やばい人 2018-09-09 01:43:24 |
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ふと、頬に冷たいものが当たった気がした。
その冷たさで、俺はぼんやりと目が覚める。
もう、朝なのだろうか。
昨夜は、いつのまに眠ってしまっていたのかが分からないが、酷く眠い。
だが、早く起きなければ、学校に遅刻してしまう。
…学校?
…今日は、一体何曜日だっただろうか。
何か、違和感を感じた。
が。
………眠い。
あまりの眠さに頭が働かない。
考えるのをやめて、もう一度夢の世界へ帰ろうとしていると、また、頬に冷たいものが当たった。
…側にいるのは誰だ?
母さんか?
だとしたら、おかしな起こし方をするもんだな。
いつもなら…。
…いつもなら…?
…いつもならなんだ?
いつもなら、母さんはどうやって俺を起こしていた?
ここまで考た時、俺は何かに気が付いて慌てて飛び起きた。
飛び起きて愕然とした。
今、俺の居る部屋に、俺は全く見覚えがなかった。
その部屋は、古い洋館のような雰囲気があった。
床には厚みのある高級そうなカーペットが敷かれており、壁沿いには分厚い洋書がぎっしり詰まった本棚が二つあった。
本棚の間に掛けられた絵は、細かな彫刻がなされた銀色の額縁に収められている。
天井では、一つの大きなシャンデリアが優しい光を放っていた。
俺の寝ていたベッドもキングサイズのもので、布団もやわらかな手触りで質が良さそうだ。
しかし、豪華な空気に包まれたこの部屋も、今の俺からしたらワンダーランドの入り口のように思えた。
いや。
今は正直、部屋の様子なんて、どうでも良かった。俺は、部屋を見渡していて気が付いてしまった。
なんと、ベッドのすぐ横に一人の女が立って此方を見ていたのだ。
しかも、普通の女じゃない。
目に、白い目隠しのようなものを着けた、金髪の女だ。
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