小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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…確かに、それもそうですね。明日から復帰しようと考えていたのですが、やはり休んだ方がよろしいでしょうか。
(体が幾ら回復したとは言え、迷惑をかけては元も子もない。当たり前のように語っていた事も、今一度確認を1つ。相手の言葉に、「本当ですか、それは良かった。」と一安心。後者の言葉に少しばかり引っかかる部分はあれど、今日は自分の為に食事を用意してくれた為、昼ご飯の時間は遅れた上に、普段の相手の食事量を考えると仕方無しかと。渡された薬を服薬して、立ち上がった相手に視線合わせつ、少しばかり考え事を。相手の作品は全て完読しているが、読むたびに深みが増すのも魅力の1つで飽きることがない。毎日、少しずつ読み進めている本もあるがせっかくゆっくりとした時間があるのだから、久しく1冊読み終えようと提案を、)可能であれば、先生の小説を読みたいです。書斎にあるもので、選択はお任せします。
一日中寝ていろとは言わないけど、余り動き回らない方が良い。一先ず料理くらいにしておいた方が良いんじゃないかい。(少しずつ時間を掛けて通常に戻っていけば良いのだから、明日は料理くらいに留めておいた方が良いのでは無いかと提案を。いつも新刊が出ると真っ先に書店に向かう相手のこと、繰り返し読んで飽きないものかと思うが相手に限ってはそんな事も無いようで。少し待っているように言って一度書斎へ戻ると、本棚に並ぶ文庫本に視線を走らせさて、どれにしようかと。背表紙を眺めつつ手に取ったのは、6年程前に出版された一冊。毎日のようにやって来る青年に世話役にして欲しいと懇願されては家に帰れと追い返し、試しに淹れさせた緩い茶を飲んでは不味いと突っぱねていた頃にちょうど執筆していたのが、此の話だった筈だ。頁を軽く捲りつつ、原稿の上に茶を零され一日口を利かなかった日もあったと思い出し、思わず一人笑ってしまいながらもその本を手に再び相手の元へと戻ると其れを差し出して。)──…ほら、此れでも読んでいな。あんまり夜更かしするんじゃあないよ。
分かりました、…それと、先生がよろしければ肩くらいは揉ませて下さい。今日お休みしてしまったので、サービスしますよ。なんて。
(毎日解しても解しきれない相手の体は多忙を現しており、相手が良ければ明日にでも、いつもの時間より気持ち多めにしようかと提案を。渡された本はこの家に来てお世話役となって始めて刊行された小説で。自分が働き出してからは、ほぼ完成していた作品であるも寒い夜は微睡む先生に半纏を掛け乍、執筆途中だった其の作品に目を通しては憧れていた小説家の原稿は輝いて見え、発売されるのを心待ちにしていた記憶が蘇る。後者に至っては今も発売日を手帳に記し全て自分のお金で購入している。今も昔も、然るべき対価を支払う事にも意味があり、時に編集から渡される事もあったが断って来たのはその為で。新鮮な気持ちを胸に、本の題名を見るだけで、胸は静かに踊る。お礼を一言、)これは…あはは、懐かしいですね。ありがとうございます。では、今日はこれを読んでから就寝しようと思います。
ん、頼むよ…此の所肩凝りが酷くて困る。(相手の提案は此方としても有難いもの、元々相手に頼もうと思っていた為頷いて、自分で片方の肩を解しつつぼやいて。渡した本を見て、相手も自分と同じように懐かしさに浸ったようでその反応に少し表情を緩めて。この6年は余りにあっという間で、家事から担当者の対応まで任せている今となっては既に相手の居なかった生活が想像出来ない程で。そう考えると相手もだいぶ成長したようだと思いつつ、本を見る相手の瞳が子供のように輝いているのを見て軽くその髪を撫でてやり。おやすみ、と声を掛けると部屋を出て再び筆を執り乍煙草を一本。その後執筆に没頭している間に丑三つ時を回り、やがて机に向かい頬杖を突いていた体勢が崩れ本格的に眠ってしまい。相手が来る前は幾度となく繰り返していた事だったがもう若くはない、明日にはまた身体が痛いとぼやく事になりそうだが、その体勢のまま小さく寝息を立てて深い眠りに落ちていき。)
─、(昨晩、相手にお休みなさいと告げた後小説を読み終えた頃には日を跨いでいた。一度熱中してしまうと周りが見えない程にのめり込んでしまうのは昔からで、久しく物語を最初から最後まで一気に見送る事が出来た。寝不足かと問われると否定はできないが昨日一日ゆっくり休んでいた為体も軽く気分も爽快。朝食の準備を終え、居間の机に配膳を。起床しているであろう相手を呼びに、部屋へと向かいノックを1つ2つ、「お早う御座います、先生。朝食が出来ましたので、お呼びしました」と一言。たった1日お休みを頂いていただけであるも、やはり自分はこうして相手に尽くす事が性に合っており、何気ない毎日の行いも今だけは改めて幸せを身に染みて、)
…おはよう、もう起き出して良いのかい。
(変な体勢で寝たものだから目が覚めるのも早く、相手の呼びに来る数時間前から執筆を再開していて。締め切りに追われるのは好きではなく、普段から締め切りの随分前に書き終えるようにはしていたが、此の所は書かなければならない本数が増えたため多少なりとも締め切りを気にしなければならなくなった。相手の呼ぶ声が聞こえたのはちょうど筆を止めていた時分で軽く返事を返し、居間へと向かいつつ眉間を解して。食事の用意された自分の席に座ると茶を運んできた相手を見上げてそう尋ね乍、いただきます、と手を合わせ。)
ご心配ありがとうございます。はい、お陰様で身体も軽く
、先生のお陰です。
(声を掛け、居間へと通すと中で相手の動きが硬いように感じた。早朝に寝室へ寝具を片しに行こうとするが部屋は空だった。きっと昨晩は寝室に行くこともなく机で寝落ちしたのだろう。昨日言った通り、今日は支障がない範囲で少し多めに時間を取ろうと。静かにお茶を添え、自分も前に鎮座。頂きます、と手を合わせ一口。基本的に相手が書く作品は全て把握済みであるが、執筆途中の作品はあまり多く目を掛けない事にしている。自分の一言が影響しては元も子もなく、今ばかりは体調を気にかけ。)先生、睡眠はしっかり取れていますか?僕にできる事があるなら、なんだって言って下さいね。
そうかい、…油断はしないで、一週間は毎日の薬を欠かさないようにしなさいよ。(相手の言葉と元気な様子に安堵するも、今後一週間は薬を欠かさず無理をしないようにと注意しておき。相手が己の体調を案じてくれるのはいつもの事だったが、今日はきちんと休めているかという問いが加わる辺り、自分が寝室に戻らなかった事も気付いていたのだろう。軽く首を回しつつ、自業自得としか言いようがないが節々が軋むようで深々と溜息を。しかし元はと言えば急に執筆依頼が倍増したせいで、少しは年齢も考えて欲しいものだと文句を。)──…昨晩は書き物をしながらいつの間にか眠っちまってね…其処ら中痛くて敵わない。…だいたい、もう歳だってのに在れをやれ此れをやれって要求が多すぎるんだ。…後で、肩さすっておくれよ、
はい、ありがとうございます。体調が万全になるまでは外出も極力控えますね。
(相手と食べる食事は美味しく、朝ごはんに何度も手をつけつつ今までの事をふと振り返ってみよう。先生の賞歴や知名度から今でも様々な出版社から声はかかる。自分がここに来てからもメディア嫌いは変わっていなが毎年一定数は粘り強くテレビ出演などの依頼もあり、今までも可能な限り対応し時に取捨選択を行ってきたつもりだが体力にも上限はある。相手が体力を理由に妥協をするとは思えない。スケジュール管理も今一度見直すべきかと、思案。)それはそれは、ほぐし甲斐がありますね。先生の作品が多くの人に知れ渡るのは嬉しい事ですが、掛けるべきセーブは掛けないといけない時期に入ったのでしょう。食べ終えたら、致しますね。
ん、其れが良い。昔から顔見知りの商店なんかは、品物を持って家まで来てくれるから呼んでも構わないよ。
(相手の作る料理なら食べる気になるようで、特段食が細いという事もなく朝食に箸をつけつつそう提案して。お得意様とでも言うのだろうか、昔から顔見知りの商店は連絡さえすれば品物を持って来てくれる。昔は主に、家まで来てもらっては文具ばかりを購入していたが必要であれば食材などを持って来て貰えば良いと。仕事に関しては通常の執筆から、依頼される連載作品の執筆、はたまた文芸誌などに載るインタビューや講演、何やらの審査員。最近では普段の生活を追わせて欲しいというテレビ局の依頼まで、到底“小説家”というだけの肩書きでは追いつかないような仕事が増えてきているのは確かで。テレビ局の件は一度断りはしたものの根強く頼み込まれなあなあになっている。自分は特にその依頼があったことについて相手に報告はして居ないが、そろそろ相手の元にも正式に連絡が行った頃かもしれないと思い出しては小さく溜息を。相手が管理をしてくれているため本当に嫌がるような仕事は自然と外れているし余りに詰め込まれていることもない。世間に望まれるのであればなるべく応えたいとは思うが、何せ静かに好きな事をしているのが好きなたち、若くは無いことを改めて実感はさせられるが相手の言う事には納得できる。お茶を啜りつつもその辺りの管理に関してはいつもの如く相手に丸投げしつつ何処ぞの老人めいた言葉を。)…その辺はお前さんに任せておけば、上手くやってくれるだろうからね。…最初はお茶汲みだけでも精一杯だったのに、6年もあればお前さんみたいな子でも一端の世話役になるんだから、そりゃあ歳も取るさ、
ご足労頂くのは少しばかり心苦しいですが…1週間は、お言葉に甘えて、そう致しますね。
(昨日までは寝込んでいた身、見知った顔だからこそ心苦しい気もあるが、仕方なし。昼前に一報、掛けようと思案。ここに来た当初は学も歴も無い上に家事全般は人並み以下。右も左も分からず、お茶淹れ1つでも幾度と注意を受けてきた。料理だって今では板についてきたが、当初は調理本を読み漁っては失敗を繰り返して何度材料を無駄にしたであろう。そう考えると苦笑いさえ溢れてくる、ご飯を食べ終えると手を合わせた後、皿を台所へ。急須を片手に戻り、淹れたてのお茶を湯飲みに注ぎながら、)懐かしいですね。お恥ずかしながら、実家にいた頃はお茶汲みをした事がなかったので、濃い薄いの調整に一苦労でした。僕がここに来て、少しでも先生のお役に立てているのなら良いのですが。
全くだよ、…お前さんが来たばかりの頃、少し濃いめに淹れてくれと頼んだら急須から溢れんばかりに茶葉を入れた事があったね。あれには度肝を抜かれた。よくもまあ右も左も分からない状態で私の所に直談判に来たもんだ、其の度胸だけは褒めてやらねえと、…
(相手の言葉を聞くうちに、6年前相手を住まわせ始めたばかりの頃の思い出が色々と蘇ってきて。一番初めに淹れさせたお茶は薄いし緩いしで拘りの強い自分にしては飲めたものではなく、口煩く注意し乍時間をかけて自分の好みを相手に叩き込んだのだ。また相手が来てすぐのある時は、少し濃いめにと注文をつけた時に加減が分からず大量の茶葉を急須に詰め込んでいた姿を思い出し呆れと笑いが入り混じった表情浮かべて。世話役を志願して来たのはこれまでにも相手だけではなく、かつては何処其処で経験を積んだ、という有能な志願者もいたため、全てが並以下で右も左もわからず、自分の身一つで実家を飛び出して来た相手は此方からしてみても異端だったのだ。しかし結局技術よりも、その熱量に押されて相手を生涯たった一人の世話役として迎え入れる事となった訳で、相手の度胸と熱量だけは讃えるべきだろう。お茶を一口啜ると肩を解して貰うため羽織を脱いで軽く畳みつつ、役に立てていれば良いという相手の言葉に対し、はっきりと言葉にこそしないものの相手の仕事ぶりを肯定している言葉を。)
…野暮なこと聞くんじゃあないよ、もうかれこれ6年も置いてるんだ。今更手離す気もないよ、お前さんには私が死ぬまで側に居てもらわないと。
あはは、そういう事もありましたね。実家にいると、時間になれば食事も出るし、淹れたてのお茶も動かずとも出て来ましたからね。…出身も名も知らない青年を受け入れてくださった先生の器の広さあってこその今です。
(6年前を思い出すと、身1つで飛び出し此処に辿り着いた時には特段胸が高ぶった。震える手を抑え、戸を叩き出てきた相手に向かって何を思ったか出身や名を名乗る訳でもなく、ただ一言お側に付かせて下さいと頭を下げた。すんなり受け入れて貰える訳も無く、何度も戸を叩き続ける技術もな自分を最後は受け入れてくれたのは先生のお人柄や器の広さもあって。今思うと、別の適切な方法もあっただろう、若さや無知は恐ろしいなと改めて感謝の念を。後者の言葉は、言葉を自分の中に落とすのに数秒。嬉しくて、妙に照れ臭い気持ちもある。小さい子供が、お手伝いをして親に褒められた時のように、照れから頬に朱差しながらも緩まる頬から嬉しさが勝っていること垣間見える。抗う事なく、へらりと笑いながら思い出したように、一言)…ありがとうございます。そうでしたね、その時にはお側でわんわんと泣き喚く予定でした。その時は、うるさいといつものように叱って下さいよ。
…人生を変えるほど、心を揺さぶる物語が綴れて居たなら私も本望だ。お前さんが一人で延々と語っていた本の感想も、興味深かったからね。
(初めて戸を叩いた日から、何度追い返しても諦めることなく通い続けた相手。初めて相手を見たときは自分を前に酷く緊張しているのが伝わってきて、歳も若く到底世話役にする気など無く。しかしどれほど邪険に扱っても決して頭を下げることをやめず、如何に心を動かされたかや何処が好きかなど一方的に延々と細部の描写に至るまで語り尽くすある意味愛の深さに、閉ざしていた心が少し開いたのだから其れは確かに相手の成せる技だったはずで。続く相手の言葉と表情には呆れたように溜息を吐きつつ、わんわん泣かれたのでは堪らないと。肩を解して貰おうと相手に頼んで。)──嗚呼嫌だ、死んでまで煩いのは御免だよ。…肩、やってくれるかい。
先生のように博識でもなければ、語彙も乏しかったでしょうに…、そう言って頂けて何よりです。本当、どこまでも奇特なお方だ。
(自分の想いを伝えるには、その当時の語彙力では辿々しく聞くに耐えない部分も多かったであろう。最初は頭を下げた瞬間に戸を閉められた。それが段々と長くなり今となっては寝食を共にしているのだから、人生何があるか分からない。このような結末を誰が予想したであろうか、しみじみ相手の懐の広さを実感。年齢を考慮すると先に旅立つのは相手であろうが叶う事なら自分の寿命を分けたい位だ。先生の事だから、お空の上でも筆を取り続けるのであろうなとクスリ笑い。立ち上がり、背後へ行くと慣れた手つきで肩を揉み始め、)あの世でまた不摂生な生活をされては困りますからね。…はい、喜んで。
私は自分の作品を、小難しい言葉で批評される方が嫌いだよ。お前さんの感想なんて可愛いもんだ。(相手は自分の感想が博識でもなければ語彙力も乏しいというようだが、此方にしてみれば博識で語彙力のある人間の方がずっと性に合わない。文芸評論家と言えば表現に口を出したり、其の文章から書いている此方の心情までを知ったかのように書き連ね、話を楽しむという概念が欠けていると常々思っていて到底分かり合えないのだ。そう考えると相手のように少し抜けている所が有りつつも真っ直ぐな感想を持っている人間の方がずっと良い。肩を揉んで貰い乍、ここ最近の肩凝りに増して昨日の寝落ちも響いているようで、随分と凝り固まってしまっており時折痛いとこぼしつつ目を伏せて。)──なんだい、今すぐ私を送り出しそうな物言いじゃあないか。生憎だけど、未だ数年は死ぬ気は無いよ、…
はは、学校で出される感想文にもならなかったでしょう。
(学生が課題で出される作文にもならない拙い言葉の羅列も、先生には丁度良かったようで。今ばかりは自分の無知が役に立ったと6年ぶりに安堵感。数年、という言葉に苦笑いを零す。受けた恩を返すには数年で足りる訳も無く、一桁付け足し一度手を止めると顔をひょっこり覗かせながら。凝り固まった肩は揉んでいても手のひらから伝わってくる。連日の多忙を表しており、痛いと言われては何度と力をその都度抜いて、微調整を。)数年では困ります。数十年、でお願いします。…結構、凝り固まっていますね。
文才だの語彙力だのが有る人間とはどうにも折り合いが悪くてね。同業者とはなるべく顔を合わせたくない、…返って其れ位が私にはちょうど良いよ。
(自分がある程度の文才や語彙力を備え芯を持って執筆を行なっているからだろうか、其れに口出しをしてくるような我の強い人間は好まない。つまり自分と似たような人間は嫌いだと言うわけで、普段から同じように話を書くことを生業としている人間とはなるべく関わらないようにしていて。相手と相性が良かった要因のひとつはそこかもしれない。此方に顔を覗かせる相手の言葉には例の如く気の無い返事を返しつつも、軋むようだった肩や背中は相手の根気と丁度良い力加減で徐々に解れつつあり、痛いとも声を上げる事は無くなり。)……はいはい、善処しますよ。まあ、書き物をする時はいつも同じ姿勢だから仕方ないだろうね…
同業者の方とお会いしても、良くも悪くも気の遣い合いですしね。
(今まで会見等で他の作家と顔を合わせる機会は少なからずあった。お世話役となってからは、同席させて頂く場面が多く、先生と出会って他の作家の本を読む事も増えたがまだまだ知識は一般人程度の自分でさえ知っている名前が多く連なる中、やはり先生はその中でも一目置かれる存在で。若くして受賞した新人作家は自分と同じく先生に憧れて入って来たと挨拶の際に緊張しながら述べていたし、同年代の作家からも、これからもこの業界を盛り上げていこう、と肩を叩かれていた。この業界、いくら年齢を積もうと売上数や読者や世間への影響力が物を言う世界で、皆笑顔であるが根底はライバル同士。また作家は口もうまく、言葉のあやも達者な為、会話について行くのも必死だった事を思い出し、苦笑いを1つ。執筆部屋にある家具を脳裏に、年季の入った椅子も新調してみては、幾分か負担も和らぐかと提案を1つ、)椅子の背も年季の入った物ですしね、…一層、新しい物に新調してみてはどうでしょう。
そもそも、物書きなんてのは誰と顔を合わせる必要も無いんだ。自分が話と向き合えば其れで良い、世に出したら書き手なんて話の陰に身を潜めて居れば良いんだよ。
(相手の言葉で色々会見の場での事などを思い出したのか、作家同士顔を合わせることも書き手として大々的に紹介されることも本来は余り良しとはしていないようで、日頃感じていたのであろう不平を漏らして。日頃の些細な苛立ちや不満も余す所なくぶつけてしまうのは相手を信頼しているからこそではあり。思い返せば確かに贅沢を好む性格でも無いため物を新調する事も少なく、長年使っている椅子は年季が入っていて。外出をそもそも余り好まない事もあり仕事以外の要件で相手と出掛ける事は殆ど無いが、珍しくひとつ提案を。)
…近いうちに、車を出して貰おうかね。筆や冬物の着物も新調しようかと思っていたから丁度良いだろう。…休みは人が多い、それ以外で日を調整しておいてくれるかい。
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