ユーリ 2018-10-15 02:40:11 |
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はあ…お腹すいた…(この世はもう私とユーの二人しかいないのであろう、廃退した世界)ねえ、ユー、起きてる? (この世界を生き抜く生命線とも言える乗り物ケッテンクラートを操作しながら荷台に横になっているであろう、彼女に前方を向きながら声をかけ)
うつら…うつら…んぁ…?
…でへへ……お魚おいしいねーちーちゃん……むぐむぐ……すぴー…。
(全てが終わりを迎えつつある、そんな退廃した世界。小型装軌式オートバイ「クライネス・ケッテンクラフトラート」通称・ケッテンクラートの荷台に背を預けながら、うつらうつらと船を漕ぐ少女、ユーリは未だ夢の中にいた。前方から声を掛けるチトの声にわずかな反応を見せるも、夢の中から連れ戻すことはかなわなかった。ごちそうを食べる夢でも見ているのか、一緒に荷台に積んであるライフル銃をおいしそうに咥え、頬を緩ませながら、触るのも躊躇われるほど涎まみれにして。相棒は必死に運転しているというのに、相変わらずののんきであった)
おい、おいユーってば…それライフル……はあ……私も寝る…
(荷台のユーの寝ぼけた声をに少し振り向けば、夢の中の彼女。その寝顔にため息をもらしつつ、長時間の運転に疲労と眠気も感じていたところだ。ー今日はこの辺で休むことにしよう。と決めればサイドブレーキをカチッとかけ、そのまま荷台へ移れば夢の中のユーから涎まみれのライフルを取り上げ片付けては、バサッと毛布をかけては自分もそのなかに潜り込む)
……ユーの体温あったかい…
(暖房などあるわけがなく寒さで冷えた身体は毛布の中で心地よい彼女の体温を求め、ぎゅっと軽く彼女に寄り添っては、隣で寝息を立てる彼女を眺めながら、私たちどうなっちゃうんだろう…と内心で思いながら眠りに落ちてゆき)
………んが。んぁ………ちー…ちゃん……すぴぴー……。
(のんきな寝息を立てるユーリ。隣にチトが寄り添うと、一瞬意識を取り戻すが、混濁した意識の中、またすぐに頭は霞がかかったように白くなっていく。少しばかり訪れたまどろみの中、寄り添い体温を維持しようとするチトを抱きしめた。小さく華奢なその身体を。それは何よりもユーリを安心させるもので、薄れゆく意識の中、抱きしめた彼女はとても柔らかく、ちょっとだけ汗臭かった/笑)
――………ちゃん。……ちーちゃん!起きてちーちゃん!
ヴぇ~…ちーちゃ―ん…お腹空いたよぅ。ごはんにしようよぉ~…。
(気付けば二人とも眠りに落ち、夜が明けた翌日。ユーリは眠るチトを揺さぶって起こしていた。朝というには少々日が高くなっている時間。必死に悲鳴を上げるお腹を抑えながら、チトの名を呼ぶ。早い話がごはんの催促だった。)
…ん……んんぅ…ユー…?んああ~…朝か…
(心地よい睡眠の中、ユーの声に揺さぶられては、ぱちっと目を覚ます。あくびをし眠気眼をこすり上体を起こせば空は随分と明るくなっている。今日は晴れて陽気もいい。どうやら思いのほか熟睡してしまったらしい)
ん~…じゃあごはんな…なに味がいい?チーズ味にチョコ味に…チョコミント味に…
(起こされたばかりかまだ意識がはっきりとしない。もう…もっと優しく起こしてほしい…と言いたいところだか、昨日はあれから何もたべてない。ユーはもちろん私も空腹で限界だ。と、言ってもいつものレーションが数種類に、あと貴重な魚の缶詰めにスープ、これはまだとっておきたい)
……ん?スン
(汗臭いな私…。いやしかし、洗濯やあまつさえお風呂だってこの終末を迎えようとしている世界では滅多に入れない。かといって不意に鼻についた汗臭さに、一応乙女もつもりのチトである、どうしても気になってしまう)
ちーちゃん、おそよう~。
もうこんなに日が高くなってるよ!
………。
きゅ~…ぅえ…お腹空きすぎて、声出したら気持ち悪くなった…。
(揺さぶり続けることしばし、ちょっぴり手が出るのが早い眠り姫はようやく目を覚ました。ちょっとだけ皮肉を込めたおはようと、いつものぬぼーっとした顔で目覚めたチトを迎える。が、空腹時の胃の蠕動運動は得も言われぬ不快感を呼んだ。真っ青な顔でしゃがみ込みながらも、何味がいいという質問には、ちゃっかりチョコ味がいいと付け加えて)
……うぷ。ちょっと楽になった。
ん?どったのちーちゃん。自分の匂いなんか嗅いで。
そんなことしなくても、ちゃんと匂うよ?なんせ私も匂うし。
お風呂、いつから入ってないんだっけね~。
(口許を抑えながら、少し楽になったのか、自分の匂いを嗅ぐチトにそんなことを尋ねて。デリカシーなどケッテンクラートの履帯の泥と一緒に捨ててきたユーリ、思ったことをズバズバいうのは相変わらずだった)
む、おそよ、ユー。まさかユーにそんなことを言われる日がくるとは、不覚だ。いつも寝てばかりいるやつがっこのやろうっ
(不覚なことにユーリに皮肉を言われてしまって、ちょっと悔しいチトである。その気持ちを伝えるように、ぼかっ☆と相変わらず、もちぬるっとした表情のユーの頭をヘルメット越しに叩くチト。八つ当たりもいいところである)
昨日から何も食べてなかったからね、私たち。はいユーの分
(レーションのチョコ味のを頼まれては、自分の分と彼女の分を取り出しつは、空腹でしゃがみ込む彼女にと差し出す)
ちゃ、ちゃんと匂うって言うなよ!
(ユーリの遠慮なしの発言に思わず身を抱いて顔を赤らめて言い返すチト。まったく…まあ嫌がってなかったみたいで安心だけど…いやむしろ私もユーの汗の匂いは好kiってなにキモいこと考えてるんだ私はあ!!っと内心妙なことを考えながら頭を抱えて一人身悶え)
はあはあ…と、とりあえずだ!今日は汗を流せるところを探すぞユー
(乱れた息を整えては、仕切り直しとばかりに本日のこの廃退世界での二人ぼっちの終末旅行の方針の提案を話し)
……イヤー早起きは三文の徳って……Σあぅ。
何すんのさー、ちーちゃん~大人げないぞ~。
(当然、ユーリ自身も早く起きたわけではないが、いかにも得意げに語り始める。が、やり場ある怒りが溢れ、ぽか!とヘルメットを叩くチト。さして痛いわけでもないが、不満そうに口を尖らせるユーリ。頭を叩いたその音は、いかにも中身が空っぽそうな甲高い音だった。)
…………どったの?ちーちゃん?そんな気持ち悪い動きして。…もしかしておしっこ?なら、そこでして来なよ。
(手渡されたレーションをぱくつきながら、ひとり悶えるチトに首を傾げる。思ったことをすぐ口に出すユーリ、気持ち悪い、おしっこ、とデリカシーの欠片もない言いようだが、悪意があるわけではない。いつもの、ぬる~んとした表情でそう告げた)
…あえ?もう出発しちゃうの?まぁいいけど。
んじゃ、いこうか。
(彼女は先に食べ終わったのか、少し慌てたように出発を促すチト。その言葉に頷き、レーション片手に荷台に乗り込むユーリ。荷台に立ち指をくわえて、その指を頭上に掲げる。風の向くまま気の向くまま、風が教える方向に進む、いつしか始まった二人の恒例行事だった。)
………んーーーー……あっち!
ちーちゃん、出発進行~!
それは普段から早起きしてるやつの台詞なんだよ。どうせ私は心の狭い女だよ
(別に本気で怒ってるわけではない。いつもの二人のじゃれあいだ。気兼ねなく過ごせるユーとの時間は心地よい)
き、気持ちわるくないし、おしっこじゃねえよ
(気持ち悪いと言われては少しショックなチト。ユーには悪気がないみたいだけど…はあ…気をつけよう…。)
ただでさえ今日は出発時間が遅れてるんだ、私は移動しながら食べる。…だから…ユーが私に食べさせてよ。ほら、運転しながらあーんしてるからさ…?
(荷台に乗り込むユー。それに合わせて私も操縦席に乗り込む。ケッテンクラートのエンジンをかけつつ、ちらっ、ちらっと荷台のユーを見ながら少し期待を込めてしてもらいたいことを話してみる)
ん、あっちか、よしいくぞ
(風の向くまま気の向くまま。ユーの合図でケッテンクラートのアクセスを踏むチト。ゆらりゆらり、のらりくらりと私達らしく本日も先に進む。そうきっと、こんな終末世界でも、ユーの指し示す方向はいい予感がするから)
うん、しゅっぱつしんこう~むぐむぐむぐむぐ。
―私が食べさせるの?うん、いーよ。
んじゃ、さっそくひと口。ちーちゃん、あーん♪
(自分のレーションをさっさと食べきってしまうと、ケッテンクラートの荷台に乗ったまま、彼女が食べるレーションを手にするユーリ。ゆっくりと進み始めたところで、彼女の提案通り、口を開けて待っているところにレーションを持っていく。小さな口がモクモクとハムスターのように動くのが可愛くて楽しくて、無表情ながらもどこか嬉しそうに見遣って)
うんうん、いい食べっぷりだねえ、もぐ。
―それじゃ、もうひと口、あーん♪…もぐもぐ。―あーん♪むぐむぐ。
(チトが運転する横から、レーションを差し出し、彼女の口許へ一定間隔で運ぶ。が、途中から何やら咀嚼する音が一緒に聞こえ始めて。それは明らかにチトの発したものではなく、荷台のほうから聞こえる音。犯人は一人しかいなかった。自分の分のレーションはとうに食べきっているユーリは、チトのレーションを一口、また一口と、ちょろまかしていた。とんだクズである。)
あーん。むぐむぐ。はーあーうん、うまいな…♪
(汗を流せるところを求め、ケッテンクラートを操作しながらあーんと口を開けレーションをユーリに食べさせてもらうチト。大好きな相手から食べさせてもらっているのだ、幸せな味にほっこりと表情を緩め)
って、おい、ユー。明らかに私のレーションが減ってる気がするんだが…キッ
ユーこのぉっ
(運転で前方を向きながら食べさせてもらっていては、後方から聞こえた咀嚼音とレーションの減りにキッと後ろを睨み付けては、彼女を振り落とす気で握ってるグリップで急アクセルを回し開け、急ハンドルをきり)
むぐむぐ……んぁ?気のせいじゃないの?ちーちゃん。
若いうちから、細かいこと気にしてるとハゲちゃうよ?
ホラ、次のひと口、あーん………Σんひゃあっ!
(のんきにチトのレーションをちょろまかし、胃袋に収めるユーリ。いつものヌルっとした顔で、笑いながら否定するが、さすがにバレたようで、彼女は思いっきりハンドルを切り、振り落としてきた。ケッテンクラートの、広いとは言えない荷台では、ユーリの重心を安定させることなどできず、さながら弾丸のようにユーリはケッテンクラートから飛び出す。ゴィーーン!!と言う鈍い音が響いたかと思えば、そこには道路の街頭に、顔面を思いっきりぶつけているユーリがいた。因果応報とはまさにこのことである。)
い、いたひ……。ちーちゃんひどいよぉー…。顔が歪んじゃったじゃん~。
って、わわっ!待ってちーちゃぁ~ん!!
(顔をさすりながらフラフラ立ち上がるユーリ。本人の言う通り、ユーリの顔は真上から見てUの字に歪んでいた。漫画だからこそ許される表現である。ぷんすか!と口を尖らせる間もなく、ユーリを置いてケッテンクラートはそのまま走って行った。慌てて追いかけて荷台に何とか滑り込むユーリ。そんな二人の珍道中は今日も続くのだ。この先にもしかしたら温泉があるかもしれない、誰か人が生き残っているかもしれない、二人の少女はひたすらに上層を目指していく……)
(というわけで、出発編に一区切り。次の流れは好きに回していただいて結構ですので。好きなところに行って、好きなように回しましょう~)
なあユー、知ってるか?食べ物の恨みは怖いんだぞ
(ケッテンクラートから振り落とし街灯にまで当たった彼女をみては幾分気は晴れるチト。だけどこいつ(バカ)の教育も必要だな。と、もう怒ってはいなかったが、振り落とした彼女を待つことなく進めていたケッテンクラートに滑り込んできたユーに、そう教えるように話し)
ーーうん?なんだろこの施設?変なマーク…中から音がしてるし、まだ生きてるのかな
(しばらく二人が乗ったケッテンクラートを進めていては、なにやら結構大きめな施設を発見。その施設に掲げてあった妙なマーク…湯気があがってるみたいな…。
二人は知らなかったが、つまるところそれは温泉マークである。そのマークを訝しげに見上げるチト)
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