込まれないよう反対側に避けるとワンコの腕をひょいと肩に担ぎあげ、ついでにウサギちゃんもお持ち帰り出来ないかと誘ってみるのだが「夜間勤務の時間なので」と日中の疲れを見せずに病院勤務へ戻る真面目な彼女には再び逃げられてしまい、苦笑を溢した後で頬を緩ませ軽く見送れば自分の診療所へと急ぎ足を進めていき)
【お医者様簡易PF】
種族:馬(サラブレッド)
名前:サラ
身長:183
年齢:25
月毛で白く腰まで伸びた髪を三つ編でひとつに束ねている。町の大きな病院ではなく自分の診療所でひっそり医者ライフを送っている。色々な意味で患者は選ばない為、闇馬とか噂を流す輩もいるけど立派な白馬です。楽観的で可愛い子が好き。ちょいナルシー。
>一方、クロ側
『……は、吐けばいいんだね。 うぐっ……それなら、なんとか……』
「まっ……!? 手ぇ、離せ! ここで吐くな!!」
(駆け寄った先にいた人物は酒に呑まれてヨタヨタと口を押さえて苦しんでいる猫のオジサンで、会えると期待した気持ちは外れてしまったが何処かでハスタが無事でいる可能性が残ることに切らした息を落ち着かせながら安堵の息を付き、じゃあ!元の場所にもどるか!と背中を向けようとした足を『苦しい……助けて……』とやたらイケボで唸る声が呼び止めてくるようで。いい年して酒初心者かよ?と呆れながら「堪えず、吐けば良いんじゃねぇの?」と同じ猫のよしみで言葉を投げ捨てれば、フラフラと距離を詰めてきたオジサンに肩をガシィと掴まれて阿鼻叫喚中な上記)
(/ハスタ様の現在位置、かしこりました!有難うございます。お医者様でしっかりと手当てをさせて頂きたいと思います。クロは、頃合いよく探しに行くか待つかしたいとも……思います!)
ん…いたっ…
ほぼ気合いで意識を止めていたが急に体が上がるとさらに血が出たような気がして意識が遠のいていく。感覚で感じるのはだんだんと力が抜けて軽くなって冷たくなっていく体、回らなくなってきた脳…もう今回ダメかなと走馬灯も出てき始める。
→クロ
モブ
おい!何やってる!
パトロールしていると深夜徘徊の子供にそれに絡むタチの悪い男が見えたため近寄って引き剥がすと男はこちらで連行して、子供の方は「早く帰れ」と促す。そしてそそくさといなくなる
(とうの限界だろうに担ぎ上げた際に小さく痛みを訴えてくる逞しい生命力にヒューと口笛を鳴らし彼を救うことだけに集中した数時間後、手術台から一部屋だけ存在する病室のベッドに患者を移せば安定した呼吸と脈にやっと一息、安堵することが出来て。昔にとある急患を救った援助として設備だけは贅沢に充実していたのが助かった。まだ顔色の悪い彼も目覚めて栄養や薬を摂れば良くなるだろう、そんな治療後の経過をイメージすれば自然と目尻が緩くなり)
「良かったね、これで家に帰れるよ」
(/主様、突然の申し出となり誠に申し訳ございません。此方の勝手な都合で大変恐縮でございますが以降の遣り取りにつきましては辞退とさせて頂きます。至らぬ点も多い中でお相手くださり本当に有難うございました。また、ハスタ様のお怪我だけはどうしても治療させて頂きたくレスを返してしまったのですが、此方のレス共々に返信は不要として問題ございません。
どうぞ宜しくお願い致します。)
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