見習いマスター 2018-09-02 23:37:37 |
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>>アンリマユ
____…きれい
(帰り道は分からない。その通りだと困ったように笑うより先に、そっと繋がれた冷たい手にほっとしたように笑って道を進む。赤色、黄色、緋色、茶色、所々の緑…それは秋のような穏やかな光を持って揺れて、自分は…なんだかとても、此処を愛しく思う。たとえ土から“妖精たちの死の匂いがしたとしても”。視界が開けた向こう側、森には無かった桃色は風に攫われるように揺れていて、先へと進む王様に合わせて花を踏まないように、踊るように進む…あの場所もこんなに美しかったのだろうか、でも終わりを望む気持ちが分かるからこそ“もう一度、咲かせたい”とはもう思わない。する、と王様から手を離したなら、花に顔を寄せようとその場に膝を折って)
さて、世の中等価交換だ。次はこっちの要求を叶えてくれるだろう…?
( 鼓膜を揺らした感想に微かに眇めた瞳で目の前の花畑を見遣る。祭神と数多の妖精達の死骸が積もり形成された國、妖精の純粋で悪辣な気質が体現された土地で生まれた花なんて気持ち悪いだけだが人の子から見たら美しいものなんだな、と。少し遠くの方では妖精達が楽しそうに花を頭に飾りあって遊んでいる。此方がそうするよりも先にスル、と手が離れ、しゃがんで花の香りを楽しむ少女に有無を言わさない微笑みを浮かべては上記を。言外でタネの回収を手伝えと告げており、「手伝ってくれたら帰り道、教えてあげるよ。」。地面に落ちた種を1人で地道に拾うなんて面倒くさい、自分よりも拾いやすそうな手をしている彼女を利用してやろうと付け加え、さらに奥地へと足を進めて、)
>>アンリマユ
…うん、わかった
(ここまで歩いてきて、分かったことがある。この妖精王のいる場所は、足元から死体の匂いがする。呪いの音がする。他の妖精たちは気にしていないのかもしれない、けど、王様は気がついている。それでも、妖精たちの王として…それは、虚しくて美しくて愛しい在り方だ。あと、とっても律儀。ここまで自分を案内する必要も無かったはずなのに、最初から帰り道に放り込めば良かったのに…同価値のものを入れ替える“等価交換”の意味を知れば、自分が花を生き返らせる代償に自分の命を差し出そうとしていた事だって子供ながらに分かる____呼ばれた理由は分からなくても、王様に会うべき理由はあったに違いない。「…おべ、たねってこういうの?これも?」もちろん、王様を跪かせるつもりなんてない。足元に転がる小さな丸を拾い上げながら後ろを追って)
御影尋.
──断っておくけど、僕はただ人手が欲しかっただけだから。この後の種まきも付き合ってもらうから…そのつもりでよろしく。
( 見逃さないようによく目を凝らして種探しに励んでいると、図太いのは先輩譲りなのか。彼女の方からまたしてもポジティブかつ好意的な、感情が勝手に流れてきたため伏せている顔をそれはもう嫌そうに歪めて。クルッとマントを翻し半身をそちらに向け、視えているぞ!とばかりに指を差したのなら、どさくさに紛れてさらに仕事を追加してやり。それから背伸びしながら見せられた種に頷き「うん、それだ。その調子でどんどん回収してくれたまえ!」と言って持ってきた器を差し出したのは、彼女が持っていた方が良いだろうと判断したため。…決して仕事を押し付けようとかそういう魂胆はない、決して、)
>>アンリマユ
…はぁい
(びしぃ!と指を向ける王様に、可愛い人だなぁと子供心に思う。青年のような見た目をした少年、ヒトのような見た目をした妖精、妖精王を騙るナニカ…ナチュラルに増やされた仕事内容も、何もかも、嫌いでは無い。だから、器を受け取ったなら「おべ、やっぱり、おひるねいっしょにしてね。やくそくね」と。“あんりもおべも、ずっといっしょにいてほしい”なんてお願いは叶わない、起きてベッドを出た頃には、家に帰らないといけない。だから、夢の中くらい楽しんで我儘を言ったって多分許される…器も受け取っちゃったしね!これもそう、あれもそう…とぱらぱらと拾いながら、いつか…いつか、あの枯れた花畑にまたお花が戻ってきたなら、自分も見に来たいと思ったり、そのときは紅茶やサンドイッチを持ってきたりもしたいし…夢だからケーキもいいかもしれない。鼻歌交じりに拾い集めた種も多少なり器の底を埋めてきて、時折立ち上がってはピンクの花の中をうろちょろと右へ左へ)
御影尋.
…諦めが悪いなぁ。
( 無事に仕事を押しつけ…おっと間違えた、来たる種まきに備えて体力を温存することにして、よっこいしょと近くの切り株に腰掛けて。隣にやってきたパートナーと共に、パステルピンクの海に紛れちょこまかと動く勤勉な影を黙って眺めていれば労働のお小遣いとでも言うのだろか。再び一緒にお昼寝して欲しいと頼まれ困ったように表情を崩し足を組み、言えばすんなり叶えてくれそうな相棒が傍にいて…何故わざわざ自分に頼んでくるのだろう。妖精眼をもってしても分からず聞くことに。「どうしてそんなに僕と昼寝したいかなぁ…お互いのために止めておかない?」ユメから覚めた彼女は、きっと元の彼女に戻っている。何だかんだ言って本来の彼女からは、警戒されていると知っている為止めないと、)
>>アンリマユ
…おべは、ひろのぜんぶをみているみたいで、ちょっとこわいけど…そばにいるとおちつくの。こわいゆめをよくみちゃうから…ひとりぼっちでねるときに、あんりやおべがいてくれたら、いいのにって、おもうよ
(足を組み、切り株に座る姿はタロットカードの一枚のよう。ひらひらと舞い落ちる秋色の葉をバックに、桃色の花畑の中から見上げた二人は御伽噺の住人のよう…それは、夢の中だから、そうなのだろう。目の前でひらひらと飛ぶ妖精と、自分の手元にあるやけにリアルな感触の器、夢か現か怪しい感覚。だけど、本質的に分かっているのは「ひろは、たぶんおっきくなっても、おべもあんりもだいすきよ…あ、でも、おべは、ゆめでしかあえないのか」なんて。幼い口から飛び出した言葉がいつかの未来で真実になることを今は知らないけれど。沢山採れた種を大切に器に移したなら、成果報告でもしようかと駆け足で王様と女王様の元へ)
御影尋.
添い寝、はしないけど…そうだね。眠るまでの間でいいなら傍にいてあげよう。シアワセな夢を見せるのは得意分野なんだ──それでどうかな?
( 怖いのに落ち着く…?少々矛盾を感じるものの振り返れば本来の彼女も、近づきたくないみたいな顔をしながら何故か声を掛けてくることが多いので、そういう理由があったのかと少女の気持ちを聞き腑に落ちて。…とはいえ何故、懐かれているのかは今もって不明だけど。花畑から顔を出したかと思えば此方に戻ってきた少女の身なりを見て、軽く指を鳴らして。するとどこからともなく発生したそよ風が、ワンピースにくっついた枯葉やら花びらを払い落としていき。綺麗になったところで器の中をブランカと覗いてみて。花畑を復活させるには十分な量の種に上記を、要は一緒に寝なくても傍に居さえすれば良いのだろう。言葉のニュアンスからそう判断し、)
>>アンリマユ
…うん、それじゃあ、ひろがねむるまでそばにいてね
(全部を見透かしたような目をして、失望されて、手を離されることが怖い…ただそれだけのことで、本質的には王様のような律儀でどうしようも無く分け隔てない、望まれたように在った存在は嫌いにはなれない…結果、飼い犬に手を噛まれるような大人に育つのだけれど。ふわりと体を撫でた風が魔法だと気が付いていて、抵抗することなく目を伏せれば、上記の言葉に小さく「ありがと」と付け加え。どうやら報酬に見合うだけの種を得ることが出来たらしい、良かったと嬉しそうに顔を綻ばせたなら「うれしいなぁ、だいすきよ、おべ。ちょっとこわいけどね!」。容姿が声が、妖精王だから…そんな理由ではなくて、こんな何も持たない人間と遊んでくれた貴方だからこそ無邪気に伝えるのだということは、明らかなはず)
御影尋.
───勿論、君が眠るまでそばに居るとも。
( 言葉だけじゃなく、行動でも約束を交わすように静かに空色の双眸を細め。甘言に幸せそうに表情を溶かす少女を見ているとふと…、1人の女騎士の存在を思い出す。秋の森を焼き払った張本人。そして己の術中にはまり、愛しい恋人を食い殺.し.た真実を忘れ、都合の良い幸せなユメに溺れた果てに、最期は厄災となって散っていた彼女のことを。冷たくなった恋人に微笑みかける騎士とかつての敵に愛を囁いてくる少女…似た状況だから結びついたのか。顎に手を添え、「悪夢を見て困っているんだろう?よく安眠出来る魔術を掛けてあげるから、見たい夢があったら教えてご覧…?」目線を合わせれば酷く優しい声音で訊ねてみせ、背後では鱗粉を纏った蝶の羽が興味深そうに揺れ、)
>>アンリマユ
…あのねぇ、ひろね、おとうさまやおかあさまと、おててつないでおさんぽしたいの
(眠るまで…いつか、どこかで、口にしたことがあるようなないような、そんな響きにぱちりと瞬きをしたなら、こんな拙い約束を叶えると言ってくれた王様のことをやっぱり愛しく思う。嘘でも構わない、大人は嘘つきだと知っているから、期待はしない…でも、もし叶えて貰えるなら。何かを考えるように一瞬止まった王様を見上げ眠たげな瞳を揺らせば、今度は至近距離でこちらを優しく見据える青い瞳に…蝶の羽、光る王冠、これは夢だと言い聞かせれば我儘だって口をつく。「いっしょにおしょくじできて、いたいちゅうしゃもなくて…まほうのない、ひろになりたい」__んふふと照れたように目元を緩めて、夢ならできる?と問うように、こてんと首を傾けて)
御影尋.
両親と──勿論、そのくらいお安い御用さ!
( たどたどしく、ゆっくりと紐解かれてゆく少女の願い。どこか気恥ずかしそうな様子から察するに恐らくこの願いは秘密の話なのだろうと思い。家族と一緒に幸せに暮らしたい、なんて誰しもが一度は思う普遍的な望みだ。生憎と己は生みの親には殺意しか無い為、共感は出来ないが、だからと言って彼女のソレを良くも悪くも思わない…少なくとも『夢の中でもサーヴァントと一緒いたい。』とか、『抱きしめて欲しい。』とかそういった願いよりは、まだ許容できる範囲だ。様子を伺うような目にウィンクを返し、快諾してみせると立ち上がり。「種の回収手伝ってくれて感謝するよ。さて、帰ろうか。」と声を掛け、容器を預かろうと片手をそちらへ差し出して、)
>>アンリマユ
____…うん、
(拙くて現実世界では叶わない願い事、夢の中だから口にすることが出来て、夢の中だから王様との謁見を許されて、夢だから…夢だから、こんなにも穏やかに魔法のことを隠さずに話が出来る。茶目っ気たっぷりに返されたウインクに、ぱちりと瞬きをしたならほんの少しだけ恥ずかしそうに笑って、そっと種の入った容器を両手で差し出して____「おべ、おはながちゃんとさいたら、おはなをみに、またあそびにきてもいい?」、枯れた茶色に一箇所だけ咲かせてしまったピンク色、いつかそれが目立たなくなる日が来たのなら今度こそ夢の世界を満喫して帰りたい。ね、というように、ほんの少しだけ寂しそうに目を細め)
御影尋.
───勿論。この花畑に負けないくらい大きなものを作って、次来たときにはビックリさせてやるぞー!
( 容器をそっと受け取ったのなら、来た道を戻りはじめて。ゆったりとした歩調…ただし、行きのように手を繋ぐことはない。拳の中に収まる種はきっと妖精達の手によって大切に育てられ、いつか美しい花を咲かせるだろう。──しかし、それを彼女が目にすることはきっと無い、妖精王の物語が“ 全て夏の夜の夢 ”として締めくくられたように、ここでの出来事も全て夢幻。彼女が目覚めた瞬間、なにも無かった事になる。叶わないと知って、嘘で塗り固められた約束を交わすと、それからは他愛もない会話をしながら半分枯れた花畑に戻ってきて。チラッと彼女を見遣り考える、種蒔きはいつでも出来るし、先に彼女を帰り道に案内しようか、)
>>アンリマユ
____うそつきね、おべ。もうあえないし、あそべないっていっても、ひろは、なかないのに
(器が手から離れて、青い瞳が前を向く。自分より大きい背中を眺めながら歩いて…優しくて冷たくて、残酷で、正しい嘘だと気が付いたのは“最初からこのヒトは本当のことを言っていないと気が付いていたから”。もう多分、自分はこの森に来れないのだと思う、幼い日の思い出として記憶に残すことも全ては出来ず、そっと、華やかで鮮やかな夢として消えていく。辿り着いた場所で茶色い花も踏まないように、軽く踊るように王様から離れたなら「でも、ありがとう。やっぱりだいすきよ、おうさま…そろそろ、おきるじかんなんだね」帰り道はどっち?と尋ねるように笑ったなら____目覚めたとしても、どうか、この王様の愛しい嘘を覚えていられたらと願う)
御影尋.
…ははっ。お互いもう二度と顔を見ずに済んだのならどんなに良かっただろうねぇ?
( 人の気も知らず拗ねたような、それでいて少し寂しそうな声で嘘吐きだと糾弾されればフハッ、と乾いた笑いをこぼして。確かに、今夜の出会いは誰の記憶にも残ること無く、夢として消える。…しかし覚えていなくても召喚されてしまった以上、彼女はまた懲りずに此処に堕ちてくるに違いない。空を流れる雲が太陽を隠し、秋の森に影を落とす、その影を吸い取るかのように毛先から黒が広がってゆき、美しい蝶の羽も塵のように消えて。彼女は勿論のこと、ここには見たくない顔が多すぎる。「…まったく、どいつもこいつも気持ち悪い奴らばかりで嫌になる。」なんて誰に言うでもなく独りごちると、ついて来いとばかりに彼女に一瞥をくれ、出口へと歩き出して、)
>>アンリマユ
(少しずつ空が暗くなる、ヒヤリとした空気が肺を満たす、少しずつ少しずつ、昼間の鮮やかな王様の仮面は夜の帳を下ろし、一番最初に出会った姿に。怖くは無い、だからといって無条件に信用してはならない相手だと本能が叫ぶ、それでも、それでも…最後の最後で、王様はひねくれたまま“どうせまた会うよ”と言った。ぱあっと顔を綻ばせた後、先を歩き出した背中を小走りで追いかけて…「…どっちもおうさまなんだね」と笑う。今の黒くて嫌味っぽくて皮肉っぽくてちょっぴり怒りん坊の王様も、茶目っ気たっぷりにウインクしてみせた王様も、認めて、飲み込んで、何故だか魔術師の本能が“このヒトは未来の敵で味方”だと叫んでいるから…それが何よりも、約束された再会の証拠だと信じて)
御影尋.
生憎、俺は君と違って暇じゃあない。口より足を動かしてくれ。
( 今度はなにが嬉しかったのか。理由は分からないし分かりたくもないが、楽しそうに隣に並んだ小さな影を一瞥すれば、フンッと無愛想に鼻を鳴らし上記を。…もうすぐバレンタインがやってくる、今年もアルトリアと藤丸の奴が結託してくるかもしれない。不法侵入されないように出入り口を塞いでやる、などと考えながら暗い森を歩いていると、遠くの方で星のような小さな光が見えて。ここまで来れば十分だろう、立ち止まると「そら、あの光を目指して歩けば否が応でも出口に出れる。じゃあねクソヤロウ、次来たら問答無用でぶっ飛ばしてやるから。」と別れの時であろうと最後の最後まで悪態はブレない、剣呑な言葉と共に黄昏の空を指差して、)
>>アンリマユ
ありがと、おべ、
(なんだかんだ自分を置いていかない妖精王、悪態をついていてもこちらを少しだけ見下ろす青い瞳…律儀なヒト、根っこはどうしようもなく平等なのだと思う。ぴたりと止まった大きな影に、どうしたのと問うより先に…少し遠くに見えた淡く確かで眩しい光に少しだけ目を細めたのなら…夢の終わりは随分とシンプルで、ロマンチックだ。数歩、光に向かって歩き出したところで___くるりと振り向いたなら「またくるね!」と。両手をぱっと振ったなら、そのまま再び身を捻って光の方へと走り出し…言い逃げだと言われれば事実、それでも、今日のように黙って遊びに来るよりは親切だろう)
御影尋.
二度と来るなよ──!!
( 現実の世界に帰っていく後ろ姿を黙って見ていたら不意に苦そうな瞳が振り返り。にぱっと、目の前で星が散ったかのような鬱陶しさ…しかし、眩しい笑みを向けられると思わずパチリと瞠目して。その後、我に返るとすぐに、ギャン!と吠えてみせ。「…まったく、これでやっと静かになる。」なんてボヤきつつ、小さな背中が光の中に消えるまで見届けて────、)
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