通りすがりさん 2019-02-13 22:21:11 |
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直哉)さてと…飲み会行きますかー!
(今日押し付けられた仕事は一切せず明日に回す。ベンチで休憩した後いろんな場所で暇を潰しながら結局飲み会の時間までサボりにサボっていた。今日は飲み会ってこともあって厳しい部長もあまり何も言わない。上司達に続きスタスタと近くの居酒屋に向かう。本当に近くにあるため直ぐに着いて1番壁寄りに座って壁にもたれ掛かる)
(仕事をきちんと済ませ、同僚に連れられて飲み会へと向かう。飲み会は本当にあまり好きではない__何故其処迄騒げるのか、本当の真意が昔からしれなかった。息を吐きながらも無理矢理に笑顔を作れば居酒屋へと足を踏み入れて行き。既に人数は揃っており、開幕寸前というところだった。流石にこの人数ならこっそり抜けられるだろう、と考えて弱い酒を頼んでおくと店の端へとゆっくりと移動すれば。)
「はぁ…」
(重い溜息。此処に居ても其処迄いいことはないのに此処に留まるのは自らの利益を優先してのことでしかない。自らの利益が生まれないところに居たとしても意味がないんだし、そもそもそんな不利益なことをするくらいなら僕はとっくの昔にこんなところには来ていない。上司と交流をすることで此方にも利益が生まれる、と確信しているから僕は此処にいるのだ。)
直哉)何溜息ついてんの?飲み会なんだし楽しもうよ
(後輩である氷雨君が溜息をついてるのに気づくとスタスタと横に移動すると座ってそんなことを言いながらお酒を飲んでいく。多少酔っているのもありいつもよりはグイグイと話しかけに行く。今日位は無礼講したいなんて思いながら氷雨君にも酒を進めて)
(息を吐きながら飲み会の様子をジッと見ていると、とある上司が話し掛けてきた。面倒な雰囲気を出すことはなく少々笑みを浮かべて其方の方を向けば、今日何度か顔を合わせている上司であることに気がついた。首を傾げつつも内心少し嫌気がさしながら返事を考えるのだが、其処に纏い付く酒の匂いだけで少し酔いが回ってきていて。__不味い。彼は自分の特性をよく分かっている。酒に酔えば突然頭が回らなくなる。)
「…あぁ…はい」
(無難な返事。それで良い、そうでなければいけない。自分が愛想のいい人間でいることで利益が舞い込んで来るのなら、僕はそれで構わない。面倒であることに変わりはないけれど、リターンは大きいのだから。酒を勧められ、素直に肯定すればどの同僚にも助けて貰えずに息を吐き。)
直哉)溜息つく位飲み会嫌い?やっぱこうゆう風に絡まれるの苦手?
(そう言いながらも自分が絡んでいることを理解していてたため苦笑いして「あ、これあげる」とたまたまポケットに入っていた苺の飴を渡す。俺もしかして嫌われてる?と思いながらも横から離れないでいて)
(__あれ、取り繕ってるつもりだったのにな。矢張り溜息を吐く癖は直さなければいけないな。笑みを浮かべてはプライドの高い彼だからこその負けず嫌いな態度で、何故だか自分の近くからは離れない、あまり話すことのない上司である彼に告げて。)
「…いえ、別に。ただ、大勢があんまり得意じゃないだけなんで」
(相手は上司、関わることで自分にメリットがあるのなら僕は喜んで態度を改めよう。もっと気を付けよう。__負けず嫌いな彼の最善の態度。笑みを浮かべて彼を見上げれば苺の飴を貰い、パチクリと何度か瞬きをした。その後にふいっと目を背けて静かに告げる。)
「…どうも、有難う…ございます」
(相手なりの気遣いなのだろう、と。それに礼を言えば苺の飴を受け取って握り締め。)
直哉)大勢が嫌いなのかぁ~…まー分からなくないし、それだったらこんなとこ苦痛でしかないんじゃない?俺もちょっと酔い回ってきたし一緒に帰る?
(結構酔っているのか赤い顔で普段話すことない後輩なのにそんなことを言いながら笑ってみせる。相手からお礼を言われればふにゃと笑いながらポンポンと頭を撫でてみて)
(この上司酔ってるのか、なんて考えながら赤い顔をしている上司を見上げては彼の言葉に目を見開く。__酔ってるから、変な発言をしているだけか。まぁ疲れてきたのも確かだし、こっそり抜けられるのならば僕はなんだって良いのである。ベロベロに酔っ払う前に、自分にストップを掛ければ良いだけだ。いつの間にか用意されていた酒を同僚に渡され、それだけを飲んでしまえば彼の言葉を一度否定する。)
「__別に、苦痛なんかじゃ。…ただ、僕は付き合い良くしたいので」
(笑みを浮かべながらそういうと、頭を撫でられてビクッと肩が跳ねる。何故撫でる?何故撫でる必要がある?其の手を振り払い、告げて。)
「ちょ…やめてくださいよ。酔い過ぎてるんじゃないですか、」
(少しだけ困ったような顔をするとさっさと帰ろうと出口まで歩き出し。上司の波を抜けながらバレないようにそっとそこを抜け出して。)
直哉)あぁ…ごめんね。
(手を振り払われるとしゅんと悲しそうな顔をしながらもごくごくと飲んでいく。相手が隣から移動し始めるのが分かると止めようとしたが止める資格もないと何故か悶々としながらポテッと横に倒れる。飲みすぎたのか動けなくて)
(息を吐きながら店の外へ出れば、「おぉ、西園寺君」という声が聞こえる。嫌な予感がして振り向けば、其処に居たのは部長で。何人かの部下を連れて一服していた部長はニマニマと笑いながら此方を見ている。彼も酔っているのだろう__少々顔が赤いように見えた。げっ、としたような表情を隠さずに驚いていると部長が嫌味ったらしく言葉を放つ。)
「帰るのかい?」
「…え、ぁ…いえ。ちょっと外の空気を吸いに」
(断れないのを分かって言っているんだろう、まだ酒に付き合え、というサインだ。部長の誘いを断るようなことがあれば、此方の落ち度は免れないだろう。これは強制的に残れ、ということだ。ペコ、と頭を下げると渋々居酒屋へと向かって行く。結局また中に戻ってきてしまった。同僚が肩を組みにくる為、それをサラッとスルーすれば。)
「…え、何してるんですか」
(先程まで話していた相手が倒れているのを見て、明らかに怪訝そうな顔をして。)
直哉)…うぅ。
(しんどいと言うよりは酔っているためふわふわとした意識の中で何人かは視界に入っていたが話せない。氷雨君が居るのさえ認識出来ずにいてただ気持ちよくて)
(ヘラヘラと笑っている、よく行動を共にする同僚は寝転がっている上司を見るなりいつも通りヘラヘラと笑っていた。何故こんなにもヘラヘラできるのかは分からないが、其れがコイツの長所であり短所でもあるのだろう。上司を見下ろしながら怪訝そうな顔をやめないでいると、同僚は僕に言葉を告げてきて。)
「なーにしてんの、とっとと飲もーぜ」
「…いや…放っとけないだろ、コレは。…部長に見つかったら蹴られるぞ」
(笑っている同僚は俺に気を遣ってか、ちょっと待ってて、と告げた。そして水を持ってくる。有難う、と礼を言ってぶっ倒れている上司に水を差し出し。)
「…部長に蹴られても知りませんよ、」
「そーっすよ。…あの部長態度悪いからね…なんつって」
「…おい、バカ…やめとけよ」
直哉)うぅ…ん。ありがとう。
(か細い声しか出ないためそう言うとごくごくと水を飲み干す。後輩に気を使わせてばっかりだなぁと嫌気が差す。はぁと溜息をつきながらも重い腰を上げてゆっくりと立ち上がる。フラフラとしながらも部長に帰ると伝えようとするが部長が見当たらずもういいかと諦めてふらつきながら出口に向かう)
(礼を言って水を飲む上司を見ていると同僚に肩をツンツンと突っつかれて其方の方を向く。其処には何人かの女子のグループがあり、どうやら「遊びに行こうよ」と訴えかけているようだ。口では言っていないが、目は口ほどに物を言う__と言ったもので、彼の目がそう訴えている。生憎女には興味がないし、今は社会的な地位を手に入れるのが自分にとって最優先のことだから。軽く息を吐いて緩々と首を横に振ると。)
「あの上司、なんかフラフラしてるからちょっと見てくるわ」
「何それ、優等生」
(放っとけ、と言うと同僚は女子のグループへと歩み寄って行く。丁度帰りたいところだったし、とっとと帰って家に帰るとしよう。息を吐きながら上司の後を追って出口へと向かえばすぐ其処に上司はいて。)
「…なんかフラフラしてますけど、大丈夫ですか」
(別に気にしている訳ではないが、あくまでも自分の面倒を避ける為にそう問い掛けて。)
直哉)あぁ…大丈夫で…す。気にしないでください。
(誰かが声をかけてくれたというのは認識しているが誰かわからないため敬語で返す。だが「情けねぇ…ほんと俺だめな奴だな…」と心で思ってることをそのまま吐き出してしまいながら項垂れていた。泣き上戸なのか日々のことが脳裏を巡ってしまって涙目で)
(何故か相手は敬語口調だった。これはかなりマズイ状態なんじゃないか、なんて思ったのだがそんなことを思ったとしても自分にできることなんてないのだから彼自身がどうにかするしかないのである。息を吐きながら足を進めれば、彼の言葉がポツリと聞こえてきて。相手の表情に目線を向けることはなく、其の言葉に呆れたような溜息を交えて返して。)
「…はぁ。…上司がそんなんでどうするんですか、」
(あまり話したことのない後輩にそんなことを言ったとしても、いいことなんてある訳がないのに。けれど僕が知るべきなのは、自分のような利益だけを求めるような人間ばかりではないということだ。)
「…駄目なら直す努力をすればいいし、情けないと思うならただ仕事頑張ればいいじゃないですか」
(僕はいつだってそうしてきた__。自分のプライドが高いのを理解しているから、それを理解した上で行動しているだけで何か深い意味がある訳ではないし。目線を下げながらひたすらに歩みを進めて。)
直哉)うん…俺頑張るよ。…ところで、さこんな事言っていいのか分からないけど…君も上司とかに変な媚び売りやめたら…何か変わるかもよ
(いい歳して歳下に諭されながらも確かにそうだなと思いゆっくりと立ち上がる。そこまでは良かったのだが日頃見ていて思うことを伝えてみた。なんだか上司についていくだけで感情を消してるように見えていた。普段から楽しそうに見えるだけって感じもしていたためそれが自分にとって不思議だった)
(__変な媚売り、か。凄く余計なお節介。目線を外すと彼の方に視線をチラリと向けた。ずっと昔からそうだったのだ、この生き方しか習うことはなかった。だから媚を売って、身分をもっと上げて、将来に役立てるとそう決めた。そうしないと生きていけないと考えたから。それがこの業界で、社会で、必要な利益の一つだから。息を吐きながら彼に告げる。)
「…ご心配どーも。…でも、僕はこの生き方しか知らないので」
(ふわりと髪が揺れる。彼の言葉に惑わされる程柔い生き方はしなかったつもりだけれど、少し心が揺らいでしまったのも事実だった。)
「…貴方は貴方で頑張ればいいと、思いますけど。…僕にはまだ、この生き方はやめられないんで」
(ただ、一つワガママを言えるならば。なんでも言える、友人が欲しいなんて。)
(__変な媚売り、か。凄く余計なお節介。目線を外すと彼の方に視線をチラリと向けた。ずっと昔からそうだったのだ、この生き方しか習うことはなかった。だから媚を売って、身分をもっと上げて、将来に役立てるとそう決めた。そうしないと生きていけないと考えたから。それがこの業界で、社会で、必要な利益の一つだから。息を吐きながら彼に告げる。)
「…ご心配どーも。…でも、僕はこの生き方しか知らないので」
(ふわりと髪が揺れる。彼の言葉に惑わされる程柔い生き方はしなかったつもりだけれど、少し心が揺らいでしまったのも事実だった。)
「…貴方は貴方で頑張ればいいと、思いますけど。…僕にはまだ、この生き方はやめられないんで」
(ただ、一つワガママを言えるならば。なんでも言える、友人が欲しいなんて。)
直哉)…媚びなきゃ生きれないって…。信用出来る誰かが居ないから縋ろうとするんだろ?お、俺で良かったら話し相手にでもならないか?相談も乗るしなんなら俺の方が上司だからね君を守ってあげられる。
(話しているうちに酔いが覚めてきてそんなことを言い出す。人にこんなこと言ったことないため声が上ずったがなんとか伝えられた。今急にだけど素直に苦しそうにもまれている君を守ってあげたいと思ったんだ)
(助けを求めるのは癪だった。彼のプライドがどうしても邪魔をするけれど、一歩踏み出そうとはしているのだ。彼自身も。けれど、彼は口籠もりながら目をキョトキョトと動かす。なんと声を出せばいいのか分からなかった。下を向いた後に手を握り締める。__助けを求める、なんて格好悪いことはできない。誰だって悪いことはしない。誰だって悪いことがどんなものか、自分で決めている。)
「…ま、まぁ。…貴方がどうしても、って言うなら…話し相手、くらいなら」
(プライドの壁を越えることができない彼は不器用にそんなことを言うと、少々顔を赤くして目を逸らす。そういえば自分は相手の名前を知らない…。けれど、上手く聞く気もなくて目を逸らすばかりで。__守って貰うんじゃない。コレは、アンタの話を僕が聞いてあげるだけだから、なんて。いつだって強がりを言って。)
直哉)ほんとに?ありがとう…素直に嬉しいよ。俺、これからなんかあったら氷雨君に伝える!1番に伝える!だから氷雨君も…無理にとは言わない。2番目…ぐらいに色んなこと教えてくれると嬉しいな。
(やはり変なところでヘタレてしまう自分に腹立ちながらも相手の言葉が嬉しいという感情が勝っていた。伝える時何故だか告白ぐらい緊張して心臓バクバクだったが相手が自分を受け入れてくれてると分かると一気に安心してほっとする)
(息を吐きつつ、相手のことを見る。何故此方にそこまで深く漬け込もうとするのかは分からないが、別に悪い気がしている訳でもない。相手に自分のことを思って貰えることは良いことだし、何より考え方が変わるかもしれないのだから。まだそうなるとは限らないのだけれど、経験すること自体に悪いことがある訳ではない。相手の様子を伺いながらふわりと髪を揺らして。)
「…まぁ気が向いたら」
(つっけんどんな言い回し。それは彼のプライドが高くて、彼が所謂ツンデレだから素直なことを言えないだけだ。こう見えて内心は少々嬉しく思っているのだが、それが彼は中々態度に出ない。)
直哉)うん。いつでも待ってるよ。
(そう言いながら微笑む。相手の内心は全く分からないがただ認めてくれたと素直に喜んでいて、それ以外何も考えてないような単純さ。「なんならいつでも話して欲しいし話したいから連絡先交換しない?」なんて1人突っ走って)
(家にいる姉に連絡でもしようかとスマホを取り出して、操作をしていると彼の声が聞こえて。目線をちらりと向ければ彼は微笑んでおり、そこまで笑えるなんてな、なんてバカなことを思って。自分が今まで愛想笑いをずっとしてきていたからか、本当に笑うと云うものを忘れてしまったような感覚に陥っている。そんな者は今はどうでもいいのだけれど。)
「…え、」
(連絡先を交換しないか、と問い掛けてきた彼にどう答えたらいいのか分からずに目線を動かして。自分があまり連絡先を交換してこなかったからだろうか、ぎこちない動きをしながら相手に黙ってスマホを差し出し。)
「…やり方、分かんないんで。交換するなら…ご、ご勝手にどうぞ」
直哉)わかった、ちょっと借りるね。
(そう言うと相手の携帯を借りてぎこちなくではあるが設定して携帯を返す。自分だって人と連絡先を交換する時はしてもらう側だったから不安だったけどなんとか行けた。ついでに連絡先を入れたからL〇NEも入れる)
(此方から連絡をすることはないだろう、相手から電話が掛かって来るのならば出てやってもいい__なんて小生意気なことを思いながら相手が連絡先を交換しているのを黙って見ていた。機械の扱いはあまり得意ではないし、ややこしくなる前に相手に渡して良かった。別に自分から交換したい訳じゃないし、と必死に内心で言い訳をしながらボソッと呟いて。)
「…さむ、」
(少しは酒を飲んだからだろう、身体は暖かかったのだが、外にいる時間が長い所為なのか身体が冷えてきたような気がする。身震いをしながら丸い月に目線を向ければ目を細めつつも吹いてくる風に嫌気がさして。)
直哉)それじゃ、また明日な。早く帰らないと風邪引くぞ?
(そう言いながら頭をポンポンと撫で相手に背を向け歩き始める。寒いし明日の仕事の事考えると憂鬱で仕方ない。正直連絡先を知ったところでなにか報告できる情報さえもないな…と少し悩みながらも帰ったらメール入れるかと思っていて)
(あの人には頭を撫でる癖があるのか、なんて思いながら去って行く相手の後ろ姿を見ては溜息を吐き。持っていた携帯には同僚からの連絡が入っていて、それは無視して姉に連絡をすることにする。少し遅くなってしまった、心配しているかもしれない__なんて。彼奴は心配するようなタチじゃないし、そんなことをする必要すらないのだけれど。僕がお節介が好きではないのを知っているから、彼女はいい姉だとは思っている。)
「…もしもし、姉貴?…今帰ってる」
『へぇ、遅かったねぇ。ま、どーでも良いけど』
(ヘラヘラと笑っている姉貴はいつも通りだ。何度か話をした後に電話を切って、家へと帰る道を急げば無意識に足は速くなっていて。)
直哉)うぅ~…寒ぃ…
(そう言いながら意外と近くにある自分の家に帰る。やはり我が家に帰るとほっとするな~と思いながら氷雨君に一応帰ったことを伝える。とりあえず絵文字を使えばいいと思ってる奴)
「今帰りました( ・∇・)」
(玄関の前へと立てば、自分で鍵を開ける前にその扉は開け放たれた。ある程度目の前にいる相手の予想はついていて呆れたように溜息を吐けばヘラヘラとした「なにその溜息、酷いなァ」なんて声が聞こえた。目の前には矢張り自分の姉である西園寺 時雨が居て、彼女を押し退けて家の中へと足を踏み入れれば彼女は自分の後ろに付いてくる。リビングへと入れば彼女は告げ。)
「なんか機嫌いいね」
「…は、はぁ?何処見たらそう思うんだよ」
(彼女は勘が鋭いのがいちいちムカつくのだ。勘の良さでは彼女に勝ったことはない。イラっとしながらソファーへと腰掛ければ、ピロンッとスマホが鳴り。誰からかと思えば先程の上司で、「早速かよ」なんて悪態をついて。)
『…そうですか。自分も今帰りましたけど。』
(我ながら素っ気ない返し方だと思っていれば、後ろからスマホを姉貴が覗き込んでいて。思わず「うわぁッ!」と声を上げれば姉貴は不服そうに両耳を抑えて「氷雨うるさ…」と告げて。)
直哉)相変わらず素っ気ないなぁ~
(そう言いながらも別に嫌って訳でもなく返事が返ってきて少し嬉しそうしていた。「そっか!俺は今から風呂入って寝る!」と返事を返し一旦携帯を置いてお風呂場に向かう。こうやって話せる相手がいるって言うのはいいなぁと思いながら気分が良くて)
「誰それ」
「…会社の上司」
(姉貴の質問にそう答えれば、姉貴は何処か疑ったような顔でふーん、なんて言ってみせた。その態度に何かイラっとくるものがあったのか「何だよ」と言ってみれば、姉貴は平然と「別に」なんて答えて。ピクピクと眉を動かしながらも姉貴の持ってきた飲み物を受け取って飲み干せば、またピロンッとスマホが鳴り。)
『風呂の後酒飲まないでくださいよ。
明日二日酔いでこっちに仕事回ってきたら面倒なんで。』
(然りげ無く心配しているような、そんな文章を入れれば彼自身は無意識なのか気付いておらず。スマホを置いてポキポキと首を鳴らせば姉貴は告げる。)
「氷雨、先にお風呂入っといて。僕はちょーっとやることあるからね」
「…一々そういうの言わなくていいから…じゃ、お先に」
直哉)暖かかった~…もう寝れそう。
(数十分後そう言いながらラフな部屋着になるとソファーに腰掛ける。ふと携帯を見て返事があるのに気づくと早々と「心配ありがとう(´▽`)」と送って、それからはテレビを見たり音楽を聴いたりのんびりしていて)
(風呂へと入り、上がってくればソファーに座っている姉が此方を見るなり「氷雨さぁ、」なんて話し掛けてきた。不審そうに彼女のことを見れば彼女はいつも通りヘラヘラと笑っていて。その目に真剣さはなく、溜息を吐きながら彼女の方へと歩み寄っていく。彼女はソファーの端により、隣に座るように此方に促してきた為黙って彼女の横に腰掛ければ、彼女は静かに告げる。)
「…あのさー。
最近どう?」
「何だよ急に。…姉貴よりは上手くやってると思うけど」
(そりゃあ良かった、なんて笑った彼女は不意に近くのテーブルに目線を向ければそれを指差す。そこにあったのは先程置いておいたスマホで、首を傾げれば彼女は「返事来てたよ」と告げ。)
『…別に心配じゃないんで。僕の面倒ごとを回避する為です、』
(上記のように返信をすれば彼女がぴしゃりと言い放つ。)
「精々上手くやるんだよ」
「本当何だよ、辛気臭い。…アンタらしくもない」
直哉)そうかそうか?…。
(そう言いながらもはぁと少し溜息をつき返事を返す。返した後相変わらずテレビを見ていた。心配してるのは俺自身じゃなくて仕事か…と少しモヤっとしながらもそんな人なのかなと思っていて)
「氷雨君の面倒事が増えないように頑張るよ」
(姉貴との微妙な距離に耐えきれず、「僕もう寝るから」と告げれば姉貴はまたヘラヘラと笑って「お休み、」なんて告げて。首を傾げながらも上司とのやり取りは続けており、そろそろ眠くなってきたなと感じながら自室へと足を踏み入れれば息を吐き。)
『それはどうも有難うございます。
もう寝るのでまた明日。お休みなさい。』
(馬鹿丁寧な文章を最後に彼は眠りへと堕ちていく。今日は長い1日だったけれど、何気に楽しかったと感じている彼は正しいのか、否や。)
直哉)否定しないってことはほんと仕事しかないんだなぁ…氷雨君は…。
(そう言いながら短く「おやすみ」と返事を返す。また明日になったら話そうかな、でもなぁ…と思いながらテレビを消し自分もベットに潜る。)
(ゆっくりと眠りに堕ちる__。
夢の中では彼はいつも自由になれる。仕事から離れ、姉から離れ、上司からのプレッシャーなんて感じずに済む夢の中を彼は愛して居た。そんな夢の中で、いつもとは違う声が聞こえたような気がして。振り返れば其処に居たのは…連絡先を交換した上司の姿。目線は下がる、目は合わせられない。いつもとは違う、夢。)
「__ん…」
(眼が覚める。昨日と全く同じ時間、別に急かされるような時間ではないことを良いことに彼はホッと息を吐く。目線は高いから窓に。カーテンを開ければ微かに香る朝食の香り。作っているのは勿論姉である、彼女は意外にも手先が器用だ。身嗜みをあゆ程度整えてから洗面所へと向かえば、鏡に映った自分の姿を見て。)
直哉)……んんっ…
(ちゃんと早起きはするもののいつも寝起きは機嫌が悪い。イライラしながら昨日こまめに連絡入れていたはずの後輩さえも頭から消して携帯を触ることなく自分のご飯を作り始める。ご飯と言ってもご飯、味噌汁、卵焼きといったシンプルメニューでそれを平らげるともろもろの準備をしていつもより早めに家から出る。昨日していなかった仕事をこなすためだ)
「__あぁ。お早う、氷雨」
「…おはよ、姉さん」
(寝起きは少々素直になる彼、何の躊躇もなく礼の言葉を発すれば洗面所から彼女の方へと寄って行き。彼女は眠そうに欠伸をしながら此方にチラリと目線を向ける。その目線が何処か意味深で、首を傾げれば彼女にハハッと笑われる。何故彼女が笑ったのかは分からないでいると、美味しそうな朝食をトレイに乗せて渡され。)
「さ、運んで…食べよう」
(彼女の言葉に頷けば、頂きますという声と共に朝食を開始して。いつものように美味しいその料理を眺めながらあっという間にペロリと平らげれば、彼女は告げ。)
「今日は僕が片付けとくよ。会社行っておいで」
「…は、何で?やるって」
「良いから」
(不自然な程に行動を示す彼女を不審そうに眺めつつもその好意に甘えることにして会社へと向かう。密かにあの上司に会えることを楽しみにしているなんて、そんなことは思いたくないけれど。足早に会社への足取りを速め始めて。)
直哉)ちっ…。
(会社に一番乗りだと思っていたが同期のやつに先越されギラギラと睨みながら舌打ちする。同期は俺が朝に弱い事を知っているため苦笑いしながら距離を保つ。「あー…イライラする」そう言いながらも重なった書類をひとつずつ片付け始める。)
(会社への道のりは正直あまり好きではない、車通りも人通りも多ければ心地良いからは程遠い場所にあると僕は思う。そんなつまらないことを考えながらも歩みを進めれば会社へと辿り着き、自らが所属する場所へと移動して。挨拶をしながらいつも通りの愛想笑いを浮かべて上司に愛想を振り撒けば、目線の先には昨日連絡先を交換した上司が居り。見るからに機嫌の悪そうな相手に気にした素振りを見せる事無く言葉を紡ぎ。)
「お早うございます、」
(こう言うのは気にしたら負けだ、と言わんばかりに挨拶をすれば愛想笑いは消え去って無表情となっており。ただ、愛想笑いを消したお陰か肩の力は抜けた様子で。自分の本性を多少は理解している相手にならば愛想を振り撒かなくてもいい、と言う勝手な判断をすれば自らのデスクへとついて。自分から話し掛けるのは癪に触るのか、『あまり苛々していると不健康に見えますよ、』なんてメッセージを送ってやり。)
直哉)…おはよう、ございます……。
(後輩やその他の人にも特別笑って見せたりもなく周りと同じ対応で挨拶してカタカタとパソコンを打つ。途中でバイブにしていた携帯が振動し咄嗟に仕事中だが見てみる。別に誰に文句言われる訳でもないため気にもしてない。後輩のメッセージを見るとハッとなりペちペちと自分の頬を叩いて微笑みながら返信を返す)
「朝方いつもこうなんだ~。意識してなかったから助かったよ。」
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