真夜中のピエロさん 2019-02-19 14:27:51 |
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よっと…。
買った服の袋を持ち直すとスタスタと歩いて数分の家に向かう。いつも以上に平和な帰り道でほっとする。たまに喧嘩ふっかけられたりだとか歩いている途中で仕事の電話がなったりと色々めんどくさかったがそんなことも一切なく家に帰ることが出来た。家に着くと相手はどうしてるんだろと思いながらも少し乱暴に開けて
(近付いてくる足音と微かに聞こえる袋が擦れる音をピーンと立てた両耳がキャッチすると期待に耳の黒毛を動かし玄関を見詰めて、予想通りにソレが玄関前まで止まれば念のための警戒心で耳を伏せるが)
「……おう、おかえり。 早かったな」
(些か勢いよく開けられた玄関から家主の姿を確認出来るなり表情パッと明るくし立ち上がり出迎えてみせて)
ただいま!ちゃんと買ってきたよ。
ニコッと笑いながらも袋を相手に渡す。畳んで入れてもらってるのに小柄な猫が持つと結構な多荷物だなぁと思いながらも家に入るとスタスタとリビングに向かってソファーに深く腰掛ける
「アンタの分も買ったのか?」
(渡された袋は重くはないものの、かさばり具合から1-2着の数ではないことは一目瞭然で
。ご機嫌に両手いっぱいに抱えてリビングへとついていけば相手が座るソファーの前で袋と膝を置き 自分のはどれだろうかと尻尾を揺らし中身の物色を開始しながら聞いてみて)
全部君のだよ。…と、君っていうのそろそろ飽きてきたな。名前教えて。
全部君の物と伝えると相手の様子を座りながら笑っていた。こんだけあげれば喜ぶだろうと思っていて次起こすアクションを楽しみに見ていた。ある意味サプライズみたいな感じだ。そして、軽く名前についても触れてみる
「なんだそれ。クロだよ、クロ。 単純な名前だしコッチの方も早く飽きちまうかもな──って。 ……え、こ、れ…全部か…ッ? こっちのシャツだけじゃなくて? これとこれと、これもだぞ……!?」
(相手が応えた『全部』に頭の理解が追い付いたのは、名前を聞かれた理由にケラケラ吹き出し冗談ぽく揶揄を混じえながら名を教えた後のことで。畳まれた状態で袋から取りだし並べた服達が全部の言葉の凄さを物語ってくる。視角的にクラリときながら明らかオマケの重ね着無地シャツから指を指していき、最後は1番高そうで格好のよい上着を手にしては高揚した声で広げて見せる)
全部クロのだよ。何が好きかわかんなかったから色々買ったし好きなの着ていい。
再度全部相手のだと伝えると相手の反応にニコニコと笑う。ブランドとかわからないタイプなため買う量が多いから高いと思っていて、なんで相手が服でそんな驚くのだろうと思いながらも喜んでもらってよかったと安堵して
「マジかよ……。 いや、さすがにこれ全部は悪ぃ……けど、買っちまったあとだしな……」
(瞳を煌めかせたままの呆然とした表情で相手の方へ顔を向ければ呼ばれた名前にピクリと耳が反応する。遠慮に悩み眉を寄せ唸るものの好意通りこれらを好きに着たいと思う欲が顔を出せば視線は服へと落ちていき、暫し彼と服を交互に見詰めたあとに服をガシリと改め握って)
「正直、好みに近くて驚いてる……。 ほんとこんなに悪いな、今度は破かれたりしねぇよう大事に着るよ。……ええっと、その、なんだ、……あありがと、う……」
(どう切り出せば良いか分からず相手にチラチラ視線を配りながら服の感想から述べていくが、やはり顔を見ながらでは声が絞りだせないのか熱く火照りだす頬を自覚しながらうつむき、ポソポソとお礼を告げて)
好みにあってよかった!いいよいいよ僕があげたかっただけだし気にしないで。下着も買ったし今からでも着ておいで。
相変わらずニコニコとしながら頭を撫でて相手に促す。相手の反応に嬉しそうにしながらもソファーに寝そべる。クロが来てからなんだか楽しいなと思いながらも軽く目を閉じて
「……貰わねーけど、貰う。 下着……? あ、あああ! これも忘れずに買ってきてくれたんだな。 ふ、風呂場借りるぞっ」
(気にもするし全てまるっと貰うわけにはいかないと返す意思をきちんと見せるも、撫でてくる手と同じような優しい言葉を掛けてくれる相手には嬉しくも困ったといった様子で熱の引かない頬が緩まって。このまま下着の存在を忘れノーパン着用の流れに突入した恐れもあったが相手の言葉にハタッ!と存在を思い出すと慌てた口ぶりで衣類を袋に戻し抱えて風呂場に走り込んでいき)
「……思ったよりグロいな。胸元開いたやつは難しいか? このまま包帯巻いとけば何とかなる気も、しなくはない。チッ、アイツらいつか覚えとけよ」
(脱いだら改めてデカかった彼の上着を脱げば全身の打撲の後は立派な痣となっていて青紫色で染められた肌にウゲッと思わず眉が寄る。腫れた箇所は今も鈍い痛みを寄越してくるが動けない程ではないし骨や臓器がやられていない、すぐに治療を受けられただけ非常に幸運ではあるのだが、折角の服の範囲を痣で絞らねばいけないことにグギギっと悔しさと恨みを胸の中で再び燃やして。結局、下着、クルーネックにパーカー、デニムパンツへ着替えては満悦な表情を洗面台の鏡に映して相手の元に戻る前にと取り外したタグや値札を確認したのだが、確認して、ヒュウッ……と息が止まり)
「……………………ッ、バッッ…………!!!?」
このまま…寝れそう…
そう言いながらも目を閉じているとほんとに眠くなってきて、特にすることもないしクロがいるからといって警戒しなくなったし寝ようとしていた。僕が寝たら外行ったりとか僕に見られたくないこととか出来るかもしれないと眠りに落ちる間際まで相手のことを考えいた。数分すると本格的な睡魔が襲ってきてゆっくりのした呼吸で落ち着いて眠り始める
「な、なんつー買い物してんだ……ッ! ホイホイ他人に買い与えていい金額じゃあ……おい? どうした、やっぱ無理してたんじゃねーのか!?」
(良いと思ったものは高額という話はよくあることで、相手が買ってきた衣類の全てにブランド品のタグがつけられ、それらに疎い自分にもこれが高級なものであると親切な値札に教えられる。合計金額はポンと出せるようなものではなく、これを返していくのは最終的に自分ではあるのだが遠い未来の己の財布より一気に大金を失った相手の財布への心配から荒げた声が出てしまい。ズカズカと戻ってきたソファーで横たわる相手が己の心理的にぐったりしているように見えれば、心労か!?と覗き込んではユサユサと揺らしてみて)
ちっ…うるせぇよ。黙れ
眠たかったのかそう言うと相手の胸ぐらを掴む。寝る前と寝起きは機嫌が悪いため世話を焼くベルでさえその時だけは何もしない。クロの胸ぐらを掴むと引き寄せ首筋に噛み付こうとするが、そこで眠さがピークだったのかクロの肩に頬を乗せた形で眠ってしまって
「パ……パーカー伸び、る……っ」
(横になり閉じていた相手の瞼が威圧的な文句と一緒にうっすら開いたような気がした途端に胸ぐらを掴まれ、引き寄せられる力にソファーの背凭れを掴んで踏ん張ろうとするのだが伸びていく服の生地をみればあっさりとそれを放棄して。首元の肩口に当たるのが相手の牙ではなく顎で終わったことにホッと息をついた後、取り敢えず中腰のキツイ体勢から膝を床につけては上半身だけ相手に被せ預けた形をとり)
「……眠っちまった。ちゃんと夜に寝れたのかよ」
(昼間からスヤスヤと立てられる寝息を身近で聞けば掘り返す反省はそこからなの知れないと瞼を伏せ尻尾をゆらゆら揺らし。自分に与えられるものなんて何でも良かったのだが、ベッドに温かい食事にきちんとした衣類と雑な扱いをせず与えてくれる嬉しさからつい受け取ってしまっていて。好きでやってると笑顔をみせる相手には大人の余裕といものを勝手に作り上げて裏の苦労を考えもしなかったのかも知れない。他人のいるベッドとか、多額の出費とか、ラーメンは、自分が横槍を入れなければ彼に同僚が作りにきてくれたかも……など、考えていけばスンと鼻が鳴るが、今は重いであらうにゃんこ布団(上)から毛布に変えてやろうと、相手の顎から肩を引いて胸元から離れようとして)
んん…。
眠っているのにも関わらず相手の腰に手を回すとぐっと自分のところに引き寄せる。寒いという理由と心細かったのがあるのか手を回すが無意識下のためストンっと手が落ちて
「うあっ、……あっっぶねぇ」
(上半身を起こそうとしていたタイミングで腰が再び引き寄せられればそのまま前のめりにバランスを崩してしまうが、眠る彼の顔の両脇に両手を咄嗟に着いたことで顔面と顔面の接触はギリギリ避けることに成功して。ドキドキとした息が詰まる一瞬の緊張から渇いた声で呟くと、目の鼻の先の距離の顔をじーっと眺めてはそっと己の額を相手の額に乗せて体温の差を計り)
「熱があるわけじゃあ、ねぇな」
(念のための心配事が解消したことによしよしと胸を下ろし丁度相手の手が腰を解放したことを確認すると静かに寝室へと毛布を取りにいき相手にふわりと掛けて。気持ちのよさそうな寝息を繰り返し聞いてると眠けがつられるように欠伸を連れてくる、眠る相手の傍に座り気がつけばウトウトし始めていて)
んん…今何時……
数時間たっぷり寝終わるとそう言ってムクっと体を起こす。なんか謎にムラムラするなと思いながらも気にすることなく大きな欠伸をして腕を伸ばす。近くに居るクロを見るとほっとするのと同時に別の感情が生まれ始める。発情期…だったかなと思いながらも相手のうなじを見ると跡を残したくなる
「──んっ、ふわぁ……やーっと、起きたな。昼とっくに過ぎてんぞ」
(頭上で聞こえる声とソファーの軋む音で相手の目覚めをぼんやりと知れば閉じていた瞼をゆったりと開き、過ぎた時間を大雑把に伝えながら相手の真似をするようにぐーんと腕を伸ばすと軽く笑んでみせて。床に座ったまま浅い居眠りを繰り返していた為か身体からはピキピキと凝った音が鳴り、自然と柔らかな場所を求めて相手が身を起こしたことで出来たソファーの空きスペースにそそくさと身を割り込ませるようにお邪魔して座ってみる。何となくチラリチラリと様子を伺ってしまうのは数時間前の寝起きの態度に少しだけビビったとか、そういう訳では決してなく)
…今日はオフだしいいの。
相変わらず覚めない目を擦りながら横に来た相手を両手でぐっと持ち上げると自分の膝に相手を座らせる。寝起きなのに今日は怒ることなくむしろ甘えているのかぎゅっと後ろから抱きしめて頭を相手の肩にグリグリと当てる。そうしてるだけで嬉しいのか尻尾が自然に揺れて耳もパタパタしていた。
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