見習いマスター 2018-09-02 23:37:37 |
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>>アンリマユ
…自分を理解しようとしてくれるのですね。優しいんですから、もう
(離れた体温に瞬きすれば、目に浮かぶ色はいつも通り無感情なものに。怯えも欲も飲み込むように、上体を起こし光る瞳を見据えて…深いところに踏み込まれたくない。大切にして欲しいけれど、求められたくない、そんな面倒な感情を持て余して疲れたのは随分と昔のこと。「…別に分からなくていいよ、なあんて。ケーキ、食べましょうか」…ベッドから脚を下ろし、にこりと、ハロウィンのあの日に貴方に魔力をくれと告げた時と同じ笑みを浮かべて)
御影尋.
……、要らない、そういう気分じゃない。
(大して役に立たない駒の機嫌なんか取っても利にならないだろうにニコリと、凝り固まった作り物みたいな…でも、口から出た言葉はきっと本心なのだろう。だから何も無かったようにおやつに誘ってくる飼い主に踏み込むことは、もう、しない。どんなに居心地が悪くてもそこだけは安心出来るから…ベッドの奥深まで潜り込み。「──やっぱりサーヴァント変えねえ?今からでも遅くないよ。」と声だけは明るく。傍にいると欲しくなるし、踏み込まれたくないなら赤の他人に戻った方がきっとお互い傷つけ合わず幸せになれると思う、)
>>アンリマユ
…そろそろ自分に飽きました?まあ、それならそれで、
(ベッドの奥深くへ隠れてしまった貴方をぽすぽすと布団の上から叩いてテーブルへ。ケーキの前に腰を下ろして、フォークを突き立てるとクリームが頬に飛んで。貴方は、自分が手を離すまでと言うけれど、自分は…貴方がもう嫌だと言うまでは傍に居たいと…思っているのだけれど。「自分の布団で、無理して寝なくても良いですよ」、ぱくり、もぐもぐ。気がつけばケーキは半分胃袋の中へ、赤の他人になってもこれだけ混ざったお互いだもの…普通ではいられないことくらい、噛み付かれたあの時悟っているのに)
御影尋.
……、
(お皿やフォークを雑に扱う音に覗かなくても飼い主の逆鱗に触れたことは何となく分かった。そっと布団をめくって…凶器を振るえば簡単に命を刈り取れる存在だが、彼女がこうして本気で怒ることはあまり無い、その分調子が狂い継ぐべき言葉が出てこない。キツく枕の端を握りしめ、「だってまたおんなじ轍踏んだら嫌だし、違う奴と契約すればそのうち平気になるかなって…多分。」と黙々とケーキを食す背中に、小さな声で恐る恐る契約を解除した方が良い理由を話すと力なく目を閉じ、)
>>アンリマユ
…貴方、それを本気で言っているのだとしたら、
(ケーキは残り4分の1。後ろから怯えたように聞こえた声…振り向かなくても分かる、本音なのだろう。貴方は、きっと直ぐに平気になる。「…少し出掛けてきます。付き添いは結構、チキンでも食べていてください」、踏み込まれたくない、求められたくない、でもそばに居たい…我儘なのは自分だと分かっている。だから、頭を冷やさないと…貴方を理不尽に傷つける。部屋を出て、窓ガラスに反射した自分の表情に…こんな時でも一人だと表情に出ないのかと少しだけ悲しくなって、行き場もない、誰かに会いたくもない、向かう先は、外)
御影尋.
……分かった。
(分からなくていいと言われたから離れたのに今度は不満そう…疎い自分も悪いのだろうが、飼い主が何を求めているのか分からない。…分からないから言外でついてくるな、と言われて頷くことしか出来ず冷たく無常に閉まった扉から目を逸らして。独りぼっちになった部屋は本当に静かでテーブルの上には約束通り4分の1個だけ残されたケーキが。ちゃんと残してくれたんだな、と思いながらベッドから降りて。いつまでもここに居られないし一旦自室に戻ろう、最後に一度だけ誰も居なくなった室内を一瞥してから扉を閉め冷えきった廊下を進み、)
>>アンリマユ
…、
(またやってしまった、と歩きつつ一人反省会を開催。相手は英霊様、気紛れに求められて捨てられたとして、それが自分の生きる意味になったとして助けてくれるのか…と怒鳴りたくなるのも我儘に違いない。きっと貴方はあの部屋にはいないはず、いつ戻っても同じだと分かっているけれど…ふっと顔を上げると書庫の前に…寄り道も悪くないか。知られることは怖いけれど、知ることは好き、誰かを不快にしなくて済むから…そんな我儘も口に出来ないまま、書庫の端、棚の影に隠れては英霊たちの伝記で壁を作るように読み終わったものから並べていく…なんだか怖くて、まだア行には手が出せずに)
御影尋.
(部屋に帰ろうかと思っていたがエントランスの大窓から見えた白銀の世界に行き先を変更することに。マスターの伴わない外出は許可されていない、通常サーヴァントが境界線を踏み越えた場合、即玄関全体に張り巡らされた逃走防止の結界が作動するらしいが今日も今日とてカルデアはこの状況を“ 無人 ”だと判断した為に、そのまま難なく外へ…。切り立った崖の先端、世の中をぐるっと一望出来るソコこそ自分だけの特等席であり、真っ白な絨毯にお尻をつけて座り。冬の風が頬に痛い…こうして今みたいに己の勤めに徹していれば今より楽に過ごせたのかな、)
>>アンリマユ
(気が付けば周りは本の山。ア行に手を伸ばせたのは随分と後の事だったけれど、手にはしっかりとアンリマユの本を持って、深呼吸の後、開く。貴方のことは何度も夢に見たし、それを信じたくなくて泣いた。怖くて痛くて辛いと泣き叫ぶほどの絶望を知って、開いたこの本は文字の羅列でしか無いけれど…貴方の傍にいたいと思う理由はそれだけでは足りないのだろうか。のそりと立ち上がり、本を片手に貴方の気配を探して辿り着いた先は外へと繋がる扉の前。センサーにすら、いないものだと言われる貴方は「…アンリマユ、さん」確かにそこに居るのに、)
御影尋.
(充てがわれた部屋にはあまり居たくない、から今日は陽が落ちるまでここに。人の営みが消えた真っ白な大地を見下ろしていて…と、不意に何者かの視線が背中を撫でる。…振り返らなくても分かる、存在しない虚無を見つけてくれるのは、いつだってたった一人の人間しか居なかったから。ちらりと、窓越しから此方を見つめる人影を見て傍に行きたい、けど、同じくらい離れたい、行っては駄目、だと思い。同じ轍は踏みたくない…心配そうな眼差しに、「─大丈夫だから、」他の奴が虚無を感知出来ないように、何も居なかったことにしてくれないだろうか…なんて、)
>>アンリマユ
(こちらを向いた月みたいな2つの目は、何だか雪に溶けてしまいそうなくらいに悲しそう。握りしめた本がぎちりと音を立てて、なんだか夢で見た景色みたいだと思う…貴方は独りで、あの全てを見下ろせる場所にいる。傍に居たいんです、自分が生きている限りは。大丈夫なはず、ないじゃないですか、気付かれないのは寂しいもの。雪の中に薄着のまま踏み込んで、貴方から少しだけ離れた位置で立ち止まる。「…かえろ、」と差し出した手は指先から凍りそうだけれど、それでも貴方がここに残ると言うのなら、一緒に凍ったって構わないと思う自分があまりにも愚かで困ったように笑って)
御影尋.
───ご、めん。
(優しく手を差し伸べられると痛そうに双眸を眇めて。少しの沈黙を破り乾いた唇から出たソレは、普段滅多に口にしない単語であり、ぎこちなく絞り出せば白い息となって、目の前を霞ませる。…踏み込まれるのは苦手だって知ってる、けど、最近はなんだかんだ言って受け入れてくれるからつい欲が出て…先日も触れたかっただけでお腹は傷付けないように、下手なりにセーブしたのだが。冷えた拳を握り「自業自得だって分かってるけど、こないだも嫌だった…?」と心の中にあるわだかまりを吐露し。手を取れるか分からないが同じ轍を踏まない為に本心を聞きたい、)
>>アンリマユ
…嬉しかった。自分は、嬉しかった。貴方が、こんな自分なんかを好きだって、言ってくれてるみたいで
(ふわりと白い息が舞って、貴方の口から溢れ出たのは想定外の言葉。謝る理由なんて何も無いのに、そう言おうとして止まったのは…貴方が告げた言葉が心からのものだと気が付いたからで。「自分、は、」…ぎゅっと目を閉じる。本音を言うのは怖いのだと知ったのはつい最近のこと。「貴方に触れられるのが好き。でも嬉しいとか、気持ちいいとか、頭がおかしくなりそうなくらい知らないことばかりで、追いつけない。壊れるんじゃないかって、怖くて、そんな自分に、貴方は幻滅するでしょう?」、いつも貴方は呆れたように、諦めたように手を引くから。差し出していた手が小さく震えて、)
御影尋.
ちげーよ。アンタだって好きな物…超豪華なパフェとか貰って食う直前でやっぱ返してって言われたら、すげぇもどかしくなるだろ。食い物なんかと一緒にしたくねえけど、感覚的にはそれと一緒!
(寒さで赤くなった顔を泣きそうに歪め拙い言葉を紡ぐ姿を見ていると、我が身可愛さでこんな場所に逃げたことを少し後悔した。気がつけば飼い主の前に足が進んでおり体ごとぽふっ、と包んで元鞘に収まる。本のタイトルが見えるともっと有名な神話を押さえた方が良いとか、そんな格好で出てくんなとか、色々浮かぶが、嬉しくなる本心をたくさん聞けて萎えていた食指が性懲りも無く顔を出し始める。こんなクソ寒いなかですることじゃないし、主人を心配して誰か来るかもしれないが唇を触り、「…一回だけ。」と口付けの許可を求めるようにカカオ色の瞳と目を合わせ、)
>>アンリマユ
もどかしかったん、ですか。そうですか、そっかぁ…
(冷えて感覚がなくなり始めた手足も、痛いくらいに灰を刺す冷たい空気も、泣きそうになってピリつく頬も、全部全部貴方のためだと言えたなら。おずおずとこちらに歩み寄ってくれた貴方が、冷えているものの体温を分け与えてくれたことに…ほっとして力が抜けそうになる。呆れられていた訳じゃなかったのか、良かった…本当に良かった。掴み直した本も冷えきっていて、上手く掴めているかすら分からないけれど貴方の目に入ったはずのそれに抗議しないその反応にも救われて、少しだけ身体の芯が熱を取り戻す。欲しいと、そう言い続けてくれた貴方に報いなくては。マスターとしてでは無く、一人の貴方を大切に思う人間として。「ええ、はい…自分は欲張りなので、2回が良いです」、小さく呟いて、そっと顔を傾けると貴方の呼吸を奪うように冷えた唇を近付けて)
御影尋.
(糸が切れたマリオネットのようにへなへなと安堵する主人に犬は少し不満げ…というのも目の前で欲しい物を取り上げられて、占める感情が焦ったい以外にあるのならば逆に教えて欲しいくらいだ。…まあ、そんな文句も聞こえた色々と卑怯なおねだりによってどうでもよくなるんだが。いつもより冷たい唇にサーヴァントと人間の違いを感じつつ、場違いながらも心が満たされる。一度目の口付けを終え、「…ん。続きは部屋、帰ってから、」なんて、我慢は苦手だけど背に腹は変えられない。甘い物を取り上げられる事と比べたら痛くもかゆくもないかもしれないが、少しでも同じ思いを味わわせる事が出来たなら御の字…手を取り温かい室内に戻ったらいつもよりゆっくり帰ろうか、)
>>アンリマユ
(一度、自らのマスターとしての尊厳も何もかもを度外視した意思で許してしまった感情は自分が想像していた何倍も大きく、欲まみれで仕方ない。唇が触れて、貴方にお預けを食らうとは思ってもみなくて…手を引かれてゆっくり歩く帰路が長く感じる。お強請りをした事実より、早くもう1回と願う思いの方が強くてもどかしくて、おかしくなりそう…貴方はまた呆れたように手を引いてしまうかもしれない、でも黙ってこの熱くて息苦しい感情を持て余したらそれこそ壊れてしまいそうだから「…あのね、本当に嬉しいの、ちょっと怖いだけだから、逃げないで我慢するから、たくさん触れて欲しい、お願い」。小さく消え入りそうな声でこぼした本音を体現するように、冷えきったままの指先で貴方の手の甲を撫でて、)
御影尋.
(早歩きしたくなるのを堪えゆったりとした足取りで幾つもの部屋の前を通り過ぎ、比較的人通りが少ない区画までやってきたところで限界に達したのか。身も世もなく並べ立てられたソレはあまりにも扇状的で…一瞬、呼吸を忘れて。理性が機能してて、立ち場さえ逆転していなければ彼女はきっと主人らしく駄目ですよ、って犬を嗜めたと思うから…自分もそれに倣うことにして。もう一度細く息を吐き、より強く手を握ることで誘惑をやり過ごす。必死の懇願も虚しく「あはっ、キス1つでふやけちまってまあ…、そんなに善かったかよ。でもだめ、まだ“ 皆のマスター ”でいようね。」と優しく嗜めているようでその実、いつもより欲に忠実な飼い主を面白がっており、)
>>アンリマユ
(好きだとか、愛だとか恋だとか、そんな人間チックな感情には端から興味なんてなかったはずなのに。実際、今だってこれが恋なんだなんて感覚はなくて、ただ傍に居たいと思うだけなのに。強く手を握って、皆のマスターでなんていつもなら一番に嫌がりそうな台詞を吐く飼い犬は憎らしさ半分、愛しさ半分。だって仕方がないじゃない、頭の奥で漸く触れられたその温度をもう1回!って強請る自分がいるものだから。ぐぅ、と感情を押し殺すように唇を引き結んで、嗚呼これが貴方の言っていた感情なのかもしれないとぼんやりと考えながら、静まり返った廊下で「善かったんです」と一言。魔力が流れ込んできて、貴方の気配がして、もう手を取って貰えないんじゃないかって思っていた自分に与えられた触れる許可がどれだけ嬉しかったかなんて、言ってはあげないけれど…少しだけ拗ねたように顔を背け)
御影尋.
ふっ、ふふふ…拗ねんなよ。
(ケーキのホール食いを止められた時よりも下手したら不満そうに見えるのはきっと気のせいじゃない、はず…何はともあれ思い知ったか朴念仁め!なんて。後々熱が冷めた時が若干怖いが拗ねながらも馬鹿正直に感想を伝えてくれる飼い主は、可愛いの一言に尽きる。失笑しながらそのままおあずけを続けていると漸く…と感じるくらいにはあの誘い文句にあてられた為、部屋が見えた瞬間、それまでと打って変わり飼い主をグイグイ引っ張っていき。自動扉が開き冷えた体をどうにかしようという気も回らず真っ先にベッドへ。シーツを叩き「…ヒロ。」と隣に来るよう促して、)
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