主 2019-02-16 10:29:28 |
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…でもこの場合ってこれなんじゃないんですか?なんでこうなるかイマイチ分からないんですけど。
(先生の説明は非常に分かりやすく、重要なポイントにはペンでマークを付けていったりメモをしたりと、真面目に聞いていてすんなりと頭に入って来るのだが、どこか納得行かない部分もでてくれば自分の向かいに座る先生に気づかず視線を教科書に向けたまま無意識にぐっと近寄れば教科書を指差しながら逆に問いかけ。)
ほう…さすが榎本…そう思うとはなかなかやるな。まぁ所詮国語なんて考え方それぞれだし、どう思うかなんて人によって全然違う。お前はお前の考えやすい方法で考えれば良い…でもまぁ、補足として更に詳しく話すと…。
(流石は相手と言ったところで自分の言うことをすぐに吸収して理解して、あっという間に出来るようになっていることが担任として嬉しく思う中、どうやらどこか納得出来ないと思っている相手の考えは全然おかしな事ではなく、それはそれで合っているため、相手の考え方を尊重しながらももう一度自分の言いたいことを一から、そして先程よりもっと詳しく説明して。勉強に夢中になっているのか、自分と距離がグッと近くなっていることに気がついていないだろう、もし相手が気が付いたらそれこそ大変なため少しだけ身を引いて距離を離して)
えっ、そういう事なんですか?というか私が深く考え過ぎなんですか…?でもこの間授業で先生はこの時はこれを使うって言ってた気が……
(先生の説明を先程よりも熱心に聞きながら再びペンを走らせる。しかし何故だろうか、以前授業で言っていた内容と何かが違う気がしたのか咄嗟にノートを遡っていき、ここだと言わんばかりに指でトントンと指し示せばどこか納得いかない表情を浮かべていて。その後も先生の説明に耳を傾け、時折相槌を打ちながら聞いていけば、不意に先生が距離を置いたのを気配で感じれば「どうしたんですか?」とキョトンとした表情で問いかけてみて)
あーいや…どうしたもなにも…なぁ?まぁいいや…。前に教えたやつはあくまでも誰もが理解しやすい解き方って感じだな。んで、今教えてるのが俺自身の解き方で…今授業で教えても理解しにくいから使わなかったんだ。でもお前なら…理解力も良いし、大丈夫だなって思ってな…まぁ最終的には自分の使いやすい解き方にすれば良い。どうせ答えがあってればなんでも良いからな
(普段嫌い嫌い言っている人物とこんなにも距離が近くなっていることに気がついていないだろうか、と相手のキョトンとした表情を見て改めて思ったのだがあえて口には出さずに話題を勉強の方へと戻して相手の疑問に答えて。自分の国語に対しての考え方とは少々クセがあり、身に付ければ普通に解くより圧倒的に効率良く出来るのだが問題はそもそも理解出来るかどうかの話であり普段は授業などでは使っていないのだが良い機会であるため相手に自分のことを話して)
──え、なんですか?先生何か隠してます?…あ、でも私授業で先生が言ってた解説より、先生の解き方の方が分かりやすいかもしれないです。ていうか先生って勉強教えるの他の先生より上手なんだから普段からビシッとスーツ着て身だしなみ整えたらもっとマシになるんじゃないですか?…顔はいいんだから…
(何か先生が隠しているように聞こえたため疑いの目を向けながら問いかけて。その後先生からの解説は確かにクセがあったものの難なく苦手な古文も理解できていき。ふと先生に目線を向けると身だしなみさえきっちりしていれば顔はモテそうなのに惜しいなー、と心の中で思いながら再び問題を解いていき。どれくらい勉強していたのか気づけば辺りは暗くなってきていて)
いやいや無理無理、そもそもスーツなんてあんな肩こる服着るかっての。ズボンですら窮屈に感じるのに…。まぁ俺の場合だらしなくていいんだよ、どうせ怒られても一年契約だから来年はいないしな。
(最初のほうこそ自分の考え方に納得いっていない様子の相手が、解説をしていくうちにどんどん理解しており気がつけば自分が教えなくても次の問題を難なく解き始めたことに対して成長の早さに改めて驚かされて。教えるのが上手い、という言葉に嬉しさを感じながらも身だしなみやスーツという言葉に表情を歪ませ首を横に振って否定し最後に小さく聞こえてきた声に気のせいだろうと思い流して。そもそも自分は一年契約で来年はいないわけで、だからこそ適当にやっていることがある程度許されており、どうせ一年でいなくなるのだから自由に適当にやりたいという気持ちが自分の中にあるのが事実で。時間が経ち外が暗くなり始めていることに気が付くと「っと、もうこんな時間か…ほら、お前はそろそろ帰れ」と勉強を切り上げ、席から立ち上がって)
え、スーツって肩こるんですか?──ていうか、先生って1年の契約なんですね。ということは…私が3年になる頃にはこの学校には居ないって事なんですね。
(問題を一通り解き終わると先生の言葉にぐーっと伸びをしながら小さく欠伸を漏らし。その後教科書とノートを鞄に収めながら先に席を立つ先生に聞こえるか聞こえないかの声量でポツリと上記を呟けば、何事もなかったかのようにこちらも席を立ち、「勉強教えてくれてありがとうございました。…また教えてもらっていいですか?──あと、さっき私が言った事…“顔はいい”ってやつ…嘘じゃないので。じゃあ…私帰ります」と自分でも何を言っているのか分からなかったが何故かそれだけは伝えたかったらしく気まずそうに視線を逸らしながら先生に話せばペコっと頭を下げて鞄を肩にかけると先に教室を出て)
そうそう、だから来年はちゃんと他の先生の言うことを聞いて頑張るんぞ。…なんて言わなくてもお前は大丈夫か。むしろ俺がいなくなって清々してそうだからな
(席を元の場所に戻しながら軽く来年のことを話すが、たとえ誰が担任になろうが相手だったら問題ないだろうしむしろ嫌い嫌い言っている自分がいなくなってむしろ嬉しいのではないかと冗談交じりに思いながら自分も忘れ物がないか確認しつつ支度を済ませて。帰ろうと思ったところで突然相手が口にした言葉に思わず一瞬耳を疑ってしまい、こちらが聞き返す前に教室を出て行ってしまい「……最近の女子は本当に分からん」と改めてため息混じりに口にしながら自分も教室を出て)
──…私、なんであんな事言ったんだろ…。まさか先生のこと…ってないない、それは絶対ありえないっ…。勉強しすぎてどうかしてたんだ…。
(廊下を歩きながらふと、先程自分が口にした言葉を頭の中で思い返しながら呟いて。最近は勉強ばかりしていた事もあり疲れからそんな言葉を言ってしまったんだと自分に言い聞かせながら靴箱に向かって。でもどうしてだか先生が話していた“1年契約”の言葉に胸が切なくなるのを感じれば靴を取り出す手を一旦止め何かを考え始め。しかし首を振りながら我に返れば靴に履き替え上履きを靴箱に収めて玄関を出て、既に暗くなっている空を見つながら小さく息を吐きゆっくりと歩き出して)
おー、おはようさん。お前ら朝から元気良いなぁ…。これが若さか…。っいた!おいこら!挨拶するのに人の背中叩く必要ないだろ!
(翌日、一体自分の身になにがあったのかいつもよりもずっと早い時間に目を覚ましてしまい、二度目を仕様と思ったのだが上手くいかず仕方がないため学校へと向かうと、時間的に生徒達も登校するような時間帯であったため学校へ近づくほど生徒達の姿も見え始め、いつも絶対に遅れてくる自分がこの時間に歩いていることに周りの生徒たちも驚いており『先生珍しいね!おはよう!』『これは今日雪かなぁ』などと言葉が飛んできたり、いきなり背中を叩かれながら挨拶をされるなど、朝から元気な生徒達の姿に年の差を感じ深いため息をついて)
おはようござ──…!え、城木先生…なんでいるんですか…?
(いつもの時間に学校に着き、何やら視線の先に数名の生徒に声をかけられている先生を見つければ、まさか城木先生だとは思わず“朝から生徒に絡まれて大変そうだなあ”と呑気にそんなことを考えながら挨拶しようと思い先生の元に向かい声をかけようとしたのだが、まさかの自分が苦手としていた先生であったため驚き目を見開きながら、教師なのだからいて当然なのだが、この時間にいるのは珍しいと思い失礼だとは思ったもののつい上記の質問を投げかけてしまい)
ったくこれだから最近の若者は……っておお榎本、おはようさん。なんでもなにも今日早く目覚ましちゃってなぁ。本当にやらかした。もっと寝られたのに…
(絡んでくる生徒達を適当にあしらいつつ、朝から疲れた気分になってくるとふと耳に聞き慣れた声が聞こえてきたため声の主の方へと視線を向けて若干だるそうに挨拶をして。考えたら朝相手と顔を合わすのは初めてのことで、なんだが新鮮な気持ちを感じるがそれでももっとギリギリまで寝られたことを後悔しており、悔しそうに表情を歪めて)
やらかしたって…普通教師なら生徒より早く学校に来るべきなんじゃないですか?…早く目が覚めたってことは…先生若くないんじゃないですか?
(先生の言葉に小さくため息をつきながら呆れた表情で答えればふと、いつものようにやる気のない服装に目をやりながら「早起きしたくせに…またその格好なんですね。たまにはまともな格好すればいいのに…もしかしてスーツ持ってないんですか?」と冷たい視線を送りながら先生を上から下まで眺めればまるで哀れむかのような眼差しで見つめ「先生と話してたら時間の無駄なので先に行きますね」と言いたい放題伝えればスタスタと先生を置いて校舎に入っていき)
えぇ…なんだよ…そんなに罵倒されるか普通…?ったく、時間の無駄ならなんで話しかけたんだよ…よく分からんわ…。
(次に口を開いたと思ったら、相手から飛んでくる言葉は全て罵倒のようなもので、若くないから始まり冷たい視線、そして最終的には時間の無駄といわれこっちの言葉を待たず校舎に入ってしまった相手の後姿を見て思わず立ち尽くしてしまったが、いつものことだから仕方ないと割り切り改めて盛大な溜息をつくと校舎内へと入っていき)
──…あ、どうしよう。今日までの課題プリント忘れてきちゃった…
(その後教室に入り席に着くと、1限目に必要な課題プリントをもう一度見直そうと思い鞄を探るものの見当たらずひとり焦っていて。確か1限目は厳しいことで有名な教師が教える数学で、課題プリントを忘れると罰として大量の課題プリントを出されると噂もあり。そうこうしている間にホームルームが開始するチャイムが鳴れば若干の焦りからか顔色が悪くなっており、どこか落ち着かない表情で先生が来るのを待っていて)
あーもう楽園、国語が一時間しかないとか最高だわ。最高すぎる…。今日はすぐ帰る…帰ってやる…!
(今日の曜日だけは国語が全部で一時間しかないという自分が唯一楽しみにしている曜日であり、授業自体は5時間目なためそれまで職員室でダラダラしており。近くの席に座る同年代の教師と話しながらも『ちゃんとしないと怒られますよー?城木先生適当すぎるってよく聞きますから』と言われるが、正直全然気にしていないため軽く流して)
──…すみません、課題プリント忘れました…。
(1限目が始まり数学の教師から課題プリントを提出するようにと指示があり、それぞれ教卓の上に持って行くのだが自分だけ席を立たないのを不審に思ったのか、「榎本、早く出しに来い」と相変わらずキツイ口調で言われ恐る恐る上記を述べれば「──はあっ…お前みたいな真面目な奴が忘れるとはな。授業終わったら職員室に課題取りにこい、いいなっ」と言われ渋々頷き。案の定周りからの視線は“あの真面目な榎本さんが忘れるなんて”等とひそひそ話が聞こえていていて。その後授業はいつも通りに進み終了を知らせるチャイムが鳴れば、落ち込みながら先生の後に続いて職員室に向かっていき)
まずは先にこれ終わらしてと……。あ…一年のクラスの小テストを採点しないと…完全に忘れてた…面倒くさいから全員に丸で良いかな…駄目か…。
(業務が溜まっているというわけではないのだが、それでもやらないといけないことは多々あるため仕方なくこなしつつ時にありえない発言をしながらも何とかモチベーションを保っているとふと職員室のドアが開いて。授業が終わったあとだから先生でも帰ってきたのかと思い、チラっと見てみると正直苦手な数学教師とその後ろからまさかの生徒が入ってきたため思わず「なんだあいつ…なにしたんだ…?」と呟いて)
──えっ…こんなにですか?しかも…これまだ習ってない所なんですけど…。
(数学の教師の机まで行くと、クリアファイルに入れられた課題プリントが数十枚入っており、中を確認するとこれまでの復習など解ける問題の中にまだこれから先習うであろう問題も入っていて思わず講義をして。それを聞いた数学教師に「…はあ?課題プリント忘れたやつに文句言う権利なんかないわ。いいから放課後居残って全部終わらせて持ってこいよ、はいっ、以上!」と自分の意見もろくに聞いてもらえないまま話は強制終了され、腑に落ちない表情を浮かべながらもペコっと頭を下げて職員室をあとにして)
うわぁ…きっつ…無理無理…俺なら絶対バックれて帰るわ…
(正直一体どうしたのか気になるため作業をしながら耳をすませていると、どうやら課題を忘れたようでそれの罰でかなりの量のプリントを放課後やらされるという自分からしたらかなり気の毒な話だが、課題を忘れてしまった相手にもほんの少しの非はあるため仕方がなくどこか納得していない様子の相手が去っていく姿を見て「……頑張れ」と呟き自分は仕事へと戻って)
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