見習いマスター 2018-09-02 23:37:37 |
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御影尋.
アンリ:くっつくだけじゃ足りねぇ。
( 穏やかな眼差しに続きを促されもぞ、とシーツを蹴り目線をあわせ。すぐ近くにあるものだから…赤く柔らかなそこに触れるだけの口付けを落とした後、今1番したいことを言動で示してみる。次なる言葉を思えば、また渋い顔をされそうだが…復讐者でさえ気を許さるざるを得ない根気強さを持っていた彼女が悪い。タオルケットの下で片手をとり、自身のお腹に這わせたのなら「…チップにもならねえこの身ですがやるよ、ぜんぶ貰ってやって。」と相手を選んだうえで全てを明け渡すことを躊躇なく選んで)
オベロン:一通り見て回ったけど、サーヴァントの姿は見かけてない。聖杯の在処も不明で、この特異点が形成された理由も分からない。でも──ここがどんな世界かはよく分かる。
( 独りは苦しい。己には無い感情であり、そう言った彼女に何も感じないわけではない…が、これからのことを思えば、どのような言葉を掛けたところで烏滸がましい。故にイタズラっぽい言葉には曖昧に笑い返すだけに留め、用意してもらった椅子に腰掛けると上記を。続けざまに「──知らない場所なのにこの景色に見覚えがある、って言ったらどうする?」特異点を見て回った後ならいざ知らず、レイシフト直後で…しかも” 初めて降り立った場所 ”にも関わらずここが“ あの森 ”だと分かった。だからこの土地はシェイクスピア作、夏の夜の夢に登場する妖精王オベロンとその妃ティターニアの領地──すなわちアテネの森だと断言しよう、)
>>アンリマユ
…困りました、両手でも持ちきれない
(至近距離で黄色が揺れて、体温を分けるように熱が触れる。いつかどちらかが欠けるとなったら、最後の瞬間はこんな風に触れていられたら幸せなのに。そっといつかの海のように、指先に這った熱に目を細めて、惜しげも無く全部をあげると告げるこの英霊は本当にタチが悪い。だってそんなの、この生意気で我儘で世話焼きで、何より復讐者の名を持って呼ばれた悪の根源からしてみたら、持て余すくらいの愛の告白だもの。「でも、はい、全部貰います。ちゃんと」、と呟いて、両腕を飼い犬の背中に回して)
>>オベロン
____それ、って。それじゃあ、え、あ、でも、
(サーヴァントの姿はない、聖杯の気配もない、違和感はない、のに、この場所を知っている。椅子に腰掛けて、まるで物語の一片を語って聞かせるような言葉を静かに頷きながら聞いていて、最後の一言で…小さく息をのんだ。この景色を知っている、と言ったのがこのヒトでなければきっと何も思わなかったのに。例えばそう、このセリフをシェイクスピアが言ったなら…話は違ったのだ。妖精王は、物語に生きた存在なのだから、知っているはずがないのだ。そこが物語の中に存在した場所でもない限りは。濡れた服が急に冷たさを思い出させて、小さく腕を擦りながら…考える。何故舞台の上の場所が此処にあるのか、理由に聖杯が関わっているのは確かだけれど…この場合は我々が物語の中にいるのではなく、物語がこちらに侵食してきているのか、あとは、そう、あとは…「妖精王、ここに…その、」…言い淀んだのは、この後に続けたい言葉が相手の中に土足で踏み込む一言になり兼ねないから)
御影尋.
アンリ:そ…じゃねえだろ、甲斐性なしが、
( 想いのウェイトを指しているのなら待ちきれないのも無理はない、これは英霊の座まで持っていくつもりだが、我ながら拗らせている自覚はあるのだから。若干バツが悪そうに目を逸らし黙秘していると、頭から背に移動する手。あったかい…けど!そちらの言いつけに従い、行動でも示したのに…おあずけ状態が続くなか睨む瞳は、物欲しげに揺らめき。「くっつく以外のこともしたい、って言った。たまにはアンタからも………や、らしくねえこと、あんま言わせんな阿.保。」とアルコールの魔法が解けた結果、居た堪れなさから罵倒に次ぐ罵倒をぶつけてしまい、)
オベロン:続けて…?別に僕以外の者が彼女の名を呼ぶのは許せない、とかそこまで狭量な思考は持ち合わせていないから。
( 此方の言わんとしていることは伝わったようで頭が真っ白になるのも致し方ない。本来なら中世イギリスの風景が広がっているはずが、御伽話の世界に書き替えられていて…それから。それから、人間(読者)によって、この世には存在しないものと定義された“ きみ “が存在している…そんな世界。こちらの気を遣ってか、その名を口にすることを躊躇う少女にへらりと笑み向け、あたかもティターニアの存在を匂わせるが、次の瞬間には瞼を伏せ。「…僕としても彼女の存在は無視できないから調べようとしたんだけど何というか…僕、ここら一帯(ティターニアの領地)の妖精達からウケがあまり良くなくてね。どうにも雲を掴むような情報しか得られなかった。」と。夏の夜の夢において、オベロンとティターニアは仲が悪く、同じ領地に籍を置いていないし、配下の妖精たちも二分されている。よって王妃の領地に属する妖精たちから情報提供が受けられず、自分の配下の妖精たちも対立関係とあってあちら側の詳細な状況は把握していないようであまり良質な情報は得られなかった、と語り、)
>>アンリマユ
…ん、ふふ、
(全部、は、きっと本当に全部なのだろうと分かっていて、少しの間に自問自答をし続けている。本当に?自分が得ていいものだと言えるの?相手は英霊様で、自分はただの人間で。どんなに愛を持って触れても、相手は復讐者で、いつか、自分か相手かどちらかは置いていくわけで。相手の背中に回した手は少しだけ震えていて、でも触れていられることが幸せで。アルコールの力を借りていても、目の前で揺れる飼い犬の目は勿論のこと、いつも通り素直じゃない言葉も全部嘘偽りがないことくらい分かっている。から。小さく笑いながら顔を寄せて、唇を重ねる直前に「アンリマユさん、愛しています。」と、ちゃんと全部くださいね、なんて思いを込めて)
>>オベロン
…それが答えですよね、妖精王。貴方のことを邪険にする理由なんて、だって、そうでもないと有り得ないじゃありませんか
(考えていることも、感じていることも筒抜けとして…それでも、何となく口にすることは憚られた。ぎゅっと心臓が痛むような感覚がする。読者としてのエゴに甘えて考えたことはなかった、のだけれど、登場人物からしてみたらたまったもんじゃないだろうに。愛するように生み出された相手が居ない世界に放り出されたと思ったら、今度はその存在がいる世界がイレギュラーだから消すように言われた対象だなんて___しかも、きっと彼女は、この王様の、彼女の役を着た、偽物だ。上手く言えないけれど、なんて、酷い。一度だけ目を閉じて、開いて、深呼吸を一度、それから「少し休んだら、街の方へ行きましょうか…貴方を妖精王として認識する妖精たちがいるのなら、物語の中で恋をしていた人間の方々もいらっしゃるかも分かりませんし、宿も探さないと」。髪から垂れた水を袖で拭いながら、この後の計画を思案して)
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