魔法使い 2018-10-02 22:51:17 |
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あぁ、ありがとう。お言葉に甘えて先に休ませてもらうよ。ご馳走さま、今日も美味しかった。
(相手の言葉にそう頷くと食事を終え、手を合わせて微笑み。相手の好意に甘えて今日は先に休ませてもらおうと、立ち上がると自室の方へと上がって行き。)
ありがとうございます、お休みなさいませ
(一礼して師匠を見送れば、後片付けを始めすべて綺麗に元通りにして最後に灯を消せば借りた本を手に自室へと階段を上がりはじめ
…
(部屋に戻り、早々に眠りについたものの、夜中にまた目を覚ましてしまい。少し苦しくて、ベッドから抜け出すとランプに明かりをつけてリビングへと降りて行き。少しハーブティーでも飲んで落ち着かせよう、花吐き病の治療薬はそう簡単には作れないためしばらくは体調が万全ではないだろうが仕方ないと思いつつ。)
(リビングのソファに背中を預け、テーブルの上にハーブティーを入れたカップを置いたまま目元をおおっていて。定期的に吐き出さなければ花で喉が詰まってしまう、体勢を変え自分を落ち着かせようと耐えているのか苦しそうにその背中が揺れて。)
……
(階段をそっと降りて行けばリビングからもれる灯。お師匠様寝れなかったのだろうかとそっと入ろうとすれば苦しそうに咳きこむ師匠の声…え…、と驚き少し開いた隙間から師匠の姿を見つめて
…!ごほ…っ
(相手が見ていることには気づかず少しして苦しそうに咳き込むとその唇から花びらが散り、咳き込む度に花がこぼれ落ちて。普段魔法で生み出していた色とりどりの美しい花が、苦しそうに背中を震わせる度に口を抑えた手に、そして膝の上、床へと広がり)
……!!(自分が見ているものはなんだ…お師匠様から出ているものはなんだ……我が目を疑う、一歩、一歩と後退し背を壁へとつけると床へと広がる花びらが一枚隙間を抜けて自分の足元の方へと落ちて。はぁはぁと口元に手を当てて息を乱しその姿へ驚きの瞳を向け続けて)
……は、ぁ…
(ようやく発作的だった咳が収まると息を整え。どれも薬を作るときに必要とはいえ、このペースでは明らかに必要な分を上回ってしまうため、疲れた様子でソファに背中を預けながら軽く指を振ると散らばった花は一掃され。相手の足元に散った花びらだけが残り。)
……
(静かにその一枚を指先で摘まみ拾い上げればそれを持って静かに部屋へと戻れば、今まで読み漁ってきた本を机に置き、一ページ一ページ丁寧に読み漁っていく。お師匠様の病状はなんだ…今まで自分はそんなものを見たことが無い、必死に探せど見つからずいつしか窓の外は白み始めて)
(そのまま夜はベッドにも戻らずソファで眠ってしまい、テーブルの上に置かれていたカップの中のハーブティーも朝まで置かれたままで。空が白み始めた頃も目を覚ます事もなく、何もかけずに眠っていて。)
見つからない…
(何時間も集中して本を読んでいたために背もたれに背をつけ目を瞑り顔を両手で抑えてからため息を一つしてからだらっと腕を垂らして顔を上に向ける。自分にはまだなんの病気かも検討はつかず天井の一点を見つめれば)
イシルウェ様…
(名前を呟きしっかりと座り直せば、拾った花びらを机から摘み上げて見つめ。そっとハンカチに包んで机の引き出しへとしまえば立ち上がり、まだ早いがじっともしておれずに朝食の準備へと降りて行き。リビングに入ればソファで眠る師匠の姿があり、あのままここで眠ってしまわれたのかと驚きと何故だか悲しみとが入り交じり泣き出しそうな表情で一度部屋に戻り毛布を一枚持ってくればそっと身体に掛けようとして
(自分の名前を呼ぶ小さな声、そして身体に触れた暖かくて柔らかい毛布の感覚に一瞬だけその目が開き、アイスブルーの瞳が相手を見つめたがまだ寝ぼけているようで、その腕が相手へと伸び、そのままぬいぐるみを抱きしめるように相手を引き寄せて腕を絡め)
お師匠様……
(泣き出しそうになるのを堪えその腕の中でグッと下唇を噛み締めて師匠に腕を回して抱きしめ返せば、自分に何ができるのかと精一杯考え瞳を閉じれば頬に一粒の涙が溢れて
…ルイ…?怖い夢でもみたのかい…?
(夢と現実を行き来しているような状態、眠たそうにまつげを持ち上げて相手を見ると涙が頬を伝うのを見て指さきで拭ってやりながらそう尋ねて。大丈夫だとあやすように抱きしめたままの相手の背中を叩くと、また瞳を閉じながらもう少し寝よう、と小さく言って)
……はい…お師匠様…
(震える声を精一杯に平静に聞こえるように応え、この人を失いたくない、掛け替えのない自分の存在…たった1人の家族…必ず病気を治してみせると師匠の服を握りしめ固く決意し
(ソファの上で相手を緩く抱きしめたまま、また眠ってしまったようで小さな寝息が聞こえ、白い肌に髪の毛が一房流れ早朝のリビングは静かな空間が広がり。)
……
(寝息が聞こえ始めればゆっくりと身体を放してその恐ろしいほどに綺麗に整った陶器のように白い寝顔を見つめて流れる髪を指先で触れてゆっくりと立ち上がればテーブルに置いたままのカップを手にキッチンへと向かい朝の支度を始める
…ん…ルイ、?
(目を覚ましたのは日も高くなり始めた昼前のことで、普段よりぐっすりと眠っていたようで。腕に抱いていたはずの弟子の姿はなく、眠たそうな声で相手の名前を呼んで)
おはようございます、お師匠様。昨夜は寝付けなかったんですか?
(朝食を作り終えるもよく眠っている師匠を起こす気にはなれず、自室から本を一冊持ってリビングに戻れば椅子に座りまた再び読み調べていれば気がつかぬ間に陽も高く、師匠から声をかけられて本から顔をあげれば微笑み、そっと本を閉じて)
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