魔法使い 2018-10-02 22:51:17 |
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……っ、!
(相手が出て行く物音を聞きつつ、仕事場で薬の調合を始めて。鉱石の粉や薬草などを微調整して。薬にいつも使っている花が切れていることに気づくといつも通りまじないを唱え花を生成しようとしたものの急に普段とは違う鋭い痛みが身体に走り、思わずテーブルに掴まって。弟子は出掛けており、為すすべもなく苦しそうに一人で床にうずくまり。)
ただいま戻りました。(楽しんでおいでの言葉に外に出ていくものの、彼の向かう先はいつも蜂蜜を分けてもらう養蜂場だった。いつもありがとうございます。と社交辞令を述べ、愛想笑いを浮かべ受け取れば軽い会釈をし次なる目的地へと足を向け、十分に食料を買い込めば真っ直ぐに帰路につく。真面目な彼の性格、寄り道など頭の片隅にもなく戻ってくれば荷物を食料棚へと置き早々と帰ってきたと師匠への報告に仕事場へと足を向けると軽くドアをノックして)
…ああ、お帰り、ルイ。早かったね。
(咳き込むようにして吐き出したのは花で、その花を見るなりすぐに頭の中で魔法書のページが捲られて。花吐き病、本では見たことがあったが魔法使いが侵される症例は載っていなかったはずだ。大抵の場合は魔術の使い過ぎだろうが、突然の事に驚いたのは確かで。ドアがノックされると早い帰宅だと思いつつ返事を返し、苦笑して床に散らばった花を手に取り)
ちょっと立ちくらみがして、花を落としてしまった。
大丈夫ですか?
(返事を返されてから扉を開き床に散らばった花とそれを手に取るお師匠様の姿を目にすればと言葉をかけて中に入り床に膝をつけば拾う手伝いを始めて)少し休息も取ってください…
…そうだね、少し休むよ。リビングに居るから、仕事が一段落したらホットミルクを持って来てくれるかな。…僕が側にいないからって、気を抜いて色々壊さないように。
(花を拾い集め終えると台の皿の上に置き、そう言って少し伸びをして。弟子の仕事が一段落したらホットミルクを持ってきて貰うように頼みながらも、少しからかうように言って笑うと、リビングに上がって行き)
だ、大丈夫ですから…!心配しないでください…っ!
(休むと言ってもらえた事に安堵しつつもやはり大事な師匠の身体…心配なものは心配で少し表情を暗くしながらも、今日はお師匠様の好きなものを食べさせようと安易に考え、自分の仕事をし始める。調合に使う鉱石を粉末状にして瓶へ、擦りこぎを動かし粗めに適度にさらさら…それぞれに集中し、まるで指揮者かの様に指を振り動かして、柔らかくも強く…強すぎも壊さぬように慎重にと師匠に教えられてきた言葉を思い出しながら魔法を使えばあっという間に疲労はたまり額に汗を滲ませれば自分の今の限界はここまでと手を止めれば動いていた道具も全て動きを止めて)
これだけは手で…
(貴重な花びらを一掴み、特殊な液体の入った瓶にいれれば仕事は一度手を止めて師匠のホットミルクを作りに一度リビングへと向かえば)
(リビングのソファに横になると指を鳴らしてリラックス効果のある花の香りを立ち込めさせ、天井を見上げながら弟子の事を考えて。奇怪な病にかかったとでも言おうものなら相手はきっと自分の身を案じるだろうと思いながら、今すぐ死ぬような病でもないため暫くは伏せておこうと、そう考えているうちに目を伏せ眠りに落ちてしまい)
お師匠様?
(部屋を覗いて姿を探せばソファの上で眠っている姿を見つけて、最初の呼びかけ以上の声をかけることはせずに静かに近くの椅子の背にかけてあった茶色のブランケットを手に取りそっと近づけば身体にかけようとして)
…ん…
(相手がリビングに来た時には浅い眠りの中におり眠くなるような穏やかな空気が流れていて、相手からの呼びかけにはわずかにまつげが震えただけですぐに目を覚ますことはなく。弟子と寝室は別のため眠っている姿を誰かに見せることはなかったが弟子と二人だけのこの家では警戒心もなくなっているようで)
(その身体にそっとかければ、美しい寝顔姿にしばし見とれて、肩から力を抜けば自然と優しい表情になれば起こしてはいけないとそっと静かにその場を後にしてキッチンへ向かおうとして)
…ルイ…?
(ふと目を覚ましたのは相手の気配を感じたからで、まだ少し眠そうなアイスブルーの瞳が相手を映し。立ち上がろうとしていたその手を掴んで引き止めると、またウトウトと瞼が閉じかけて)
は、はい…!ここにいます
(名前を呼ばれれば自然と言葉を発しながらソファの傍らで膝をついて、またウトウトとする師匠の姿を見つめて)
ルイも、寝る時間を削ってまで根を詰めるのは良くない…たまにはゆっくり休むと良いよ。
(眠そうに欠伸を噛み殺しながらそう言うと落ち着くようにと軽く相手の黒い髪を撫でて。相手が時々寝る時間を削って勉強をしているのは気づいていて、真面目すぎるところのある弟子だからこそ時々は休息が必要だと)
…!…はい
(撫でられつつ自分の事を師匠に指摘されて、見ていて下さった事そして気遣ってくださっていることに心は温かくなりほほ笑みを浮かべて返事をして)
師匠もですよ…今日はゆっくりと休息を取られてくださいね?
(引き続きほほ笑みを浮かべたままそう口にすれば)
ホットミルク、作ってきますがお飲みになりますか?
ん、飲む。いつもより少し蜂蜜多めで作ってくれるかな。
相手の言葉には大丈夫だよ、と返事をしつつホットミルクを頼んで。起き上がってソファに座り直しながらキッチンに立つ相手の後ろ姿眺め、大きくなったなどと親にようなことを考えていて)
はい、承知しました。
(そっとはなれてキッチンへと立ちホットミルクを準備しつつ)
体調の方はいかがですか?今日のお夕飯はお師匠様の好きなものを作ろうと思ってますが何がいいでしょうか?
大丈夫だよ、大したことはない。ちょっと立ち眩んだだけだ。
…シチューが良いかな、昨日貰った美味しいバケットもあるし。
(心配そうにいう相手に、心配するほどのことでは無いと安心させつつ夕食には悩むそぶりを見せて。昨日街のパン屋に貰ったバケットがあったことを思い出すとシチューがちょうど良さそうだと提案して)
分かりました、ではシチューにいたします
(蜂蜜多め、ホットミルクを用意して師匠の方へと向かえば、そっと差し出して微笑み上記を述べて)
ありがとう、楽しみにしてる。…ん、美味しい。
(微笑みながらそう言って、受け取ったホットミルクを飲むとその甘い温かさに落ち着いたように息を吐いて。自分のたった1人の弟子に悲しい思いはさせられないと思いながら)
良かったです
(傍らに佇み嬉しそうにほほ笑みを浮かべれば、師匠がそんな思いでいることなど知らずに穏やかな気持ちで師匠を見つめれば)
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