ビニール傘越しに見た空が / 募集中

(サンプルロル)

＿＿まあ、別に借りた物返すだけ、だし……。
(学校も終わりいつものようにビューティーハリーショップへと足を向ける中、空は晴れ模様だというのに片手には凡庸なビニール傘を携えており。先日雨の中差し出されたそれは結局のところその役目を果たすことなく持ち帰ることになってしまった訳だが、こんな傘一本でも借りは借り、いつまでも持っているのも何だか居心地が悪く少しばかりの葛藤を経て持ち主でもある彼へ返すべく持参した状況で。しかしいざ店へ入ろうとすれば何だかあの一件を妙に気にし過ぎてしまっているような、チープな傘一本位返さずとも良かろうものを悩んだ末に持ち込んだという現状がまるで意識してしまっているようにも感じられ何ともこそばゆい気持ちになってしまい。暫し扉を開こうか、やはり気にしていない体で押し通そうか、もだもだと行き場のない手を彷徨わせながらも何とか前に進むべく言い聞かせる様な言葉を呟けば、いつもより少しだけ表情を強張らせながらも店の扉を開いて)

( / トピ上げさせて頂きます。
ご興味のある方がいらっしゃいましたらお声掛け下さいませ。)