匿名さん 2019-02-04 10:52:00 ID:9ed30faad |
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ある日、ロデリックが僕の前に広げたのは、幾つもの分厚い紙の束。大木を切って作られたログテーブルの上で、僅かな埃が陽の光を反射し、緩やかに舞う。窓の外では薄い青が空を支え、そろそろ紅葉を始める森は昨日と同じようにそこに佇んでいた。
ーいいかい?これは100年先まで見通せるカレンダーなんだよ。
暖かな室内で、言い聞かせるようにロデリックは僕に告げた。僕は何と言ったらいいのか分からなくて、ただ、今、僕に膝を提供し、父親みたいに何かを教えようとしてくれている彼を見つめ返した。すると、彼は静かに目を細め、片手で僕の頭を撫でて、もう片方の手では机上の紙をめくり始めた。落ち着いていて優しい手の感覚に、僕もうっとりと目を細めかける。だけれど、僕の瞼が落ちる前に彼は紙をめくる手をとめて、そこの一部を指でなぞりながら穏やかに続けた。
ー起きて。大事な話。ここが君の命日だよ。
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