【FGO】嗚呼、日常。【3L】

>>アンリマユ/シャルルマーニュ
っ、はい＿＿！
（確かに、何も知らない人達から見れば素手で鎖を掴んで破壊している娘…不気味だろうと、申し訳なさそうに眉尻を下げ…たその瞬間、獣の声と自分を呼ぶ飼い犬の声に顔を上げる。残る檻はあと1つ、あと1人…咄嗟に指をピストルの形にして。ガンドによって鎖が切れる音も、咆哮に掻き消されて聞こえはしないだろう。｢アンリ、退路確保急いでください、このまま上に戻ります｣半ば叫ぶように放った指示と共に、ドレスの裾をスリットに合わせて適当な位置で束ねて走り出し。さあ、大嫌いな魔術師たちに一矢報いて差し上げましょう…痛む手も、切れる息も、飼い犬が一緒ならば怖くはない）

御影尋.

ｱﾝﾘﾏﾕ/

このまま真っ直ぐ…早く！
( 立ち去る間際、獅子頭と蛇の尾が見えたことから敵は恐らくキメラだろう。息を切らしながらついてくる飼い主を認めれば堪らず手首を引っ張り全力で走り続けて。前方は来た道だから敵や罠などはないことは確認済み。では、背後はというと…何かが壊れる音がして人間達の悲鳴が聞こえてくる。文字通り別の生き物と化した尾は軽く振るだけでも格子もろとも人々を薙ぎ払い、巨大な前脚が自分達の奮闘ごと命を踏み躙っていく。しかし奪われた命を想うよりも心の中で祈る。振り返るな、振り返るな、振り返るな、…振り返ったらきっと彼女は1人でも引き返そうとする。現場から遠ざけようと更に歩速を上げ振り解かれないようにぎゅっと繋いだ拳に力が入り、)
　

>>アンリマユ/シャルルマーニュ
（振り向いたら絶対に足を止めてしまう、優先順位を間違えてはいけない…自分が止まれば、飼い犬も止まるだろう。最初から救世主になるつもりはなくて、なれやしないことも分かっていて、きっと先輩なら…先輩ならもっと上手くやったはず、妖精王の呆れたような顔が目に浮かぶ。後ろで聞こえる叫び声に噛んだ唇に血が滲んで…これだから、魔術師は嫌いだ。ただ、視界の端で確かに見えた、檻の残骸の隙間から別の檻に逃げ込んで抱き合う人間の姿に…嗚呼、この選択がせめて一時の猶予を与えられていたならば、と。繋いだ手を強く握り返して、叫びたくなる気持ちを押さえ込んで、絶望から目を逸らして走って）

御影尋.

ｱﾝﾘﾏﾕ/

( 祈りも虚しく悔しそうに唇を噛み締める飼い主を見て見ぬふりをする事しか出来ず、足を動かし続ける──と。背後で強力かつ膨大な魔力の塊が生まれたのを感知し、反射的に体を捻り。間近に迫った死の気配を覚悟し抱き合う2人とキメラの間に、滑り込むように蒼い騎士が割って入ったのが見えた。片手剣で巨大な爪を受け止めながら周囲に早く逃げてくれ、と呼びかける姿はまさに理想のヒーローで英雄、反英雄たる己には決して出来ぬ所業だ。茫然としていた人々もセイバーの声によって目に光を取り戻し出口を求めていっせいに此方に逃げてきて、)
　

>>アンリマユ/シャルルマーニュ

っ＿＿＿アヴェンジャー、セイバーの援護を
（背筋が粟立つような魔力の気配、飼い犬が振り向いたのとほぼ同時に振り向けば…嗚呼、ただの人間の自分には出来ないことをやって退ける、羨ましい。即座に飼い犬を見上げ指示を飛ばせば、此方に向かって走り出した人間たちに道を譲るより先に、階段を駆け上がり…真っ先にしたことは｢ガンド！｣。入口の施錠を無理矢理外せば、おそらく上ではアラームが鳴り響いていることだろう。キメラの暴走により檻が破壊され、鍵も破損、人間たちが逃げ出した…そんなシナリオ、自分たちが此処で介入したとしてもキメラを押し留めるためだと理屈がつくうえに、逃げ出した人間たちのことを大事には出来なくなる、はず。魔力不足にぐらついた身体を壁にぶつけても、マスターだから…仲間2人から目を離すことはなく）

御影尋.

ｱﾝﾘﾏﾕ/

…あの中に？
( 指示を聞き攻防を繰り広げている騎士と獅子の元へ向かおうとするも、聖剣が持つ能力によって両者の周りには激しい風が吹き荒れており。…自分が加勢に入っても返ってお荷物になる予感しかせず、セイバーからも『ここは任せてくれ！』と言われた為、彼が全力を出せるようにその場から速やかに離れて。飼い主の奮闘の甲斐あって出口は無事に開放されたようだが一刻を争う状況で他者を気遣う余裕など無く。人々は我先にと、狭い扉の前で押し合いへし合いしておりいつ怪我人が出てもおかしくない。　枷を壊した要領で壁に魔力を通し、出口を増やせば顔色の悪い飼い主に「裏口は教えてやったろ？ｺｲﾂら案内してやって。」逃げろと言って素直に頷く女じゃないと分かりきっているから…不安そうな人々を一瞥した後その背を軽く押そうとし、)
　

>>アンリマユ/シャルルマーニュ
…アンリ、シャルルさんに伝えてください。キメラは消さないでください、アレの暴走で人間が逃げたことにしなくてはなりません
（隣で新たな出入り口を作った飼い犬を横目に、頭の中ではいくつも、いくつも…策を練る。どうすれば守れるのか、聖杯を取り戻せるのか…後悔をするのは後でいい、貴方が自分にこの場から去れと言っているのも分かる。だから、両手を伸ばして…いつもより触り心地の良くない手であることは自覚があるけれど、両頬に触れられたなら＿｢人間が全員居なくなったのを確認したら、霊体化して2人で自分の所まできてください…お待ちしてます｣と。踵を返すように“こっち！”と人間たちに向かって声をかければ、このまま裏口から彼らを逃がすべく先を進む、この先自分は会場へ…生憎と、自分のかわいい飼い犬は帰巣本能が強いだろうと前を向いて）

御影尋.

ｱﾝﾘﾏﾕ/

了解。…分かってるよ、ちゃんと帰ってこれたらご褒美ｸﾀﾞｻｲ。
(まるで今生の別れのようだがこの任務が終わったら今年も一緒に夏休みを満喫したい…目を細めつつそっと掌を重ねては上記を伝え。逃げろ、とは言ったものの敵のテリトリーである以上安全の保証は無い、加えてこの大所帯だ。先頭に立って人々を誘導する飼い主の苦労を思えば「はいはい、避難する時の基本、おはしも守ってー。みんな知性ある人間っしょー？ここを出た後はあの白いﾄﾞﾚｽのお姉さんについて行くよーに！」少しでもスムーズに移動出来るように、扉の前に群がる人々に声を掛け続けて。セイバーの方は、殺めてしまわぬように避けれる攻撃は避けながらキメラを押し留めており、)
　

>>アンリマユ/シャルルマーニュ
…この先から外へ、大丈夫です、あの化け物は追ってきませんよ
（薄暗い道を先導して進み、開けた先でそっと木の扉を開ければそこはもう寂れた裏路地。この場を抜ければ平穏で苦しい日々が待っている…けれど、彼らはきっと今日のことを振り返っては、今日よりマシな日だと前を向くに違いない。通り抜ける小さな子が、自分の白いドレスを見据えた後告げた言葉に周りの人間も小さく破顔しながら帰っていく。｢＿＿＿天使様、かぁ｣、飼い犬のことを思えば悪魔の方が嬉しかった。来た道を戻るように木戸を閉めて少し進んだ先の階段を上がる。此処を抜ければパーティー会場へと繋がる廊下へ出られる…はず、戻る前に白いドレスの汚れを叩いて、髪の毛を緩く整えて、指先で口紅を引き直せば…手のひらは流石にどうしようも無かったけれど、そっと廊下の長椅子に腰を下ろして。状況を聞くまでは、会場の中に戻るのは危険だろうと）

御影尋.

ｱﾝﾘﾏﾕ/

おーい騎士様ー、人いねえか見て回って引き上げようぜー。
( 全員無事に外に逃すとキメラを食い止めてくれていたセイバーに向かって叫んで。飼い主の伝言に従い命は奪わず、逃げ出さないように気絶させるだけに留めて、戻ってきたセイバーと最後に2人で倉庫内をぐるっと見て回る。取り残された者が居ないことを確認すれば速やかに地下から地上に昇り。今後の方針は後ほど飼い主と合流次第、擦り合わせるとして…情報交換しながら先を急ぎ。─そうして再びオークション会場に戻ってくれば「「 ﾏｽﾀｰ！ 」」と長椅子に座り休憩している主人を見つけるや否や2人揃って声を上げ。復讐者も騎士もぱたぱたと駆け寄る姿は、傍から見たら懐いた猟犬のように見えるに違いない、)
　

>>アンリマユ/シャルルマーニュ
（じっと手のひら見据えて、所々焦げたように引き攣った皮膚をただぼんやりと…2人は大丈夫だろうか。キメラに遅れをとるとは思えない、から、危険視するのは魔術師のことだけ。ぐっと奥歯を噛み締めて、不安を表情に出さないように目を閉じて＿＿聞こえた声に顔を上げて、目を向ける。駆けてくる2人に、特に飼い犬は分かるとはいえ…セイバーまでそう寄ってきてくれるとは思っていなかったから、余計に仲間のことを愛しく思う。立ち上がって2人の魔力が安定していることを漠然と感じ取れば｢…無事でよかった｣、絞り出すように呟いた本音に困ったように破顔して。両手を伸ばして、それぞれの手の甲で2人の頬に触れることが出来たなら…本当は抱き締めたいところだけれど、それをするには腕が短い）

御影尋.

ｼｬﾙﾙﾏｰﾆｭ/

捕まってた連中は全員逃したぜ。ｱﾝﾀも無事…じゃあ無いな！？手大丈夫か？
( まずは気になるであろう人間達の無事を報告して。任務はまだ終わっていないとはいえホッと表情を和らげたマスターを労おうとして、痛々しく腫れている手に気が付くとギョッと瞠目し。いつもは素っ気なく拒絶する復讐者も傷に障らないようにしているのか。じっとしており、重ねようと思った手を咄嗟に引っ込めて。地下倉庫に侵入者が出たことは既に運営側の耳に入っており、ピリピリしている護衛に目配せした後、「…とりあえず一旦離れねえか？ﾏｽﾀｰの手当てしなきゃだし、色々話してえこともあるんだ。」と言ってエントランスを指差す。…それはこれ以上此処に居ても意味は無い、聖杯はオークションに出されなかったことを暗に告げており、)
　

>>アンリマユ/シャルルマーニュ
貴方達のお陰で無事ですよ…では一先ずお暇しましょうか
（いつかの夢に重ね合わせた檻の向こうの人々を、この手で少しでも救い出すことが出来た…それだけで、僅かに目元を緩めて笑う。驚いたように自分の手を見たセイバーに、確かに見ても気持ちのいいものでは無いと申し訳なさそうに手を引っ込めた後、提案を飲むように頷いて。今頃暴れたキメラが齎した損害に頭を抱えているであろうオークショニア達の姿を想像すると胸がすく心持ち。外へ向かうように少し進んだ後、くるりと振り向けば｢…大好きですよ、二人とも｣と。人間を守ろうとしてくれた、それだけで仲間を大切に思う理由には十分）

御影尋.

ｼｬﾙﾙﾏｰﾆｭ/

…！ｱﾝﾀもｶｯｺ良かったぜ！
( マスターの後に続き屋敷を出たところで告白紛いの…いや、仲間としての言葉であることは勿論分かっているが急に大好きと言われると彼女の相棒と違って少し驚き。しかしすぐに人々を助ける為に尽力する姿が脳裏でフラッシュバックし、満面の笑みと共に親指を立てて。…生温い遣り取り、素直な2人に板挟みにされて捻くれた犬は、1人ヘトヘトしつつ「つーかーれーたー。ﾌﾞﾗﾌﾞﾗすんのも体力消耗するし、拠点作ろうぜ拠点！」。夜の帳が下りるまでまだまだ時間がある。作戦会議も兼ねてどこかで休みたいと和やかな空気を壊すように駄々を捏ね、)
　

>>アンリマユ/シャルルマーニュ
＿＿＿近くの安宿は足元を見られますから、ある程度の場所に部屋を取ってくれたとか
（眩しい人、と、それはもういつもなら嫌味で生意気な態度しか返ってこないところにカウンターを決められて、頭がくらくらする。いつも通りの飼い犬の態度にむしろほっとしながら、これもロードの地位を持つ先生の入れ知恵だが腕の端末から告げられたことを反芻して。歩き出そうとして自分の手元を見て少しキョロキョロした後…はっとしたように、何事もなかったかのように前を向いて歩き出し…いつも知らない土地を歩く時はリードのように体温が会ったから、つい。｢…あっちだそうです、夜会用の服も改めてご用意くださったそうなので一度着替えられますよ｣と、何事も無かったように先を進み）

御影尋.

ｱﾝﾘﾏﾕ/

ご馳走食えるかなぁ、ﾃﾞｶい露天風呂もあると良いなぁ～。
(そこそこ良い場所だと聞くとぶうたれていた顔が一気に期待に華やぎ。大きなベットにビッフェ、プールもあったら最高だな…と勝手に宿屋を南国の高級ホテルに変換し。キョロキョロと、何処か物足りなさそうにしている飼い主は見逃してしまったものの、いつも通り早くと急かすように飼い主にのしかかり移動する。そうしてナビに導かれて辿り着いた至って普通のお宿で。勝手に夢見ていた分、「なんかﾌﾂｰ…、」と贅沢なことを…復讐者の妄想にあてられたのか王様も王様で「ﾌﾟｰﾙは…無さそうだな。」なんて残念そうにボヤく始末、)
　

>>アンリマユ/シャルルマーニュ
二人とも勝手に期待して勝手に落胆しないでください＿＿＿ちなみにお風呂が有名らしいですよ、良かったですね
（のしっといつも通りに掛かった体重に、ぱちぱちと目を瞬いてから困ったように僅かに眉尻を下げる。嗚呼、本当に困った飼い犬だと…楽しそうなセイバーとを見遣りながら、いやいやカルデアでしかもこの後身支度を整えれば直ぐにミッションだと言うのに豪華な場所は用意されないだろう…少なくとも隙間風が入らなければそれで良いと思っていたからか随分としっかりしたホテルにこちらは満足。｢ほら、行きますよ。自分は少し眠りたいです｣と、さっさと先に進む姿は完全に引率の先生で）

御影尋.

ｱﾝﾘﾏﾕ/

ちえっ、花火～、ﾌﾟ～ﾙ～…水鉄砲もしたかったのに～。
( まだまだ当分お預けの予感がする夏休みを思うと余計にプールなどが恋しくて。未練がましくやりたいことを列挙しながら引率の先生の後に続く学生もどき1号と2号。エントランスで受付けを済ませ、コンシェルジュに案内されるがままついて歩きながら飼い主に「なあｵﾚ(俺)達の部屋は？どこ？」と2人同時に訊ねる。騎士の方は純粋に興味心から。復讐者の方はいくら無頓着な飼い主でも今回は2人きりじゃないのだし、流石に相部屋では無いだろうと思い、)
　

>>アンリマユ/シャルルマーニュ
…え、一緒じゃないんですか？
（水鉄砲も花火も、帰ったら一緒にできますよ…と言いかけて、この後のことを思ってやめた。万が一のことも考えずに未来を口にしそうになるほど、自分は存外毒されているようで。と、不意に投げかけられた質問にきょとんと、ぱちりと瞼を一度落としたあと、首を緩く傾けて。それはもう当然のことだと思っていたのだけれど…二人が気にするのであれば｢カルデアに連絡して、もう二部屋…あるいは別のホテルにお二人は泊まっていただくことも可能かと思います。確認しましょうか｣、と端末に指先を這わせて）

御影尋.

ｼｬﾙﾙﾏｰﾆｭ/

俺達じゃなくてｱﾝﾀが嫌じゃねえかって…あ、おかしな気は起こさねえよ！？そこは絶対…ﾏｽﾀｰに魅力が無いって訳でもねえし…ええっと、
( まさか相部屋とは思っていなかった為、さも当たり前と言ったような返答に同じようにキョトンと惚けてしまう。それから別のホテルまで提案されてしまえば慌てて誤解を解こうとする…が、喋れば喋るほど墓穴を掘っているような気がして頬を掻き。エーテルで構成された体で男女間のあれこれを気にする方が変なのかと…助けを求めて復讐者に視線を投げると彼は慣れたように、或いは呆れたように軽くため息を落として。ゆるりと首を横に振り「うちのﾏｽﾀｰ疎いっつうか。こういうﾄｺあるのよー。…まあｱﾝﾀが気にしないなら良いんじゃね？」と部屋割りは飼い主に委ねることにして、)