執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>ラザロ
…ああ、必ず。
(湧きあがったのは紛れもなく歓喜であった。彼にまた会いたい。その微かな希望を持つことを許されたのと同義であったから。彼の願いを叶えたい、最初はいつものそれだったはずなのに、異形の形を持ちながらも直ぐに己を食べようとしなかったこと。あまつさえ唇を噛もうとした己に慌てた声を上げたこと。そこにどんな思惑があろうとなかろうとそんな異形らしくない彼に興味を引かれていたのだと思う。今まで”自分”の喜びを感じたことがなかった心は不思議と温かい。皮肉にもしっかりと結ばれた約束がこれから私は捕食されるのだとゆっくり輪郭を浮かび上がらせてくる。ああ、本当に惜しい。疑似的な空のように一面に広がった翼。それだけが己の世界だと書き換えられてゆく心地に決して届かないであろう空に今、硬く、それでいて確かに生きているのだという命の脈動に触れた。ゆっくりと撫でながらこの命のために己は捕食される。そう考えると彼の役に立てるのだという喜びに身震いがした。握っても良いだなんて身に余る光栄だけれども。「__…ああ、ありがとう。」言葉に肯定を返しながらも翼を撫でる手は優しく、私は強く魅入られてしまいそうな瞳に確かなものを感じ、彼の誠実さを垣間見たような気がした。寄せられた顔に、始まったのだと瞬時に理解し体から余分な力を抜こうとするも案外うまくいかない。腕を掴む力が強まった、深く食い込んだ爪にじわりと血が滲み、流れ出す。腕から滴り始める血は確かに彼の爪を汚しているだろう。これが先程まで顎を掴んでいたものだと思うとなんだか感慨深いと思ってしまうほど落ち着いている精神はきっと捕食するのが彼だから。鋭い痛みの後にじんじんと熱を持ち始める、痛みに息を詰めながら撫でる手は止めずに笑った、)
っ、ぐ…。ははっ、案外難しいものなんだな、力を抜くって…。
>ルシアン
ああ、俺に教えられることなら喜んで。(昨日今日で新しいことを沢山見聞きした筈なのに、貪欲に未知を求める貴方の好奇心は、己にはとても魅力的に映る。こうやって、貴方は全力で生きているのだ。そう実感すると、居たたまれなくなり貴方の髪を両手でぐしゃぐしゃに乱して。「そうだな…、特に大人になると素直になるのは難しくなる。心に棘が生えるんだよ。子供の頃は、つるつるしてすべすべして…、でもそんな剥き出しの心は容易に砕けてしまうんだ。だから、大人になるにつれて、自分の心を守るために何重にも棘が生える。棘は相手を傷つけるけど、その度自分も痛くなる。その痛みが怖くて素直になれないんだよ」いつもより饒舌に言葉を紡ぐのは、そんな“大人”を何人も見て来たからか、それとも自分もその“大人”に該当するからか。貴方が昨夜教えてくれた、“噛む方も噛まれる方も痛い”という言葉を思い出せば、長々と説明しなくてもお前なら分かっているか、と言わんばかりに、額を抑えた貴方を見詰めてふと微笑んで。「…有難う。本当に頼りになるなあ、ルシアン。お前も、棘が生えそうになったら、俺に言うんだぞ。その棘ごと、お前を受け入れるからな」きっと、煮え切らない己の心中にある違和感を貴方は見抜いているのだろう。優しい、本当に聡明な子だ。そんな風にしみじみと思いつつ、口角に浮かべた笑みを深めて。けれど貴方にばかり気遣わせるのは心苦しい、もし貴方が苦しむなら、それも分け合おうとお節介を。「ハハ、お前に尻尾があったら大変だぞ。3日ともたず千切れそうだ」貴方に己と同じ尻尾が生えた時のことを想像すると、笑いを堪えきれなくて。ブンブンと千切れんばかりに尻尾を振る貴方の姿は想像に難くない。華麗に鉛筆が線を描いていく様に見惚れていると、ふと響いた小さな異音に我に返る。済まなそうにする貴方、けどその様子はいつもとどこか違うように感じて。「いや、気にするな。俺は大丈夫だが…手、痛くないか?」ミスなんてとんでもない、と言わんばかりにゆるゆるかぶりを振りつつ、先程鉛筆を取り落とした貴方の手へ視線を注ぐ。長時間集中して動かしたから、筋肉が疲れてしまったのだろうか。ともかく立ち上がり、口笛で使い魔を呼べばお茶の用意をさせて。あっという間に淹れ立ての紅茶がテーブルに用意され、その横にはミルクや砂糖もたっぷりと置かれている。貴方の様子をちらちらと気にしつつ、「さあ、休憩しよう」と食卓へ誘って。差し出された小指、それにデジャヴを感じてくすりと笑う。そっと己の小指を絡めれば、「…指切った、」昨日貴方が歌っていた全貌までは記憶していなかったが、末尾だけを音程に乗せて、そっと小指を離して。「勿論お前が悪いことをしたら叱るが…、厳しく、ってのは難しいなあ」後頭部をぽりぽり掻きつつ、自信なさげにふにゃりと微笑む。貴方は非の付け所のない良い子で、厳しくするような要素がどこにもない。きっと自分に子供がいれば親馬鹿になるんだろうな、と思いつつ目を細めて)
>ジゼル
(今から食べてしまうというのに、獲物から礼を言われるなんて初めての体験で。この短時間で、貴女は沢山の初めてを己に教えてくれた。初めこそそれを奇特だと思ったものの、嫌悪なんて抱くはずもなく。生まれ変わったらまた会いたい、だなんて思うくらいには貴女に興を惹かれていて、こんなのらしくないとかぶりを振る。今だって、貴女は己に組み敷かれながら、死の予感を間近に感じつつも晴れ晴れとした表情を浮かべている。どうやったら、今わの際にそんな顔が出来るんだ、と内心で問いかけて。ふと、貴女が痛みにくぐもった声を上げるのを聞けば、食欲と言う本能に引っ張られて獣と化してしまいそうだった自分は寸でのところで理性を取り戻す。「…痛いか。辛いなら、……一思いに終わらせてやることも出来るぞ」ずぐり、貴女の腕に食い込んだ爪を抜けば、それを彩る赤い液体を、蛇の如く先端の分かれた舌でぺろりと舐める。まだ暖かさの残るそれはとても美味しくて「うめえ、」と思わず呟いていて。絶えず鮮血が滴る貴女の腕を、がぶりと噛み砕いてしまいたい衝動を懸命に堪え、痛みを長引かせるかどうかの選択を貴女に委ねて)
>マリーシュカ
庭園…?お花見るのは大好きだから、行ってみたい!
(考え込む姿見て、やはり自分の想像するようなところへは行けないかと落胆しそうになったところで、彼女から提案された場所に目を輝かせて。バケモノの蔓延る空間といえど豪勢な屋敷ではあるから、庭園もその言葉通り立派なのだろう。きっと綺麗な花がたくさん咲いているに違いない。そんな場所を彼女と一緒に歩けたなら、それで充分満足出来そうに思えて笑顔になり。同種でもこんなに大切には思ったことがない、というのには少し驚いて。てっきり同じヴァンパイア同士なら信頼関係のようなものがあって、距離感だって近いのだろうと勝手に想像していたせいか意外だったようで。「そうなんだ…、じゃあ本当に特別なんだね。…へへ」ソファに凭れるのを真似するように、座る距離を近付けて自分も背凭れに上半身預けて体をリラックスさせれば首を傾けて彼女の肩に頭を軽く乗せ。本当の意味で彼女の特別になれたのがどうしようもなく嬉しくて、少し変態じみた笑いが漏れて)
>ドロシー
じゃあ、今から行きましょうか?人間の世界には無いお花も、沢山あるのよ(貴女に興味を示してもらえるか、自信は半々だった提案だが、返ってきた反応は思っていたよりもずっと色好いもので。目を輝かせた貴女にふ、と微笑みかけると、丁度いい機会なので貴女さえ良ければ、と誘って。自分の言葉に意外そうにする貴女、けれどヴァンパイアにとっては珍しいことではなく。人間は群れるが、ヴァンパイアはどちらかといえば一個体が独立し、自由気儘に生きる種族。目的や捕食の為に同族と協力することはあっても、それを果たしてしまえばそれ以上の関わりはお互い望まない、という何ともドライな生き物で。「…ええ、そうよ。貴女が私の初めての特別」肩に心地良い重みを感じれば、其方へ首を回してちゅ、と貴女の髪へ軽い口付けを。貴女の嬉しさをもっと深めてあげられれば、なんて思いから、追い打ちをかけるように甘い言葉を紡いで。)
>クォーヴ
(太陽が真上に登り正午に差し掛かった頃。先日、ヒヤリとした思いを抱いた瞬間こそあったものの一人と一羽に案内された食堂にて、焼きたてほやほやなホットドックと野菜スティックのサラダ、それにデザートには冷たいバニラアイスを頼み一人、食す。どこの誰が作っているのか心底不思議だが、夕食は何を食べようかと考える程には、この生活にも慣れてきたように思える。勿論、何時自分が食べられるのか、そんな危険と常に隣合わせである事に変わり無いのだが。さて、そろそろ自室に帰ろうかと席を立ち上がった所で、ふとこの屋敷には庭園もあると話を聞いた事を思い出す。自室に籠りきりなのも退屈に感じてきては、少し、ほんの少しだけ、別の廊下や、下の階を見てみようかと好奇心が僅かに勝り。きっとすぐに戻ってくれば大丈夫だろうと、そんな軽い気持ちにて食堂を出ては、普段は右に行く所を左に曲がってみる。そのまま真っ直ぐ突き進み、似かよった廊下のデザインを横目にしつつ、階段を発見しては、静かに下に降りてみるが、あまり代わり映えしないように思える。他に何かないかと辺りを見渡しては、壁に飾られた、一輪の青い薔薇の絵画を見つけ。思わず近寄っては、初めて見るその鮮やかな色合いに見とれ「綺麗……!こんな色の薔薇、初めて見た。本当にあるのかな?」とその場に立ち止まったまま、驚いたように一人呟き)
(/此方こそありがとうございます!捕食も興味があったので、どんな風にレベッカが最後を迎えるのか今からドキドキ致します。では指名は、新しく追加され気になっていた死神さんでお願い致します。初対面な為記憶が美味とは言い難いかもしれませんが、宜しくお願い致します。またもし絡みづらければ、図書館を偶然発見して、な場面にて再提出させて頂きますので、仰って下さいませ!)
>ジェイド
うん!でも難しい言葉だけじゃなくてジェイドの事も、もっと知りたいなぁ。普段はどんな事して過ごしているの?(単語のやり取りだけではなく、相手の事も知りたい。己に意識を向けるように彼の片手を両手で包み、左右にぶんぶん振りながら“教えてー”と無邪気に強請り。くちゃくちゃに撫で乱れた髪はそのままに彼の言葉に静かに耳を傾ける。きっとそれは殆どの人が経験する悲しい出来事。本当に無垢で純粋に育つことが出来るのは確かな庇護と暖かな環境が約束されている一握り。多くの人は自分を守る為の術として棘を身につけるのだろう。それがよく分かった、同時に己の無神経さにも気付いた。彼に言うべき事ではなかった。きっと色々なことに悩み葛藤し、それでもそうしないと心を守れないのであろう彼に…。「…僕、無神経な事言っちゃった…。ごめんなさい。そうしないと生きるのに辛い世の中だって…気付けることいっぱいあったのに」嫌われていないだろうか、彼の瞳を真っ直ぐに見ることが辛い。だがこのまま何もしないのも怖い。俯いたまま、彼の懐に抱き着いては、彼の心に生まれた棘ごと包むように両手を回して。知ったかぶって、余計な真実を日の当たる場所に曝け出してしまう。そんな自分こそが心底嫌な奴だ、後悔に苛まれる。「僕はジェイドが居てくれたらきっと平気。…まだまだ頼りないかもしれないけど、僕もジェイドの棘ごと受け入れるからね」優しい彼が傍に居てくれるだけで、心はじんわりと熱を持つのだ。この先、どんなに冷たい現実を浴びせられようと頑張れそうな勇気をもらえた。そっと瞼を閉じ、彼の心に届く事を願い、柔らかな音質で言葉を紡いで。欲深く尻尾を夢見たのが仇となったか。まさかの彼からの返答にびくんと飛び跳ね、慌てて両手で尾骶骨のあたりを押さえる。千切れる、なんて痛そうな響きだ。大袈裟に首を左右に振れば「尻尾なんていらない、いらない!千切れるなんて真っ平ごめんだ!」と遠慮を願い出て。優しく心配してくれる彼に大丈夫、とぎこちなく笑う。くるくると右手の関節を回すように動かし、数度開いたり閉じたりを繰り返す。言われたような痛みや疲れた感じはない。だが一瞬感じた脱力感は何だったのか?モヤモヤと霧がかかったように晴れぬ思考回路。突き詰めていけば何かに辿り着けそうだが…。内心に首を傾げながらも、浮かんだ疑問は運ばれてきたお茶に一旦頭の隅に追いやられる。「わぁ!有難う、コウモリさん!」お礼を述べ、誘われるままに席に着く。ふんわりと優しい香りがティータイムを彩る。砂糖とミルクを交互に見詰めては「これ、どれくらい入れたら美味しくなるのかな?」右も左も分からぬ子供のように彼の意見を聞いてみて。実際紅茶なんて洒落た飲み物など口にするのも初めてなのだ。勝手がわからず、心持ちそわそわして。緩んだ頬と告げられた言葉に、もう、と頬を膨らませ。「どうするのさ、僕が甘ったれで我儘放題に育っちゃったら!きっとジェイドのお財布の中身なんてすーぐ無くなっちゃうんだよ!」昨日もたかられる云々の話をした際にこんな反応だった。立場が逆な感じもしなくはないが、口を酸っぱくして言い含めらる。本当に悪い人に引っ掛かったら大変だ、と此方は大層真面目な顔で忠告をして)
>レベッカ
(自室でのんびりと詩集を読んでいたが、小さく顔を覗かせる空腹に書面から顔を上げる。そういえば最後に食事を摂ったのは何日前だっただろう。そろそろ食事をしようか、と重い腰を上げて部屋を出る。目指していたのは、最近目をかけていた獲物の部屋。絶品と言えるほどの記憶を育てられてはいないものの、腹の足しにはなるだろう。――ふと、その道中で香ってくる、知らない人間の匂いに立ち止まる。何故かそちらに興味を引かれ、進む方向を転換すれば歩みを再開して。そしてその先に発見したのは、見たことのない娘の姿。「……そこのお嬢さん。危ないよ、一人で屋敷をうろつくのは」数m手前から、ゆるりと人当たりの良い笑みを浮かべて声をかける。姿かたちこそ他のバケモノに比べれば人間に近い己だが、決定的に違うのは瞳の色と、煙のように絶えず形を変えるコートだろう。警戒されてしまうだろうか、なんてぼんやり考えつつ数歩近寄れば、片手を背後へ、もう片方の手を胸の前へ添えて優雅に一礼。「俺はクォーヴ。以後、お見知り置きを」ゆったりを面を上げれば、僅かに目を細めて再度微笑んで見せて)
(/絡み文有難うございます、早速死神にて絡ませて頂きました…!此方こそ、初めて死神を動かすのでとてもわくわくしています。本日も、お時間の許す限りお相手をよろしくお願い致します…!)
>マリーシュカ
見た事のないお花がたくさん…!凄く見てみたい!早く行きましょ?
(元々花を眺めるのは好きだった。育てる事に関しては不器用なせいか上手くはいかなかった経験もあるが、やはり綺麗な花を見ているのは華やかな気持ちになる。しかも自分が居たところでは見られないような花も多く見られるときたら、それはもう興奮してしまうのも仕方ない。まるで小さい子供のように軽い足取りになれば、彼女の手首を両手で取って早く行こうと催促を。髪への口付けと、それに加えて更に気分を浮つかせるような甘い台詞。そんなものを受けてしまったら喜びが溢れ出てしまう。彼女にとっての初めての特別だなんて、その言葉を頭の中で何度も再生させてはほわほわと心温まる感じがして。「初めての特別…って、素敵な響き。私も貴女が、きっと初めての特別なんだと思う」特別と呼べる存在。それは今まで知り合った友人の中にはそこまでの信頼を寄せられる者は居なかった。母親も、確かに自分を此処まで育て上げてくれた大切な人ではあるが、それはあくまで血の繋がった親であるから当然の事。血の繋がりなどが全く関係無い中で、こんなに身を預けられる相手など彼女が初めてであり、その点でいうなら自分にとっての彼女は同じように初めての特別といえるのだろう)
>ルシアン
古くなった電球を取り換えたり、ボロが来てる部屋を直したり、庭園の伸び過ぎた木の枝を剪定したり…頼まれれば、簡単な大工仕事も請け負ってる(ぶんぶんと揺すられる両手はそのままに、自分が普段していることへ思いを巡らせる。他の住人と違ってあまり魔法に造詣が深くない自分は、専ら肉体労働派で。「…、どうした?ルシアンは何も謝るようなことしてないだろ」貴方の反応は、自分が予想していたものとは全く違ったもので。縋るように抱き着いてきた貴方を受け止め、先程己が乱してしまった髪を優しく撫でつけて整えながらゆったりとした声音で慰めを。貴方は聡明すぎて、そして優しすぎて、此方の心境を慮りすぎてしまうのだろうか。何も負い目を感じなくていい、ただそれを伝えたくて「…有難う。お前は俺の光だ。だから笑っていてくれよ」バケモノの棘、そんな重荷を貴方に背負わせることなんて到底出来ない。それよりも、貴方はただこの屋敷で、出来るだけ笑顔で幸せに過ごしてほしい。貴方を笑顔にするために今日この部屋へ来たのに、貴方に辛い思いをさせた自分の不甲斐なさにぐ、と唇を噛むも、その表情は貴方に見せないように顔を逸らして。気を取り直してティーブレイクと洒落込もう、貴方が着席したのを見て自身も腰を下ろす。「甘ーいのが好きなら、スプーン3杯ぐらいかな。ミルクは好きなだけ入れていいが、カップから溢れないようにな」紅茶の味について指南するも、上手く出来ているかどうかは些か不安で。何故なら自分はいつもストレートで嗜むから。ふと貴方が頬を膨らませ、此方を叱咤してくれたことには一瞬きょとん、と。そしてすぐにぶは、と噴き出して「これじゃ、どっちが大人か分からないな。でも俺は、お前に色々してやりたいんだよ」“それが喜びなのさ”と言わんばかりに暢気に尻尾を一振りすれば、“ありがとな”と自分の身を案じてくれた貴方にウィンクをしてみせて、一口紅茶を啜って)
>ドロシー
ああ、ドロシー。…それって、すっごく素敵なことだわ(ドライな種族の怪物たる自分にとって、貴女が初めての特別であるのはある種当然の事。けれど、家族と言う共同体の中で育ち、同年代の人間が集う組織の中で生きてきたであろう貴女にとっても、己が初めてだと言われれば思わず胸を抑え、多幸感に目眩すら覚える。そんな貴重な初めての称号を、こんなバケモノに与えてもらっていいのだろうか。庭園への散歩、此方の誘いに乗ってくれた貴女に手を引かれるようにして立ち上がる。ふと時計へ目を遣れば、すっかり黄昏時。もう太陽は陰っている、このくらいの時間なら外に出ても問題はないだろう。「まあまあ、慌てないの。…歩くより、飛ぶ方が早いのよ、ドロシー。さあ、いらっしゃい」待ちきれないとばかりにはしゃぐ貴女の姿はとても可愛くて、思わずクスクスと笑ってしまう。貴女の手を握りながら、己が足を進めたのは部屋の扉とは逆方向、重たいカーテンの垂れた窓の方。空いている方の手を、虚空で何かを払い除けるように一閃すると、その動きに従って独りでにカーテンが開く。差し込む夕日に目が眩むが、目論見通り、この程度なら体調に支障はない。カチャ、と音を立てて窓が開く。ふんわりと貴女をお姫様抱っこすると、軽やかに窓枠へ飛び乗る。「羽みたいに軽いのね、貴女。…私を信じて、怖くないから」貴女を落とさないようしっかりと細腕で抱きかかえつつ、貴女の顔を見詰めて微笑む。言い終わると、ふわりと空中へジャンプ。本来ならこのまま重力に従って真っ逆さまに落下していくところだが、いつの間にかマリーシュカの背にはコウモリのような翼が生えていて。数m下へ落ちていったものの、すぐに落下の速度は急激に低下する。ふよりふより、まるで桜の花弁が舞い落ちるような軽やかさで。下方に広がるのは、様々な草木、色とりどりの花々が咲き誇る庭園。地上まであと20mほどの高さだろうか)
>ラザロ
っは…、いい…君を見ていたほうが安心する。
(痛みに喘いでいたのもつかの間。次に爪を抜かれる痛みに鋭く息を吐いた。何事かと目を配らせれば問いかけられた言葉。それはこちらを気遣うものでその優しさにまた一つ、彼の異形らしくなさが増えたと思わず笑んでは上記を述べ、翼に触れていた手をぽんぽんと幼子にするように撫でた。彼に心配しなくて良いよと…、__その時、彼は私を”心配”してくれているのだとやっと気づいた。私が今思ったように。思えばあの時、唇を噛もうとしたときも彼は私を”心配”してくれていたのではないか。そう思うと欠けていたピースが見つかったかのような充足感に満たされる。すると、浮かんだ笑みは心からのもので「美味しいなら結構。そのまま食べて欲しい、__私を食べている人は君なんだと、最後まで焼き付けて意識を失いたいから。」無邪気な子供のような我儘。きっと彼はせめてもの善意での言葉なんだろうが、私は痛くても苦しくても構わないのだ。彼の感情や行動一つ一つが洞のようにぽっかりと穴をあけていた心に沢山のものを与えてくれた。だからこそ最後まで彼を見て死んでゆく。なんて幸せだろうか。願わくば彼の満たされた顔を見てから意識を失いたいけれど、それはたぶん無理だから。だから喰らう最中だけでも。ささやかな願いを乗せて言ったのだ、)
どうか骨まで食べてくれ。残さず綺麗に、君の糧にさせてくれ。
(/ 突然すみません…!前のレスにはなりますが>434の「前世」のところ、「生まれ変わったら」の間違えです、意味不明なものを送り付けてしまい申し訳ありませんでした…! )(蹴り可
>クォーヴ
っ……!(この花も、庭園に行けば見ることが出来るのだろうか。使い魔や花を癒す魔法があるならば、もしかしたらあるかもしれない。むくむくと頭の中では想像が広がり、見るからに高価そうな絵画に瞳は奪われていれば、不意に静かな空間に響く誰かの足音。他の、住人だろうか。はっと息を飲み体に力を入れては意識を現実に戻しては、音のする方へと体を向け。そこには不思議な黒を纏い、人ならざる物であると告げるような瞳を持つ男性の姿。穏やかな口調で注意を受ければ「あ、ごめんなさい。ちょっと、その……最近来たばっかりで、食堂から部屋までの道に迷っちゃって」僅かに瞳を相手から反らしては、事実とは多少異なるものの言い訳を述べ。縮まる距離に無意識の内に一歩後ずさり、多少緊張しつつも、紳士の言葉がぴったりと似合うかのような、まるで淀み無く流れるような動作のお辞儀を目の当たりにしては、パチパチと瞬きを繰り返し「クォーヴ、さんね。私はレベッカ、宜しくね」と挨拶を返し。「クォーヴさんは、悪魔?それともヴァンパイア?人狼とかテオみたいにフランケンシュタインじゃない、よね?」此方への敵意は無いように思えては、つい沸き立つ好奇心のままに、テオから聞いた情報をもとに、その真っ白い肌から連想される種族を思いだしつつ首を傾げては「それに、その洋服も不思議だね。何かの魔法でもかかってるの?」と、矢継ぎ早にその身に纏う煙のようなコートを指差し問いかけ)
(/ありがとうございます!クォーヴさんがどんな方なのか、交流していく中で知るのも楽しみです。此方こそ、改めてお相手宜しくお願い致します。では背後は失礼致しますね…!)
>マリーシュカ
ほんと。お互いに初めての特別っていうのは、とっても素敵ね。
(どこか幸せそうに反応してくれる彼女へ、此方もふわりと柔らかな微笑を向け。人間世界でごく普通の暮らしをしていた頃に比べたら命の危険さえある今だけれど、特別と呼べる存在が出来た事は何よりも喜ばしくて。てっきりあの長く迷いそうな廊下を通っていくのだろうと思って扉の方を目指そうと足を其方へ向けかけていたところ、その手を引かれて連れられた先は窓の方。まさか以前に話していた、空を飛ぶという行為を今体験する事になるとは。勿論興味を持っていた事なので嬉しいは嬉しいのだが、いざお姫様抱っこをされて窓の下を見てみると恐怖というのはどうしても感じ取ってしまうもので。怖くない、という言葉を信じて彼女の肩口にしっかりとしがみついていれば、その体が飛び立った瞬間に全身へ風を感じ。不可抗力で目をぎゅっと強く閉じていたものの、思った以上に落ちるスピードも遅く余裕が出来たようで目を開ける。すると彼女の背から見慣れない翼が生えた事にその目を丸くして。その丸い目のまま下へと視線移せば見えてきたのは想像したいたよりもずっと壮観な美しい庭園。「わぁっ…、凄い、綺麗…!」思わず感嘆の声が零れる。下へ到着するまではまだ少し距離があるが既に浮遊する恐怖などは微塵も無く、彩り華やかな花の色味にすっかり目と心を奪われていて)
>ジェイド
この建物にはいっぱい部屋があるの?僕、今度庭園を見てみたいなぁ。あ、ジェイドのお気に入りの場所はあるの?(願ったままに色々と惜しげも無く教えてくれる情報は新鮮で、聞いているだけでとても楽しい。彼が大工仕事をする姿を思い浮かべてみると、なるほどしっくりとくる。逞しい体格から容易に想像が出来る、と相槌を打つ。あれもこれも、と次から次へと聞きたい事が出てきては、矢継ぎ早に質問を重ね。「…だって僕の言葉でジェイド傷付いてない?」優しく髪に触れる手が今は逆に辛い。きっと無神経に言葉の暴力をぶつけてしまったに違いない。数分前の自分に忠告してやりたい気分だ。未だに相手の瞳が見れず、ぐりぐり、と額を彼の胸元に摩り付け、後悔から逃げようと。自分が彼の光だなんて本当だろうか。彼から与えてもらってばかりの自分が…。「光はジェイドの方だもん。まだ出会って数日だけど、いーっぱいの温かいものをくれたよ。人生で今が一番幸せなんだ」ポツポツと零すように語る。こんなに安らかに過ごせるなんて、思ってもみなかった。彼から受けた恩に少しでも報いたい。「だからきっと僕が浮かべてる笑顔も今迄で一番幸せな笑顔なんだ!」伝わって欲しい、そんな思いを込めて満面の笑みを彼だけに注ぐ。一片の翳りもない、ただ純粋なまでの笑み。こんなにも心底幸せで、知らず笑顔が溢れてくるのも彼といるからこそ。紅茶指南に耳を傾けながら、うんうんと頷きながら真剣に聞き入る。砂糖とミルクを入れる前に先ずはそのままの味を頂こう、とふぅーふぅーと冷ました紅茶を一口。むむ、と眉間に皺が寄ってしまったのはご愛嬌。「お、大人の味だ…。い、色んな味を試さないと損だからね!ミルクと砂糖も入れてみなくっちゃ」まだまだ紅茶の渋味は己には早かったようだ。それを素直に伝えるのはなんだか負けた気がして、敢えてカッコ付けたような言葉を使う。そそくさ、と彼の教え通り砂糖をスプーン3杯にミルクを少々。もう一度口を付けてみると、先程とは打って変わり飲みやすい甘さに変わっている。漸く美味しさにへにゃりと眉尻下げ「美味しいなぁ、心に染み渡る温かさだね!」こくり、こくりと飲み進める。美味しいお菓子に、美味しい飲み物。更には大好きな彼に囲まれ幸せで仕方ない。緩んだ頬はそのままに、まったりとお茶の時間を堪能して。真剣な忠告は笑い飛ばされてしまった。全く笑い事ではないのに当の本人はどこ吹く風。もう、と胸の前で腕を組むが喜びたと伝えられるとそれ以上二の句は告げられず。仕方ないな、と苦笑いを浮かべると「ジェイドが喜んでくれるならいいけどさぁ。ジェイドは子供が生まれると親馬鹿になりそうだよね!」ふと思い付いたままに揶揄いを一つ。きっといいお父さんになるのだろうな、と彼の父親像を想像してはニマニマと笑い)
(/本日も長い時間お相手して下さり有難う御座いました!参加者様も増え、時間も時間ですので本日はこの辺りでお暇させていただこうかと思います。今回もジェイド様の優しさにほっこりとさせてもらいました!またお時間があった際には宜しくお願いします。お休みなさいませ、良い夢を。礼)
>ジゼル
(次々と紡がれる美しい言葉は、ただ貴方を喰らう為に此処へ来たバケモノ風情にはとても勿体無いような気がして。今まで捕食してきた獲物たちは、口々に痛みや苦しみ、己への怨嗟を吐いては事切れていった。こうして、相手から望まれて捕食を行えることがどれほど貴重な体験であるか、此処に来て漸く理解する。「…ありがとよ」呟くように、ぽつりと。誰かに感謝することなんて、随分久しぶりだから照れ臭い。貴女が、最後まで己を見ていてくれる。それを喜びだと囁いてくれる。こんなに満たされた気持ちは味わったことが無く、気付けば貴女の額に触れるだけの口付けを落としていた。「……任せろ。お前の名に誓って、骨の欠片一つも残しゃしねえ」告げられたのは貴女の最期の願い。噛み締めるように間を置けば、こっくりと深く頷く。骨まで食べるなんてそれこそ朝飯前だ、と言わんばかりに貴女の瞳をまっすぐに見つめては、鮮血の滴る貴女の腕を掴んで口元へ運び、ガブリと噛み付く。引き締まった肉の感触、ボタボタと流れる血がベッドのシーツや貴女の服、そして何より己の口元を赤く染めてゆく。一口齧ってしまえば、後はもう止まらなかった。貴女の鎖骨、胸、脇腹、太腿――ガツガツと音を立てて、凄まじいスピードで胃袋に収めてゆく。貴女はきっと、まだ辛うじて息があるだろう。聞こえているだろうか、捕食の興奮から息を荒げながらも貴女の耳元に口を寄せて「―今まで喰った中で、一番美味いぞ。俺ァ、幸せだ」獲物から望まれて捕食することが出来る多幸感からか、今口にしている肉の桁外れな旨味からか、或いはその両方か。怪物の瞳から、ほろりと一粒の涙が落ちて、貴女の頬を濡らした)
(/いえいえ、前後の文脈から何となく意味は汲み取れていたので大丈夫ですよ、お気になさらず…!恐らく次レスで幕が下りると思いますので、言い足りない事等ございましたらめいっぱいラザロへぶつけてやってくださいませ…!)
>レベッカ
迷子か…、それは大変だね。レベッカ、俺は君の部屋が何処か分かるよ。…案内しようか(いかにも警戒心を抱いている、といった貴女の様子に、構わずゆるりとした笑みは崩さないまま。自分で言うのも何だが、人当たりは良い振る舞いをしているという自負はある。そんな己に易々と警戒を解いたりしない辺り、貴女を躾けたバケモノは誰なのだろう、なんて無粋なことをぼんやり考えて。ともかく、貴女の名前さえ分れば部屋が何処なのかくらいは分かる。こてん、と首を傾げて貴女の選択を待つ。「俺はね、死神だよ。…と言っても、君を鎌で切り付けて、魂を刈り取ったりしないから大丈夫」種族を問われれば、まるで辺りにぽわぽわと花が浮かびそうなほど緩い笑みを深めて正直に正体を明かす。死神、どうしても剣呑な印象を与えるであろうその響きを中和すべく、両掌を貴女に見せてはひらひらと振って見せて「これはね、死神しか着れない特別な服なんだ。風が吹いたら飛んでいってしまいそうでしょ、」ふふ、と柔らかく笑いながらその場でゆっくりと一回転してみせる。慣性に従ってふわふわと動く黒煙は、まさしく人知を超えたものであり、当の本人にも説明は難しく)
>ドロシー
(此方の言葉に惜しみない同意を示してくれた貴女、同じ気持ちだったのね、と言わんばかりに柔らかく微笑んで。誰かを抱えて飛んだのはとても久しぶり、否、もしかしたらこれも初めてかもしれない。重力に逆らう浮遊感、此方にしっかりとしがみついていてくれるのは助かるが、貴女は怯えてしまっていないだろうか。ふと貴女の表情へ目を遣ると同時に、感嘆の声が上がったのを聞いて心中の心配は晴れる。「ふふ…、草木や花に囲まれるのもいいけど、上から見下ろすのも素敵でしょう?」喜んでくれて良かった、と心から思いつつ、自分も眼下に広がる夕焼けに照らされた広大な庭園を見下ろして「…貴女に、見せてあげたかったのよ」朱色の西日に照らされる横顔で、満足げに小さく呟いて。やがて地面へ辿り着けば、危なげなく片足から着地して貴女をそっと降ろして。そこはまさしく庭園のど真ん中、草のアーチや立派な大樹、人間界ではありえない造形や色彩の花が咲き誇る場所で)
>ルシアン
(/背後文のみでのお返しを失礼致します、此方こそ本日も素敵なお時間を有難うございました…!ルシアン君の純真無垢な可愛らしさも然ることながら、PL様の綴られる活き活きとした美しい文章に勉強させて頂きました。是非またいつでもお越し下さいませ!それでは、素敵な夢を…!)
>マリーシュカ
なかなか出来ない経験だものね…全部が見下ろせるなんて、贅沢。
(地面の方へ近付くにつれて、風と共に運ばれて香ってくる花の匂い。頬や髪を撫でていきながら過ぎていくそれを堪能しつつ、普通は立てないであろう位置からの壮大かつ色鮮やかに咲く庭園の景色に目を離せないでいて。気付けば既に降りるには危険の無いところまできていて、空での浮遊体験が終わってしまう事に少しばかり寂しさも感じてしまうが、それ以上に目移りしてしまうのは四方八方にある草木、見た事も無いような珍しい色形をした花達。地面へ降ろしてもらって直ぐ気になる花のところへと駆けていき。チューリップやバラなどの、人間界ではポピュラーな種類とは一線を画した色合いのもの、不思議な形をしたもの、視線を動かす度に飛び込んでくるそんな花々は自分の好奇心を突き動かすには十分な材料で。一段と目立つ大樹に近寄りその幹に触れれば、その大きさに感動して無意識に口が開いてしまい。そんな調子であちこちを跳ねるように見て回っては彼女の方へ振り返り「はあ、楽しい…!一日居ても飽きなさそうだね、この庭園」心の底から楽しんでいる様子で満面の笑みを浮かべてみせる。この身一つでは丸一日かけてもきっと庭園の魅力を全て観察しきる事など難しいだろう。しかしそんな膨大で未知な物も多い場所だからこそ楽しみも何倍と大きくなっていて)
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