鯨木かさね 2018-12-31 13:01:56 |
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>鯨木さん
(屑のような連中にも丁寧に断りを入れて場を去る彼女に手を引かれながら、律儀だなと思う半面マニュアル的なものか、ああいった言い方しか知らないのだろうと。それでも今の自分に対する彼女の様子はどこか違って見えた。能面で精巧な機械人形な彼女の纏う空気がほんの僅かだが柔らかさをまとった気がしたのだ。が、しかし礼も兼ねた食事の誘いは何とも滑稽で、思わず笑い飛ばしそうになるのを堪えた自分を褒めて欲しい。礼も何も自分は彼女にぬいぐるみを渡すためにあの騒動を利用しただけで助けるつもりなどかけらもなかったのだから。既にぬいぐるみは彼女の手にあるしさっさと去っても良いのだが、なぜかもう少し、あと少しだけ彼女を観察したいと思って。「別に失態とは思わないですよ?罪歌が無用に人目に触れるのを避けられたんだから、鯨木さんの選択は間違ってなかったと思うな。……で、奢ってくれるんだっけ?じゃあ、お金はいいから鯨木さんが何か作ってくれません?既成品のレトルト食品でなければ何でもいいので。」特に食べることが好きな訳ではないが、塩分の多い薬品に毒された添加物の塊は口にしたくない。その為普段口にする食材にお金の出し惜しみはしない主義だ。彼女が何を作るかも気になるしそもそも料理は出来るのか。彼女の纏う空気の変化を気にしながら提案すれば、携帯を取り出して事務所にいる矢霧波江に今日は帰って良いと連絡を入れる。そうすることで料理の場が新宿の事務所であることを暗に示せば「とりあえず、必要になるものを買い揃えましょうか。」と新宿寄りにある無添加に拘る高級食材が揃っているスーパーへ向かった。)
>折原臨也様
(手作りの料理。きっと作れないことは無い…だが今まで自分で料理を作るそれを食べるという一連の流れは今までの生活では全くと言っていいだろう、やったことが無いのが正直な所。それを他人に振る舞うとなれば半端な物は作れない。ゆっくりと瞬きを繰り返し相手の言葉を飲み込むまで多少の沈黙があったが、目を開いた時覚悟を決めた。「分かりました。ですが、味への保証は致しません。万が一それが食べ物としての意味を為していない物であっても責任は取れませんので…。」今回は普段見ない自分を見つけるのにいい機会だったかもしれない、慣れない事ばかりさせる彼はきっと彼で楽しんでいる様子だが、この手料理だけはイチがバチか。いつもなら、何処からかのデリバリーや仕事先で連れてこられた食事会に参加したりと普段から手作り料理を口にする機会もなく食事にこれと言ってこだわりとかもそれ同様に興味が無い。連れてこられた高級品が集うスーパーは、豊富な品揃えで見たことも聞いたことも未知な者が棚に陳列していた。予め調べておいたスマホのレシピと見比べて籠に材料をほおり込んでいくその間も彼は大人しく着いてきてくれていて、無事買い物を済ませ彼の事務所まで案内される道のりを歩いてく。連れてこられた事務所らしき建物は彼の持っている1つの拠点だろう、慣れた手つきで鍵を開け扉の中へ入っていく後ろを「お邪魔します。」脱いだ靴と彼の靴を丁寧に並べ奥へと進んだ。整理整頓が行き届いた内装は色が均等にされており落ち着いた雰囲気を醸し出している、そこの一角に存在したキッチンを見つけると「では、早速作業に取り組ませて貰います。調味料と器具を拝借します。」と告げてしっかり手を洗い下準備を開始した。フライパンの中で跳ねる食材に、立ち上っていく香りは香ばしく鼻腔を刺激する。手元にあるスマホを除きながら出際よく作業を進めていくこの感じは時折仕事内での案件を整理する際に行う書類仕事と重ねてしまう、仕事の虫に成りかけているそんな体に染み付いた考えを小気味よい音と一緒に弾き飛ばして。スープ用の鍋をかき混ぜながら淡々と作業を進めて程よく出来上がったところでテーブルへと運んだ。赤いライスに具材を取り込ませて、上からふわふわの卵でコーティングしたオムライスに、キャベツと人参、厚切りのベーコンを煮込んで作ったポトフを添えて。見栄えはなんとか様になっているそれ等を並べ終えれば、「…何度も言うようですが、味の保証は致せません。…一応、レシピに沿って作りましたので、極端な味の不備はないと思います。」そう事務的に言ってのけた。)
>鯨木さん
(料理は経験が少ないのか、自信なさげな発言を2度した割に、食材選びから調理、そして完成した料理の見た目までほぼ完璧と言って良い。これで料理はしないなんて言ったら世の中の主婦が嫉妬するだろう、なんて思いながらテーブルに着き食卓を彩る料理を品定めするように見て。「料理は性格とか個性が出るって言うけど、やっぱり鯨木さんらしいよね。ポトフの野菜は火の通り方も考えてそれぞれ大きさが均等に揃えてあるし、オムライスの形もお手本みたいに整ってる。──流石機械人間ってとこかな。」評論家よろしく偉そうに食べる前から感想を述べ、褒めたかと思えば心無い皮肉を笑みを浮かべ付け足してやる。そこで漸くスプーンを手に取ると湯気の立つポトフに手を付け、息を吹きかけゆっくり冷ましてから口に含む。一言で言うと味も完璧だった。口に入れた瞬間思わず表情が一瞬和らぐほどには。程よい塩加減と味付けに野菜の食感を絶妙に残したそれはお店に出しても恥ずかしくない味だった。そして、気のせいかもしれないが、否きっと気のせいなのだが物理的な温かさではない“あたたかみ”を感じたのだ。勿論諸々と口にだしてやるつもりはなくいつもの表情で「へぇ…。悪くないと思いますよ。ていうか、これくらい料理が出来るんだったら、また新しい出会いでも探してみたらどうですか?世の中の男はこういう料理は喜ぶと思うな。」客観的に意見を述べれば、岸谷新羅への想いに蓋をした彼女に新たな恋愛を冗談抜きで冗談っぽく提案する。勿論そうなったら彼女と付き合う人間をメインにたっぷり観察させて貰うつもりだが。しっかり喋り終え次にオムライスを口にしてはとろける美味しさにすぐもう一口手をつけたくなる気持ちを抑え口内のものを飲み込むと、ちらりと相手を見て「鯨木さんも食べる?自分の作った料理の味、気になるんじゃないですか?」と新しく別のスプーンを取り出すとオムライスを掬って彼女の口元にずいっと持っていった。)
>折原臨也様
(皮肉を込めた言い回しだが、不味いと一言も言わない彼は自分の作った料理を食べてくれていた。所々にチクチクとイヤミを織り交ぜる所は相変わらずで、でも次々と箸を進める姿は見てると無性に世話を焼きたくなる。やはり彼は似ていた、猫のように気まぐれな雰囲気を纏う彼に少し母性に似た感情が沸いた、一応買っておいた果物でも剥いてやろうと再びキッチンへ戻る前に彼の問いかけに口を開く。)
「新しい出会いですか、少し前に…こんな私でも一人の人物として、それと同様な扱いをしてくれる人間には岸谷新羅様以外にもう一人出会った事があります。…平和島静雄様、あのセルティー・ストゥルルソンを友人と言っていた彼なら、私の事も受け入れる程の器は備わっていると思いますが…。」
少し目を細めて、言葉の続けを言う前に足元へと目線を下ろす。きっと彼は優しい人だ、池袋最強と恐れられているがその素性は繊細で、友人としての繋がりを第一に考えるそんな彼に自分という存在はあまりにも不釣り合いだった。幼い頃から教えられたとはいえ黒く手を染め続けた自分には真っ当な道は到底歩けないのを十分に理解しているからこそ恋愛と無縁の生活を続けている。彼と目線を合わせないまま続けた「…彼は恋愛とは無縁そうですので。」とそう補足を付け足して。結論として今は気になる相手がいないとそう伝えた。
「…味見はしましたし、不味くないなら私が食べる意味は…それに自分の作った料理の味なので特には。」断りたかったが彼の持つスプーンはなかなか引き下がらない。仕方が無さそうに彼との距離を縮め口とスプーンの下に手を添えて其れらを口へと運ぶと静かに咀嚼し飲み込む。彼が言った通り、悪くは無い味だった自分で言うのもなんだが失敗はしていないそれは美味しいという分類には入るだろう。無言で頷き、空になっていたコップに水を継ぎ足すとキッチンへ戻り皮を剥いた林檎を皿へ盛り付け彼の座るテーブルに並べる。皮をうさぎの耳に仕立てた定番の形にして、空いた皿を下げると向かいの席に一息つくため腰を下ろした。「…今回の件には幾つかの質問がございます。ひとまず簡潔に申し上げますが、ゲームセンターや私の手料理、なんでも条件を飲むと言ったのは私ですが今回のこの行動に明確な意味があると思えませんでした。」何故彼は自分をあの場に連れていったのか、試されることの多かった今日一日の行動への疑問を正直にぶつけた。
>鯨木さん
───…まあ、確かに恋愛とは無縁だろうね。というか想像したくないな。でも、あの男のパーソナルスペースに人かそうでないかなんて重要じゃないから、鯨木さんも危害さえ加えなければ受け入れて貰えると思いますよ。それに体も頭も鉄骨で人間かどうかわからないようなやつだしお似合いなんじゃないですか?
(人間とは認めたくない抹消したい人物の名前が上がり、彼の恋愛する姿を思い浮かべ愉快さと不快さが入り混じり微妙な表情を浮かべる。彼は短気ですぐ暴力を振るう傾向にあるが、それは彼自身と彼と親しくする者に危害を加えるものに対してであって、他は存外普通だ。平和島静雄が恋愛的意味は抜きにして彼女を迷いなく許容する様が容易に浮かんだが、それは平和島静雄という人間と人外の彼女の言葉を認めることになるため、素直にそうだとは言えずに人外同士の仲良しごっこだと痛烈な言葉で淡々と返した。言い過ぎとも失礼とも思わなかったが、子供っぽく勢いで言ってしまったこともあり一度気持ちをリセットするためにコップに入った水を一口飲む。そして次にテーブルに置かれたうさぎを模った林檎を見て、果たしてこの形にした意味はなんだろうと。「…鯨木さんって可愛いもの好きなの?」猫好きだし可愛いものが好きでもおかしくはないが今うさぎ型の林檎にする意味はあったのかとやや訝しげに見つつ、胴体部分にフォークを突き刺すと頭からかじって。続く質問には、やっぱりそう思うよなーと林檎を咀嚼しながら相手を見返し、飲み込んだところで笑みを浮かべ、「明確な意味は特に無いよ。重要なのは退屈かそうでないかで、貴方はどうなのか見させて貰っていただけです。まあ結果はそこそこってとこかな。」テーブルに肘をつきフォークを指でブラブラ揺らして弄びながら楽しげに述べれば、フォークを置いて徐ろに立ち上がると相手側に周って、座る相手の頬に手を伸ばすと無理やり此方を向かせ、「それより…今日したこと、世間一般では“デート”って言うんだけど、最後にのこのこ男の家に上がり込んできた鯨木さんはこの後何をされるかとか何も想像しなかったんですか?」約束の一日はまだ終わっていない。彼女の観察も。そこそこな評価を超える反応を期待するように笑みを深め、らしくない言動を取りダークブラウンの瞳をじっと見た。)
(可愛いものは好きだった。其れは幼い頃からずっと好きだと言える唯一のもので、可愛い服を着させてもらえない変わりに可愛い何かを愛でるだけが許されていたからだろう。この林檎を兎の形に切ったのだって普通の物よりも可愛い方が得があると感じるからで、相手がそれを齧るのを見て「…可愛いものは見るだけで心を癒すヒーリング効果が有ります。日々疲れきった心にゆとりを持たせる事も、私の場合日々を生きる糧に可愛いという要素が活動源の二の次を補っていると言えます。」前に雑誌で見た知識を交えて、席を立った相手を目で追った。伸びてきた手を避ける事はせずに掴まれた顎、強制的に相手の双方の目を見つめる体制のまま表情はやはりなんの色も移さない真顔だが、掴まれた手を払い除けもせずに淡々と口を開いた。「…男は皆狼。世間一般論で言うなら男は皆欲に忠実な生き物だと言えます。ですが、貴方の場合≪人間≫という1つの分類にしか興味は無いんのではないですか?」相手は自分がどう出るか、この後の行動を予想してその先にある何かに期待をしている。だが、自分は彼の期待をいい意味では裏切れない。説明書みたいに元々から用意された文字を繰り返し、繰り返し何の面白味のない其れが鯨木かさねという1つの存在に過ぎないというのに。向けられた視線に何時とも代わり映えのしない瞳を向けるが、近づけられた顔に沿うように此方も手を伸ばせば相手の黒髪をそっと撫でるように手を滑らせた。サラサラとした手触りに手入れの行き届いた髪はなかなかの触り心地で思わず両手を伸ばし包み込む様に撫でてしまっていた…。)
>鯨木さん
(可愛いものを堅く論ずるのは彼女らしい。要は好きだと一言で言ってしまえることなのだが、論理的言い回しは嫌いではなかった。しかし次の回答は真意こそついていたが予想通りで退屈だった。まあそもそも何か期待していた此方が軽忽だったかと少々つまらなそうに表情を落とし頬から手を離して離れようとするが、その前に細い腕が伸びてきて髪に触れられて。この行動はまるで予測していなく避ける隙を失い撫で受けしてしまえば不快さと怪訝が入り混じった顔で相手を見て。前に猫カフェで黒猫に似ていると言われたことまで思い出してしまえば、「……なにがしたいの?」と思ったまま質問を口にしていた。意図が読みきれずにいたが、それと共に沸々湧いてきたのは加虐心とつい先程引いた好奇心。このまま彼女のペースになるのは頂けなく、「ちょっと来てよ。」と髪を撫でる手を掴むと有無を言わさず無理やり手を引き大きなソファーのある部屋へ連れて行き、どんっとやや強めに華奢な体をソファーに仰向けになるように押すと彼女の頭の横に手をついて覆いかぶさって。「鯨木さん。さっき貴方は俺が人間にしか興味がないって言ったけど…──そのとおりだよ。俺は人間を愛しているし、貴方みたいな人間の皮を被った人外に吐き気すら覚える。けどね、人間を愛するのと同じぐらい、人外を踏みにじってめちゃくちゃにするのも大好きなんだ。」狂気じみた笑いを浮かべ爛々と目を輝かせ楽しげに言うも、少々オーバーすぎただろうか、と内心冷静さを保ちつつ、彼女の顔の横に置いていた手で片方の手首だけ押さえつけ首元に顔を寄せ「今日、鯨木さんの一日は俺のものでしたよね?」と抵抗は取引に反すると声をやや低くし示唆すれば口元に笑みを浮かべた。)
>折原臨也様
(彼の驚きと不快さが滲み出た表情を見たあと、次に感じたのは背中への衝撃と覆い被さる彼の瞳。爛々とした笑みを浮かべているのに、押さえ付けられた片手首に感じる圧迫感に狂気を感じるその行為にさへも自分の表情は揺るがなかった。彼は今回の取引を背後に抵抗する事は契約に反すると、その言葉を素直に飲み込み首元に顔を埋める彼の髪が時折こしょばゆい。抵抗すら事は許されない、この状況から逃げ出すことを否定され自分に残された選択は1つも無く。彼が飽きる迄耐え凌ぐ覚悟を決めた時、何時も何も言わない筈の罪歌が微かな声でこう言い放った、≪───貴方を愛して、愛してくれる人がいるなんて驚きね。貴方もその人を愛してあげないといけないんじゃない?≫そう告げるだけで後は何も言わなくなったが、彼は自分を愛しているのでは無く踏みにじってめちゃくちゃにしたいとそう告げたというのに。人を愛する事しか知らない罪歌に反論するのは意味が無いと判断して、罪歌の言う愛し方は人を斬ることのみだが今はその行為も抵抗に含まれてしまうと冷静に考えた。「…私を壊す。…以前園原杏里様に会った時私はこう言いました。私は悪人だと、出来るだけ人の手で苦しめられ陵辱され命乞いの通じぬまま嬲り殺されるのが見合う存在なんだと。」彼の目は見ていない、押し倒されたまま天井の壁をみてぽつりと漏らした。だが、今言ったその日がくるまで自分は今を楽しむしその日が来ないように出来るだけの最前は尽くすとも彼女に行ったのだが、それは喉の奥にしまい込み。反射的に赤く、紅く鈍い光を灯してしまった目を隠すようにゆっくり閉じて「私の過去の所行を事細かく全て世界に晒し上げれば、その大半は私を罪人だと、裁かれるべきだと断じることでしょう。ですが、その中の復讐者から殺されるよりも貴方その手で…殺されたい。でも、之だけは言わせてください、───楽しかった。」
最後の言葉は淡々とした口調とは違い、心の奥底から出てきた言葉。たった一言のそれに固く閉ざされた扉の向こうからやっと引っ張り出してきた特別感を自分でも感じた。らしくない、そう思いつつその言葉に合わせて掴まれていない方の空いた手で再び彼の後頭部を撫でるとそのまま抱きしめるように力を込めた。)
>鯨木さん
(この状況において次に続く行いを本気でするつもりなど更々ない。彼女が此方が本気でないのを察しているかは別として、裏で長く生きてきた彼女もこの後の行いを理解しているはずなのに、ゲームセンターでの行動や料理を指示したときと同じ表情で抵抗らしい抵抗はしない。仕事や取引となればここまで無になれるのか、人外とは言えどこか哀れむ表情で顔を上げかけたところで彼女が口を開く。自分の行いもそれに対する報いも全て悟った言葉。だからと言って彼女の犯してきた罪が帳消しになるわけではないが何故か紡がれる言葉が清く聞こえ、一瞬見えた気がした紅い瞳に惹きつけられたのもあったのか、いつの間にか彼女の発する声に引き込まれていた。気付けばすぐ近くに感じる体温と鼻腔を擽る髪の香り…、つい先程自ら迫ったときよりも鮮明にそれを感じた。数秒思考が停止して身動きが取れずにいたが、ゆっくりと頭が回り始めた途端、ふっと吹き出し始めは小さく段々声を大きくして笑いだし、ピタッと笑いを止めれば上半身を起こし彼女を見下ろして、「最高だよ。この状況になっても無反応か意味がないといなされるのは予想していたけど、殺されたい、に楽しかった、なんて。」恐らく最後の“楽しかった”は本気だった。それを理解しながら、一瞬彼女に引き込まれた自分を誤魔化すように技と貶す言い方をする。「でも、俺は俺に殺されても良いなんて言う奴は殺してやらない。殺されたくない死にたくないと思ってる奴を貶めて殺るほうが数倍楽しいからね。…あ、でも楽しかったのは俺もですよ。」へらりと調子の良い口ぶりで言えばヒョイッと相手の上から退いてソファーから少し離れて「楽しかったのなら、また会いません?次は鯨木さんの行きたいところで。」と自分でも思ってもみない取引抜きの誘いをする。楽しい…、彼女といるのは確かに退屈しない。それは“観察”という意味でだ。人外には興味がないはずなのに彼女から感じる気のせいともいえるほんの僅かな感情の動きが癖になっているようだった。)
>折原臨也様
(高らかに笑い声を響かせる相手は、ソファーから離れて行った。それに続いて此方も身を起こし座るだけの体勢になると、死にたい奴は殺さない。相手の言葉はまるで自分が死にたがりで、死ぬ事を望んでいる風に聞こえたがそれは違う。悪魔で選択肢が無かったから…壊されるならその後に殺されても仕方ないとそう思ったから、弁解しようと口を開くも直ぐに閉じた。これ以上、自分の心内を晒し続ける意味も無いのにやはり今の自分は冷静な判断が鈍っているみたいで、ふと油断すると余計な事まで口走ってしまいそうになる。乱れた服を素早く直して「…今回は仕事の内の一環ですが、今度また会うと仰るならそれはプライベートで貴方と会う…という事になりますね。…検討しておきます。」素直にはいとは言わず、濁した返答をすれば部屋の隅にある時計に目を向ける。約束の時間まであと少し余裕があるも、この後にも控えている仕事はきっと残り僅かになった今日以内に終わる気がしない、徹夜も免れない憂鬱な気分が滲み出てきてしまい僅かな溜息が漏れた。時間は有効に使うべきだ、前回の部屋に置いていた自身の鞄と荷物を纏め始めると近くにあった人形を再び持ち上げた。その時感じた違和感、些細なもので最初は気の所為かと思ったが何せこれを持っていたのは彼だ念には念を。爪先からわずかな刃を覗かせて人形のちょうど喉あたりを掻き切り中を除く、予想は的中黒く機械的な薄い板状のなにかが顔を見せた。盗聴器といったそこら類のものに違いない。彼の観察への執着心は末恐ろしい…、その人形とそれを掴み彼の元へ「…貴方のその好奇心には人間として高く評価するべき点です。さらに向上させるには時と場、節度と限度を守るとより良いものになると思います。」彼の目の前に機械を見せつけると、そのまま指を折りたたみ手の中へ包み込んだ。徐々に力を加えて機械から軋む悲鳴が聞こえると次には破壊音が聞こえ、其れは破片へと変貌したのだが。表情は変わらずだが少し怒りに似た何かを滲ませて変わり果てた姿になったモノを彼の手に、それも丁寧に握らせて。「…又、連絡します。」それだけ残して部屋を出た。)
>鯨木さん
(相手が去った部屋、しばらく閉じた扉を無表情で見て視線を無残な姿になった産物へと落とし。やはり相手は気付いた。あの人並み外れた洞察力で。今日一日彼女を観てきて時折感じた感情の動きが本当だったかは分からないが、確かにそれらは人間らしかった。それに魅せられたのも事実。しかし、どうだろう。ぬいぐるみを裂き盗聴器を壊す姿は異質…、人外そのものだった。これ以上彼女だけに関わる意味はないはずなのだが、楽しいと思う自分が居た。こちらの誘いに対する“検討する”はプライベートと踏まえれば彼女の中では上々なのではないか…。うっすら口元に笑みを浮かべると廃棄物と化した物を屑入れに投げ入れた。)
(/背後が失礼します。今回話にひと区切り付けさせていただきましたが、今後回していきたい展開などはありますか?べたなところですと、どちらかが負傷もしくは風邪を引いていて看病するなどありますが…/汗
他キャラも登場させたらバリエーションは増えそうですね…!あと今後はもう少し臨也くんを柔らかくして鯨木さんに歩み寄れたらなと考えています/笑)
(/背後の者です!!そうですね、ベタな展開でも臨也様とならベタ中のベタでも全然大丈夫です!(笑)そうですね?、怪我をするのも捨て難いですし、風邪で弱った臨也様を見てみたいという気持ちも捨てきれませんね…汗。
他キャラも加えれば話の展開も増やせそうですしね!では、ひとまず怪我をするというのを試したいのですが此方としては怪我をするでも怪我をした相手の看病でも全然構いません!!鯨木がなかなか怪我をするというイメージが湧きませんがどちらでも可能ですので、臨也様背後様のやりやすい方向でやらせて頂ければ…投げやりな質問ですいません。泣、)
>鯨木さん
(/再び背後から失礼します!確かに鯨木さんが誰かに負けるイメージはあまり浮かばないですね…!でも弱った姿も絶対に美人だと思います/笑
では今回は臨也くんが負傷する形で話を進めさせていただき、追々鯨木さんが風邪で弱る話をするというのはどうでしょう…。鯨木さんが弱っていてそれを愛でたいという此方の我儘ですので流して頂いても構いません!あとアニメでは臨也くんは鯨木さんに敬語を使っていたのですが、臨也くんらしさを出したいので敬語をなくしていきたいと思っているのですがよろしいでしょうか?既に敬語で話していないところはありますが/笑
最後に次のロルですが順番で行くと鯨木さん背後さまの番ですが、場面の切り替え的にこちらからのほうが良さそうでしたらそうさせて頂きます。長々とすみません/汗)
(/全てにおいて了解致しました!では、最初は臨也様が負傷する形でのちのち鯨木ちゃんが風邪にかかるという流れでいきましょう!!
我儘はどんどん言ってください!此方も似ていないなりにも一生懸命頑張らせて頂きますので!笑
私としても、臨也様と敬語を抜きで素の会話ができる日が来るのを願って…ではお手数おかけしますが臨也様背後様からのロル回しでいいでしょうか?よろしくお願いします。)
>鯨木さん
(鯨木かさねとデートまがいな行い、もとい観察をしてから数日たった頃、今の自分は危機的な状況に置かれていた。渋谷の路地裏、それこそ以前仔猫が捨てられていたような場所で立つことも動くことも出来ずに壁に背を預けてだらり腕を下げた状態で座っていた。脇腹からは夥しい血液が溢れるが腕は上がらずに止血することすら許されず、足も何とか足先を動かせる程度。咳き込むたびに体の節々が悲鳴を上げ口内には血液が溢れてそのたびに地面に吐き捨てるが途中からその気力もなってきて。通信手段のスマホも壊された。こうなったのも全て自分のまいた種。自業自得。いつか痛い目をみる覚悟はしていたがいざ死に際になってみると、死にたくないと思う自分がいて笑えてしまう。実際口元には笑みを浮かべていた為端から見ると異様かもしれない。ちなみに犯人たちは顔を隠していた為分からないが心当たりがありすぎるため特定は出来ていない。まあこのままでは誰に殺られたかも分らず一生を終えそうだが。自分が死んだとして悲しむ人間はいなさそう、むしろ喜ぶ人間のほうが多いのではないか。一瞬脳裏に岸谷新羅や妹たち…そしてなぜか鯨木かさねの顔が浮かび、思わず吹き出してしまい「はは、ないな。」と。拍子に口端から血がツーと伝うが拭うことはせず浅くなっていく呼吸を感じながら路地裏から見える澱んだ空を仰いで。)
(/こちらの我儘を聞いてくださりありがとうございます。此方ばかりでは申し訳ないので主様も遠慮せずにやりたいことをやりたいだけ盛り込んでくださいね。そして負傷ロル回させて頂きました。拾ってやるなり追い打ちかけてやるなり遊んでやってください/笑
ではでは今後も非似な臨也くんをよろしくおねがいします!こちら蹴って頂いて構いません。)
>折原臨也
(それは突然だった、罪歌の僅かなざわめきと鳴り止まないスマホの通知。非常事態だと一目瞭然のその状況、その中心となっているのが彼だということも何処でどういう状況かも全て罪歌の子達が伝達し、顔は分からないが犯人らしき人の影を追っているということも知った上彼がいる場所へと颯爽と歩みを進めた。薄暗い路地裏、何処か見覚えのあるその場所に迷いなく突き進めば力なく空を拝む彼の姿、口角を引き上げ笑う彼も顔は案の定青ざめている。「…無様とはこの事を言うのですね。今回の貴方のその状況を作り出したのは貴方自身の失態です、自分の蒔いた種にまんまと引っかかった…この前の私のアドバイスはお忘れになったのですか?」時と場合、節度と限度を守るようにと言った傍からこの有様だ。手を差し伸べるわけでもなく唯見下ろす体勢のまま口端から血を流す彼を見ることしかしなかった。見てわかる外傷と息遣いから察するに相手が危ない状態なのは分かっていたがそれでもなかなか手を貸さないのにも、痛い目を見て今後の行動を見返すいいチャンスにもなる。「今回ので身に染みたでしょう。」薄く目を開ける彼もそろそろ限界な筈。やっとしゃがみこみ顔を除くように血が付着し少し重くなった上着のちょうど脇のところに手を差し入れ、力を入れれば容易く彼の体を持ち上げることが出来る。まともに足を運べない彼をそのまま俵を担ぐ容量で左肩に乗せるようにかつぎ込み腰の位置に片腕を回して固定して、壁をける要領で建物の屋根へと飛び移った。「…少々、揺れます。傷に響くかもしれませんが我慢してください。」そう短く返して自分の持つ中で一番この場所に近い事務所へと向かっていった。)
>鯨木さん
……誰かと思えば───そんなこと貴方に言われなくても分かって、ますよ。でも俺は自分の行いを悔い改めることなんてない。こんな楽しいことやめられるはずがないし…、今更改心したところで…っ、何も変わらないでしょ。
(突如落ちて来た影に視線を空から下へ落とせば、つい先程脳裏を掠めた女の姿。トドメでも刺しに来たのかと思うがそれも違うらしく、言われたことに小さく嘲笑を浮かべまるで怪我を負ってもそれすら楽しむような物言いで、一切反省の素振りをみせずに息を時折切らしながらも今出せる余裕を見せてやる。しかしそんな余裕を見せられたのも束の間、すぐに視界が重たくなり、彼女は一体に何しに来たんだと思っていると突然の浮遊感に小さく目を見開き「…ッ、ちょ、…離せよ…!!」と思わず叫んで降りようとするが動いたせいで襲う痛みに表情を歪めて。人外に、女に運ばれるなんて屈辱以外のなにものでもないが、今の自分に抵抗は出来ないため相手が何を企んでいるかは分からないが今は身を委ねるしかなく体の力を抜いて。
連れられたのは相手の事務所だろうか、相手に担がれたまま冷や汗をうっすら額ににじませながら目をかろうじて開けば床を見つめたまま口を開いて「…早く降ろしてくれません?すごく不快だから。……それで、俺に何か聞きたいことでも、あるんですか?」この状況でもふてぶてしい態度をやめずに口角を薄っすら持ち上げて、此処に連れてきた目的を暗に問うも声色は随分と弱々しいものだった。)
>折原臨也様
「…そこは素直に助けてくれて有難う、と言えないのですか?…、怪我をしている貴方をあのまま放置していれば死ぬ可能性が高かったためここまで運びました。」担がれている彼は、皮肉めいた口調で自身の腕の中から出ようと無理に身体を捩らせる。身の安否よりもプライドが高い彼だからか相当な痛みがあるはずなのに尚も口角を上げ余裕を見せようとするその姿勢にはもはや執念や執着程の何かを感じた。相手を下ろすにも生憎この事務所にはベットもなく仕事に必要な物しか置いていない状況、仕方なくだが革製のソファーに寝かせる様にそっと下ろす。素直に身を沈める彼の頭に丁寧にクッションを敷いてやり、奥の方から救急箱を探し出し中を除くも有るのは絆創膏や消毒液と容易なものしかなく、今の彼にはこの程度では意味をなさない。どうしたものかと考え込むも、荒い息を繰り返す相手にはタイムリミットが近づいているのは確かに感じる。「…手当が出来る環境が整っていない此処では応急処置しか出来ません。ひとまずですがその出血を止める必要があります、服を脱いで貰えますか?」汚れや血を盛大に吸った服では衛生的にも傷にも悪い、その布を取り払った末消毒液と新品の無地のタオルでどうにか止血を試みようとソファーに近づいて。なかなか脱ごうとしない彼、そこでもプライドが邪魔をするならと赤黒く汚れたコートに手を掛け無理矢理にでも脱がそうと力を込めた。「…ほら、バンザイして下さい。」少し芽生えた悪戯心に抑揚の無い声色でわざとらしく上記を述べて。)
>鯨木さん
別に俺が死んで鯨木さんが困ることなんてないでしょ。というか…、実はまた澱切絡みだったりして…。あの時も中々痛かったなぁー
(自分に素直なんて無理なのではないか。いやむしろ自分はつねに自分のしたいように素直に生きている。礼を言わないのが自分にとっての素直だ。なんて屁理屈を内心思いながら口端を上げて彼女にとって自分は生きているほうが害なのではと。以前澱切陣内に…──裏で彼女が動いていたので彼女と言っても良いが…、刺されたのは記憶に新しい。今回もそうなんじゃないかと相手の表情を読むが無表情からは何も分らず、痛みに耐えながら大人しくソファーに身を預け、彼女が救急箱を探す様子を少々妙な気持ちになりながら薄目で見ていて。悔しいが今は彼女に頼るしか無い。彼女の言葉を聞きながら大人しく治療を受けようと私心に折り合いをつけるも、最後に出た要求にピクリと眉尻を上げ。あからさまに嫌そうな表情をするもコートに手掛けられ力が加われば堪らず唇を噛む。声を出すのは自尊心で抑え込むが引く様子のない無表情の彼女が笑っているように見え、「なんかさ、楽しんでない?………しないよ。替えは後で持ってこさせるからこれ使って。」ふっと笑い問うもそんな答えより、そろそろ意地を張るのも限界に近い、それでもバンザイだけ断固拒否したくコートのポケットからなんかナイフを取り出すとシャツは駄目になっていいから切って脱がせろと。)
>折原臨也様
今回の件に澱切社長は関わっておりません。今は別の案件で動いてらっしゃいますので、貴方に怪我を負わせた犯人は別の人物でしょう。…安心してください。
(以前彼を刺したのは澱切陣内なのは確かだ。それは澱切陣内であって自身の意思でもあるのだが、あの時あの状況では彼は目の上に出来たたんこぶ…つまり仕事に害を及ぼす邪魔な存在だと判断し、澱切という肩書きだけを持った人物に彼を襲わせた。彼は知っているはずだ澱切陣内はとっくに名前だけを残しこの世に存在しないことも、全てを知りすぎた彼だからこそ自分を刺したのではと警戒するのも仕方がないが。それは違うと、やんわりと首を横に振った。大人しくソファーに背を預けるのはかなりまいっているからなのか、抵抗する力も残っておらず神妙な顔でナイフを取り出せば、手に握らせて服を着って脱がせろとのことで。「…恥ずかしがっていて拉致が飽きませんね。貴方は怪我人です大人しく私の言うことを聞いてください。」手渡されたナイフは直ぐに近くの床に投げ捨てた。こんなもの使わなくとも彼の服など引き裂くことも容易いのにそれをしないのは、単なる嫌がらせ。彼の嫌がる顔を見たい好奇心に負けたからなのだが、それを口にすることはせず無理やり彼の服を引っ張る形で脱がせた。服を着ていた状態でも分かったけど彼は細い、でもガリガリというよりは程よい筋肉もついているけど異様なまでの肌の白さが目立つ脇腹近くに、赤く乾き切っていない血が垂れているそこには抉れるように出来た傷が酷く痛々しく見えて。やんわりとその周りを謎るように指を這わせた。「…痛いですか?」)
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