【FGO】嗚呼、日常。【3L】

>>アンリマユ
（じっと足元の影を見下ろして…手に触れる感覚は土のそれ、明らかに人の温度ではないのだけれど…貴方の気配がする。と、不意に黒い中から飛び出した何かに、ぱち、と瞬きを…傷が痛まないようにゆっくりと立ち上がって、飛んで行ったそれを拾うように身を屈めれば…飴。影から飴が出てきた。ぽかん、と手の中の小さなそれを見据えたあと、気が抜けたようにくつくつと笑って「…あんりぃ」と名前を呼びながら自分の影を見下ろし…ぼた、と目から涙が落ちる。安堵感から思い出してしまった、本当は、転んで痛かったのだと、痛いのが大嫌いな自分がびぇっと泣き出してしまうまで…あと10秒）

御影尋.

ｯ！？だあわかったわかった、ｱﾝﾀのｱﾝﾘですよ～。
( 甘い物をゲットし機嫌良さそうにしていたのも束の間。嬉しそうな笑顔が突然くしゃりと、痛そうに歪んだのを発端として、大きな瞳からポロポロと涙を零しはじめる相棒。突然のことに驚きギョッと顔をこわばらせる反面、助けを求めるみたいに名前を呼ばれたから…ゲームの勝敗とか全部、どうでもよくなってしまった。影から這い出ると纏っていた黒いモヤが剥がれ落ち、素顔が露わになり。「ｿﾚ自力で治せそう…？」少女の前にしゃがんでは、患部を指差しながら訊ねる。もし難しいようなら、自分がおぶるなりにして医務室に連れて行こうかと、)
　

>>アンリマユ
…ん、
（ぐすぐす、と、むぅと唇を尖らせるようにして声を我慢していてもぼたぼたと涙が落ちていくのは止められない。声を上げて泣くのをぎゅっと堪えていたら、影から影が生まれて、輪郭を持った黒いそれは少しづつ影を落として、黄色い目がこちらを見下ろして…やっぱり貴方だった、と、目の前で目線を合わせるように膝を折ってくれた貴方に小さく頷いて両手を膝に伸ばしたなら…すんっ、と鼻を啜りながらゆっくり傷を治していく。全部が綺麗に治る頃には、ほんの少しだけ視界が揺れて気持ちが悪い…けれど…両手を貴方に伸ばして、抱きつこうと）

御影尋.

はいもう捕まっちまったんで隠れません、傍にいます。
( ぐすぐす嗚咽を漏らしながら手当てを行う姿は、見ていて痛ましい。それでも魔術を使いこなし、完全に怪我が塞がったのを見ると良かったと安堵しつつ、小さな体を宝物でも抱きしめるように包んで。側から見たら、どちらが鬼だか分からない光景に見えるだろう…彼女を捕まえるつもりが、またしても先に見つけられてしまった。その事実に弱ったような、満更でもなさそうに表情を弛めれば「責任持ってお運びするんで…な？許して、」。素直に喜怒哀楽を出してくれるのは嬉しい、ただ泣き顔は少しだけ調子が狂う…しゃがんだまま彼女に背を見せおんぶの態勢を取り、)
　

>>アンリマユ
＿＿＿＿うん、ぜったい、そばにいてね
（大きくなるにつれて、魔力を自分に割く余裕も、自分の傷を治す気力も、全てがなくなっていく未来…今はまだ、小さな傷でも痛いと泣ける。ふわりと優しく抱き締められて、んふふと嬉しそうに笑ったあと…鬼を捕まえてしまったなぁと困ったように泣き笑いを浮かべて。貴方が迷わずに、真っ直ぐに、こんな自分の所へ向かってきてくれたことを知っているから、傍にいるなんて言葉を疑わない。ぐしぐしと雑に目を拭っては、向けられた背中に嬉しそうにぺそっと登り。「ねえ、じゃっくちゃんいた？ふぉーくんもいた？」と、肩越しに見える景色を楽しむ気満々な自分は、ひょっこり顔を貴方の耳元に寄せて）

御影尋.

お嬢が逃しちまったから、2人共見つかんねえよー。
( 己を含め草木から太陽に至るまで…ニセモノで構成された世界で、背中にかかる重みだけが唯一の本物。子供特有のポカポカした体温を感じながらスタート地点に戻っていると鼓膜をくすぐった声に、唇を尖らせ不貞腐れてみせ。とりあえず今のところは友達の気配はせず…とはいえ、飼い主の気配に釣られてそのうち合流出来るかもしれない。もし会えたのなら辞退する旨を伝えなければと思いつつ、少し首を動かし。「なあ魔力が無くなった時、いっつもどうしてるんだ？」現状2つほど魔力を補給する術は思いついているが、慣れた方法の方が彼女も良いだろうと訊ねて、)
　

>>アンリマユ
まりょくが、なくなる？
（そこかしこから魔法の匂いがする、どの木も土も、多分空気でさえも偽物の世界で…触れられるはずの貴方も、本当は。ふとこちらに向けられた黄色い目に、きょとんとした後…小さく告げられた言葉を繰り返してみて。自分から魔力がなくなっているという状態は、よく分からなくて…だけど、ああ多分「えっとね、つかれちゃったときはね、やすめばだいじょうぶ」と。ぶらぶら、怪我ひとつなくなった足を揺らしては、この身体が重たく感じる感覚は、自分の中の何かが無くなっていたからなのだと…子供ながらに理解して）

御影尋.

あんまﾎﾟｶｼﾞｬｶ使わんほうがいいぜ～、魔術の世界は等価交換が原則だからな。
( おんぶされた少女はよく分からないといった顔をする。…知らなくても無理はない、魔術とは縁もゆかりも無い家系から突然生まれた異端児。法則や道理を度外視して不可能を可能にする力は、彼女にとってまさしく“ 魔法 ”の力、なのだろう。森を抜け最初のスタート地点に戻ってくると、仲間の1人に遊びを辞退する旨を伝え、シュミレーター室から出て。転んで汚れた服は着替えさせるとして…「一緒にお昼寝する？」と、いつものように、苦しいとか寒いとか症状が無いのなら自然回復で大丈夫だろうかと、)
　

>>アンリマユ
…するぅ
（魔術の力は等価交換…トーカコーカンってなんだろう。こちらから誘ったものの、最後まで遊びに参加しきれないことは少しだけ残念で…けれど、走って逃げれるほど身体が動くかと言われれば微妙な今…ごめんなさいと、しょもしょもと顔を曇らせたところで森を出た先はやはり真っ白な建物の中だった。運ばれながら、昼寝はしたいと気の抜けたように返事をしながら…目の前の体温に縋るように身を寄せたあと、ふと「あんり、ひろがいっぱいまほうつかったら、ひろはまほうつかえなくなる？」と、尋ねて。もしそうなら、そうだったなら…自分は、どうするのだろう）

御影尋.

…はは、野暮なこと聞くねぇ。ﾃﾒｪの今の状況をみたら、最終的にどうなるか予想くらいつくっしょ？
( 飼い主と添い寝…心なしか軽い足取りで廊下を歩いていたら、ホクホクした気分を壊すように少女から問い掛けられて。思わずぐっ、と眉間にシワが寄り、口からは何とも言えない乾いた笑いがもれる。魔力が尽きたらどうなるか、だなんて…思うように動かない体が、冷たい手脚が、なによりも明確に先の未来を暗示していると思うのだが。「───ｱﾝﾀがｱﾝﾀじゃなくなるよ。」くるり、蜂蜜色の瞳をそちらへと向けたのなら人としても、魔術使いとしても死ぬことを暗に告げて、)
　

>>アンリマユ
…そっかぁ
（呆れたような、怒ったような、困ったような…声が聞こえて、素朴な疑問に対する答えの意味を履き違えるほど幼くもいられない。こちらを向いた黄色い目が、暗に全部を終わらせたいのか？と尋ねてくるようで…自分は、ほんの少しだけ困ったように笑ってから目を閉じて。この世界からいなくなりたいとは思わない、だけど、魔法使いの自分に居場所があるとは思えない…「あんり、ごめんねぇ」と、呟いたのは、結末を明言しなかった貴方が自分の終わりを望んでいないのだと子供ながらに分かっていたから）

御影尋.

いや、許さねえ。抱き枕にしてｷﾞｭｳｷﾞｭｳに絞めてやるわ。
( アンタが今全てを終わらせちまったらオレはいったい誰と相棒を組みゃいい…？そんな文句も、弱ったような笑みを前にして引っ込めざるを得ず。フイッと素っ気なく顔を元に戻せば「ｱﾝﾀはさぁ、人に勝手に居なくなるな～とか言う癖に、自分はとっとと消えようとするのﾏｼﾞでどうかと思うよ？」と言ったのがスイッチとなり、様々な記憶が一気にぶわぁっと蘇ってくる。無用だと言ってるのに人のことを庇おうとするわ、使い魔に牙を剥かれてもされるがままになってるわ、挙げ句最期を委ねてくるわで本当に…、頬に空気を貯めながら足早に廊下を進み、)
　

>>アンリマユ
…んふふ、ちょっとなら、かんでもいいよ。ひろは、鬼につかまっちゃったからね
（ふいっと前を向いてしまった気配を感じて、ほんの少しだけ瞼を持ち上げて…少しだけ考えて、そっと頬に擦り寄って。自分はとっとといなくなろうとする、嗚呼、そうなのかと…自分の願望をはっきりと口にされたことは初めてで、嗚呼そうなのか、自分は生きていることが嫌なのかと…そりゃあ、自分は嫌われ者の魔法使いだもの、遊んでくれる人も傍にいてくれる人も今の自分にはいないから。「…あんりは、ものしりだね」と、そう告げたのは…幼い自分が名前をつけられなかった感情の表現方法を貴方が教えてくれたから）

御影尋.

…、…ずーっと見てきたからな、人間観察は得意なんだ。あと占いも出来る～。
( 彼女は人を不審者に仕立てあげたいのだろうか…頬にじゃれながら何気なく贈られた評価には、遥か遠くを見るような目で、長く続く廊下を見つめて。どこか諦念の色が浮かんだ穏やかな眼差しであったが、またすぐにいつものおちゃらけ顔に戻り、占いが出来ると楽しそうに。そうしてお菓子に囲まれた部屋に戻ってくれば飼い主をベッドに座らせ。「ｱﾝﾀは大きくなったらｺｰﾋｰにどﾊﾏりします。それから…野良犬を拾うﾖ。」隣に腰掛けては、近くにあった手鏡を占い道具に見立ててポツリ告げ、)
　

>>アンリマユ
…ひろ、こーひーのめるようになるんだ＿＿＿＿わんわん、ひろのことすきになってくれるかなぁ
（ふっと、黄色い瞳が遠くを見て、そんな横顔を見ながら思う…うん、夢で見た世界でも、貴方は諦めたように遠くを見ていたから、と。そっと降ろされたベッドの上、隣に並んだ貴方がそれっぽく言う言葉を疑うほどませてはいないから、嬉しそうに笑いながら自分の将来なんてものを哀れむように目を閉じて…もし、魔法と共に生き抜いてしまって、その未来でそんな素敵な出会いがあるのなら「わんわん、いっぱいかわいがって、たいせつにしないとね。しあわせにしないとね」と。こんな自分の傍にいると約束をしてくれた誰かがいるのなら、きっとそれがどんな形であれ愛さずにはいられない）

御影尋.

さぁて、どうだろうねぇ。手負いの狂犬でも根気強くそばに居れば絆されるかも…なんちって。
( そこらにある鏡を覗いたところで勿論未来なんて見えるはずもなく、己の顔と部屋が映し出されるだけ。…だというのに、此方の言葉を真に受け、普段の飼い主とまったく同じことを言うものだから、思わずくつくつと喉を鳴らして笑い。主人が思っている以上にワンちゃんは懐いている、とは今も未来も言わず素知らぬ顔で部屋の隅に行き。置いてあるボックスを持ってきて。キャスターが彼女のためにと、色々服を送ってくれたのだ。ふたを開けてはヒロ、と手招きし、)
　

>>アンリマユ
ん…ぅ？これ、あのおねえちゃんの、
（根気強く傍に…そんなこと、できるのかな。ほんの少しだけ、不安に目を細めた後ベッドから立った貴方を目で追って…開かれた箱にきょとん、とした後、傍に。とと、と近付けば、感じる気配と中身にぱぁっと顔を明るくして。「あんり、これひろの？」と。可愛い服、ふわふわのドレスみたいなワンピースもある、これはカルデアの制服みたいな…おろおろと目を泳がせたあと、こういう時にどういう感情表現が正解なのかが分からなくて、わーっと両手を挙げて降参ポーズを）

御影尋.

ｯ…ふふ、なにそのﾎﾟｰｽﾞ。
( その独特の喜び方に笑いのツボを押されて、思わずブフッと吹き出してしまう。手の甲でニヤける口許をおさえつつ、問い掛けにはコクコク頭を振り…しかしまあ、お気に召したようで良かった。ひとしきり笑うと嬉しそうに服を見ている少女の隣で、己も勝手に箱を物色して。どの服も確かに可愛い…が寝巻き向きかと言われれば、首を捻る物ばかり。…と、「お、これとかﾓｺﾓｺで良いんじゃね？」とやや声を弾ませ取り出したのは、フォウ君デザインのきぐるみパジャマで。どうよ？と小首を傾け意見を伺い、)
　

>>アンリマユ
ふ、ふぉーくんだぁ！
（ポーズ？と両手を上に挙げたまま、嬉しい時のポーズがこれしか思い浮かばなかったのだから仕方ない…と手をユラユラ、海藻のように揺らしていたのだけれど、箱から取り出されたそれは…白いモコモコ、ケープのような特徴的なひらひら、フードについた耳…ぱぁあ！と顔を輝かせれば両手をそちらに伸ばして「あんり、ひろそれがいい。ちょーだい？」と、いつかの将来に比べてオネダリだって上手な方に違いない）

御影尋.

ん、はいよ。
( 嬉しそうに華やいだ表情を見て、普段の飼い主だったら、きっとこうはいかない。誰得ですか…みたいなつれない反応をされそうだなぁ、としみじみ思い。差し出された手の平の上に、パジャマを置いたのなら「洗濯してくるんで、汚れた服ちょーだい。」彼女が着替えている間に、ランドリー室に行こうと片腕を其方に伸ばして、)