見習いマスター 2018-09-02 23:37:37 |
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>>アンリマユ
__ガンド!
(尾が視界の中で揺れて、そのまま…視界に映ったまま、背後から聞こえた咆哮に悲鳴を喉の奥で噛み殺して。振り上げられた脚を真っ直ぐに見据えて、貴方の頭に指先を向けて、叫ぶ。どんなに頑張っても怯ませるのが精一杯、一気に抜けていく魔力と、放った魔力の反動で強く木に身体がぶつかって骨が軋む。それでも、このまま脚を振り下ろされれば自分は無事では済まないのだろう…自分は獲物にはならない。だって貴方の飼い主だから。「令呪を持って命じます。止まりなさい、アヴェンジャー」。一か八か、吠えた貴方に返すように怒鳴って)
御影尋.
ギッ……!?
(指先から放たれた弾丸は己の眉間を穿ち、衝撃に数歩たたらを踏まされる。態勢を立て直すより早く、女によって見えない鎖で拘束された肉体は自分の物でありながら満足に動かせなくなり。…憎い、この身を縛る令呪も、鉛のように重たい体も、目の前のニンゲンも全て。手を伸ばせば触れる距離にいるのに、そう出来ないもどかしさに比べれば眉間の痛みなんて些末な問題。意地と根性で体を動かし…ズンッッ!「…ッ、」命令に逆らった罰として体が地面に沈むが本懐を遂げるべく女欲しさに震える体を引きずり、)
>>アンリマユ
…自分のこと大好きですね、アンリマユさん
(大きな音を立てて、獣が地面に僅かに沈む。…嗚呼、撃ってしまった、令呪で縛ってしまった。泣きそうだ。本当は、このまま抱き締めて、貴方に全部あげてもいいのに。ほら、自分がいなくても人類史は先輩たちが何とかしてくれるに違いないから。でも、きっと貴方が良しとしないのだろう。じりじりと近付く距離に、貴方の鋭い爪のような前足に手を伸ばして…掌を血で汚しても構わないから、握れたなら。無表情を崩して笑って「令呪を持って命じます…アヴェンジャー、眠りなさい。自分も少しだけ、寝るから」。此処で貴方を処分できない甘い自分を許して欲しい)
御影尋.
(所詮は三流英霊、令呪の強制力を跳ねのけるスキルなど備えている筈もなく。体が燃料切れを起こしたタイミングで眉間に受けた病の呪いが一気に体を侵蝕し始め、己から抵抗の気力を奪っていく。吐き出す息は熱いのに体は寒い…身を縮こまらせつつ、内に巣食った熱を逃がそうと呼吸しながら眼を動かし。怪物に寄り添うように重ねられた手。嗚呼、やっと……本懐遂げて安堵が心に差し込んだ瞬間、ドッと眠気が押し寄せてきて。“飼い主”を此方に引き寄せようと尻尾を伸ばすも、最終的にどうなったのか分からない。結末を見届けるより先に瞼が落ち意識は微睡みの中へ…、)
>>アンリマユ
(少しずつ動きが鈍くなって、掠めた脚の先が掌を傷つけたけれど貴方に触れられて。噛み付ける距離にいて、最後まで唸っていても良いものを…こちらに伸ばされた尾に、貴方は置いて行くなといつだってそればかり。手を繋いだまま魔力が減って気だるい体を動かして、貴方に寄り掛かるように、尻尾を自分の腹部に引き寄せて…カルデアと連絡が上手く取れない、ここから一人で離れることも危険なら貴方の傍に。「おやすみなさい、アンリマユさん」、少しだけ休憩をするつもりでゆっくりと目を閉じて)
御影尋.
(令呪の縛りが切れたようでゆっくりと目蓋を持ち上げる。どれくらい寝ていたのが分からないがガンドの呪いは薄れていて、少し体が怠い程度。お腹の辺りに温もりを感じて見ると飼い主が寝息を立てて眠っており。…相変わらず欲しい、し、滅茶苦茶にしてやりたいとは思うが先のような自制出来なくなる程の激情が湧いてくることはもう無い。お腹に巻き付けていた尾を伸ばしペタペタ…頬や手についた擦り傷に撫でるように触れ、)
>>アンリマユ
____、?
(怪物のようなのに温かくて、不気味な森の中での鬼ごっこも、擦り傷も仕方がないと苦笑いできそうな程にこの飼い犬は愛しい。ぴと、と何かが頬や手に触れて、僅かにぴりぴりと痛むそこに眉をよせつつ薄く目を開いて。視界の端で揺れる尻尾、こちらを見る赤い目…「おはようございます、アンリマユさん。体調は大丈夫ですか?」大人しくされるがままになりながら、もう噛みつかないことは分かっているから…手の甲で貴方の頬に触れ)
御影尋.
(しばらく尻尾で撫でていれば微かに睫毛が震え、苦そうな色をした双眸がゆっくりと開いて揺れた。それから聞き慣れた声が鼓膜を揺らして、頬を撫でる手に目を伏せ。令呪を2画失ったのは痛いがそれでも飼い主を手に掛けずに済んだ…。体調を伺う声に「大丈夫。」とでも言うように頬を舐めた後、立ち上がり。すぐ近くに落ちている救急バッグをくわえて戻ってくれば飼い主に使って欲しそうにグリグリ押し付け、)
>>アンリマユ
…ええ、使えと?
(あのままパクッといかれていたら、もしかしたらお互いに楽だったのかもしれない。頬を本当の犬のように舐めてから、こちらにかなり乱雑にバッグを押し付けてくるあたり…自分は大丈夫だから、お前はちゃんと手当しろと言いたいのが何となく分かって。不本意ながら、血の匂いを撒き散らしたまま聖杯の回収やら先輩達の援護やらはできないので…大人しくガーゼを当てて止血を図る。「…アンリマユさん、次は無いですからね」…自分は貴方に食べられる道を選びますよ。言外に本音を混ぜながら、目に見える傷に手当を)
御影尋.
………、
(それが裏切りを牽制する目的で吐いた言葉じゃないと知って本当に次は無いのだと悟る。痛いのも怖いのも嫌いな泣き虫のくせに、オレ相手には簡単に身を預けてくる飼い主に疑問は尽きない。何故そんなに自分をぞんざいに扱うのか。何故叱らないのか。それから何故…「…なんで何も聞かないんだよ、アンタだって冬木で見ただろ。何で敵と同じ姿してんのかとか気にならねえのかよ。」獣の輪郭が歪んで人の形を取り戻すと問う。思えば冬木で初めて” 残骸 ”を目にした時も彼女は他のマスターと違い、何も聞いてこなかった。カルデアのマスターとして疑い糾弾するべき案件だろうに、やはり何も聞いてこない飼い主を逆に訝しげに見つめ、)
>>アンリマユ
気にならないわけでは無いのですが…貴方がどんな英霊でも、いつか自分を裏切ったとしても、自分がいなくなった時に何かしらの感情を抱いてくれたならそれで良いかなって。
(カルデアにいることは決して幸せではないけれど、人類史の末路を聞かされてまで平然と生きられるほど強くはない、から。貴方を敬えば善なる神に背き、邪険にしても悪なる神に背く…貴方に触れることが怖くなるならと、全てを知ることを辞めたのは貴方に会ったその瞬間から。手当を終え、人型に戻った貴方をいつも通りの無表情で見据えながら、「貴方が“人間らしく”生きている姿を見ていたい。マスターとして容認されないことでも、御影尋は貴方が怪物でも、怪物に成り果てても大切に思いますから…些細な問題です」。ぐっと握りしめた手が氷のように冷たいのは、きっと気の所為)
御影尋.
…それじゃあアンタも頑張れよ。人間らしく生きる姿?っての見たいんだろ。何が面白いのか知らないけどさ、傍に居なきゃ見れないだろ。
(この黙認がハッピーエンドを呼ぶのか、それともバッドエンドを呼ぶのか。先の事は分からないが全ての可能性を考慮した上で、それでも飼い主は自分を傍に置いてくれるらしい。目の奥が熱い…喉がつかえる音がして、顔を伏せるとそのまま小さな背中に顔面を押し付けて。「……アンタは、傍に居ろって言うくせに自分は勝手に消えようとする。最期とか、自分が居なくなった時とかあんまそういう事ばっか言ってっと…、」攫っちまうぞ、とまでは息が続かず言えなかった。滅多なことを口にした自覚はあるが、勢いが止められず言う予定は無かった事まで口走ってしまった。顔を伏せたまま動けずにいて、)
>>アンリマユ
(言葉が出ない。口約束でも、貴方が自分を置いていくまで頑張って生きますねとか、先輩みたいに笑って言えなくて。「…あんまり言っていると、怒られてしまいますね」、貴方が言うことをやめた言葉を、貴方が口にし直す前にきっと違う言葉に置き換えて…卑怯な自分を許して欲しい。後ろ手に貴方の指先を握って、やっぱり自分はかっこいい王子様にはなれないみたい。「さっき、貴方にならこのまま食べられても良いかなって思ったんです」、自嘲するような、本音を独り言のように呟いて)
御影尋.
アンタ殺しても気持ちよくなさそうだし、今年まだモコモコ服見れてねえし、それに他にもやりたい事いっぱいある、し…、
(指を握り返す。其方が此方の生存を願ってるように、此方も生きて欲しいが彼女にとっては返って重荷となっているのかもしれない。…それでも、エゴでしか無くてもその願いは聞いてやれない、し、叶えたくない。飼い主を背後から抱き締め「前にも言ったろ、ヒロが居ればお願い何でも叶えてくれそうだって。」手に掛けてしまったら触れることもアンタと話も出来なくなるじゃないか。それを思えば殺意も憎悪も我慢出来る…と断言は出来ないが努力はしたい、)
>>アンリマユ
…それでももし、最期の時が来たら、その時は自分の全部を食べてくださいね。
(指先を包んだ熱は優しかった。きっと貴方は、怪物に成り果てても自分を食べたりしないんだろうと思うのだけれど…それでも、抱き締められて初めて、自分が本当は怖かったのだと。ぼたぼたと涙が目から落ちる。怖かった、貴方を傷つけてしまうのではと、仲間に貴方を消すよう指示しなければと思った、貴方が自分を大切にしてくれるように「愛しているんです、アンリマユさん」、貴方が壊れる前に自分を壊してください。森を抜けたいのに、脱力して震える脚が役に立たなくて貴方に縋るしか出来なくて)
御影尋.
………分かった、それがアンタの望みなら。
(此方の想いを知った上で介錯を委ねてくるのだからこれ以上残酷なことはきっとない。お互い相手の気配しかしない程、繋がりが深くなった状態で、片方が欠けても変わらず存在を保てるとは思っていない。心を透明にして飼い主の願いを甘受すると繋いだ手を一旦離して。それから愛してる、と言ってくれた飼い主に「……前から抱き締めたい。」と。こんな時でも同じ言葉は返せないが、体調が元に戻るまで体温に触れていたい。顔を見たい、控えめに両腕を広げて、)
>>アンリマユ
…自分のこと大好きですねぇ、アンリマユさんは
(承諾した貴方の声に、涙を流したまま僅かに笑う。貴方が望まない選択なのだと分かっていても、自分は貴方が良い…だから、いつも通りの告白の返事に聞こえた声に、少しだけ驚いたように振り向いて。顎を伝って落ちていく塩辛い水もそのままに、貴方に手を伸ばして抱き締める…ロックスターみたいだと過去に放った、貴方の知る少女のように強かにもなれない自分は、「…王子様にはなれませんね」と、困ったように呟いて)
御影尋.
マスターは王子様じゃなくて、どっちかっつーと赤ずきんちゃんだろ。因みにグリム童話の方じゃなくて、ペロー版の方な。
(捻くれ者の本心を代弁するような聞き慣れた常套句にいつも通り顔を不満そうに歪ませるが、自ら進んで身を差し出そうとしてくる愚か者には、少しの悪意を込めて上記を。飼い主を抱き締めながら背中から伝わってくる、ヒンヤリとした手の感触に「ところでアンタさあ他にも言うことなぁい?あるよなぁ…?」と。ここに至るまで報告する余裕が無かったとはいえ、自分のことを話さない彼女に含み込めた声色で態とらしく問い掛けて、)
>>アンリマユ
…え、ええと、その
(おばあさんも赤ずきんも助からず、狼の胃の中に。貴方に抱きついたまま目元を雑に拭って、貴方が無事で良かったとか、怖かったとか、色々な感情を飲み込んで、温かい貴方の温度にほっとしていた最中…問いかけに体が揺れる。貴方に向けて言いたいことは言えたから、ここから先は…伝えていないことが多すぎてどれか分からない。「…救急セット、ありがとうございました。早くこの森を抜けましょう、ね」、雑に拭った頬がひりひりする。拒絶する猫のように貴方の肩に手を突っ張って、)
御影尋.
そうじゃなくて、手ぇ冷たいから本調子じゃないんだろ?
(騙されて病院に連れて来られた猫のようになってしまった飼い主にやれやれと肩から力を抜き。そちらから魔力を分けて貰う時はともかくとして、此方から魔力を与える時は苦しいことはしていないはずだ…恐らく。従って彼女が何に対して、そこまで怖がっているのか見当がつかず小首を捻り。少し触れてみたが、手は相変わらず冷たいまま…嫌々をする飼い主に「マスター?」何がそんなに嫌なんだと、そんなニュアンスを込めて問い掛けて、)
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