着ぐるみパンダさん 2019-02-03 15:45:05 |
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………げ。なんでお兄ィ知っとるん…
…嫌や。こんなクソ晴れた日ィになんで外でなあかんねん…死ぬ。…今日も世界はクソや……
(休みならよかったのに。思わず真顔で思いつつぼんやりと目を覚ましていく。嗚呼そう言えばそうだった。なんで両親揃って呼ばれているのか見当はつかなかったものの、予定があるのは確か。それならぶっちゃけ彼が仕事してくれれば万事解決ではないか。そんな思いもあったものの、さすがに呉服店の職務内容は己がせねば不味い。布団を剥ぎ取られ寒さに丸まって恨めしげな声を上げ世の中を呪いつつ脇に差し入れられた手をそのまま受け入れてはだらーん、と猫のように伸びて)
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(/成程対策がバッチリですね…!(違)
了解です◎)
七王が前に呼び出しあった時にサボったからだろ?送迎もしてやるから、さっさと起きる。七王の好きなやつも作ってあるから暖かいうちに食べて欲しいんだけどなー。
(だらんと伸びる弟の身体はいつもの様に柔らかい。まるで猫が抱き上げられたときの様子にあ、これ小説のネタに使えそうと思考を働かせる。もう少しこの様子を見てみたいと思うが時間がギリギリになっては元も子もないと、自分と向かい合わせにし、腕を首に回させると軽々しく抱き上げて立ち上がる。行儀は悪いが足で器用に布団を畳めば着物が掛けてある壁へと移動するとぽんぽんと背中を軽く叩いて覚醒できるよう促して)
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(/それでは背後はドロンさせていただきますね!)
どうせ見合いせぇとかそういうのやろ……メンド…
…それなら起きる、食べたいし。…あ"ー…眠い…
(以前からの呼び出し内容は大体さっさと家督を告げだの見合いをしろだのそんな事ばかりだ。今回もどうせそんな感じのお小言を言いたいがための呼び出しだろうと推測を。ボリボリと後頭部をかきながら欠伸を一つ。そんな中軽々と抱き上げられてしまえばこれも日常茶飯事、相変わらず見かけによらず力があるなと内心思いつつ彼の言葉に好物があると聞けばそれなら早く起きねば、と。漸く覚醒したのか垂れた目元を開き室内の明るさに眩そうに瞬きを繰り返し)
お兄ィ、降ろしてや。着替えるわ、
ん、やっと起きたかただっ子め。
(その言葉によし、勝ったと思えば抱き上げていた弟をそっと床に下ろすと自分は小物がしまってある箪笥の前へと移動する。掛けてあるのは山藍摺色の着物だけなので中に着る襦袢や帯、白い足袋などは箪笥から取り出し、着る順番に重ねて置いておくと、それを持って弟に近づいて)
お前ももう22歳なんだから嫁さんやら孫が見たいんだろ?そろそろ父様と母様安心させてやればなくなると思うけどな。
おおきに。……オレは結婚なんてせェへんよ。
(着物以外のそれらを持ってきてくれた彼へと御礼を告げてから受け取る。寝着を脱ぎパサりと床へと落とせば起きたとはいえ緩慢な動きにて袖を通していく。確かに親の言うとおりさっさと結婚なりして嫁だなんだと囲えば安心するのだろう。だが正直、婚約者なんてものがいなかったわけではない。幼少の頃であるが。好きだったわけでもない、向こうも他の男に想いを寄せていたしで円満に解消できた。己にも想い人はいるのだ、…昔から。それはそう、この目の前にいる男。幼心に兄だと名乗る存在ができた日からきっとそうだったのかもしれない。勿論そんな思いは胸にしまって「可愛い弟」であるよう務めているわけで)
なんで勿体ない…七王はぎゃっぷがあってかわいいのに…俺は早くお前の嫁さんと子ども見たいけどな。
(まだ馴染みのない横文字は舌っ足らずになり、発した言葉は自分の心にグサリと突き刺さった。弟の結婚なんかしないという言葉に内心喜びを覚えたが、それをひたむきに隠し「世話焼きの兄」を演じている。いつからか弟に恋心を抱いていたが、お互い男で血の繋がりのない兄弟であったため誰にも知らせないように隠していた。そんな思いを抱えながら、自分は床へと落ちていく寝着を広い簡単に畳んでいく。ふわりと香る弟の匂いに内心動揺しては自分自身に変態じゃねぇか、と喝を入れていった)
これ、洗濯出すからな。他出しておくのある?
…オレがさっさと結婚すりゃお兄ィは世話やかんくて良くなるもんなァ。
ん、いや特にない。先に下行ってるで。
(不慣れな横文字を告げる彼の言葉にくすり、と笑ったのも束の間。まるで結婚を望んでいるかのような言葉を投げかけられてしまえばす、と心の中が冷えていく。嗚呼、気持ちを悟られぬようしている故に当たり前であるし、正しい事なのだろう。「可愛い弟」として兄には真っ当な道を望まれている。そんなのはわかり切っていたことであるが中々心に刺さってしまう。それを勘づかれぬよう声を抑えながら着替え終えては黒の羽織を上から肩に引っ掛け、煙管を咥えちらり、後ろを振り返って声をかけては先に食事の用意ができてあるだろう居間へと降りていき)
んなことないよ、七王が居なくなったら寂しいよ。…うん、俺も後でいくな。
(居間へと降りていく背中に頬笑みを浮かべながら手を振っていると、その姿が消えてからすっと笑みを消し、手を降ろす。弟の言葉に世継ぎならば嫁をもらって子をつくるのが世の常だ。
「…本当は、お前に結婚なんてして欲しくないよ」
自分は書類上長男ではあるが血の繋がりがないため子どもを作る必要は無い。そんな理由があればこの思いを胸に秘めたまま弟のそばに居ることも可能だろうとは考えていた。だが、愛しい弟の側に綺麗な女性とかわいい子どもがいるのなら自分は家を出て1人で暮らそうと考えていたため、ポツリと零れてしまった本音に、一人何を言っているんだと自分を軽蔑し洗う寝着を持って居間へと降りていって)
……お兄ィは、……可愛い弟としか思てへんのやろなぁ…。
(居間へと一足先に降り立てばそこには使用人の姿もなく思わずぽつり、独り言がこぼれ落ちてしまう。口元には自嘲の笑み。嗚呼、情けない。こんなクズ生きてる価値もないのにいくら血は繋がらないとはいえ兄、ましてや男に想いを寄せるだなんて。世継ぎとしての顔向けもできない。それでも、…結婚なんてしたくないのだ。己の代で店を終わらせてしまうことになったとしても。最悪、養子縁組ででも跡継ぎを見つけることも考えてはいる。…両親には告げていないが。洗面所にて顔を洗い寝癖も簡単に整える。食事の用意ができている長机へと近寄れば最近輸入したという椅子へと腰掛ける。今日も美味しそうだ、空腹を煽る匂いに素直に腹部からは催促の音がなりつつ彼の到着を待って)
ごめん、遅くなった。はやく食べような。
(寝着をたらいに放り込んで足早に居間へと行くと、既に椅子に弟が腰掛けていて小さな催促の音が耳に入った。それに小さく笑えば手馴れた様子で自分と弟の茶碗と汁椀に適量の白米と味噌汁をよそって置く。そういえば今まで料理する時には割烹着を着ていたがわりと料理がしずらいので、この前洋風の茶屋でみた白い前掛けを買おうと考えながらいただきますをするために両手を合わせて)
ン、おおきに。いただきます、
(暫くして彼の姿が見えれば手際よく食事の準備を済ませていく後ろ姿をぼんやりと眺めながら新聞を広げて一覧にざっと目を通していく。経営業故にこういった見聞のチェックは欠かせない。それを簡単に流し見終えた所で支度が整えばそれを端へと寄せて。用意してくれた彼へ再び御礼をを述べてから両手を合わせていただきます、と。箸を手に取り白身魚をほぐし一口。焼き加減も塩味も丁度良い。味噌汁へ口をつけては温かさが染み渡りほぅ、と一息。白米を食し、己の好物の1である菜の花とほうれん草のおひたしを摘む。相変わらずの料理の美味さに舌鼓を打ち「美味しい、」と一言。)
…お兄ィホンマ料理上手やなあ。もうお兄ィ以外の手料理食べれへん気ィするわ。
にひひ、そう言われると俺も嬉しいなぁ。作りがいがある?
(味噌汁を啜りほっといきをつく。寒々しい朝だが温かいものを飲むとじんわりと体内から温まって体温が上がっていくようだ。白身魚もお浸しもいい具合で今日もよくできたなと考える。ふと、お昼はうどんか蕎麦にしようかと思い材料は何があるかなーと頭の中でレシピを動かしている。ふと、そうだと思いつき弟に声をかけて)
今日編集さんが良い肉くれるっていうから、晩御飯は肉でもいいか?
肉か……ええで。ほんなら夜飯までに腹空かせとくわ。
(決して朝から胃もたれするようなものではなく、栄養バランスが整えられる食のメニュー。この為だけに朝起きてるといっても過言ではなかろう。ふと、晩飯の予定を聞かされては肉、の言葉に最近肉を食していなかったし久々に豪勢なのもいいであろう。二つ返事で了承をしては、昼飯は少し抑えて置いた方が良さそうだと思案して。暫くして食べ終えては「ご馳走様。」と告げて湯呑に入ったお茶で喉を潤し)
んふふ、じゃ豪華なの作るな。…俺もごちそうさま、そんでお粗末さまでした。
(弟からの了承の言葉に笑みがまた零れる。綺麗に食べられた食器を見ては満足感に満たされ、重ねた皿を水道へと持って片付けへと入っていく。まず行ったのは、朝に使った鍋に水を貯めてそこに汚れを浮かすために食器を沈めることだ。その後、椅子に掛けておいた割烹着を着て布巾をもって机へと戻り綺麗に拭いていく。あまり汚れはなかったが水で綺麗になっていくところを見るのは気持ちが良く、それが終われば沈めていた食器を洗い始める。最近購入したたわしと石鹸で洗っていれば、冷たい水は少し堪えるがみるみる汚れが落ちていくのは面白い。それさえも終わり割烹着を脱いで椅子へ掛ければ「俺歯磨きしてくるな」と声を掛けて)
(彼が食器を片していくのを見送ってから一足先に己は歯磨きを済ませてしまう。洗面所から戻り、再び新聞を開いては気になった経済欄の箇所を適度にチェックしていく。嗚呼、株価がどうのと連日煩いのはこれか。やれ米国からの輸入がどうのと。他国との貿易が盛んになってきてから己らの呉服店も少々売上が不安定だ。理由は簡単、着物の時代ではなくなってきているから。そろそろうちも着物以外に重点を置いた方がいいだろうか。…否、それでも古き良き風習の着物が廃れるとも思えない。すっかり仕事モードの頭に切り変われば煙管を再びくわえて煙をふかし歯磨きへ行った兄に新聞に目を向けたままひら、と手で返事を返す。ブツブツと独り言を零して)
……大島紬増やしてみるのもアリか……否、あえて洋服に目をつけてもええかもなァ…。
……仕事の時は真面目だよなぁ…。
(歯磨きから帰ると新聞紙を読み何か呟きながら考えている様子を見かけたため、廊下の壁に寄りかかって腕を組んで眺める。普段はだらーんとだらけきった様子しか見ていないが仕事になるときっちりとして雰囲気が変わるようだ。その変わり様に、やっぱり弟は凄いなーと思いつつそれを知れるのは今は自分だけだと幸せに思い頬を綻ばせて)
…ン、そろそろ行ってくるわ。昼時には終わるさかい。
…面倒やけど母上ンとこ行かなあかんもんなぁ…
(彼が帰ってきてからふと、顔を上げては見られていることにようやく気づく。何だか照れくさくて苦笑を伴いながらちらりと置時計を見遣ればそろそろ店先に赴かねばなるまい。緩慢な動きにて立ち上がれば玄関口へと向かいカラン、と小気味良い音を立てる下駄を履き。そのまま見送りに来てくれた彼へと仕事の終わる時間を告げてはそのあとの両親との約束の送別も改めてお願いしてから家を出て)
まぁ頑張っておいで。行ってらっしゃい。
(軽い音をさせながら家を出る背中に手を振った。弟の背中が見えなくなるとはぁー…とため息をこぼしてからしゃがみこんで腕に額を合わせる。やはり結婚してしまうのだろうか、と1人になった家の中でだと考えてしまい寂しい思いに刈られていた。少しそうしていれば「ごめんください」と聞きなれた編集さんの声が響き、もうそうな時間だったのか!?と慌てつつ玄関先で迎えた。その後は編集さんと打ち合わせをしたり自室にある文机に向かって小説を書いたり、洗濯を行って昼までの時間を過ごしていて)
ちょくちょく覗きに来てたけど可愛い可愛い弟が居ないのはやっぱり寂しいなぁ…。匿名さん(>42)は上げてくれてありがとう、俺らの生活が見られてんのは恥ずかしいけどな。
(照れくさそうに頬を染めては指でポリポリと掻いていたが、居間で一人ぽつんと存在していること、自分以外に音がないことに寂しさを感じ眉を下げて縁側に座る。沓脱ぎ石に置いてある下駄をはいては自分の近くに置いていたお茶と生菓子に目をやって「七王が帰ってきたら食べたいなぁ…」と呟いて)
七王の用事もあるだろうし、無理しないでくれな。俺は待ってるから。
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