か弱いアニヲタ 2018-09-09 00:36:08 |
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《鬼滅の刃/煉獄杏寿郎》
此方では、お慕いしている方への文言を預かっていただけると聞きました。
私のような階級も低い一隊士の言葉があの方に届くかどうかは分かりませんが、どうかこの場をお借りすることをお許しくださいませ。
(そこで1度口を閉じれば、その場で深々と頭を下げて。言葉こそしっかりとしているもののその唇や声色は緊張からか少し震えていて、これでは他の隊士に示しがつかないと1度深呼吸をすれば、そこにあるのはただ何かを決意したかのような真っ直ぐな瞳のみ。)
炎柱、煉獄杏寿郎殿。
貴殿のその真っ直ぐな瞳、力強くも優しい手。お天道様と炎の色をした御髪。お声、太刀筋、……笑顔。あなたの全てを、お慕い申し上げております。
返事は求めておりませぬ。
いつ死んでしまうかも分からない今生、私の遺言だと思って聞き流していただけたら、それだけで光栄でございます。
(段々と脅威を増していく鬼たち。柱や最近入った彼らのような力を持たぬ自分たちのような平凡な隊士は、恐らく赤子の手をひねるかのように鬼に惨殺されてしまうのが関の山だろう。ならば、せめて、今まで胸の内に隠していたこの気持ちだけでも伝えても良いのだろうかと。届くがどうかすら分からない此処ならば。独りごちるのは自由だろうと、その隊士は自嘲気味な笑みを浮かべて。
隊士はまた一度深く頭を下げれば、その場を去ろうと踵を返して。……と、ぴたりと足を止めれば顔だけで此方を振り返る。そこにあるのは、鬼殺隊の隊士の顔でも、いつ来るか未来に怯える人間の姿でもなく、ただ愛おしい人を見つめる一人の少女の顔だった。)
───どうか、貴方の未来が幸多きものでありますように。
(/スペースお借りしました!)
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