「世界にはゴミを捨てる場所が必要だったのだ。我々の生きる世界が、子どもたちに見せる世界をきれいに作るために、誰にも見えない場所に世界中のゴミを集めなければならない。」 ――19XX年、国際連合議長――
星暦20XX年、戦後の復興が終わった世界ではあるが、30年にも渡る長い戦争で世界は疲弊していた。
化学兵器や核兵器による汚染物質。祖国を失った難民。本人の死後も未だ批判を浴びる戦争犯罪者とその家族。仕事を失った軍人崩れの傭兵や野盗の集団。そして戦時中は英雄と持て囃された能力者。
疲弊した世界が抱えるにはあまりにもおもすぎる問題に、煮詰まって疲弊した国際連合は通常では考えられない結論を出してしまった。
「世界が有害だと認めたものを一箇所に集めて捨ててしまおう」
太平洋中央部、到達困難地点にそれは作られた。とても、とても巨大な人工島、メガフロート。山のような汚染物質や廃棄物と世界から見捨てられた人間が放り込まれる「世界のゴミ箱」は次第にこう呼ばれるようになっていった。
【有害指定都市】と
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