魔法使い 2018-10-02 22:51:17 |
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……僕は…すみません、何でもありません…
(僕は偉大な魔法使いになれなくても、師匠の傍でずっとお仕え出来ればそれでいい…そう願ってしまうことはいけない事なんだろうかと考え、でももしそれを伝えて期待して下さっている師匠をがっかりさせてしまう事が嫌で言葉には出せずに師匠の方は向けずに俯いたままで
…戻ろうか。
(相手が何に対してネガティブな思いを抱えているのかは分からなかったが、そう優しく声をかけると家へと向かって歩き始め)
お師匠様…、後一か所だけ一緒に行ってくださいませんか?
(お祭りの締めくくり、夜に願いを込めて火を灯したランタンを飛ばすというのが毎年恒例となっていて、お祭りに参加せずともそのランタンが飛んでいくのを窓から眺めていたものだった。参加したのならばと師匠に願い出て)
そうか、今日はランタンが上がる日か。良いよ、行こう。
(相手の言葉に今日はランタンが上がる日だったかと思い出せばそう言って頷き、相手と共にその場所に向かい)
そうだな…この街の人たちと僕らが、平穏に幸せに暮らせるように、かな。
(辺りにはランタンを持った人々が多くいて、時々魔法使いとその弟子の姿に気づいて声をかけてくる人もいて。少し悩んだもののそう言うとにっこりと微笑んでランタンを受け取り)
お師匠様らしいです
(気が付き声をかけてくれる人に愛想笑いをしつつ、正直人が多い所を好まない自分と師匠…師匠の返答にそう答えれば)
僕は…僕もそう願います
(心の中では追加で、お師匠様とずっと一緒にいられますようにと願いを込めて淡いオレンジ色の炎を灯したランタンを上へと飛ばし見つめて)
綺麗だね…魔法で飛ばすよりも、ずっと綺麗だ。
(浮かび上がっていくランタンを見つめその瞳に光を映しながら夜空に消えていくまでそれを見つめ続け、弟子の幸せを願って)
帰りましょう、お師匠様
(二人で空を見上げて、数多く飛んでいくランタンを見送り夜空に消えて見えなくなれば師匠へと視線を移して微笑みかけて)
…あぁ。皆んなの願いが叶うといいね。
(そう言って頷くと相手と一緒にランタンの淡い光に照らされた夜道を歩いて家へと戻って行き)
……
(師匠について歩きながらその背を見つめ、先程の優しさのこもった言葉に微笑みを浮かべて。家に帰りつけば手を洗いキッチンへと立ち
ルイ、店が休みの日くらいゆっくりして良いんだよ。
昨日のシチューが少し残っていたから、パンを入れてグラタンでも作ろう。今日は僕がやるよ。
(帰宅するとすぐにキッチンに立つ相手にそう声をかけ、今日は簡単なもので良いだろうとそのままキッチンへと向かい。昨日の残りで簡単に2人分の食事を作るくらいなら出来るため、変わると言って食器棚から皿を取り出し)
お、お師匠様の方こそゆっくりなさってください…っ僕がやりますから…!
(意欲的にキッチンへと立つ師匠に、こうなればいつも師匠に押し切られてしまい、いささか無駄であるがそう言って)
良いから、いつも君にやってもらってるんだから、たまには僕にもやらせてよ。
(そう言っていつものように相手をキッチンからリビングへと移動させてソファへと座らせると残ったシチューを温めつつパンを小さめにカットし始め)
は、はい…お師匠様
(ソファへと座らされればそわそわとし、何も心配する必要はないのだがいつもこうなってしまえば師匠の姿をじっと見つめつつ、何かお手伝いしましょうか?と定期的に声をかけるが、大丈夫座っていなさいと言われてしまえば動けずで料理の完成までソワソワと落ち着きなくそうしていて)
はい、出来た。パングラタンだ、熱いから気をつけて。
(ほどなくして料理が完成すると未だにそわそわしながらこちらに視線を注ぐ相手にそう言って、熱い皿とスプーンが相手の前にふわりと着地し。)
僕も、全く料理ができないわけじゃないんだよ。得意ではないけど、魔法でどうにかなることもあるし…ルイが作った方が美味しいけどね。
(美味しいという弟子に微笑み料理を口に運びながらそう言って、弟子が来る前はなにかと自分で頑張っていたのだと)
…ありがとうございます
(美味しいと言われれば嬉しくなりはにかみ、師匠の話を聞けるのは珍しく興味津々といった感じで食べながら話を聞いて)
お師匠様の昔のことはあまりお伺いしたことがなかったので新鮮です
あまり話したこともなかったかな。ルイと同じように師匠のもとで毎日修行を積んでいた。
(興味深そうな弟子に笑いつつそう言って昔のことを思い出し。随分と昔のことだと思いながら)
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