例えるならば人 2018-10-20 19:52:37 |
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▽退廃6区
都市伝説として語られる区域、場所。街という認識ではない。景観はテナントの入っていない無人のビル群で、窓が叩き割られていたり、落書きがなされていたり。昼夜問わず空は曇天で、人によって流れる空気が何処と無く不穏に感じられる事だろう。噂では中毒性のある麻薬成分が空気に混じっていると言われているが、実際そんな事は無い。然しながら麻薬の類は出回っており、住人の大半が薬物中毒である事からあながち嘘でもないといえる。世間一般で薬物とされる大麻やマリファナも、ここで服用すれば通常とは違う効果が出るのも特徴の一つで、主な作用に身体変化や思考能力の破壊が挙げられる。それが頭の可笑しい住人を作り出す理由の一つであり、ここでは現実世界のマナーやルール、人間の常識なんてものは通用しない。あくまで退廃6区の存在は都市伝説とされていたが、最近の流行りである動画投稿の煽りを受けた若者達が興味半分で手を出し行方不明となるケースが増えている。
▽住人
元から退廃6区に存在していた者と、迷い込んできた者とに分かれる。前者は元から特殊な環境に適応する体で存在している為、人間の常識なんてものは通用しないとしても会話不能なほど人格の壊れている者は居ない。後者は元々人間であり、麻薬の類に適応しきれなかった者達が狂人や化け物と化して彷徨いている。
▽迷い込んできた者達
彼らもまた失踪事件よりも前に迷い込んだ者、その後に迷い込んだ者とに分けられる。失踪事件後に迷い込んだ者というのは前述の通り面白半分の若者達で、それ以前に迷い込んだ者達は事情が複雑である場合が多い。中には噂を知らず気が付いたらここに居た、という至極単純哀れなケースもあるらしい。然して双方共通するのは狂ってしまえばそこで終わり、狂ってしまえなかったら延々とあるかどうかも分からない帰り道を探すというだけのこと。
▽現実世界では
テレビや新聞では不可解な失踪事件として取り上げられ、手も足も出ない警察組織に不満の声が上がりだしている。然しバラエティ番組やネットニュースでは、都市伝説である『退廃6区』が取り沙汰され賑わいを見せている。
▽残念なお知らせ
今回現実世界で行方不明とされている若者達は皆狂人もしくは化け物と化したらしい。警官がそれを突き止め絶望する日は何時になるやら。
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